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第二部・異世界からの侵略編
第41話・悪夢の再来・蘇る災厄
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計画は順調である。
あの方が目覚める日が来るまでに、我々は全てを準備しなくてはならない。
9x19mmパラベラム弾、それが、あなたの命を奪った存在。
そして、それが、我々の敗北を確定した存在。
だが、我々は、負けてなどいない、認めてなどいない。
カール・デーニッツは良くやってくれた。
我々が、総統閣下のご遺体を運び出すまでの時間を作ってくれたのだから。
ご遺体が残っていないと連合軍に知られたならば、卑怯な奴らはしらみ潰しに総統閣下を探すに違いないだろう。
だが、それぐらいのことは、我々にも想定済みであったよ。そのために替え玉を用意し、替え玉の遺体ごと、何もかもが纏めて焼却したのだからな。
それからの歴史は、屈辱に塗れる日々であった。
総統閣下の残した、最後の遺産。
それらを使い、総統閣下の復活のための研究を再開した。
あの時代、どの国の、どの研究家たちも嘲笑し、否定していた分野。
だが、君たちの嘲笑は、我々の武器となった。
やがて、総統閣下は目覚めるだろう。
そのためにも、残された我らは、最後の闘争を始めなくてはならない。
………
……
…
かつて、世界にはオカルト大国と呼ばれていた国が多数存在していた。
もっとも、それはメキシコであったり、チェコであったり、旧ソ連であったりと、幾つもの国が陰で『オカルト大国』と揶揄されていた程度であり、実際に国家レベルでのオカルト研究機関を所有していた国は、表向きには存在していない。
だが、そのオカルトを実際に『軍事利用』するために研究していた国が存在する。
もっとも、その国は今は存在しない。
1945年4月30日。
その国の象徴である国家総督の死がきっかけとなり、その国は大戦で敗北を喫した。
その総督の死体は焼却され、とある場所に埋葬されたものの、ある時代には、掘り返され、再び焼却されたあとに、エルベ川に散骨埋葬されたと記録されている。
その記録が、正しければの話であるが。
一部の狂信者は、彼の不死性を唱える。
その魂は普遍であり、やがて、我らの元に戻るであろうと。
ゆえに、狂信者たちは動き始めた。
彼らの祖国を取り戻すために。
彼らにとって、今のドイツは祖国ではない。
第三帝国こそが、祖国である。
そのためには、邪魔な存在は、全て排除しなくてはならない。
幸いなことに、同志はまだ存在する。
この日のための研究も、続けられていた。
さあ、世界各国の同志たちよ、今こそ、立ち上がる時が来た。
動け、動け、動け
走れ、走れ、走れ
丸々と肥え太った、肉塊どもに粛清を
警告しろ、我々は不変であると
針を穿て、心を支配しろ
彼らは知らない
我らが知識を、人を操る術を得ていることを
今の世界の、複雑怪奇な政治に鉄槌を下せ
見よ、あの巨大な方舟を。
あれこそが、我が総統閣下に相応しいではないか。
さあ、我らが同志たちよ、動くのだ。
あれこそが、我らが第三帝国となるのだ
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
アルゼンチン・チュブ州。
コモドーロ・リバダビア郊外にある屋敷。
その屋敷を中心とした地区が、現在の『ゲーレン機関』が長い時間をかけて準備した本拠地である。
いつの日か、彼らが信奉するアドルフ・ヒトラーは復活する。
その日のために、彼のための世界を作るために、クラウス・ゲーレンと彼の機関は暗躍を続けていた。
自分たちの利にならないものを抹殺し、かつ、ゲーレン機関に必要なものを手に入れるために、各国中枢にで侵略の根を伸ばし、ただひたすらに、時が来るのを待っていた。
「……異世界からの侵攻?」
その日、ゲーレンは機関諜報員の連絡を受けて、一人の人物に会っている。
それは、ここ最近になって巷を騒がせている存在、異世界からの侵略者。
その存在自体は眉唾物ではあるものの、アドルフがオカルトに精通しさまざまな美術などの研究も行っていたことから、一言で否定して良いものではないと理解している。
その上で、ゲーレンは異世界人との接触を行った。
「はい。我々はこの地球とは異なる世界からやって来ました。我が世界は今、滅びの道を進みつつあります。それゆえに、星の住民たちを新たな地へと導いていく必要があるのです」
「それで、この地球を選んだ……ということか」
つまりは、彼らは新たな故郷を求めて侵略してきた。
これは機関にとっても敵である。
「はい。それで、是非ともこちらの機関にも協力をと思い、こうして参った次第です」
「お話になりませんな。我らが悲願は世界統一。そのためには、異世界とやらからやってくる存在など邪魔でしかない。そもそも、我々があなた方に手を貸すという道理もなく、見返りも話されていない。そのよつなことで、何を持って助力するとお考えでしたか?」
「それはこれから。私たちの世界には魔法というものが存在します。これらの中に、死者を蘇生する秘術というものもございまして」
詭弁だ。
そのような世迷言に耳を貸す必要はないとゲーレンは考えるが。
だが、この目の前にある女の言葉が真実であったなら?
それこそ、我らが悲願は達せられるのではないか?
心が揺らぐ。
先ほどまでの言葉、それに対する疑問と憤り。
世界を侵略する存在に手を貸せと?
だが、その先にあるのは総統閣下の復活であるとしたら?
「侵略について……この世界全てを望むのか?」
「まさか。それほどの土地など必要とはしませんわ。それでも。今後のことを考えて世界の半分、それを私たちが支配地域とする。残りはご自由にどうぞ、それもまた、貴方達の主人の願いでは?」
目の前の女の言葉など、どれだけの真実が含まれているのかわからない。
そんなものを信用する必要などないが、ゲーレンの心はすでに、この女の甘言に惑わされている。
「まず、我らが総統閣下を蘇らせる。そこから先は、我等としてもまだ勝手に話を進めることはできない。それならば、我らも話になるとしよう」
主導権は渡さない。
その上で、総統閣下の復活も求める。
こんな言葉など一蹴されるに決まっている。
だが、このラインは譲れないと考えたが。
「それで結構。では、さっそく始めましょう。総統閣下とやらの遺品はありますか? できるなら遺骨、そして彼についての記録。それらがあるのでしたら、あればあるほどに蘇生率は高まりますわよ?」
甘い言葉。
ゲーレンの無理難題にもそう答える女性。
それならば見せてもらおうか。
そう考えたゲーレンは立ち上がると、女性についてくるようにと伝えた。
………
……
…
案内された部屋。
奥の壁には鉤十字の旗、その左右には幾多の書物や不可解な物品。
そして正面の机の向こう、椅子に座っているのは綺麗に磨かれ、そして装飾を施された骸骨。
その身につけているのは、かつてアドルフが来ていた軍服。
そこは第二次世界大戦ドイツのそのままの姿を保っている。
──ザッ!
その机の上で右手を上げて敬礼するゲーレン。
「この部屋には、アドルフ総統がいらっしゃいます。そして、愛用していた衣装や道具、研究データなども全て集められ、ここに安置されています。全ては、蘇った総統のために」
「ふぅん。なかなかに凄いことになっているわね?」
室内を見渡す女性。
その魔力感知能力、そして霊感知術師ににより、アドルフ・ヒトラーはすでに転生し、この世界には存在しないことを理解した。
その上で、彼女はこの遺骨をベースとした、新たなアドルフ・ヒトラーを再生することに決めたのである。
必要なものはある。
愛用したものから、それらの物品に残された記憶を紐解き。
傍で静かに佇むゲーレンの記憶すらこっそりと覗き込み、それらから人工魂を形成する。
──スゥッ
それだけでは足りず、この地に残る人々の魂、アドルフに集まる亡霊おも素材として使用すると、それをアドルフの遺骨へと定着させる。
やがて、白骨だった存在が受肉を始める。
それはみるみるうちに再生を始めると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、壁を振り向く。
鉤十字の旗
それを眺めている間も、女性はアドルフのようなものの再生を続ける。
そして全てを作り終えると、女性はにっこりと微笑んでゲーレンを見る。
彼もまた、目の前で蘇るアドルフの姿を見て歓喜し、涙を流していた。
「ふむ。そこにいるのはゲーレンか。まずは、私が死んでいた間に何が起こっているのか、それを全て説明してもらおうか」
──ザッ
右手を上げて頷くゲーレン。
そのままアドルフは、の口から発せられる言葉を一つ一つ、しっかりと記憶の中に組み込んでいく。
この骨の中に残る、アドルフの記憶の残滓。
それらも全て読み取り自らの記憶として刻みこむ。
ゆっくりと、頭の中の魂の記憶を抽出する。
それを自分の身体の中にある『仮初の脳』へと刷り込んでいくと、ようやく自分の中の個性がアドルフとの融合を開始した。
「うむ、世界の記憶もしっかりと定着したか。そこの女、ご苦労であった」
「いえいえ。私どもは、そちらのゲーレン殿との話し合いにより、貴方を蘇られさえだけですから。それで、私どもの主人からの最後の伝言をお伝えします」
最後の?
先程の話し合いでは、そのようなことはなかったとゲーレンは身構えるが。、アドルフはそれを右手を小さく挙げることで制する。
「構わない。話すが良い」
「それでは……欧州は貴方たちの世界へ。私たちは、アメリカとアジアの半分を。まずは、私たちは日本を落とします」
「好きにしろ。後日、こちらからも使者を送り出す。細かい調整はそのものと行うがよい。今は、新たに帝国を立ち上げる必要がある」
その言葉に満足したのか、女性は頭を下げて部屋から出ていく。
そしてアドルフは、窓に近づき外を見る。
作られた身体。
作られた魂。
刷り込まれた記憶。
それでも、人格はアドルフのものを忠実に読み取り、自身がアドルフとなった。それならば、やることは一つだけ。
それでは、新しい闘争を始めるとしようか。
我が名はアドルフ・ヒトラー・リヴァース。
この肉体に宿った、新たなる存在。
アドルフの記憶を持ち、異世界人により『魔人』として組み替えられた『蘇りし災厄』。
あの方が目覚める日が来るまでに、我々は全てを準備しなくてはならない。
9x19mmパラベラム弾、それが、あなたの命を奪った存在。
そして、それが、我々の敗北を確定した存在。
だが、我々は、負けてなどいない、認めてなどいない。
カール・デーニッツは良くやってくれた。
我々が、総統閣下のご遺体を運び出すまでの時間を作ってくれたのだから。
ご遺体が残っていないと連合軍に知られたならば、卑怯な奴らはしらみ潰しに総統閣下を探すに違いないだろう。
だが、それぐらいのことは、我々にも想定済みであったよ。そのために替え玉を用意し、替え玉の遺体ごと、何もかもが纏めて焼却したのだからな。
それからの歴史は、屈辱に塗れる日々であった。
総統閣下の残した、最後の遺産。
それらを使い、総統閣下の復活のための研究を再開した。
あの時代、どの国の、どの研究家たちも嘲笑し、否定していた分野。
だが、君たちの嘲笑は、我々の武器となった。
やがて、総統閣下は目覚めるだろう。
そのためにも、残された我らは、最後の闘争を始めなくてはならない。
………
……
…
かつて、世界にはオカルト大国と呼ばれていた国が多数存在していた。
もっとも、それはメキシコであったり、チェコであったり、旧ソ連であったりと、幾つもの国が陰で『オカルト大国』と揶揄されていた程度であり、実際に国家レベルでのオカルト研究機関を所有していた国は、表向きには存在していない。
だが、そのオカルトを実際に『軍事利用』するために研究していた国が存在する。
もっとも、その国は今は存在しない。
1945年4月30日。
その国の象徴である国家総督の死がきっかけとなり、その国は大戦で敗北を喫した。
その総督の死体は焼却され、とある場所に埋葬されたものの、ある時代には、掘り返され、再び焼却されたあとに、エルベ川に散骨埋葬されたと記録されている。
その記録が、正しければの話であるが。
一部の狂信者は、彼の不死性を唱える。
その魂は普遍であり、やがて、我らの元に戻るであろうと。
ゆえに、狂信者たちは動き始めた。
彼らの祖国を取り戻すために。
彼らにとって、今のドイツは祖国ではない。
第三帝国こそが、祖国である。
そのためには、邪魔な存在は、全て排除しなくてはならない。
幸いなことに、同志はまだ存在する。
この日のための研究も、続けられていた。
さあ、世界各国の同志たちよ、今こそ、立ち上がる時が来た。
動け、動け、動け
走れ、走れ、走れ
丸々と肥え太った、肉塊どもに粛清を
警告しろ、我々は不変であると
針を穿て、心を支配しろ
彼らは知らない
我らが知識を、人を操る術を得ていることを
今の世界の、複雑怪奇な政治に鉄槌を下せ
見よ、あの巨大な方舟を。
あれこそが、我が総統閣下に相応しいではないか。
さあ、我らが同志たちよ、動くのだ。
あれこそが、我らが第三帝国となるのだ
