10 / 123
第十話……邪悪な勇者管理組合⁉️
しおりを挟む
「私は、とある女性勇者パーティーとそこそこ仲が良かったのですが、そのパーティーがある日、行方不明になりました。
通常、勇者パーティーはセントラル内の洞窟にモンスター討伐に行きます。
洞窟の出入口付近で討伐したり、時には洞窟奥深くまで入り、そこでしか得られない鉱石を採取したりするのですが、その行方不明になった女性勇者パーティーがどの洞窟に何をしに行ったのか、『勇者ギルド』に聴取しても、『知らない』の一点張りでした。
ギルドの責任として、目撃者を探し出し、情報を集めるように勇者管理組合から正式に依頼しても、『そのような責任はない。あくまで勇者の自己責任』と回答が返ってきた後は、再依頼しても、なしの礫。
今後、このようなことを二度と起こさないように、手続きや法律を整備しようと、組合の上に掛け合っても、先程言った通りの繰り返し。
何が勇者『管理』組合だよと。むしろ、『管理放棄』じゃないかと。結局、現状を変えたくないだけなんだと分かりました」
「……。今もそのパーティーは見つかってないのか?」
「いえ、見つかりました。行方不明から二週間後、街のゴミ捨て場で、惨殺死体となって……。明らかに強姦された様子でした」
「なっ……!」
「勇者パーティーを襲えるのは、同じく勇者パーティーしかありません。ですが、その事件を捜査する権限はどの組織も持っていません。なぜだと思います? 勇者に人権はなく、人間じゃないという解釈が蔓延っているからです。
捜査する必要がないんですよ。私は今、『事件』と言いましたが、本当は事件とも呼べないんです」
「じゃあ、その犯人は捕まってないのか……」
「いえ、私が見つけ出して全員殺しました。ラプスの女性も複数いましたが、それも含めて。
ラプスはブレイの命令で仕方なく加担したと言っていましたが、私と初めて会った時の様子が、明らかに極悪人の『それ』だったので、迷わず痛め付けて殺しました。
そして、同じくゴミ捨て場に捨てました。」
「……」
「私が殺したのは人間じゃない、ゴミだ。ゴミ掃除をしただけだ……。そう思うようにしても、もう一人の私が言うのです。『ゴミはお前だよ。同じゴミに成り下がったんだよ』と。
この一連のことを改めて上司に報告しました。すると、『あ、そう』とだけ言われました。私の正義感など、どうでもいいことだったんです。
『やっぱり、コイツらもゴミなんだ。全員死んだ方がこの世のためだ。私なら全員殺せるな』と思いましたが、殺意よりも呆れの感情の方が強く、無気力になりました。
同時に、このままゴミに塗れて生きて行くよりも、ほんの少しでも誇り高く死にたいと思い始めました。
そんな中、セントラル内第一セントラル領国第三王女殿下からのご依頼で、元第二王女殿下の偽勇者パーティーを処分するため、セントラル外に出向くこととなり、この機に伝説の泉に行き、入水しようと考えたのです」
「…………」
思っていた以上に歪んだ世界とシステムに翻弄され、歪んだ思考に陥ったセレナの壮絶な話は、私には十分理解できるものだった。
たすくも少なからずショックを受け、すぐには言葉が出てこないようだ。
でも……この状況であれば、私が打開できる!
通常、勇者パーティーはセントラル内の洞窟にモンスター討伐に行きます。
洞窟の出入口付近で討伐したり、時には洞窟奥深くまで入り、そこでしか得られない鉱石を採取したりするのですが、その行方不明になった女性勇者パーティーがどの洞窟に何をしに行ったのか、『勇者ギルド』に聴取しても、『知らない』の一点張りでした。
ギルドの責任として、目撃者を探し出し、情報を集めるように勇者管理組合から正式に依頼しても、『そのような責任はない。あくまで勇者の自己責任』と回答が返ってきた後は、再依頼しても、なしの礫。
今後、このようなことを二度と起こさないように、手続きや法律を整備しようと、組合の上に掛け合っても、先程言った通りの繰り返し。
何が勇者『管理』組合だよと。むしろ、『管理放棄』じゃないかと。結局、現状を変えたくないだけなんだと分かりました」
「……。今もそのパーティーは見つかってないのか?」
「いえ、見つかりました。行方不明から二週間後、街のゴミ捨て場で、惨殺死体となって……。明らかに強姦された様子でした」
「なっ……!」
「勇者パーティーを襲えるのは、同じく勇者パーティーしかありません。ですが、その事件を捜査する権限はどの組織も持っていません。なぜだと思います? 勇者に人権はなく、人間じゃないという解釈が蔓延っているからです。
捜査する必要がないんですよ。私は今、『事件』と言いましたが、本当は事件とも呼べないんです」
「じゃあ、その犯人は捕まってないのか……」
「いえ、私が見つけ出して全員殺しました。ラプスの女性も複数いましたが、それも含めて。
ラプスはブレイの命令で仕方なく加担したと言っていましたが、私と初めて会った時の様子が、明らかに極悪人の『それ』だったので、迷わず痛め付けて殺しました。
そして、同じくゴミ捨て場に捨てました。」
「……」
「私が殺したのは人間じゃない、ゴミだ。ゴミ掃除をしただけだ……。そう思うようにしても、もう一人の私が言うのです。『ゴミはお前だよ。同じゴミに成り下がったんだよ』と。
この一連のことを改めて上司に報告しました。すると、『あ、そう』とだけ言われました。私の正義感など、どうでもいいことだったんです。
『やっぱり、コイツらもゴミなんだ。全員死んだ方がこの世のためだ。私なら全員殺せるな』と思いましたが、殺意よりも呆れの感情の方が強く、無気力になりました。
同時に、このままゴミに塗れて生きて行くよりも、ほんの少しでも誇り高く死にたいと思い始めました。
そんな中、セントラル内第一セントラル領国第三王女殿下からのご依頼で、元第二王女殿下の偽勇者パーティーを処分するため、セントラル外に出向くこととなり、この機に伝説の泉に行き、入水しようと考えたのです」
「…………」
思っていた以上に歪んだ世界とシステムに翻弄され、歪んだ思考に陥ったセレナの壮絶な話は、私には十分理解できるものだった。
たすくも少なからずショックを受け、すぐには言葉が出てこないようだ。
でも……この状況であれば、私が打開できる!
0
あなたにおすすめの小説
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる