どうして僕が狙われるんだろう

mell0812

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20話 乱闘

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  【宇三美握造】



 8月27日



 ついに楽しみにしていた。藤原優花への電話を済ました。

(いやーいいねえいいねえ。 優花さんのキレ具合は良かったよ!)と思わず笑みが漏れそうになり、我慢をした。



「よし、次にいこうか。 おい秘書! 私のボディガードとお気に入りのヤクザを私が指定する場所に呼んでくれるかい?」

「はい。 かしこまりました。」

するとスラッと細身の女性秘書が嫌そうに顔を歪ましていた。

(嫌なのかい? 仕方ないあれにするか)



 私のお気に入りヤクザの組長に連絡をする。

「お疲れさん。 良い女が見つかったから、紹介してあげる。 きっと気に入るよ。」

「お疲れさん。ほんとかい? なら部下が大変喜ぶよ、ありがとう。」

「今言う子をさらってもいいよ。 私が隠蔽してあげるから」

それから女の名前を伝えて、電話を切った。

(よし、楽しみの内に行こうか! あと女秘書今までありがとね。) とワクワクでいっぱいで向かった。




 [古い工場にて]



古いボロボロの大きな工場の中で、総勢約40人ぐらいが盛大にぶつかり合った。



序盤はさすがの殺し屋達が押していた。 各々の武器を駆使して、ヤンキーや道哉らに襲いかかった。



悠里はお得意の飛び蹴りで目の前にいた敵の正面に食らわしていた。 だがそれは防がれていた。

それでも、負けずに相手のバランスを奪おうと、しゃがみ足を引っ掛けたが、それを避けられ相手の武器である斧が上から落ちてきた。 避けないと死んでしまうこれをギリギリに横に避け、立ち上がり右足を頭に向かって蹴った。 「ドガッ!」と頭の右にダイレクトに当たった。



みさきは真っ先に長身の男をこの人混みの中探していた。 「今度こそ絶対に殺してやる!」と復讐心を燃やしながら、味方を助けながら探している。



 道哉は大勢の中にもみくちゃにされながら、迫り来る敵を避けたり攻撃したりして、みさきの後を追っている。 「やつに殺される前に、早くみさきの後を見つけないと!」



 みんなが一斉に飛び出した瞬間、1人で駆け出したみさきを探すのに気を取られているせいか、死角である背後から剣を持った敵が振り下ろそうとしている。

それに気づき振り向いたがもう遅かった。「やばい無理だ!」



 すると悠里の仲間である黒髪リーゼントの翔機がその敵の背中を力強く蹴る。  蹴られた敵は前に集中していたため、後ろからの衝撃でバランスを崩し前に倒れそうになっていた。

前のめりになったのを利用して、道哉は相手の腕と胸ぐらを掴み背負い投げをした。



「なに、周りに気を取られてんすか?」と微笑みながら煽った。

「すまん、助かった!」

「でも背負い投げ良かったすよ! それにしても殺し屋たち大したことないすね!」

「でも気を抜くなよ!」



 正義は後ろの方で、ケガであまり動けない剛士と一緒にドア付近の壁にくっつき、後ろの方を守っていた。

「後ろにはみ出した敵とドアから出入りしようとする奴を任せたって言われても、やる事ねえよな。」

剛士が正義に話しかけた。

「もし敵が来たら、頼んだよ!」ヤンキーと話すのが経験ないのか緊張してソワソワしている。

「任せな! それもおれの役割だから。そのためにこれがあんだろ?」

とあまり動けないため正義が作った警棒を少し上げて見せた。 もちろん正義もお手製の少し弱いテーザ銃のようなものを持っていた。



 「それにしても人でガヤガヤしてんな。 ヤンキー同士の喧嘩みてえだな。 まぁ任せな、俺らはこういう喧嘩は得意だぜ。」どや顔で言ってきた。



 人が入り混じって砂埃が舞っている中から、殺し屋が一人はみ出して、斧を手にこっちに向かってきた。 

「おい来たぞ! 相手が止まった瞬間にフォロー頼む!」

「あ、りょ了解!」 ヤンキーに初めて頼まれたからかあたふたしていた。



 剛士が俺らに向かってくる敵に駆け寄り、右から斧が迫ってくるのを警棒で防ぐ。

「ガギンッ」と鉄の鋭い物が鉄の硬い物に当たる音がした。

すると後ろから、相手の肩目掛けてテーザー銃のような物が飛んできた。

だがそれを横に避けられた。

「あぶねぇ! でもいい感じだぞ」と戦いながら言った。

「あ、ごめん! でもありがとう!」



 剛士は上から来る斧を斜め前に避け、右手で力強く握った警棒を背中に向かってフルスイングした。  すると当たった瞬間にバチバチッと電気が走り、殺し屋が一瞬止まる。  その瞬間に正義が相手の腹に向かってテーザー銃を撃つ。



