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第一章・夢から少し遠い場所~イベント設営業~
手動可搬式マテリアルリフト、なんだか格好いいですよね。
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トラスのくみ上げ作業。
その手順はいたって簡単。
最初は長いトラスを床で組み上げ、そこに手動可搬式マテリアルリフト(通称・ジニー)を使って地面より少しだけ浮き上げらせます。
その次は、浮かび上がったトライの下に回り込み、支柱の部分をボルトで接続。
そして再びジニーで持ち上げてから、また支柱を追加する。
支柱の高さはその時のイベントによってまちまちであり、今回の明桜レンタリースの請け負ったトラスの高さは約3メートル。
その下に赤いパンチカーペットというものが敷かれ、そこに車が並べられるそうです。
私たちがトラスをくみ上げた後は、美術専門の業者さんが木工で壁や装飾品を設置し、最後にメーカーの人がやってきて備品の搬入となるようです。
そして私たちの作業はトラスの設営。
これを午前中に仕上げないと午後からの備品搬入と車の納車に間に合わなくなるとかで、全力で作業をしている最中です。
「……ミコシー、こっちにサイコロを二つ持ってきて」
「はい、今持っていきます!!」
インパクトドライバーでトラスを固定している最中の大川さんから、足りない具材を運んできて欲しいという要請があります。
すぐに具材置き場へ移動して、サイコロを持って大川さんのところに移動。
こういう現場では焦りは禁物、そして走ってははいけない。
色々なものが床に落ちていることがあり、迂闊にボルトなんて踏んで滑ったりしたら大惨事になりますから。
「お待たせしました」
「はい、ありがとう……と、あっちも多分、足りなくなると思うから追加で持って行った方がいいよ。さっきここの部分の修正が入っていたから」
図面を広げて、追加の修正部分についての説明を受けます。
「この縦の支柱、300×600のところが300のサイコロ二つに変更になったらしくて。そのかわり、こっちのサイコロ二つのところが300×600に切り替わったから、入れ替えをしておいてくれる?」
「了解です」
トラスの下にウェイトを置く都合とかなんとか。
とにかく、今は具材の入れ替えを急いで行う必要があります。
幸いなことに、うちで必要なトラスの具材は後ろに積んでありますので問題はなし。
別のブースでは、東尾レンタリースというところであったりレンタールという別の業者が具材を運んでいたりととにかく大忙し状態。
他社の具材と混ざらないようにしないとならないから大変です。
「ええっと……300×600の柱と活け替えだから、先にサイコロを持って行って……」
左右一つずつ持ち上げて移動しようとしたとき、別の作業員の人がこちらにやってきました。
見た感じ制服でなく私服っぽい作業着を着ていましたので、アルバイトの人かなぁと推測。
「ここのトラス、持って行っていいですか?」
「ええっと、300×900はこの後使いますけれど、どこに使うやつですか?」
一旦、手を止めてそちらに移動。
するとその作業員もポケットから図面を取り出して指さし確認してくれます。
「ここの殺陣の支柱用だから、急ぎ持って来いって言われたもので」
「ははぁ……って、これ、隣のブースの図面ですよね? 会社が違うから駄目ですよ」
「そうなのか? どうせ同じ具材をこっちでも使っているから大丈夫だろう? あとでこっちで余ったら持ってくるからさ、急いでいるんだし構わないだろう?」
そういいながらある芽トラスを持って行こうと持ち上げましたけれど、それは禁止事項です。
他社の具材と混ざる恐れがあるのと、トラスでもメーカーによって重さが違ったりすることがあるかもしれません。
「ダメですよ、そっちの現場監督に確認してください」
「いいからいいから、急いでもっていかないとどやされるんだよ」
「そんなの知りませんよ、とにかく別のブースに持っていかれると困るのですから」
「うるせぇ女たな、いいから寄越せっていっているだろうが!!」
そう私に向かって怒鳴りつけてから、そのまま力づくで持って行こうとしたとき。
「ん、そこの二人、そこで何をしている!!」
隣のブースの色違いのヘルメットを付けた社員さんがこちらにやってきます。
