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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第143話・まずは情報収集からですね
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一月五日の朝。
私と柚月さん、ノワールさん、そしてクリムゾンさんの4名は、旅行券を使って一路、ガンバナニーワ王国王都へと向かいました。
出現位置は前回と同じ、ドートン川の橋の上。
どうやらここがガンバナニーワの旅行券で移動できる定位置のようです。
そして、いつも通りに私たちが姿を表しても、周辺にいた人々は何も驚くことはありません。
「さて、情報収集といきたいところじゃが、ノワールが戻ってきたのなら、わしは一度、力を回復するためにエセリアルモードに変化するが良いか?」
「エセリアルモード?」
「早い話が、お嬢の指輪の中で体を休めるということじゃよ。ノワールたちが修行に明け暮れている間は、わしはほぼ一睡もせずに守りな達していたからな」
「はわわ、それはすぐにでも体を休めてください。何か力が必要になりましたら、改めて召喚しますので」
「うむ」
満足そうに笑いながら、クリムゾンさんが赤い霧のような姿に変化し、私の指輪の中へと消えていきます。
ゆっくり休んでくださいね、クリムゾンさん。
「それで、クリスっち何受けた依頼って、どんなものだし?」
「それは道すがら説明しますね、実は……」
柚月さんとノワールさんの二人に、今回のガンバナニーワ王国の商業ギルド、ナニワ屋さんから受けた依頼について説明します。
すると、ノワールさんが腕を組んで何か思案しています。
「力尽き心折れそうな勇者……恐らくは東方諸国の聖女がそれに該当するかと思われます。とあるハイエルフは、私たちの故郷でもあるヘスティア王国内にあるハイエルフの隠れ里。そこから齎されたということは、試しの扉を通り抜けた先の旧魔導王国の遺跡かと推測できますけれど……それって、聖女の騎士であったクリムゾンは知っているはずなのですよ?」
「て、確かにそうです。この依頼もクリムゾンさんが受けましたよ! あのークリムゾンさ~ん。ちょっとお話があるのですけれど、よろしいですかぁ~」
指輪に話しかけても、何も反応がありません。
「クリムゾンは寝たばかりだから、半日は起きることはないです。まあ、その間は私が知る限りの情報を説明してあげられると良いのですけれど、流石に私でもわからないことが多すぎまして」
「ん~。大魔導師のあーしからの助言としては、試しの門がある場所はヘスティア王国だけじゃないし。このガンバナニーワの北方にあるロッコウ山脈の手前、そこに広がっているチクペン大森林にもエルフの集落があるので、そこで精霊の旅路っていうエルフの転移門を借りるといいし」
「な、なるほど」
ノワールさんの説明を受けて、柚月さんがさらに補足を加えてくれました。
でも、その説明を聞いてノワールさんがギョッと驚いているのはどうしてでしょうか?
「柚月さん、その話はどこから? ハーバリオスの王家にもこの話は伝わっていないと思いましたけど?」
「まあ、蛇の道は蛇だし、あーしには攻略本があるし」
──ヒュッ
アイテムボックスからでしょうか、柚月さんは自分の魔導書を取り出して私士たちに見せてくれました。
そういえば私も始めてみますね、柚月さんの純白の魔導書。
そして、それをみてまたしても目を丸くするノワールさん。
「……はぁ。なるほど理解しましたわ。確かにその魔導書なら、先ほどの柚月さんの説明ぐらいは書いてありますわね」
「そういうことだし。この魔導書はあーしが継承して、元々あった魔導書と一つになったし」
「へえ、え、えええ? 魔導書って一つになるのですか?」
「師匠から弟子への継承時には、一つにすることができるし。そうやって、師匠は自らの研究結果や知識を、弟子に継承することができるし」
うん、ニシシって嬉しそうに笑っている柚月さん。
気のせいか、以前よりも頼もしく感じます。
「そうなのですか。私は魔術についてはあまり詳しくはないもので。私が知るものは、お母さんから学んだエルフの血で使える魔術程度です。まあ、魔術というよりも呪いというのが正解のようですけれど」
「うん、それでも十分すごいと思うし。それで、今後のスケジュールは?」
「クリムゾンさんが目を覚ましてくれないのでしたら、私たちでどうにかしなくてはなりません。十日までには、なんとしても勇者の秘宝を探し出した入手しなくては!!」
「つまり、まずは近郊のエルフの隠れ里まで向かわなくてはなりませんか。先に商業ギルドに説明をしてからでも遅くはありませんね」
そんなことを話しつつ商業ギルドを目指して歩いています。
やがて商業ギルドに到着しましたけれど、気のせいか、以前のような活気があまり感じられません。
「失礼します……フェイール商店のクリスティナですが、ギルドマスターのルナパークさんに取り次ぎをお願いします」
──ガバッ
受付カウンターで職員さんに話し掛けましたら、いきなり涙目で手を握られました。
「お待ちしていました……急ぎ取り継ぎますので、少々お待ちください。よかった、これでギルド解体は逃れられそうです」
「ギルド解体!! 何があったのですか」
これは聞き捨てなりません。
そう思って問い返しましたら、やつれた顔のルナパークさんがやってきました。
「おお、フェイール殿。この窮地に駆けつけてくれるとは、まさに君は救世主だ」
「あの~、詳しいお話をお願いしてよろしいですか? 私どもといたしましても、事情がわからないことには何をしていいかわかりませんので」
