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3.新兵器
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僕はアーチャから受け取った四角い容器にストローを刺し飲んでみた。一口飲んでみる。
……何だこれ、味が全くしない。
「どう?美味しいでしょ。特別配給のヨーグルトよ。私の貴重な配給分を譲ったんだから、もっと感謝して欲しいもんだわ」
「あ、ごめん。どうもありがとう」
慌てて繕い、もう一度飲んでみる。やっぱり味がしない。これがヨーグルト? ヨーグルトはもっとこう……あれ……ヨーグルトってどんな味だっけ。
これもアーチャの言っていた記憶障害か。味覚障害も併発してるのかな。
「嘘よ、嘘。このヨーグルトは保管庫からくすねた物。気にしなくていいわ」
アーチャは可笑しそうに笑って僕をみている。本当に何がそんなにおかしいのだろう。
「ホント、貴方の相手をしてるとこっちが罪悪感に苛まれるわ」
一体どう言う意味だろう。僕はそんなに天使のような表情をしていたのだろうか。
「兎に角、ビルスクル側が開発した新兵器ってのが超強力で、何だと思う? 」
「うーんと、戦闘機とか? 」
「なに?戦闘機って?」
アーチャがこちらを真顔で見ている。
「空を高速で飛ぶ飛行機だよ。ミサイルや機銃を打つんだ。ステルス機能を搭載してるのも最近流行りだよね」
「飛行機?ステルス?一体何のこと? 」
やはりアーチャは真顔で聞いている。飛行機や戦闘機を知らないと言った具合だ。話がややこしくなりそうなので、僕は降参して聞いて見ることにした。
「じやあ分からないな。アーチャ、新兵器って何? 」
「爆弾よ爆弾。それもいきなり前触れもなく飛んで来て、物凄い大きな火の海を作るの。名将名高いヴェスパー隊長率いる総勢一万二千の兵力が、一瞬で壊滅したわ。」
「一瞬で? 」
「そう、一瞬で。唯一生き延びた生存者によると、音も無く飛んで来た一発の爆弾が炸裂しただけで周りは火の海だったそうよ。その爆弾は最初に物凄い閃光を放って、その後に熱線が周りを包んだらしいわ。その人が気がつくと、周りはおびただしい味方の死体で埋め尽くされていた。必死に掻き分けて、死にものぐるいで帰って来たけど、火傷が酷くてその人、直ぐに亡くなったわ」
「核爆弾だ……」
「え、何? 」
僕は慌てて口をつぐんだ。
「い、いや。何でもない。そんな兵器聞いたことないな」
アーチャは僕の目をじっと見つめている。
「やっぱり、一部の記憶機能に障害が出てるわね、ヴェスパー隊の悲劇を忘れているだなんて」
アーチャは再び銀色に光る器具を取り出して僕に向けた。
「おかしいわね、機能に異常なしだわ」
アーチャはとても不思議そうに僕の顔を見ていた。
……何だこれ、味が全くしない。
「どう?美味しいでしょ。特別配給のヨーグルトよ。私の貴重な配給分を譲ったんだから、もっと感謝して欲しいもんだわ」
「あ、ごめん。どうもありがとう」
慌てて繕い、もう一度飲んでみる。やっぱり味がしない。これがヨーグルト? ヨーグルトはもっとこう……あれ……ヨーグルトってどんな味だっけ。
これもアーチャの言っていた記憶障害か。味覚障害も併発してるのかな。
「嘘よ、嘘。このヨーグルトは保管庫からくすねた物。気にしなくていいわ」
アーチャは可笑しそうに笑って僕をみている。本当に何がそんなにおかしいのだろう。
「ホント、貴方の相手をしてるとこっちが罪悪感に苛まれるわ」
一体どう言う意味だろう。僕はそんなに天使のような表情をしていたのだろうか。
「兎に角、ビルスクル側が開発した新兵器ってのが超強力で、何だと思う? 」
「うーんと、戦闘機とか? 」
「なに?戦闘機って?」
アーチャがこちらを真顔で見ている。
「空を高速で飛ぶ飛行機だよ。ミサイルや機銃を打つんだ。ステルス機能を搭載してるのも最近流行りだよね」
「飛行機?ステルス?一体何のこと? 」
やはりアーチャは真顔で聞いている。飛行機や戦闘機を知らないと言った具合だ。話がややこしくなりそうなので、僕は降参して聞いて見ることにした。
「じやあ分からないな。アーチャ、新兵器って何? 」
「爆弾よ爆弾。それもいきなり前触れもなく飛んで来て、物凄い大きな火の海を作るの。名将名高いヴェスパー隊長率いる総勢一万二千の兵力が、一瞬で壊滅したわ。」
「一瞬で? 」
「そう、一瞬で。唯一生き延びた生存者によると、音も無く飛んで来た一発の爆弾が炸裂しただけで周りは火の海だったそうよ。その爆弾は最初に物凄い閃光を放って、その後に熱線が周りを包んだらしいわ。その人が気がつくと、周りはおびただしい味方の死体で埋め尽くされていた。必死に掻き分けて、死にものぐるいで帰って来たけど、火傷が酷くてその人、直ぐに亡くなったわ」
「核爆弾だ……」
「え、何? 」
僕は慌てて口をつぐんだ。
「い、いや。何でもない。そんな兵器聞いたことないな」
アーチャは僕の目をじっと見つめている。
「やっぱり、一部の記憶機能に障害が出てるわね、ヴェスパー隊の悲劇を忘れているだなんて」
アーチャは再び銀色に光る器具を取り出して僕に向けた。
「おかしいわね、機能に異常なしだわ」
アーチャはとても不思議そうに僕の顔を見ていた。
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