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蜜色の瞳
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アレックスが魔の森からファントリアの首都ブリリアント・シュロスへと帰還したのは、旅立ってから一年後の事である。
既に、皇帝ファービヒトの戦争に明け暮れている祭り事に、人々は疲れ果てていた。
そんな折、行方不明と噂されていたアレックスが魔の森から生還したと言う吉報が国中を駆け巡った。しかも驚くことに、アレックスが伝説の魔女『黒い魔女』を退け、神々より守護を与えられたと言う尾ひれまで付いた噂は、瞬く間にファントリアの各地の方の有力者のみならず、民達からも熱烈な支持を受けたのだ。
始め、皇帝とそれを取り巻く有力貴族達は、アレックスを反逆者として扱おうと兵を招集したのだが。
『守護を持つアレックス殿下こそ、神に選ばれし者』
と、ブリリアント・シュロスの大神殿においても神託がなされたため、有力貴族も次第にアレックスを認めるようになっていった。
最終的には、皇帝であるファービヒトは、それまで自分のご機嫌伺いをしていた有力貴族達に謀反を起こされ、ブリリアント・シュロス近郊の離宮へと幽閉されてしまったのである。
こうしてアレックスは、誰の血を流すことも、誰一人反対する者もなく新皇帝として迎えられたのである。
(ファービヒトは幽閉されていた離宮で流行病で呆気なく息を引き取った事が、小さな噂として流れた)
アレックスは臨戦状態が続いていた隣国と和議を次々と結び、帝国内での祭り事も滞ることなく行った。その一貫として、隣国から妃を迎えた。アレックスは妃との間に2人の子を授かり、家族を大切にしたい。
そして、彼の両手首に常にある守護と加護から国内だけでなく周辺国からも、『神愛帝』と呼ばれるようになっていった。
そんなアレックスが45歳を迎えた日の事。
皇帝の誕生日は、誰もが城に入り、アレックスの姿を間近で見る事になっていた。国内外は元より、帝国内の至る所から民がアレックスの姿を一目見ようと、毎年長蛇の列となる。アレックスは、城のバルコニーから人々に感謝と労いを込め手を振るのだ。
毎年の様に、アレックスが歓声を受けながら人々に手を振っていたのだが。
ふと、人々の中にいる、2人の男女に目が行った。
1人は全身黒ずくめで、フードを目深にかぶった老婆。もう1人は、深緑色の長い髪に、スラッと背の高い若者であった。
アレックスは、何故か2人から目を離すことが出来ずにいた。すると、フードの奥の老婆の目とアレックスの目が合った・・・
蜜色の瞳
アレックスは、バルコニーから身を乗り出し、
「シェヘラー?!」
アレックスは、呟いた。そして、ハッとして、大きな声で2人の男女の名を叫んだ。
「シェヘラー!、シュテルネン リヒト!!」
まるで、夢でも見ている様に、人目も気にせず、群衆に向かってその名を叫び続ける。
しかし、その声は多くの人々のざわめきでかき消されてしまった。
しかし人々は、アレックスが何かを訴えている姿を見て、歓喜の声を上げる。
『陛下が我らを祝福してくださっている!』
「シェヘラ!!」
アレックスがそう叫ぶたび、大観衆の声がそれをかき消してしまう。
その内、アレックスがあれほど会いたかった2人は、静かに背を向け、群衆の中へと消え去っていったのである。
「シェヘラ!、シェヘラー!」
アレックスは、声が枯れ果てるまでその名を叫び続けた。
既に、皇帝ファービヒトの戦争に明け暮れている祭り事に、人々は疲れ果てていた。
そんな折、行方不明と噂されていたアレックスが魔の森から生還したと言う吉報が国中を駆け巡った。しかも驚くことに、アレックスが伝説の魔女『黒い魔女』を退け、神々より守護を与えられたと言う尾ひれまで付いた噂は、瞬く間にファントリアの各地の方の有力者のみならず、民達からも熱烈な支持を受けたのだ。
始め、皇帝とそれを取り巻く有力貴族達は、アレックスを反逆者として扱おうと兵を招集したのだが。
『守護を持つアレックス殿下こそ、神に選ばれし者』
と、ブリリアント・シュロスの大神殿においても神託がなされたため、有力貴族も次第にアレックスを認めるようになっていった。
最終的には、皇帝であるファービヒトは、それまで自分のご機嫌伺いをしていた有力貴族達に謀反を起こされ、ブリリアント・シュロス近郊の離宮へと幽閉されてしまったのである。
こうしてアレックスは、誰の血を流すことも、誰一人反対する者もなく新皇帝として迎えられたのである。
(ファービヒトは幽閉されていた離宮で流行病で呆気なく息を引き取った事が、小さな噂として流れた)
アレックスは臨戦状態が続いていた隣国と和議を次々と結び、帝国内での祭り事も滞ることなく行った。その一貫として、隣国から妃を迎えた。アレックスは妃との間に2人の子を授かり、家族を大切にしたい。
そして、彼の両手首に常にある守護と加護から国内だけでなく周辺国からも、『神愛帝』と呼ばれるようになっていった。
そんなアレックスが45歳を迎えた日の事。
皇帝の誕生日は、誰もが城に入り、アレックスの姿を間近で見る事になっていた。国内外は元より、帝国内の至る所から民がアレックスの姿を一目見ようと、毎年長蛇の列となる。アレックスは、城のバルコニーから人々に感謝と労いを込め手を振るのだ。
毎年の様に、アレックスが歓声を受けながら人々に手を振っていたのだが。
ふと、人々の中にいる、2人の男女に目が行った。
1人は全身黒ずくめで、フードを目深にかぶった老婆。もう1人は、深緑色の長い髪に、スラッと背の高い若者であった。
アレックスは、何故か2人から目を離すことが出来ずにいた。すると、フードの奥の老婆の目とアレックスの目が合った・・・
蜜色の瞳
アレックスは、バルコニーから身を乗り出し、
「シェヘラー?!」
アレックスは、呟いた。そして、ハッとして、大きな声で2人の男女の名を叫んだ。
「シェヘラー!、シュテルネン リヒト!!」
まるで、夢でも見ている様に、人目も気にせず、群衆に向かってその名を叫び続ける。
しかし、その声は多くの人々のざわめきでかき消されてしまった。
しかし人々は、アレックスが何かを訴えている姿を見て、歓喜の声を上げる。
『陛下が我らを祝福してくださっている!』
「シェヘラ!!」
アレックスがそう叫ぶたび、大観衆の声がそれをかき消してしまう。
その内、アレックスがあれほど会いたかった2人は、静かに背を向け、群衆の中へと消え去っていったのである。
「シェヘラ!、シェヘラー!」
アレックスは、声が枯れ果てるまでその名を叫び続けた。
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