そして私とトラスを持って行こうとした作業員を見て、もういちど質問を始めました。
「ここで何をしていた? 作業中に怒鳴りあったり喧嘩するな、何をしていたんだ」
「いえ、急いで支柱を持って来いって指示を受けて、それを取りに来て持って行こうとしたらこの女が持っていくなって言い始めて」
「これはうちのブースの具材ですからねもっていかないでって話をしたのに聞いてくれません」
そう説明しますと、社員さんが図面を確認してくれまして。
「……あ、こっちは明桜さんの具材じゃないか。なんでお前は、よその具材を取りに来て偉そうなことを話しているんだ?」
「いえ、うちの具材置き場が遠かったのと、急いで持って来いって怒鳴られたの手近くにあったのを持って行こうとして」
「なるほどなぁ……明桜さん、すまなかったな。こいつはまだ新人なんだが、こっちの監督不行き届きでもある。こいつにはしっかりと言い聞かせておくので、作業に戻ってくれて構わないよ」
あ、社員さんは理解してくれました。
そして頭を下げてくれたので、私も慌てて頭を下げます。
「いえ、それではよろしくお願いします」
「ああ……お前はちょっとこっちにこい……よそ様の具材に手を付けたらどうなるかし理解していないようだからな」
ああ、お説教タイムのようで。
それよりも、急いで具材をもっていかないと……。
きっと私のせいでロスタイムが発生していますよ。
………
……
…
「それじゃあ、いきまーす。いーーーち!!」
どうにか具材を届け終わると、四角く組んだトラスの四方に6台のジニーのリフト部分を接続。
これは手動式で回して持ち上げるタイプなのですが、バランスを取るために四つのジニーを同時に動かす必要があります。
もしも斜めになったりしたら、そこから滑って床に堕ちたり人にぶつける恐れがあるので、ジニーを回す4人の息がぴったりと合っていないとなりません。
□ ・トラス
▲▼・ジニー
▼ ▼
米□□□□□□□□□□□□□□□※
□ □ □ □
□ □ □ □
▼□ □ □ □▲
□ □ □ □
□ □ □ □
米□□□□□□□□□□□□□□□※
▲ ▲
図面では、このような指示になっています。
私はまだジニー初心者であるので、今回は離れた場所で待機。
「連続でいきまーす。いーち、いーち、いーち、いーち」
真ん中で指示をしている明桜レンタリースの工藤さんの掛け声で、どんどんジニーがトラスを持ち上げていきます。
まずは1.2メートルの高さまぢ持ち上げ、角に300のサイコロと900の柱を接続。
そして一旦下げてジニーを抜きますと、1200の高さでまずは一旦終了。
このあとは電気のスタッフの方々がトラスに証明を設置していきます。
これが終わり次第、再びジニーを接続して今度は1500の柱とサイコロを追加、トラスの一番下に支えになる鉄の板を置いてそこに固定して終了だそうです。
「はい、ウィルプラスは一旦休憩です、照明の設置が終わるころに呼び出しますので、それまでは休憩に入ってください」
「はーい」
ここでまずは休憩タイム。
それぞれロビーに移動してお茶を飲んだり喫煙コーナーでタバコを吸ったり。
売店は設営時には空いていませんので、空腹を紛らわすためには近所のコンビニへ向かう必要がありますが。
――プゥ~ン
どこからともなく、カップ麺の香りが漂ってきました。
コンビニで買ってきたのかと思っていたら、トミーさんや伊藤さんがカップ麺片手にベンチに座っていました。
「コンビニに行ってきたのですか」
「いや、そこの自販機で買っただけだよ? ここのカップ麺の自販機ってさ、お湯を入れる機能もあってね。買ってすぐにお湯を入れられるんだよ」
「それにほら、プラのフォークもついているからすぐに食べられるよ……ってあれ」
「ありがとうございます」
買ってすぐにお湯が淹れられる自販機ですと?
そんな面白いものがあるなんで初耳です。
ということでさっそく購入して、湯屋を注いで3分間。
どうかんがえても、あのトラスに照明を設置するのに10分そこらで終わるとは思えません。
「休憩って、どれぐらいですか?」
カップ麺片手にトミーさんたちのところに戻って尋ねますと、時計を確認して。
「1時間……はないか。30分じゃ終わらないだろうからなぁ」
「まあ、30分後に高尾さんに様子を確認して、まだ休憩が続くか聞いてあげるよ。それよりも、早く食べないと覚めるよ?
「はい!!」
時間に余裕があるようなので、ゆつくりと間食タイム。
その後はまっちりとスマホを見たりしながら休憩中。
この時間だと、読みかけのネット小説の続きが見れるのでちょうどいい感じです。
そう思ってのんびりとすまほを眺めていますと。
「ん? ネット小説を読んでいるのか。俺も良く読んでいるんだよなぁ……どんなのを読んでいるの?」
伊藤さんもスマホで小説を読んでいるとは。
まあ、私のはラノベ系ですし、マイナージャンルですから。
「私はこれですよ!!」
そう説明してタイトルを見せると、伊藤さんがうんうんと頷いて一言。
「これかぁ」
「あ、知っているのですか?」
「知っているも何も、これ書いているの中島さんだからね?」
「中島さん……って、うちのアルバイトの?」
「そう」
「あのお禿でおちゃめなおじさんの?」
「そうそう」
「今はぎっくり腰でお休み中の?」
「執筆がはかどるって笑っているんじゃないか?」
「嘘……」
あああ。
このジャンルを書いているのが、まさかお知り合いのお禿なおじさんとは。
「まあ、この文体とかジャンルって考えるとさ。女性作家とか、出来る才女って思う人もいるだろうけれどさ。Twitterでも中島さん、禿げ頭をさらしているからね」
「……はぅあ!!」
い、いけない。
今までとはこの作品の見方が変わってしまいそう。
それよりもサイン貰わないと。
「まあ、才能は人それぞれだからね。それじゃあコンビニいってくるわ」
「はい、いってらっしゃい」
そのままトミーさんと伊藤さんを見送って。
再び小説を読み始めますが。
うん、さっきの爆弾宣言で内容が頭の中に入ってきませんよ。
目が滑ってしまって読書どころではなくなってしまいましたが。
「はあ……家でゆっくりと読もうっと」
そのままTwitterを眺めつつまったりと。
そして休憩時間も無事に終わり、最後の作業を開始します。
といっても今回もジニーでトラスを持ち上げ、支柱を固定してもらって作業は終了。
あとは具材の残りを片付けておしまいです。
指定時間よりも40分は早く終わったので、ブースの業者さんに早めに引き渡せたらしくチェック作業の後、本日の作業は無事に終了です。
イベントは3日間、私たちの仕事は3日後の夕方からの撤去作業。
やることは今日やったことを別回転するだけ。
私も明日明後日は休みなので、ゆっくりできそうですよ。
その手順はいたって簡単。
最初は長いトラスを床で組み上げ、そこに手動可搬式マテリアルリフト(通称・ジニー)を使って地面より少しだけ浮き上げらせます。
その次は、浮かび上がったトライの下に回り込み、支柱の部分をボルトで接続。
そして再びジニーで持ち上げてから、また支柱を追加する。
支柱の高さはその時のイベントによってまちまちであり、今回の明桜レンタリースの請け負ったトラスの高さは約3メートル。
その下に赤いパンチカーペットというものが敷かれ、そこに車が並べられるそうです。
私たちがトラスをくみ上げた後は、美術専門の業者さんが木工で壁や装飾品を設置し、最後にメーカーの人がやってきて備品の搬入となるようです。
そして私たちの作業はトラスの設営。
これを午前中に仕上げないと午後からの備品搬入と車の納車に間に合わなくなるとかで、全力で作業をしている最中です。
「……ミコシー、こっちにサイコロを二つ持ってきて」
「はい、今持っていきます!!」
インパクトドライバーでトラスを固定している最中の大川さんから、足りない具材を運んできて欲しいという要請があります。
すぐに具材置き場へ移動して、サイコロを持って大川さんのところに移動。
こういう現場では焦りは禁物、そして走ってははいけない。
色々なものが床に落ちていることがあり、迂闊にボルトなんて踏んで滑ったりしたら大惨事になりますから。
「お待たせしました」
「はい、ありがとう……と、あっちも多分、足りなくなると思うから追加で持って行った方がいいよ。さっきここの部分の修正が入っていたから」
図面を広げて、追加の修正部分についての説明を受けます。
「この縦の支柱、300×600のところが300のサイコロ二つに変更になったらしくて。そのかわり、こっちのサイコロ二つのところが300×600に切り替わったから、入れ替えをしておいてくれる?」
「了解です」
トラスの下にウェイトを置く都合とかなんとか。
とにかく、今は具材の入れ替えを急いで行う必要があります。
