13 / 13
プロポーズ
しおりを挟む
では、今回は今日子の恋人話続編である。
35歳になった今日子は、人生で初の恋人を得た。
仮に、彼を貴司としておこう。
今日子も変わり者ではあるが、貴司も別の意味で、変わり者であった。
年齢は今日子と同じで、見た目は立派なオッサンなのだが、中身は恋に恋する男の子。
今まで相当モテなかったんだろうな…と、自分の事は棚に上げて、今日子は思ったものである。
そう、貴司は一昔前の少女漫画のようなシュチエーションが大好きであった。
夕日の沈む海辺での告白。
夜景が見えるレストランでのクリスマスディナー。
誕生日に真っ赤な薔薇の花束。
ロマンティックな雰囲気を作り出そうとしては、いつも今日子を別の意味で笑わせてくれた。
今日子は意外に現実主義者で、そういったベタな場面でウットリする事はなかったのだ。
しかし、交際が進むにつれ、貴司も今日子の性格を把握するようになり、ロマンティックなディナーは、次第に焼き肉屋やラーメン屋へと移行していった。
そうして、お互いがお互いに慣れた交際2年目のある日の事である。
貴司は突然、みなとみらいに行こうと、今日子を誘った。
「みなとみらいのどこで、何をするの?」
そういった今日子の質問には、一切答えなかった。
貴司はみなとみらいの中心部から、少し外れた草原に今日子を連れて行った。
そこに、小さい小屋のようなものが建っていた。
(なんじゃ、ここは?)
不思議に思って、中に入ると、係員と思しき男性に搭乗手続きを求められた。
「は?」
そこはヘリポートだった。
貴司はヘリから、みなとみらいの夜景を見せたかったのである。
上空からの夜景は、例えようもないほど美しかった。
これには、今日子も感動した。
そして、ほとんどお互いの会話の聴き取れないヘリの中で、貴司は今日子の左手とり、その薬指に指輪をはめた。
無言のプロポーズであった。
「バカな男だね~結婚申し込むのに、いくらかけてんの!」
ヘリから降りた今日子の言葉は、単なる照れ隠し以外の何物でもなかった。
35歳になった今日子は、人生で初の恋人を得た。
仮に、彼を貴司としておこう。
今日子も変わり者ではあるが、貴司も別の意味で、変わり者であった。
年齢は今日子と同じで、見た目は立派なオッサンなのだが、中身は恋に恋する男の子。
今まで相当モテなかったんだろうな…と、自分の事は棚に上げて、今日子は思ったものである。
そう、貴司は一昔前の少女漫画のようなシュチエーションが大好きであった。
夕日の沈む海辺での告白。
夜景が見えるレストランでのクリスマスディナー。
誕生日に真っ赤な薔薇の花束。
ロマンティックな雰囲気を作り出そうとしては、いつも今日子を別の意味で笑わせてくれた。
今日子は意外に現実主義者で、そういったベタな場面でウットリする事はなかったのだ。
しかし、交際が進むにつれ、貴司も今日子の性格を把握するようになり、ロマンティックなディナーは、次第に焼き肉屋やラーメン屋へと移行していった。
そうして、お互いがお互いに慣れた交際2年目のある日の事である。
貴司は突然、みなとみらいに行こうと、今日子を誘った。
「みなとみらいのどこで、何をするの?」
そういった今日子の質問には、一切答えなかった。
貴司はみなとみらいの中心部から、少し外れた草原に今日子を連れて行った。
そこに、小さい小屋のようなものが建っていた。
(なんじゃ、ここは?)
不思議に思って、中に入ると、係員と思しき男性に搭乗手続きを求められた。
「は?」
そこはヘリポートだった。
貴司はヘリから、みなとみらいの夜景を見せたかったのである。
上空からの夜景は、例えようもないほど美しかった。
これには、今日子も感動した。
そして、ほとんどお互いの会話の聴き取れないヘリの中で、貴司は今日子の左手とり、その薬指に指輪をはめた。
無言のプロポーズであった。
「バカな男だね~結婚申し込むのに、いくらかけてんの!」
ヘリから降りた今日子の言葉は、単なる照れ隠し以外の何物でもなかった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる