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第一章・夢から少し遠い場所~イベント設営業~
地方遠征と、いつもと同じこと……じゃなかった
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8月下旬。
ウィルプラスの高尾さんから、仕事の電話が届きました。
内容は、一週間連続での現場作業、業務内容は荷下ろしおよび機器の部品設置関係。
いつものシステムや備品搬入ではない仕事の依頼なので、一瞬どうしようかと思案したのですが、長距離手当が付くということなので、喜んで参加。
朝の6時に事務所集合、そこから車で旭川まで。
作業時間は現地10時からの作業開始、午後5時までの7時間です。
なお、休憩1時間は時給計算されません。
ちなみに朝6時に事務所集合だと、交通機関がないため私は家の近くのコンビニで拾ってもらうことになりまして。
「……ほい、おまちどうさま」
「はい、今日はよろしくお願いします」
綾辻さんが車で迎えに来てくれまして、私を拾ってからは高尾さん、そして古田君の二人も途中で合流。
そのまま高速道路にのって旭川までゴーです。
朝早いためまだSAとかは営業していない場所もありますが、途中の休憩を挟んで午前9時には旭川の大型アミューズメント【GO-ROUND】に到着です。
「はぁ……ちなみに今日の作業って、具体的にはどのようなことをするのですか?」
「ここのボーリング場のパネルの交換作業の手伝い。まあ、そんなに難しいことはないっていう話だったから、気楽に構えていていいと思うよ」
「なるほど……」
高尾さんもまだ、詳しい作業内容については聞いていないこと、そしてこの旭川を皮切りに、道内すべての【GO-ROUND】で同じ作業をすることになるらしく、そういう意味で初日の旭川現場は高尾さんも参加したそうです。
「ウィルプラスさんですね、おはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
9時40分ごろ、今日の現場責任者の方がいらっしゃいまして。
ここからは作業内容の説明が始まりました。
とにかく今回の現場は一週間通い続けなくてはならず、私も夏季休講でなければ受けることが出来ませんでした。
「本日は、まずトラックからLEDビジョンのパネルを下ろし、5階のボーリング場まで運びます。それぞれのパネルにはナンバーが振ってありますので、上で待機しているスタッフにそれを告げてください。そのあとは指定された場所にそれを下ろして、また一階に取りに戻ってくるだけです。ウィルプラスさんには、今日はその作業だけをお願いします」
「畏まりました。それで、うちでこれを取り付ける作業はあるのですか?」
「いえ、LEDパネルを金属フレームに設置するのは別業者が担当します。それは今日の深夜に行いますので、ウィルプラスさんの明日からの作業はパネル背部のケーブルなどの配線作業、それと各席に設置されている液晶パネルの調整、あとは……カメラの位置決めなどなど。おおよそ一週間ですべてを終わらせますので、よろしくおねがいします」
ふむふむ。
力仕事は今日の実、明日からは電気関係の配線と……って、えええ、私もそれをやるのですか?
顔には出さないものの、動揺して胸がドキドキしています。
「それでは、ご安全に」
「「「「ご安全に」」」」
さて、さっそく気合が入りました。
そして大型トレーラーが搬入場所まで入ってきますと、後部コンテナ部分の横が開きました。
「あれ、いつもなら後ろのリフトで降ろしますよね」
「違うみたいだねぇ……って、ああ、なるほど」
伊藤さんが状況を理解したらしく、倉庫の方を指さしていますと。
そこからフォークリフトがやって来て、中に収められている木箱を一つずつ下ろしていきます。
それは搬入通路の手前に並べられると、担当の人が木の蓋を開きました。
「ここからは力仕事なので、力自慢二人はこの中のパネルを持ち上げ、横にある台車に乗せてください。残りの二人がそれを押して5階まで運んでください。一つの台車のパネルが二枚乗りますけれど、まあキャスターが付いているので倒れないように気を付けてくれれば大丈夫ですので」
「はい」
「了解しました」
それではさっそく、荷物を下ろすところからスタート。
とはいうものの、私と綾辻さんは台車で運ぶ作業、高尾さんと古田君が箱を下ろして中からパネルを出す作業です。
次々とパネルの入った箱が下ろされ、担当の人が電動ドライバーで木箱を開けてくれます。
あとは力任せに台車の乗せてくれるので。
「はい、一便目、よろしく」
「はい、行きます」
「それでは」
ガラガラガラと台車を押しつつ。
二枚のパネルが崩れないようにベルトで固定していますので、壁につぶつけたりしないように慎重に運んでいきます。
すでに業者さんの方でエレベーターなどの養生は終わっているため、中にぶつけたりしないように慎重に移動するだけ。
そのまま5階のボーリングレーンのある場所に到着しましたが……。
「あ、あれ? まだ営業しているようですけれど」
「そうだねぇ……ちょっと確認してみますか」
綾辻さんが指示を確認するためにスマホを取り出した時。
「あ、こっちこっち、お客さんにぶつからないように注意してね