幸いなことに、うちで必要なトラスの具材は後ろに積んでありますので問題はなし。
別のブースでは、東尾レンタリースというところであったりレンタールという別の業者が具材を運んでいたりととにかく大忙し状態。
他社の具材と混ざらないようにしないとならないから大変です。
「ええっと……300×600の柱と活け替えだから、先にサイコロを持って行って……」
左右一つずつ持ち上げて移動しようとしたとき、別の作業員の人がこちらにやってきました。
見た感じ制服でなく私服っぽい作業着を着ていましたので、アルバイトの人かなぁと推測。
「ここのトラス、持って行っていいですか?」
「ええっと、300×900はこの後使いますけれど、どこに使うやつですか?」
一旦、手を止めてそちらに移動。
するとその作業員もポケットから図面を取り出して指さし確認してくれます。
「ここの殺陣の支柱用だから、急ぎ持って来いって言われたもので」
「ははぁ……って、これ、隣のブースの図面ですよね? 会社が違うから駄目ですよ」
「そうなのか? どうせ同じ具材をこっちでも使っているから大丈夫だろう? あとでこっちで余ったら持ってくるからさ、急いでいるんだし構わないだろう?」
そういいながらある芽トラスを持って行こうと持ち上げましたけれど、それは禁止事項です。
他社の具材と混ざる恐れがあるのと、トラスでもメーカーによって重さが違ったりすることがあるかもしれません。
「ダメですよ、そっちの現場監督に確認してください」
「いいからいいから、急いでもっていかないとどやされるんだよ」
「そんなの知りませんよ、とにかく別のブースに持っていかれると困るのですから」
「うるせぇ女たな、いいから寄越せっていっているだろうが!!」
そう私に向かって怒鳴りつけてから、そのまま力づくで持って行こうとしたとき。
「ん、そこの二人、そこで何をしている!!」
隣のブースの色違いのヘルメットを付けた社員さんがこちらにやってきます。
そして私とトラスを持って行こうとした作業員を見て、もういちど質問を始めました。
「ここで何をしていた? 作業中に怒鳴りあったり喧嘩するな、何をしていたんだ」
「いえ、急いで支柱を持って来いって指示を受けて、それを取りに来て持って行こうとしたらこの女が持っていくなって言い始めて」
「これはうちのブースの具材ですからねもっていかないでって話をしたのに聞いてくれません」
そう説明しますと、社員さんが図面を確認してくれまして。
「……あ、こっちは明桜さんの具材じゃないか。なんでお前は、よその具材を取りに来て偉そうなことを話しているんだ?」
「いえ、うちの具材置き場が遠かったのと、急いで持って来いって怒鳴られたの手近くにあったのを持って行こうとして」
「なるほどなぁ……明桜さん、すまなかったな。こいつはまだ新人なんだが、こっちの監督不行き届きでもある。こいつにはしっかりと言い聞かせておくので、作業に戻ってくれて構わないよ」
あ、社員さんは理解してくれました。
そして頭を下げてくれたので、私も慌てて頭を下げます。
「いえ、それではよろしくお願いします」
「ああ……お前はちょっとこっちにこい……よそ様の具材に手を付けたらどうなるかし理解していないようだからな」
ああ、お説教タイムのようで。
それよりも、急いで具材をもっていかないと……。
きっと私のせいでロスタイムが発生していますよ。
………
……
…
「それじゃあ、いきまーす。いーーーち!!」
どうにか具材を届け終わると、四角く組んだトラスの四方に6台のジニーのリフト部分を接続。
これは手動式で回して持ち上げるタイプなのですが、バランスを取るために四つのジニーを同時に動かす必要があります。
もしも斜めになったりしたら、そこから滑って床に堕ちたり人にぶつける恐れがあるので、ジニーを回す4人の息がぴったりと合っていないとなりません。
□ ・トラス
▲▼・ジニー
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米□□□□□□□□□□□□□□□※
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図面では、このような指示になっています。
私はまだジニー初心者であるので、今回は離れた場所で待機。
「連続でいきまーす。いーち、いーち、いーち、いーち」
真ん中で指示をしている明桜レンタリースの工藤さんの掛け声で、どんどんジニーがトラスを持ち上げていきます。
