ソウルウォーク ★魔都

神嘗 歪

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二章:チートな 創造主 と 雪人たちのゲーム前の予習

「ねぇ、「阿ーちゃん」。「吽ーちゃん」。」

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けれど、見えたのは最初の一回だけ。その後、確認のためにオープンニングを何度も再生してみたが、「金星の神子」の顔が見えることはなかった。

(これも何かの勘違いだったのかなぁ? 昨日はプール清掃で疲れていたし…。)

そう思うも、スマホの画面の「金星の神子」のイラストを見ると、その印象が焼きついて離れない。

(………でも、やっぱり気になるんだよなぁ。)

そんなスマホを見つめる刀夜に、のし掛かるように雪人が首に腕を回して来た。

「とにかくゲームを始めなければ話にならん!刀夜はココに来るまでに、一回でも魑魅魍魎とバトルしたか?」

「何?その、賢者みたいな喋り方。…いや、まだ。魑魅魍魎と戦うための「護符」は、途中道すがら「火魂」と「宝玉」をゲットして二枚は貯まったけど。」

真横にある雪人の顔に苦笑いで返す刀夜。

「へへっ。俺も同じ。んー…っ、一日一回のログインボーナス五枚足して、一人「護符」が七枚かぁ。ちっと、心もとないなーぁ。」

そう、魑魅魍魎と戦うには「護符」がいる。そしてその「護符」の入手方法は、雪人が言っていた一日一回のログインボーナスと、刀夜が言っていた「火魂」と「宝玉」歩きながらゲットして、護符に精製する方法がある。

火魂は、文字通り浮遊する火の玉。宝玉は、水晶玉のような見た目。両方ともゲームを起動させたスマホをかざしながら歩くと、目の前のリアルを映し出した画面に合成という形で現れる。

ゲットは簡単。現れた火魂や宝玉をタップするだけ。

その火魂も宝玉も護符も、色によって強さが変わる。一番出現率が高く、一番弱い色は青。基本イベントでない限り、ログインボーナスの護符も青。そして二人が今持っている計十四枚も全部青。

でも、ゲットした火魂×宝玉や火魂・宝玉×護符のような、調合次第で強い護符を作ることも可能だ。

(……にしても、道端に置かれた花束の横で「火魂」を見つけたときは、マジに人魂かと思ってビビった~ぁ。)

話ながらゲット時のことを思いだし、刀夜は冷や汗が浮かぶ頬を指先でポリポリ掻く。

たぶんあの枯れかかった花束は、交通事故とかで亡くなった人への手向けだ。運営側も、もう少し場所を考えて出現ポイントを考えてほしい。

「でもまあ、初めはこんなもんじゃないか?下級の魑魅魍魎を倒しても火魂はゲットできるみたいだし…ねぇ、「阿ーちゃん」。「吽ーちゃん」。」

刀夜は自分のスマホを顔近くまで持ち上げると、画面に向かって話しかけた。すると画面の中にNPCである二匹の狛犬が現れ、挨拶代わりにその場でクルッとバク転してみせる。
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