「そ、そうですわね。てわは、こちらへ」
案内されるがままに、私たち3人は応接間へと案内されます。
一体、何が起こったのでしょうか。
私と柚月さん、ノワールさん、そしてクリムゾンさんの4名は、旅行券を使って一路、ガンバナニーワ王国王都へと向かいました。
出現位置は前回と同じ、ドートン川の橋の上。
どうやらここがガンバナニーワの旅行券で移動できる定位置のようです。
そして、いつも通りに私たちが姿を表しても、周辺にいた人々は何も驚くことはありません。
「さて、情報収集といきたいところじゃが、ノワールが戻ってきたのなら、わしは一度、力を回復するためにエセリアルモードに変化するが良いか?」
「エセリアルモード?」
「早い話が、お嬢の指輪の中で体を休めるということじゃよ。ノワールたちが修行に明け暮れている間は、わしはほぼ一睡もせずに守りな達していたからな」
「はわわ、それはすぐにでも体を休めてください。何か力が必要になりましたら、改めて召喚しますので」
「うむ」
満足そうに笑いながら、クリムゾンさんが赤い霧のような姿に変化し、私の指輪の中へと消えていきます。
ゆっくり休んでくださいね、クリムゾンさん。
「それで、クリスっち何受けた依頼って、どんなものだし?」
「それは道すがら説明しますね、実は……」
柚月さんとノワールさんの二人に、今回のガンバナニーワ王国の商業ギルド、ナニワ屋さんから受けた依頼について説明します。
すると、ノワールさんが腕を組んで何か思案しています。
「力尽き心折れそうな勇者……恐らくは東方諸国の聖女がそれに該当するかと思われます。とあるハイエルフは、私たちの故郷でもあるヘスティア王国内にあるハイエルフの隠れ里。そこから齎されたということは、試しの扉を通り抜けた先の旧魔導王国の遺跡かと推測できますけれど……それって、聖女の騎士であったクリムゾンは知っているはずなのですよ?」
「て、確かにそうです。この依頼もクリムゾンさんが受けましたよ! あのークリムゾンさ~ん。ちょっとお話があるのですけれど、よろしいですかぁ~」
指輪に話しかけても、何も反応がありません。
「クリムゾンは寝たばかりだから、半日は起きることはないです。まあ、その間は私が知る限りの情報を説明してあげられると良いのですけれど、流石に私でもわからないことが多すぎまして」
「ん~。大魔導師のあーしからの助言としては、試しの門がある場所はヘスティア王国だけじゃないし。このガンバナニーワの北方にあるロッコウ山脈の手前、そこに広がっているチクペン大森林にもエルフの集落があるので、そこで精霊の旅路っていうエルフの転移門を借りるといいし」
「な、なるほど」
ノワールさんの説明を受けて、柚月さんがさらに補足を加えてくれました。
でも、その説明を聞いてノワールさんがギョッと驚いているのはどうしてでしょうか?
「柚月さん、その話はどこから? ハーバリオスの王家にもこの話は伝わっていないと思いましたけど?」
「まあ、蛇の道は蛇だし、あーしには攻略本があるし」
──ヒュッ
アイテムボックスからでしょうか、柚月さんは自分の魔導書を取り出して私士たちに見せてくれました。
そういえば私も始めてみますね、柚月さんの純白の魔導書。
そして、それをみてまたしても目を丸くするノワールさん。
「……はぁ。なるほど理解しましたわ。確かにその魔導書なら、先ほどの柚月さんの説明ぐらいは書いてありますわね」
「そういうことだし。この魔導書はあーしが継承して、元々あった魔導書と一つになったし」
「へえ、え、えええ? 魔導書って一つになるのですか?」
「師匠から弟子への継承時には、一つにすることができるし。そうやって、師匠は自らの研究結果や知識を、弟子に継承することができるし」
うん、ニシシって嬉しそうに笑っている柚月さん。
気のせいか、以前よりも頼もしく感じます。
「そうなのですか。私は魔術についてはあまり詳しくはないもので。私が知るものは、お母さんから学んだエルフの血で使える魔術程度です。まあ、魔術というよりも呪いというのが正解のようですけれど」
「うん、それでも十分すごいと思うし。それで、今後のスケジュールは?」
「クリムゾンさんが目を覚ましてくれないのでしたら、私たちでどうにかしなくてはなりません。十日までには、なんとしても勇者の秘宝を探し出した入手しなくては!!」
「つまり、まずは近郊のエルフの隠れ里まで向かわなくてはなりませんか。先に商業ギルドに説明をしてからでも遅くはありませんね」
そんなことを話しつつ商業ギルドを目指して歩いています。
やがて商業ギルドに到着しましたけれど、気のせいか、以前のような活気があまり感じられません。
「失礼します……フェイール商店のクリスティナですが、ギルドマスターのルナパークさんに取り次ぎをお願いします」
──ガバッ
受付カウンターで職員さんに話し掛けましたら、いきなり涙目で手を握られました。
「お待ちしていました……急ぎ取り継ぎますので、少々お待ちください。よかった、これでギルド解体は逃れられそうです」
「ギルド解体!! 何があったのですか」
これは聞き捨てなりません。
そう思って問い返しましたら、やつれた顔のルナパークさんがやってきました。
「おお、フェイール殿。この窮地に駆けつけてくれるとは、まさに君は救世主だ」
「あの~、詳しいお話をお願いしてよろしいですか? 私どもといたしましても、事情がわからないことには何をしていいかわかりませんので」
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一体、何が起こったのでしょうか。
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