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43 初お披露目の聖女
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重鎮たちに初めて顔を見せる、大事な“お披露目の場”。
わたしは心の中で、作戦名をそっと唱える。
――名付けて!
「如何にも私は聖女!大作戦」
そしてついでに……
「ついでに妻になりますけどなにか?」も添えて!
まずは衣装、勝負服。
白を基調としたローブは、純度高めの“清浄”仕様。
胸元と袖には金糸で花と水の刺繍が細やかに施されている。
「私、浄化できますけど?」
というオーラを全力で放ってみる。
背中のケープは、エアリアが風魔法を仕込んでくれたおかげで、歩くたびにふわり。
エアリアさん、ナイス!
完璧すぎてちょっと笑いそうになった。
そして、いよいよ入場。
魔王さまに手を取られ、ゆっくりと扉をくぐる。
その瞬間――空気がピリリと張り詰めた。
魔王の隣に立つ、小柄な人間の少女。
そこに視線が一気に集まり、部屋の空気もざわついた。
(よし……作戦開始!)
まずは――
「我が娘の方が可愛いんですけど!?」
という根拠なき親バカマウントを撃破せよ!
さらに――
「人間のくせに魔王の隣って何様!?」
的な敵意を吹き飛ばせ!
魔王さまが一歩、前に出る。
「紹介しよう。――わたしの愛すべき伴侶、聖女・リンだ」
……その瞬間、空気が止まった。
「聖女……だと?」
わたしはみんなをぐるっと見つめ、一礼――しない。
代わりに魔王さまの隣で堂々と立ち、
口角だけほんのわずかに上げた。
そした、微笑みとも無表情ともつかない表情を浮かべる。
顎を少しだけ、上げる。
頭は、下げない。
私は、“ここにいるのが当然”なんですから!
スネク先生の教えを忠実に守る。
下を向いていいのは下々!
あなたは魔王の「妻」
あたまを下げるは周り。
その時、その場にいた魔界の重鎮たちは思っていることをわたしは知らない。
「……なに、この圧」
かつてこの魔王が即位した時の、あの“理不尽な威圧感”に似ている。これは、まるで、頭が高い、控えろと言われているかのようだ。
うーっ、重力が俺たちを蝕んでいく!!
そんなことは知らない私は息を吸い、一歩前へ出る。
「はじめまして。リンと申します」
うっ、視線が痛い。
でも、大丈夫。スネク先生のムチよりはマシです!
わたしは、息を吸い込む。
そして――重力からの、魅了スマイル、発動。
ビーーーーーム!!!
慈愛に満ちた微笑み。
「ここにいて当然」
と語るその表情は、光を纏うように美しく、
まるで――
「あなたたちは、救われます」
と告げるような。
いけーっ!ウンディーネさん直伝聖女パワーだ!
ふわああああああーーー……
その場にいた重鎮の大半が、その瞬間、落ちた。
空気が、完全に支配される。
私は内心ドキドキしながらも、完璧な“聖女の顔”を保っていた。
(よし……第一印象クリア!)
だが、そんなリンのスマイルビームが効かない者もいた。
狸谷宰相だ。
鼻息を荒くして、真っ赤な顔、溢れる尻尾で立ち上がる。
「聞いてませんぞ!! 聖女とはどういうことですか?魔王さま!!」
わなわなと震えるその口調は、怒りをまったく隠していない。
「聖女ということは、我々を“浄化”する力を持っているということ。そんな危険な存在を、魔王の妻に据えるなど……!」
魔王は、にっこりと微笑んだ。
「その通りだ。過去、我々の味方についた聖女はいない。だがね――」
魔王さまはわたしの手を取り、うっとりとした声で言った。
「わたしは、この聖女を愛しているのだ」
……そしてそのまま、わたしの手のひらに口づけ。
思わず、私もまわりもその手をガン見。
(魔王さま!! 手ですけど……それ……ファーストキスなんですけど!!)
叫びそうになるのを、わたしは必死で堪える。
(こ、こらえろ……私っ!)
