9 / 9
第9話 社長!
しおりを挟む
月曜日。会社は伏見のことで持ちきり。新婚旅行から帰ってきた吉高係長のことなど、話題にも上らなかった。
一週間で変身したダサ坊伏見は、営業エースの成績を凌駕し、今や会社から大きく評価される存在!
吉高係長、悔しいのう。悔しいのう!
私たちの休日は服を見に行ったり、仲良く二人でスーパーに買い物に行ったり。
おりゃべりして、ゴロゴロして、絡み合った。
伏見は服の合わせ方も自分で出来るようになったし、美容室も自分で予約して適宜に行けるようになった。育ってる。
自分のアパートを引き払って、本格的に伏見のマンションで同棲する話をして、引っ越してきた。なんかすごく幸せ。ゆるゆるで気を遣わない年下の男最高。──ちょっと性欲は強いけど。
会社に来てホクホクの笑顔でトイレまでの通路を歩いていると、なんと通路に美男美女の秘書を一人ずつ連れたお方。あれはこの会社だけでない、グループの頂点の社長さま!
総資産22兆。会長の一粒種。新年の全体朝礼でリモートでしか見たことない!
きっとグループの一つ一つを視察に回ってるんだわ。その社長を前にして、なぜにお前が話している、伏見!
私は舌でチッチと音を立てると、伏見が振り向く。
私は野球の守備勢みたいに中腰になりながら、伏見を手招きした。
「な、なんスか? 先輩」
「なんスかじゃない。あそこにおわす方をどなたと心得る?」
「社長?」
「そうだよ。そのお方にキミはなぜ話をしている?」
「たまたま廊下で呼び止められて──」
「バカー! 安全のための5項目の一番下! 自分に与えられた仕事以外は絶対にしませんを知らないのかー! 社長と直にお話しできるのは、本社課長以上。もしも声をかけられたら、上司を呼んできますと言って離れるのがセオリーよ!」
私は社長と距離をとりながら伏見に説教。引きずって通路の影に隠れた。会社で話題になると言っても、まだまだ付け焼き刃。
ちゃんといっぱしの出世出来る男には遠い。
伏見がガンガン働くようになって六ヶ月。その間に営業の勢力図は大きく変わった。
このままだと、伏見は飛び級で係長に昇進するのではないかとウワサになっていた。
吉高係長が8年かかったことを、わずか六ヶ月でやってのけたのだ。
私も自慢だった。胸を張りたかったが、社則がある以上、伏見との関係を大っぴらに出来ない。
しかし一人だけ私たちの関係を知っている男がいた。
吉高係長──。
まさか、若造の伏見が自分の地位に簡単に近づいて来るとは思わなかったんだろう。
自分の昔の遊びの女が、彼女というのも気にくわなかったんだろう。彼はとんでもない暴挙に出て来た。
私が二人のマンションの部屋に帰ると、伏見はソファにうずくまっていた。
「わ! 帰ってたの? 早退? 連絡くらいしてくれればいいのに」
「………………」
「電気点けなよ。暗いよ? どうしたの?」
伏見はうずくまったまま、小声でつぶやいた。
「──吉高さんと付き合ってたの?」
うっ。どこからそれを?
つーか、知ってると言えば吉高係長くらい。
まさか! やられた!
アイツ、昔の私たちの関係を暴露したのだ!
私と伏見にとっては地味に痛い攻撃。
伏見は、精神的に仕事ができなくなり、私は伏見に嫌われて振られる。
クソ! アイツ、遊ぶだけじゃ飽き足らなくて、こっちの幸せまで崩しに来るとは!