奥の方のレーンで、手を振って私たちを呼んでいる声が聞こえました。
それによく見ますと、お客さんが使用しているレーンは手前のレーンのみ、奥の半分はお客さんが入っていません。
「あ~なるほど、半分だけ営業して、残りを入れ替えるのか。それで半分が終わったら今度は手前と奥を入れ替えて作業すると」
「凄い……はい、今行きます」
それではさっそく、奥へとパネルの移動。
そしてボックス席のところまで移動しますと、そこからはブルーベニで養生されているレーンの手前まで移動、ここからは手作業化と思っていましたら。
「そのままブルベニの上を押してきて構わないから。ここまで持ってきてくれる?」
「はい!!」
「それじゃあいくよ……ソーレイッ!」
――ゴトッ
小さい段差を押して上がり、そのままボーリングレーンの上を移動。
待機している作業員の方に台車ごと引き渡しますと、また一階へと移動。
そして再びパネルの乗った台車を押して上がり……。
それをひたすら繰り返すだけの一日です。
お昼休憩は近所のパスタ屋さん。北海道ローカルのチェーン店でサーモンとブロッコリーのクリームパスタを食べてから指定された杞憂系場所に移動、あとはすまほを眺めつつのんびりと。
午後からはすでに荷物を下ろし終わっている高尾さんと古田くんも合流して、4人で2台の台車を押してパネルのすべてを搬入しました。
ちなみにここまで終わって時間は16時30分、あぶなく残業に突入するところでした。
「それじゃあ、明日の作業工程の説明をしますので。明日は、あそこにパネルが設置し終わっているので、その背面に周りこんでケーブルを差し込んでいきます。それについては図面を渡しますし、電源は入っていませんので安心してください。あと、途中途中で電源を入れて動作確認はしますけれど、その際は一旦、後ろから出てきてもらいますので」
「「はい」」
「了解です」
「それでは、本日はありがとうございました。また明日、よろしくおねがいします」
「「「「ありがとうございました」」」」
これで本日の作業は完了。
すでに足の筋肉はパンパンですから、かえってシャワーを浴びて湿布のお世話になりそうですね。
そして、明日は寝坊しないようにと心に誓いつつ、綾辻さんの車で帰宅です。
ちなみにですけれど、帰りの栗間の中では高尾さんと古田君の鼾が響いていました。
二人とも爆睡状態でしたよ。
ウィルプラスの高尾さんから、仕事の電話が届きました。
内容は、一週間連続での現場作業、業務内容は荷下ろしおよび機器の部品設置関係。
いつものシステムや備品搬入ではない仕事の依頼なので、一瞬どうしようかと思案したのですが、長距離手当が付くということなので、喜んで参加。
朝の6時に事務所集合、そこから車で旭川まで。
作業時間は現地10時からの作業開始、午後5時までの7時間です。
なお、休憩1時間は時給計算されません。
ちなみに朝6時に事務所集合だと、交通機関がないため私は家の近くのコンビニで拾ってもらうことになりまして。
「……ほい、おまちどうさま」
「はい、今日はよろしくお願いします」
綾辻さんが車で迎えに来てくれまして、私を拾ってからは高尾さん、そして古田君の二人も途中で合流。
そのまま高速道路にのって旭川までゴーです。
朝早いためまだSAとかは営業していない場所もありますが、途中の休憩を挟んで午前9時には旭川の大型アミューズメント【GO-ROUND】に到着です。
「はぁ……ちなみに今日の作業って、具体的にはどのようなことをするのですか?」
「ここのボーリング場のパネルの交換作業の手伝い。まあ、そんなに難しいことはないっていう話だったから、気楽に構えていていいと思うよ」
「なるほど……」
高尾さんもまだ、詳しい作業内容については聞いていないこと、そしてこの旭川を皮切りに、道内すべての【GO-ROUND】で同じ作業をすることになるらしく、そういう意味で初日の旭川現場は高尾さんも参加したそうです。
「ウィルプラスさんですね、おはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
9時40分ごろ、今日の現場責任者の方がいらっしゃいまして。
ここからは作業内容の説明が始まりました。
とにかく今回の現場は一週間通い続けなくてはならず、私も夏季休講でなければ受けることが出来ませんでした。
「本日は、まずトラックからLEDビジョンのパネルを下ろし、5階のボーリング場まで運びます。それぞれのパネルにはナンバーが振ってありますので、上で待機しているスタッフにそれを告げてください。そのあとは指定された場所にそれを下ろして、また一階に取りに戻ってくるだけです。ウィルプラスさんには、今日はその作業だけをお願いします」
「畏まりました。それで、うちでこれを取り付ける作業はあるのですか?」
「いえ、LEDパネルを金属フレームに設置するのは別業者が担当します。それは今日の深夜に行いますので、ウィルプラスさんの明日からの作業はパネル背部のケーブルなどの配線作業、それと各席に設置されている液晶パネルの調整、あとは……カメラの位置決めなどなど。おおよそ一週間ですべてを終わらせますので、よろしくおねがいします」
ふむふむ。
力仕事は今日の実、明日からは電気関係の配線と……って、えええ、私もそれをやるのですか?
顔には出さないものの、動揺して胸がドキドキしています。
「それでは、ご安全に」
「「「「ご安全に」」」」
さて、さっそく気合が入りました。
そして大型トレーラーが搬入場所まで入ってきますと、後部コンテナ部分の横が開きました。
「あれ、いつもなら後ろのリフトで降ろしますよね」
「違うみたいだねぇ……って、ああ、なるほど」
伊藤さんが状況を理解したらしく、倉庫の方を指さしていますと。
そこからフォークリフトがやって来て、中に収められている木箱を一つずつ下ろしていきます。
それは搬入通路の手前に並べられると、担当の人が木の蓋を開きました。
「ここからは力仕事なので、力自慢二人はこの中のパネルを持ち上げ、横にある台車に乗せてください。残りの二人がそれを押して5階まで運んでください。一つの台車のパネルが二枚乗りますけれど、まあキャスターが付いているので倒れないように気を付けてくれれば大丈夫ですので」
「はい」
「了解しました」
それではさっそく、荷物を下ろすところからスタート。
とはいうものの、私と綾辻さんは台車で運ぶ作業、高尾さんと古田君が箱を下ろして中からパネルを出す作業です。
次々とパネルの入った箱が下ろされ、担当の人が電動ドライバーで木箱を開けてくれます。
あとは力任せに台車の乗せてくれるので。
「はい、一便目、よろしく」
「はい、行きます」
「それでは」
ガラガラガラと台車を押しつつ。
二枚のパネルが崩れないようにベルトで固定していますので、壁につぶつけたりしないように慎重に運んでいきます。
すでに業者さんの方でエレベーターなどの養生は終わっているため、中にぶつけたりしないように慎重に移動するだけ。
そのまま5階のボーリングレーンのある場所に到着しましたが……。
「あ、あれ? まだ営業しているようですけれど」
「そうだねぇ……ちょっと確認してみますか」
綾辻さんが指示を確認するためにスマホを取り出した時。
「あ、こっちこっち、お客さんにぶつからないように注意してね
奥の方のレーンで、手を振って私たちを呼んでいる声が聞こえました。
それによく見ますと、お客さんが使用しているレーンは手前のレーンのみ、奥の半分はお客さんが入っていません。
「あ~なるほど、半分だけ営業して、残りを入れ替えるのか。それで半分が終わったら今度は手前と奥を入れ替えて作業すると」
「凄い……はい、今行きます」
それではさっそく、奥へとパネルの移動。
そしてボックス席のところまで移動しますと、そこからはブルーベニで養生されているレーンの手前まで移動、ここからは手作業化と思っていましたら。
「そのままブルベニの上を押してきて構わないから。ここまで持ってきてくれる?」
「はい!!」
「それじゃあいくよ……ソーレイッ!」
――ゴトッ
小さい段差を押して上がり、そのままボーリングレーンの上を移動。
待機している作業員の方に台車ごと引き渡しますと、また一階へと移動。
そして再びパネルの乗った台車を押して上がり……。
それをひたすら繰り返すだけの一日です。
お昼休憩は近所のパスタ屋さん。北海道ローカルのチェーン店でサーモンとブロッコリーのクリームパスタを食べてから指定された杞憂系場所に移動、あとはすまほを眺めつつのんびりと。
午後からはすでに荷物を下ろし終わっている高尾さんと古田くんも合流して、4人で2台の台車を押してパネルのすべてを搬入しました。
ちなみにここまで終わって時間は16時30分、あぶなく残業に突入するところでした。
「それじゃあ、明日の作業工程の説明をしますので。明日は、あそこにパネルが設置し終わっているので、その背面に周りこんでケーブルを差し込んでいきます。それについては図面を渡しますし、電源は入っていませんので安心してください。あと、途中途中で電源を入れて動作確認はしますけれど、その際は一旦、後ろから出てきてもらいますので」
「「はい」」
「了解です」
「それでは、本日はありがとうございました。また明日、よろしくおねがいします」
「「「「ありがとうございました」」」」
これで本日の作業は完了。
すでに足の筋肉はパンパンですから、かえってシャワーを浴びて湿布のお世話になりそうですね。
そして、明日は寝坊しないようにと心に誓いつつ、綾辻さんの車で帰宅です。
ちなみにですけれど、帰りの栗間の中では高尾さんと古田君の鼾が響いていました。
二人とも爆睡状態でしたよ。
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