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薄暗い一室
しおりを挟む月明かりのみが街を照らす。
外には人がおらず本来なら活気溢れる声が聞こえてくるべき商店街も今は息を潜め次の開店を待っている。
微かな風が旗を揺らす。
ただそれだけでも音として認識できるほど静かな夜。
人々も朝からの仕事のため休息をとるためベッドで寝静まっている頃
一室だけが月明かり以外の明かりが灯っていた。
その部屋は人が住むのに必要であろう物を最低限しか揃えてはおらず生活をしているのかもわからないぐらい新品であり整理がされている。
ただの1箇所は除いて。
「本当にこれでいいのか?」
「問題はない。むしろ何故君がそこまで心配をしているのか私には微塵も分からないのだが教えてはくれないか。」
二人の男性が明かりがついたランプを前にしている。
1人は乱雑に置かれた本が所狭しとある机に腰掛けており、もう1人はその机とセットなのだろう椅子に座っていた。
「あんたの疑問を解決する必要はないはずさ。だいたいそんな事を知っていったい何になる。」
椅子に座っていた1人が話す。
小柄でやせ細っており。目にはくまが出来てはいるがその顔はとても整っておりきちんとした生活をおくれば女性からのアプローチはひっきりなしにあっに違いないが今はそれ所ではないといったような酷く疲れた顔をしていた。
「学者とは常に答えを求めるものさ。たとえそこに答えがないとわかっていてもね。答えがないのが答えと理解するために。」
机に座っている1人はは胸ポケットから1本のタバコを取り出し乱雑に置かれた本の隙間からそこにあると知っていたかのように迷いなく手を入れマッチ箱を掴んだ。
もう1人とは違い長身で外見も気にするのか衣服にはシワ一つなく一つ一つの動作が洗礼されており場所が違えば貴族の方とも思わせる程に優雅である。また、顔立ちも良いがどこか憂いを帯びたそんな雰囲気を纏っている。
「はいはい、わかったわかった。時間がないんだから始めるぞ」
「心配はいらないさ。これが完成すれば時間なんていくらでも手に入る。そう、それこそ永遠に」
二人の会話は静寂な街に何一つ残すことなく消えていった。
月明かりが街を照らす。ただそれだけの何も変わらない日常がそこには存在していた。
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