3 / 69
序章:現代の最強陰陽師は、こんなヤツです f(^_^)
「…………………解ってるよッ。」
しおりを挟む
静まり返る会議室内。
気がつくと、さっきまで明星の斜め後ろに『認識できていた』黒スーツの男の姿は跡形もなく消えていた。
藤原総理を含め、そこにいる議員のなかでも古株の数人はこの男が『何者』かを知っているらしく、大事にならなかったことに胸を撫で下ろす。
その他の議員は、目の前に起こったことだとしても現実感が沸かずに呆気に取られていた。
そこに明星が口を開く。
「悪いけど、愛国心なんか求めないでくれる?私は等価交換で労働に似合った対価を受け取れば十分なだけで、『優遇』なんて求めてはいない。君達が勝手に、私に付加価値をつけて持ち上げているだけだろ?」
そして一旦一呼吸を置くと、明星はニヤリと笑い…。
「こんな青二才を持ち上げなくてはいけなくなったのは、長年における『貴方たちの無知で愚鈍が引き起こった事だ』。それを棚にあげ、『私一人』に丸投げした人たちに愛国心とか言われたくは無いね。」
なにも知らない第三者からすれば明星が言っていることは理解できないだろうが、そこにいる議員全員にとってはエグられるように図星を突かれたらしく、バツが悪そうに明星から顔を背けた。
それでも藤原総理だけは顔を上げ、再度説得を試みる。
「だがやはり『コレ』は、明星君、君だけしか適任者がいない…。君だって、何事も無く、幸せに暮らしてほしい『人間』はいるだろ?」
「…………。」
今度は明星のほうが黙る。
「どうか、その人たちのためにも理解してほしい。」
孫ほどの年の離れた明星に懇願する総理。
そんな藤原総理に、明星はうつ向きながら呟く。
「………………………解ってるよッ。…………解っているけどさぁ…ッ。」
紫のカーディガンがかかった細い肩が震えている…。
「……明星君。」
もしかしたら泣いているのか?それに気づいた総理は、心苦しくなって眉を潜めた。
明星の肩は、更に大きくワナワナと震え出した。
すると次の瞬間ッ、ガバッと顔を上げた明星。
「だからってッ!この国のそこかしこに沸いて出る魑魅魍魎を、一人で退治できるわけ無いだろッ!!物理的にも無理ッ!!!」
爆発したように怒鳴り散らす。もうこうなったら止まらない。
「こっちは何日、不眠不休だと思ってんのッ!休み欲しい~ぃッ!家でダラダラ寝ていたい~ぃッ!同じ不眠不休なら、ゲーム三昧したい~~ッッ!!」
こうなると本当に駄々っ子だ。椅子の上で手足をバタバタさせて喚き散らす明星。
また状況が逆戻りとなり、藤原総理は心労の深く長い溜め息をついた。
ここで、こうなった経緯の詳しい説明と、明星が『何者』であるかを解説しよう。
気がつくと、さっきまで明星の斜め後ろに『認識できていた』黒スーツの男の姿は跡形もなく消えていた。
藤原総理を含め、そこにいる議員のなかでも古株の数人はこの男が『何者』かを知っているらしく、大事にならなかったことに胸を撫で下ろす。
その他の議員は、目の前に起こったことだとしても現実感が沸かずに呆気に取られていた。
そこに明星が口を開く。
「悪いけど、愛国心なんか求めないでくれる?私は等価交換で労働に似合った対価を受け取れば十分なだけで、『優遇』なんて求めてはいない。君達が勝手に、私に付加価値をつけて持ち上げているだけだろ?」
そして一旦一呼吸を置くと、明星はニヤリと笑い…。
「こんな青二才を持ち上げなくてはいけなくなったのは、長年における『貴方たちの無知で愚鈍が引き起こった事だ』。それを棚にあげ、『私一人』に丸投げした人たちに愛国心とか言われたくは無いね。」
なにも知らない第三者からすれば明星が言っていることは理解できないだろうが、そこにいる議員全員にとってはエグられるように図星を突かれたらしく、バツが悪そうに明星から顔を背けた。
それでも藤原総理だけは顔を上げ、再度説得を試みる。
「だがやはり『コレ』は、明星君、君だけしか適任者がいない…。君だって、何事も無く、幸せに暮らしてほしい『人間』はいるだろ?」
「…………。」
今度は明星のほうが黙る。
「どうか、その人たちのためにも理解してほしい。」
孫ほどの年の離れた明星に懇願する総理。
そんな藤原総理に、明星はうつ向きながら呟く。
「………………………解ってるよッ。…………解っているけどさぁ…ッ。」
紫のカーディガンがかかった細い肩が震えている…。
「……明星君。」
もしかしたら泣いているのか?それに気づいた総理は、心苦しくなって眉を潜めた。
明星の肩は、更に大きくワナワナと震え出した。
すると次の瞬間ッ、ガバッと顔を上げた明星。
「だからってッ!この国のそこかしこに沸いて出る魑魅魍魎を、一人で退治できるわけ無いだろッ!!物理的にも無理ッ!!!」
爆発したように怒鳴り散らす。もうこうなったら止まらない。
「こっちは何日、不眠不休だと思ってんのッ!休み欲しい~ぃッ!家でダラダラ寝ていたい~ぃッ!同じ不眠不休なら、ゲーム三昧したい~~ッッ!!」
こうなると本当に駄々っ子だ。椅子の上で手足をバタバタさせて喚き散らす明星。
また状況が逆戻りとなり、藤原総理は心労の深く長い溜め息をついた。
ここで、こうなった経緯の詳しい説明と、明星が『何者』であるかを解説しよう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる