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第二話……「…………」
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「…………」
次の日、ホームルームが終わり、放課後になると、天川くんは私を数秒ほど見つめてきた。また一緒に帰りたいのかな。
しかし、こんなに人が残っている中で一緒に帰ってしまうと、私達が陰キャにもかかわらず、まるで付き合っているかのような噂が、あっという間に広がってしまう。
ここは一つ、試してみよう。
私は黙って立ち上がると、そのまま下校するようにバッグを持って、天川くんより先に教室を出た。
実際に下校するのではない。四階の図書室に向かおうとしたのだ。
私は振り返ることもなく階段を登り、図書室に入ると、一番奥の席に座った。
その数秒後、天川くんが向かいの席に座った。やっぱり付いて来たか。
「…………」
そして、私達は無言で勉強を始めた。
何となくだけど、家で勉強するより捗る気がする。
どうせ友達もいないし、期末テストに向けて、ここで毎日勉強でもしようかな。
中間テストは終わったばっかりで、四百人中、百位で微妙だったし、次は本気を出して、十位以内を目標に……
って、アイドルになるなら、勉強はそんなにしなくてもいいんだよなぁ……。
知能派アイドルは、あまり好まれないし。やっぱり、愛嬌こそ最強だからね。
私は男性アイドルだけじゃなく、女性アイドルにも詳しいのだ。研究のために色々調べたということでもある。
面接オーディションにさえ進めれば、私の愛嬌をアピールできるのになぁ。そしたら、その場で、『君は合格決定! 即契約締結! もちろん無期限契約ね!』……ってならないかなぁ。
そんなことを合間に考えながら勉強していると、早くも図書室を閉める時間になってしまった。
早すぎる!
私が勉強道具を片付け始めると、天川くんも続いて片付け始めた。やっぱりそうなるよね。
そして、昨日と同じく、私達は一緒に帰った。もちろん、駅前で別れるまで無言だった。
「気の迷いで、図書室まで付き合うかなぁ。完全にガチ恋だよ」
昨日と同様に、このことをお姉ちゃんに話すと、天川くんの気持ちを勝手に代弁してきた。
「珍しがってるだけじゃない? だって、話しかけてもこないんだよ。『おもしれー男』どころか、第三者から見たら、『キモこえー男』になっちゃってるよ」
「あ、そういう言い方をしたってことは、ここねは別に天川くんを不気味だとは思ってないんだ。それって、まんざらでもないってことだ」
「不思議な人ではあるけど、怖くはないかな。すぐに時間が過ぎるからっていうのもある。そういう意味では、一緒に帰ることを断る理由がないんだよね。アイドルとしては問題だけど、手を繋いでるわけでもないし、勝手に付いて来る変質者ってことにすればいいから」
「うわぁ……、天川くんが可哀想。ある時、ストーカーに変貌して刺されちゃうかもよ。対応には気を付けないと」
「お姉ちゃんはどうしてたの? モテまくりだったし、今でもそうでしょ?」
「『誰とも付き合う気はない。妹一筋』って公言してたから、大丈夫だったよ。少しでも気を持たせちゃうとダメだから」
「じゃあ、私は手遅れじゃん。いや、でもまだ天川くんが私のことを好きと決まったわけじゃないから分からないか。それに、このまま無言でいれば、私に飽きるかもしれないから、とりあえず、このままにしてみる」
「ここねがそう言うならいいよ。でも、何かあったらすぐに私に相談してね」
「うん、ありがとう、お姉ちゃん」
「じゃあ、そのお礼として、今日も一緒に気持ち良くなろうか」
「お姉ちゃん、それは詐欺って言うんだよ」
「ここねだって、いつも私におっぱい触りたいって言って、いきなり下半身を触るくせに」
「それはサプライズだから!」
そして、いつも通り私達はお風呂に入ってから、眠りについた。
それから二週間。私と天川くんは、一緒に帰り続けたが、ついに天川くんから、『それじゃあ、バイバイ』以外の言葉を『聞くことになる』のだった。
次の日、ホームルームが終わり、放課後になると、天川くんは私を数秒ほど見つめてきた。また一緒に帰りたいのかな。
しかし、こんなに人が残っている中で一緒に帰ってしまうと、私達が陰キャにもかかわらず、まるで付き合っているかのような噂が、あっという間に広がってしまう。
ここは一つ、試してみよう。
私は黙って立ち上がると、そのまま下校するようにバッグを持って、天川くんより先に教室を出た。
実際に下校するのではない。四階の図書室に向かおうとしたのだ。
私は振り返ることもなく階段を登り、図書室に入ると、一番奥の席に座った。
その数秒後、天川くんが向かいの席に座った。やっぱり付いて来たか。
「…………」
そして、私達は無言で勉強を始めた。
何となくだけど、家で勉強するより捗る気がする。
どうせ友達もいないし、期末テストに向けて、ここで毎日勉強でもしようかな。
中間テストは終わったばっかりで、四百人中、百位で微妙だったし、次は本気を出して、十位以内を目標に……
って、アイドルになるなら、勉強はそんなにしなくてもいいんだよなぁ……。
知能派アイドルは、あまり好まれないし。やっぱり、愛嬌こそ最強だからね。
私は男性アイドルだけじゃなく、女性アイドルにも詳しいのだ。研究のために色々調べたということでもある。
面接オーディションにさえ進めれば、私の愛嬌をアピールできるのになぁ。そしたら、その場で、『君は合格決定! 即契約締結! もちろん無期限契約ね!』……ってならないかなぁ。
そんなことを合間に考えながら勉強していると、早くも図書室を閉める時間になってしまった。
早すぎる!
私が勉強道具を片付け始めると、天川くんも続いて片付け始めた。やっぱりそうなるよね。
そして、昨日と同じく、私達は一緒に帰った。もちろん、駅前で別れるまで無言だった。
「気の迷いで、図書室まで付き合うかなぁ。完全にガチ恋だよ」
昨日と同様に、このことをお姉ちゃんに話すと、天川くんの気持ちを勝手に代弁してきた。
「珍しがってるだけじゃない? だって、話しかけてもこないんだよ。『おもしれー男』どころか、第三者から見たら、『キモこえー男』になっちゃってるよ」
「あ、そういう言い方をしたってことは、ここねは別に天川くんを不気味だとは思ってないんだ。それって、まんざらでもないってことだ」
「不思議な人ではあるけど、怖くはないかな。すぐに時間が過ぎるからっていうのもある。そういう意味では、一緒に帰ることを断る理由がないんだよね。アイドルとしては問題だけど、手を繋いでるわけでもないし、勝手に付いて来る変質者ってことにすればいいから」
「うわぁ……、天川くんが可哀想。ある時、ストーカーに変貌して刺されちゃうかもよ。対応には気を付けないと」
「お姉ちゃんはどうしてたの? モテまくりだったし、今でもそうでしょ?」
「『誰とも付き合う気はない。妹一筋』って公言してたから、大丈夫だったよ。少しでも気を持たせちゃうとダメだから」
「じゃあ、私は手遅れじゃん。いや、でもまだ天川くんが私のことを好きと決まったわけじゃないから分からないか。それに、このまま無言でいれば、私に飽きるかもしれないから、とりあえず、このままにしてみる」
「ここねがそう言うならいいよ。でも、何かあったらすぐに私に相談してね」
「うん、ありがとう、お姉ちゃん」
「じゃあ、そのお礼として、今日も一緒に気持ち良くなろうか」
「お姉ちゃん、それは詐欺って言うんだよ」
「ここねだって、いつも私におっぱい触りたいって言って、いきなり下半身を触るくせに」
「それはサプライズだから!」
そして、いつも通り私達はお風呂に入ってから、眠りについた。
それから二週間。私と天川くんは、一緒に帰り続けたが、ついに天川くんから、『それじゃあ、バイバイ』以外の言葉を『聞くことになる』のだった。
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