俺のオヤジはビジュアル系です。

ひよく

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将太

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予備校の授業を終えて、俺が家に帰った時、オヤジはまだ帰宅していなかった。
特別、気にすることでもないので、俺は適当に夕飯を済ませて、受験生らしく、机に向かった。
しばらくすると、チャイムが鳴った。
眠たそうなオヤジを連れたGINJIさんだった。

「ただいま~」
オヤジはそれだけ言って、自分の部屋に行ってしまった。

「GINJIさん、すみません。送っていただいて。飲んでたんですか?」
「いや、酒は入っていないんだが、眠たいみたいだな。昨日はあんまり寝れなかったとかで」

昨日は俺も寝れないでいたけれど、偶然か?

「GINJIさん、お茶でも飲んでいってくださいよ」
「いや、遠慮しておくよ。勉強の邪魔しちゃ悪いからな」

GINJIさんはそう言ったけれど、俺は半ば強引に引き留めた。
何となく、GINJIさんと話したい気分だったのだ。
「そんな事、言わないで。俺もちょっと息抜きしたいと思っていたところなんですよ」
「それじゃ、ちょっとだけいただこうかな」

GINJIさんにコーヒーを淹れて、俺も向かいに座った。
「ありがとう、将太くん。」
「いえ」
「将太くんも、来年は大学生か…」
GINJIさんは感慨深く呟いた。
「受かれば大学生ですけど、落ちたら浪人生っすよ」
浪人生の可能性のほうが、ちょっと高いかも…。
「それでも、律子さんは喜んでくれるよ」
突然、GINJIさんの口から、死んだオフクロの名前が出てきて、ちょっと驚いた。
オヤジはいつも'将太のママ'という言い方をするから、名前を言われたのは久々だ。
「GINJIさん、俺の母親、知っていたんですか?」
それを訊くと、GINJIさんはちょっと困ったような顔をした。
「う~ん、知らないわけじゃないな」
ちょっと意外だった。
「実のお父さんだって、どこかで将太くんが無事に成長するのを願ってくれていると思うよ」
GIJNJIさんは、さらに意外なことを言ってきた。
実父なんて、俺は存在すら忘れているからだ。
「あの、もしかしてGINJIさんって、俺の実の父親も知っているんですか!?」
そういうと、GINJIさんは「しまった!」というような顔をした。
「いや~流石にそれはないな!さぁて、そろそろ遅くなってきたし、お暇しようかな」
GINJIさんはそう言って、そそくさと帰って行ってしまった。
明らかに怪しかった。

GINJIさんは、俺の実父を知っているのか?
興味はあったが、考えないようにした。
俺をここまで育てたのは、頼介だ。
そう思ったからだ。
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