まずは1.2メートルの高さまぢ持ち上げ、角に300のサイコロと900の柱を接続。
そして一旦下げてジニーを抜きますと、1200の高さでまずは一旦終了。
このあとは電気のスタッフの方々がトラスに証明を設置していきます。
これが終わり次第、再びジニーを接続して今度は1500の柱とサイコロを追加、トラスの一番下に支えになる鉄の板を置いてそこに固定して終了だそうです。
「はい、ウィルプラスは一旦休憩です、照明の設置が終わるころに呼び出しますので、それまでは休憩に入ってください」
「はーい」
ここでまずは休憩タイム。
それぞれロビーに移動してお茶を飲んだり喫煙コーナーでタバコを吸ったり。
売店は設営時には空いていませんので、空腹を紛らわすためには近所のコンビニへ向かう必要がありますが。
――プゥ~ン
どこからともなく、カップ麺の香りが漂ってきました。
コンビニで買ってきたのかと思っていたら、トミーさんや伊藤さんがカップ麺片手にベンチに座っていました。
「コンビニに行ってきたのですか」
「いや、そこの自販機で買っただけだよ? ここのカップ麺の自販機ってさ、お湯を入れる機能もあってね。買ってすぐにお湯を入れられるんだよ」
「それにほら、プラのフォークもついているからすぐに食べられるよ……ってあれ」
「ありがとうございます」
買ってすぐにお湯が淹れられる自販機ですと?
そんな面白いものがあるなんで初耳です。
ということでさっそく購入して、湯屋を注いで3分間。
どうかんがえても、あのトラスに照明を設置するのに10分そこらで終わるとは思えません。
「休憩って、どれぐらいですか?」
カップ麺片手にトミーさんたちのところに戻って尋ねますと、時計を確認して。
「1時間……はないか。30分じゃ終わらないだろうからなぁ」
「まあ、30分後に高尾さんに様子を確認して、まだ休憩が続くか聞いてあげるよ。それよりも、早く食べないと覚めるよ?
「はい!!」
時間に余裕があるようなので、ゆつくりと間食タイム。
その後はまっちりとスマホを見たりしながら休憩中。
この時間だと、読みかけのネット小説の続きが見れるのでちょうどいい感じです。
そう思ってのんびりとすまほを眺めていますと。
「ん? ネット小説を読んでいるのか。俺も良く読んでいるんだよなぁ……どんなのを読んでいるの?」
伊藤さんもスマホで小説を読んでいるとは。
まあ、私のはラノベ系ですし、マイナージャンルですから。
「私はこれですよ!!」
そう説明してタイトルを見せると、伊藤さんがうんうんと頷いて一言。
「これかぁ」
「あ、知っているのですか?」
「知っているも何も、これ書いているの中島さんだからね?」
「中島さん……って、うちのアルバイトの?」
「そう」
「あのお禿でおちゃめなおじさんの?」
「そうそう」
「今はぎっくり腰でお休み中の?」
「執筆がはかどるって笑っているんじゃないか?」
「嘘……」
あああ。
このジャンルを書いているのが、まさかお知り合いのお禿なおじさんとは。
「まあ、この文体とかジャンルって考えるとさ。女性作家とか、出来る才女って思う人もいるだろうけれどさ。Twitterでも中島さん、禿げ頭をさらしているからね」
「……はぅあ!!」
い、いけない。
今までとはこの作品の見方が変わってしまいそう。
それよりもサイン貰わないと。
「まあ、才能は人それぞれだからね。それじゃあコンビニいってくるわ」
「はい、いってらっしゃい」
そのままトミーさんと伊藤さんを見送って。
再び小説を読み始めますが。
うん、さっきの爆弾宣言で内容が頭の中に入ってきませんよ。
目が滑ってしまって読書どころではなくなってしまいましたが。
「はあ……家でゆっくりと読もうっと」
そのままTwitterを眺めつつまったりと。
そして休憩時間も無事に終わり、最後の作業を開始します。
といっても今回もジニーでトラスを持ち上げ、支柱を固定してもらって作業は終了。
あとは具材の残りを片付けておしまいです。
指定時間よりも40分は早く終わったので、ブースの業者さんに早めに引き渡せたらしくチェック作業の後、本日の作業は無事に終了です。
イベントは3日間、私たちの仕事は3日後の夕方からの撤去作業。
やることは今日やったことを別回転するだけ。
私も明日明後日は休みなので、ゆっくりできそうですよ。
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