蜜色の瞳のシェヘラ

よしき

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満月の夜__フォルモーントナハト__#(シェヘラザードの視点から)

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  私の名前はシェヘラザード。
  生まれた故郷と同じ、シェヘラザード言います。爵位は、この国では1人しかいない、皇爵姫こうしゃくきを、皇帝から与えられています。父が皇爵だったからだそうです。(皇帝陛下は、腹違いの兄上なんだそうですが、親子ほどの年の差があります。)
  異国の姉上も、私の事を気にかけてくださり、度々お手紙と一緒にプレゼントを贈ってくださいます。
  人々は、『蜜色のシェヘラ』と2つ名で呼びます。私の瞳が母と瓜二つの瞳を持つからでしょう。母は、異国の姫君だったと、召使いのセバス・ダンが教えてくれました。
そして、私の髪は神聖なる銀の髪をしています。これは父譲りの色だそうです。

  しかし、私は父母を知りません。
  父が襲われて、そのまま帰らず。母は私を産み落とした時に、命を落とし。私は父の旧知の侯爵家に2人の召使いと一緒に引き取られました。父母の温もりこそ知りませんが、セバス・ダンと、もう1人の召使いであるルカス・コッホにとても可愛がられて育ちました。
  お陰で、今夜。私は、15歳・・・。
  15歳となれば、女皇爵として社交界へとデビューする・・・はずでした。
  しかし。
  私は、とある神のもとへ誰にも内緒で嫁がねばなりません。
  それは、私が生まれる前から決まっていた事。誰も知らない、私と神様との約束事なのです。
  そして、今夜がその夜なのです。

  私は何度も夢を見ました。
  真っ黒な大きな鳥の夢。
  私と同じ、蜜色の瞳をした黒い鳥の姿をした神の姿・・・

『永き時の果て。が来た。偉大なる王は、神のまなこに出逢った時、神々の元へと誘われるだろう・・・』

と。
   

それが私の事を指しているのかは、わかりませんでしたが。
  私には人とは違う力がある事は、薄々分かっていました。人でないものの言葉がわかるのです。
  多分、父のシュッツ守護持ちの力が関係しているのでしょう。
  だから、庭に立つ巨木ともお話ができました。巨木は、今夜の満月の夜フォルモーントナハトに、森の神が私を迎えに来ると、静かに教えてくれました。それが私の運命なのだと・・・
  だから、心はもう決まっていました。
  神の花嫁となるために、私は生まれていたのだと・・・
  そして、皆が寝静まる夜中を今、私は待っているのでした。
  
  


 
 
 
  
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