丘の上の王様とお妃様

よしき

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丘の上の王様とお妃様 9

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  私は再び夢をみた。天子様の薔薇園の夢...
  そして、温かい温もりを感じたまま、満ち足りた想いで、目が覚めた。
「やっと起きたな?眠り姫。」
  低くて、甘い。耳をムズムズとさせる声が、私を一瞬にして現実に引き戻した。
「お、王さん⁉」
私の顔にキスしそうなくらい近くにあったのは、まごうことなき、王さんの顔であった。
  反射的に起き上がろうとしたが、私の体はびくとも起きあがれない。
「タマちゃんの寝顔が、あまりにも可愛かったから、一晩中抱きしめていたんだ🎵」
  私の頭は、走馬灯の様に昨夜の出来事を思い出した。そして、一番大切な想い...
『王さんが好き』
と、夢見心地になりながらやっと分かった自分の気持ちを。
  急に全身の血が顔に集まったかの様に、私は、顔を赤くした。そしてすぐにハッとして、体の服を確認する。二人とも服は着ている。私は、思わずホッとした。しかし、何故、今のこの状況に至っているのか⁉ 私は、昨晩の出来事を確認しようと眉間にシワをよせた。
「タマちゃんは、本当に飽きないな。放してあげようかと思ったけれど、もう少しこのままでいたいな。」
  そんな私の百面相をクスクスと笑って見ている王さんは、余裕綽々と言った風である。
  私は、はっとした。そうだ、現在私は、王さんの胸の中で抱きしめられているのだ。この状況は、私にとって宜しくない。私は、何とかして、逃げ出そうと体をジタバタト動かしてみる。
「タマちゃん、今さらそんなに暴れてもだめだよ。」
  王さんは、意地悪そうに私に微笑む。私は、必死に王さんの腕をほどこうとしながら、一瞬、朝日に照らせれた王さんの顔をみた。
  そして、改めて間近でみる王さんの顔は、とても綺麗で。私も、暴れることを忘れてしまうほどだった。整った顔は、肌も綺麗で。ハーフの様に目鼻立ちがハッキリしている。特に、何時もは藍色の瞳が、何故かブルーのサファイヤの様にキラキラと輝いて見える。この瞳の色...どこかで見たことのある様な⁉
  私が王さんの顔をマジマジと見つめて、うごかなくなったその瞬間。
  私の唇と王さんの唇が触れあった。
「お...いゃ...」
必死に私は、抵抗しようとしたが、やはり男性の力の前には、女である私の力は無意味だ。
  そして、熱くて甘い...大人のキス。次第に私も抵抗をすることをやめて、王さんを受け入れていった。
『王さんが好き』
その想いに背くことなど...今の私にはできなかった。ただただ、王さんとの甘く優しいキスを受けいれる喜びの方が何倍も嬉しかったから...

  お互いに熱いキスを交わしあった後。王さんは私を抱き締めながら、ゆっくりとベットの上に座った。
  私の頭の中は、王さんへの想いが一杯で。ほとんど麻痺状態となっていた。ただ、王さんの服の上からでも分かる、たくましい胸の中が、これほど安らげる場所だと言うことを想い知らされる。
  更に追い討ちをかけるかの様に、王さんは優しく私に囁きかける。
「タマちゃんが好きだよ。どんなタマちゃんも綺麗で温かい...」
  自分で言うのもなんですが。今までの人生に置いて、ここまでの愛の囁きを聞いたことなどなかった私は、再び顔を赤くする。
「王さん、お願いだから。そんなことを言わないで。恥ずかしい...」
私は、生まれて始めて感じる本物の恋愛感情をどうしていいのか。正直分からない。
「なら、タマちゃんも言ってくれないかな?」
...。
『む、無理です...』
  私が、再び耳まで赤くなって下を向いてしまう。すると
王さんはニヤリと意地悪く笑って、
「俺も言ったのに、タマちゃんが言わないんだったらフェアーじゃないね。もう一度言えるまでキスしようか?」
まるで、好きな子をいじめる男の子の様である。こうなった時の男の子は、相手が嫌がっても意地悪をし続ける...
  渋々。私は、王さんの耳元で囁いた。
「王さんが好きです...」
  王さんは、再び私を強く抱き締めると、
「タマちゃんが好きだー!」
と、もう一度私にキスをした。
  
  こうして、私、木崎珠子は婚約者の王さんと、両想いもとなったのでした。


  

  
  
  
  

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