――こうして、魔界初の聖女による、伝説の“お披露目会”は
ビームと微笑とファーストキス(?)で、堂々幕を開けたのだった。
わたしは心の中で、作戦名をそっと唱える。
――名付けて!
「如何にも私は聖女!大作戦」
そしてついでに……
「ついでに妻になりますけどなにか?」も添えて!
まずは衣装、勝負服。
白を基調としたローブは、純度高めの“清浄”仕様。
胸元と袖には金糸で花と水の刺繍が細やかに施されている。
「私、浄化できますけど?」
というオーラを全力で放ってみる。
背中のケープは、エアリアが風魔法を仕込んでくれたおかげで、歩くたびにふわり。
エアリアさん、ナイス!
完璧すぎてちょっと笑いそうになった。
そして、いよいよ入場。
魔王さまに手を取られ、ゆっくりと扉をくぐる。
その瞬間――空気がピリリと張り詰めた。
魔王の隣に立つ、小柄な人間の少女。
そこに視線が一気に集まり、部屋の空気もざわついた。
(よし……作戦開始!)
まずは――
「我が娘の方が可愛いんですけど!?」
という根拠なき親バカマウントを撃破せよ!
さらに――
「人間のくせに魔王の隣って何様!?」
的な敵意を吹き飛ばせ!
魔王さまが一歩、前に出る。
「紹介しよう。――わたしの愛すべき伴侶、聖女・リンだ」
……その瞬間、空気が止まった。
「聖女……だと?」
わたしはみんなをぐるっと見つめ、一礼――しない。
代わりに魔王さまの隣で堂々と立ち、
口角だけほんのわずかに上げた。
そした、微笑みとも無表情ともつかない表情を浮かべる。
顎を少しだけ、上げる。
頭は、下げない。
私は、“ここにいるのが当然”なんですから!
スネク先生の教えを忠実に守る。
下を向いていいのは下々!
あなたは魔王の「妻」
あたまを下げるは周り。
その時、その場にいた魔界の重鎮たちは思っていることをわたしは知らない。
「……なに、この圧」
かつてこの魔王が即位した時の、あの“理不尽な威圧感”に似ている。これは、まるで、頭が高い、控えろと言われているかのようだ。
うーっ、重力が俺たちを蝕んでいく!!
そんなことは知らない私は息を吸い、一歩前へ出る。
「はじめまして。リンと申します」
うっ、視線が痛い。
でも、大丈夫。スネク先生のムチよりはマシです!
わたしは、息を吸い込む。
そして――重力からの、魅了スマイル、発動。
ビーーーーーム!!!
慈愛に満ちた微笑み。
「ここにいて当然」
と語るその表情は、光を纏うように美しく、
まるで――
「あなたたちは、救われます」
と告げるような。
いけーっ!ウンディーネさん直伝聖女パワーだ!
ふわああああああーーー……
その場にいた重鎮の大半が、その瞬間、落ちた。
空気が、完全に支配される。
私は内心ドキドキしながらも、完璧な“聖女の顔”を保っていた。
(よし……第一印象クリア!)
だが、そんなリンのスマイルビームが効かない者もいた。
狸谷宰相だ。
鼻息を荒くして、真っ赤な顔、溢れる尻尾で立ち上がる。
「聞いてませんぞ!! 聖女とはどういうことですか?魔王さま!!」
わなわなと震えるその口調は、怒りをまったく隠していない。
「聖女ということは、我々を“浄化”する力を持っているということ。そんな危険な存在を、魔王の妻に据えるなど……!」
魔王は、にっこりと微笑んだ。
「その通りだ。過去、我々の味方についた聖女はいない。だがね――」
魔王さまはわたしの手を取り、うっとりとした声で言った。
「わたしは、この聖女を愛しているのだ」
……そしてそのまま、わたしの手のひらに口づけ。
思わず、私もまわりもその手をガン見。
(魔王さま!! 手ですけど……それ……ファーストキスなんですけど!!)
叫びそうになるのを、わたしは必死で堪える。
(こ、こらえろ……私っ!)
――こうして、魔界初の聖女による、伝説の“お披露目会”は
ビームと微笑とファーストキス(?)で、堂々幕を開けたのだった。
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