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
アルゼンチン・チュブ州。
コモドーロ・リバダビア郊外にある屋敷。
その屋敷を中心とした地区が、現在の『ゲーレン機関』が長い時間をかけて準備した本拠地である。
いつの日か、彼らが信奉するアドルフ・ヒトラーは復活する。
その日のために、彼のための世界を作るために、クラウス・ゲーレンと彼の機関は暗躍を続けていた。
自分たちの利にならないものを抹殺し、かつ、ゲーレン機関に必要なものを手に入れるために、各国中枢にで侵略の根を伸ばし、ただひたすらに、時が来るのを待っていた。
「……異世界からの侵攻?」
その日、ゲーレンは機関諜報員の連絡を受けて、一人の人物に会っている。
それは、ここ最近になって巷を騒がせている存在、異世界からの侵略者。
その存在自体は眉唾物ではあるものの、アドルフがオカルトに精通しさまざまな美術などの研究も行っていたことから、一言で否定して良いものではないと理解している。
その上で、ゲーレンは異世界人との接触を行った。
「はい。我々はこの地球とは異なる世界からやって来ました。我が世界は今、滅びの道を進みつつあります。それゆえに、星の住民たちを新たな地へと導いていく必要があるのです」
「それで、この地球を選んだ……ということか」
つまりは、彼らは新たな故郷を求めて侵略してきた。
これは機関にとっても敵である。
「はい。それで、是非ともこちらの機関にも協力をと思い、こうして参った次第です」
「お話になりませんな。我らが悲願は世界統一。そのためには、異世界とやらからやってくる存在など邪魔でしかない。そもそも、我々があなた方に手を貸すという道理もなく、見返りも話されていない。そのよつなことで、何を持って助力するとお考えでしたか?」
「それはこれから。私たちの世界には魔法というものが存在します。これらの中に、死者を蘇生する秘術というものもございまして」
詭弁だ。
そのような世迷言に耳を貸す必要はないとゲーレンは考えるが。
だが、この目の前にある女の言葉が真実であったなら?
それこそ、我らが悲願は達せられるのではないか?
心が揺らぐ。
先ほどまでの言葉、それに対する疑問と憤り。
世界を侵略する存在に手を貸せと?
だが、その先にあるのは総統閣下の復活であるとしたら?
「侵略について……この世界全てを望むのか?」
「まさか。それほどの土地など必要とはしませんわ。それでも。今後のことを考えて世界の半分、それを私たちが支配地域とする。残りはご自由にどうぞ、それもまた、貴方達の主人の願いでは?」
目の前の女の言葉など、どれだけの真実が含まれているのかわからない。
そんなものを信用する必要などないが、ゲーレンの心はすでに、この女の甘言に惑わされている。
「まず、我らが総統閣下を蘇らせる。そこから先は、我等としてもまだ勝手に話を進めることはできない。それならば、我らも話になるとしよう」
主導権は渡さない。
その上で、総統閣下の復活も求める。
こんな言葉など一蹴されるに決まっている。
だが、このラインは譲れないと考えたが。
「それで結構。では、さっそく始めましょう。総統閣下とやらの遺品はありますか? できるなら遺骨、そして彼についての記録。それらがあるのでしたら、あればあるほどに蘇生率は高まりますわよ?」
甘い言葉。
ゲーレンの無理難題にもそう答える女性。
それならば見せてもらおうか。
そう考えたゲーレンは立ち上がると、女性についてくるようにと伝えた。
………
……
…
案内された部屋。
奥の壁には鉤十字の旗、その左右には幾多の書物や不可解な物品。
そして正面の机の向こう、椅子に座っているのは綺麗に磨かれ、そして装飾を施された骸骨。
その身につけているのは、かつてアドルフが来ていた軍服。
そこは第二次世界大戦ドイツのそのままの姿を保っている。
──ザッ!