 そして殺し屋はビリビリ震えだし、膝を地面につけてドサッと倒れた。

「よし!やったぜ!」

正義に駆け寄りハイタッチした。



  みさきがついに奴を見つけナイフを両手に殺し屋たちを切りながら、近寄った。

すると左らへんに、殺し屋に腕を首に巻かれていて、危ない子を見つけた。

みさきは奴の方に行かずにその子に向かって走り出す。



 するとそこに悠里の後輩、哲が人をぶっ飛ばしながら現れた。 みさきの存在に気づき「こっちは任せていいすよ!姉さん! お姉さんは奴の方に行ってください!」

「あ、ありがとう。 そっちは任せたよ!」 「了解っす!」

「お、哲! 助かった」腕で首を絞められながら言った。



 やつはほぼ後ろの方で俺らを待っている。 みさきからは20メートルぐらいしか離れておらず、そのまま邪魔な敵を切りながら進む。

 

 やっと10メートルぐらいまで近づき、切りかかった瞬間に横から、とてつもなく強い蹴りが、みさきの横腹目掛けて飛んできた。 

そしてみさきは当たった衝撃で横に吹っ飛ばされている。

ハアハアと息を切らしながら、みさきは倒れた状態から起き上がる。



 そしてそいつと向き合いバチバチに睨み合っている。

その殺し屋は何故か上半身裸でマッスルで、足がパンパンに筋肉が詰まっている。

「よし、来なよ。 早くあんたを倒してやつを殺しに行くんだから。」

「いいね! やる気まんま」すると横から悠里が、話している途中のそいつに向かって、高く飛び上がり顔の後ろを、力を込めた右足で力強く蹴る。

 「こいつは僕がやる! やつを止めに行って!」



 その男は頭を蹴られたのに、手を頭で抑えるぐらいのダメージだった。

「いい蹴りしてるじゃねえか。」とおれと向き合った。

「おじさん、強そうな声してるね。」

久しぶりに悠里はワクワクしているようだった。

「みさきちゃん、あのトンカチ野郎は殺さないでね」

「え、なんだ?」と言っている瞬間だった。

みさきを横からネイルハンマーで、背中を殴ってきた。

「グハッ......」と背中を殴られ、前の方に倒れそうになった。

「仲良く喋ってる場合なん? 俺を殺したいんじゃなかったん?」と煽ってきた。

「黙れ! うちらが怖くなって仲間を集めたの?!」

「それは違うねんなぁー、お前らを殺したくて集めたねん。」

「ふん!あっそ!」

砂埃が舞っている、一瞬で生死が決まるかもしれない緊張感の中で、みさきは両手にナイフを強く握りながら、男と向き合い睨み合った。



 道哉はひたすらみさきを探しなら、殺し屋と戦っていた。

「あいつどこに行ったんだよ! ちゃんと見ていたのに!」と大声で言っている。

すると、「君が道哉くん?」と急に話しかてくる殺し屋がいた。

「そうだけど。なんだ?」 「私、あの長身男の長年の仕事仲間の4人の内1人なんだよね。だから君を殺さないとダメなんだよね。 あとこの子もね!」と近くにいた、もう1人の女も紹介した。



他の殺し屋とは違い、2人とも若い女性でオシャレでふわふわな雰囲気を出していた。



道哉は2人相手に向き合っている。

2対1の絶対絶命の中、背後から風を切るように全速力で走って来ている人がいた。

そして道哉を走り抜き、相手の女の子に飛び蹴りをした。

「お前は、剛士の相棒だったよな?」道哉の目の前には飛び蹴りを防がれた黒髪のリーゼントの翔機がいた。

「まあ、そんなとこやな。」

「なに?その髪型古いー!」

「まあ、確かに古いね。 でもファッションは人それぞれだよね。」

「なんだと! 俺のリーゼントをバカにしやがって!」と言い、後ろに下がり道哉の横に立った。

「なんでだ?」 「悠里に頼まれたんだよ、道哉くんを守れって。」

「2回目だけど、助かった! やるぞ!」

そして砂埃の中、目の前の2人はナイフを両手に持ち、お互い向かい合った。



剛士と正義の方にも、危機が迫っていた。

「おい! また来たぞ!」

と仲間のヤンキーらを蹴飛ばしながらこっちに向かってきた。

「おい、テーザー銃で撃て!」

「あ、うん。 分かった!」



正義がテーザー銃を相手に向かって撃った。 相手のど真ん中に向かって飛んでいき当たりそうだったが、テニスのラケットでそれを止めた。



「あいつ、なんか違うぞ!」

「確かに、なんか違う」と2人で見ながら言った。

「ねぇ、君があの長身男が言っていた、正義くん?」

「そうだけど」と男からの謎の威圧感で、震えながら正義は答えた。

「なら殺さないとだわ。」

と言い少しずつ近づいてきた。



(続く)
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