その机の上で右手を上げて敬礼するゲーレン。
「この部屋には、アドルフ総統がいらっしゃいます。そして、愛用していた衣装や道具、研究データなども全て集められ、ここに安置されています。全ては、蘇った総統のために」
「ふぅん。なかなかに凄いことになっているわね?」
室内を見渡す女性。
その魔力感知能力、そして霊感知術師ににより、アドルフ・ヒトラーはすでに転生し、この世界には存在しないことを理解した。
その上で、彼女はこの遺骨をベースとした、新たなアドルフ・ヒトラーを再生することに決めたのである。
必要なものはある。
愛用したものから、それらの物品に残された記憶を紐解き。
傍で静かに佇むゲーレンの記憶すらこっそりと覗き込み、それらから人工魂を形成する。
──スゥッ
それだけでは足りず、この地に残る人々の魂、アドルフに集まる亡霊おも素材として使用すると、それをアドルフの遺骨へと定着させる。
やがて、白骨だった存在が受肉を始める。
それはみるみるうちに再生を始めると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、壁を振り向く。
鉤十字の旗
それを眺めている間も、女性はアドルフのようなものの再生を続ける。
そして全てを作り終えると、女性はにっこりと微笑んでゲーレンを見る。
彼もまた、目の前で蘇るアドルフの姿を見て歓喜し、涙を流していた。
「ふむ。そこにいるのはゲーレンか。まずは、私が死んでいた間に何が起こっているのか、それを全て説明してもらおうか」
──ザッ
右手を上げて頷くゲーレン。
そのままアドルフは、の口から発せられる言葉を一つ一つ、しっかりと記憶の中に組み込んでいく。
この骨の中に残る、アドルフの記憶の残滓。
それらも全て読み取り自らの記憶として刻みこむ。
ゆっくりと、頭の中の魂の記憶を抽出する。
それを自分の身体の中にある『仮初の脳』へと刷り込んでいくと、ようやく自分の中の個性がアドルフとの融合を開始した。
「うむ、世界の記憶もしっかりと定着したか。そこの女、ご苦労であった」
「いえいえ。私どもは、そちらのゲーレン殿との話し合いにより、貴方を蘇られさえだけですから。それで、私どもの主人からの最後の伝言をお伝えします」
最後の?
先程の話し合いでは、そのようなことはなかったとゲーレンは身構えるが。、アドルフはそれを右手を小さく挙げることで制する。
「構わない。話すが良い」
「それでは……欧州は貴方たちの世界へ。私たちは、アメリカとアジアの半分を。まずは、私たちは日本を落とします」
「好きにしろ。後日、こちらからも使者を送り出す。細かい調整はそのものと行うがよい。今は、新たに帝国を立ち上げる必要がある」
その言葉に満足したのか、女性は頭を下げて部屋から出ていく。
そしてアドルフは、窓に近づき外を見る。
作られた身体。
作られた魂。
刷り込まれた記憶。
それでも、人格はアドルフのものを忠実に読み取り、自身がアドルフとなった。それならば、やることは一つだけ。
それでは、新しい闘争を始めるとしようか。
我が名はアドルフ・ヒトラー・リヴァース。
この肉体に宿った、新たなる存在。
アドルフの記憶を持ち、異世界人により『魔人』として組み替えられた『蘇りし災厄』。
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