「吉高さんにツーショット写真見せられた。どうなんだよ。聖子──」
怖い。伏見は壊れちゃったのかもしれない。
私はどうすれば──。
「……そうよ。吉高係長とは入社以来、新人の頃から手がついてたわ。私、バカだったのよね。自分は付き合ってると思ってた。だけど係長は裏では聡美とも付き合ってて……。いえ、他にも彼に抱かれてた人はいたかもしれない。でも自分だけは特別だって思ってたの。だけど係長が選んだのは聡美だったわ」
「それで、オレと寝たの?」
「そう。翼のことよくも知らないのに。自分の好みに改造したのよ。私、最低よね。吉高係長のことなんて何も言えない。翼に悪いことした──」
伏見は何も言わなかった。もう私のことを視界に入れたくもないのかもしれない。でも、彼にはここで終わって欲しくない。
「ちゃんと仕事して、私以上のいい女見つけるのよ?」
私は自分の荷物をまとめようと、寝室に向かう。
その背中に伏見は抱き付いてきた。
「待てよ。聖子はどこにも行かせない」
「……え? でも……」
「勝手に思い込んで出て行こうとするなよな。安全のための5項目の2番目。思い込みで仕事をしない」
「お……。勉強してるじゃん。えへへ……」
「吉高さんにどうやって聖子を傷付けた代償を払わせるか考えてただけだよ。いいか? 吉高さんを叩き潰すぞ!」
「──私、おかしいのかなァ。悪い言葉のハズなのに、そのセリフすっごく翼に魅力を感じる!」
私は振り向いて背中の伏見に思い切りキスをした。しばらく私たちはそのまま。伏見は唇を離すとギリギリと歯ぎしりをした。
「聖子はオレの大事な彼女だよ。あんな男のことなんて上書きしてやるんだ。もう絶対に辛い思いはさせない……ッ!」
なんか、すごく。
──逞しくなっちゃって。
吉高係長、残念だったね。却って彼に火がついちゃったよ。ふふふ。
そのまま私たちはベッドの上。
伏見の腕に抱かれていた。数ヶ月前はあんなに頼りなかったのに、今ではこんなに頼りになるなんて。
「聖子。結婚してくれる?」
「うそぉ。翼、心変わりしない? 私ヤダかんね。今度男にそんなことされたら完全に男性不信になるわ」
「そんなことしないよ」
「するなら、早くしたいな~。子供もたくさん欲しいし。言っとくけど、アンタだから結婚するんだからね。あとアンタの親の金なんか当てにしてないから。親は金持ちでも、翼は翼。いい?」
「すごく嬉しい! 分かったよ」
「あのね。正直に懺悔するけど、吉高係長に復讐しようと思ってた。アイツよりイケメンで出世出来る男を捕まえようと思ってたの。でも、翼は前はあんなんで……。だから自分の好みに改造しちゃった。ゴメンね」
「いーよ。聖子の好みになれた?」
「ううん。それ以上!」
「やった! でも出世は出来ないな……」
「どうして? 社内では飛び級で係長になれるってウワサだよ?」
「まさか。30歳まではヒラだよ」
「どうして? なんで年齢まで指定されてるの?」
「社長にそう言われたもん」
「はぁー!? アンタ私があれほど言ったのに。さてはあの時、社長になんか言ったんじゃないでしょうね!?」
私が眉を吊り上げると、伏見はキョトンとした顔をしていた。
「あの時、社長に聖子を紹介したいって言っただけだよ。それに社会勉強のためにヒラ社員を30歳までやるんだ。その後は取締役になって──」
「はぁ? アンタ何言ってんの~?」
「あ。秘密だもん知らないか。聖子。ウチのグループの全体を示す名称は知ってる?」
「え? 舐めてんの? 総務部の私にそんな問題だすなんて。フシミグループよ。会長は伏見善太郎。社長は伏見勝。奥様を早くに亡くしたけど、ご子息が一人おられます。そのご子息は後ほど総資産22兆を継ぐ──」
自分を指差す伏見。
私は、その後大声を上げて卒倒した。
一週間で変身したダサ坊伏見は、営業エースの成績を凌駕し、今や会社から大きく評価される存在!
吉高係長、悔しいのう。悔しいのう!
私たちの休日は服を見に行ったり、仲良く二人でスーパーに買い物に行ったり。
おりゃべりして、ゴロゴロして、絡み合った。
伏見は服の合わせ方も自分で出来るようになったし、美容室も自分で予約して適宜に行けるようになった。育ってる。
自分のアパートを引き払って、本格的に伏見のマンションで同棲する話をして、引っ越してきた。なんかすごく幸せ。ゆるゆるで気を遣わない年下の男最高。──ちょっと性欲は強いけど。
会社に来てホクホクの笑顔でトイレまでの通路を歩いていると、なんと通路に美男美女の秘書を一人ずつ連れたお方。あれはこの会社だけでない、グループの頂点の社長さま!
総資産22兆。会長の一粒種。新年の全体朝礼でリモートでしか見たことない!
きっとグループの一つ一つを視察に回ってるんだわ。その社長を前にして、なぜにお前が話している、伏見!
私は舌でチッチと音を立てると、伏見が振り向く。
私は野球の守備勢みたいに中腰になりながら、伏見を手招きした。
「な、なんスか? 先輩」
「なんスかじゃない。あそこにおわす方をどなたと心得る?」
「社長?」
「そうだよ。そのお方にキミはなぜ話をしている?」
「たまたま廊下で呼び止められて──」
「バカー! 安全のための5項目の一番下! 自分に与えられた仕事以外は絶対にしませんを知らないのかー! 社長と直にお話しできるのは、本社課長以上。もしも声をかけられたら、上司を呼んできますと言って離れるのがセオリーよ!」
私は社長と距離をとりながら伏見に説教。引きずって通路の影に隠れた。会社で話題になると言っても、まだまだ付け焼き刃。
ちゃんといっぱしの出世出来る男には遠い。
伏見がガンガン働くようになって六ヶ月。その間に営業の勢力図は大きく変わった。
このままだと、伏見は飛び級で係長に昇進するのではないかとウワサになっていた。
吉高係長が8年かかったことを、わずか六ヶ月でやってのけたのだ。
私も自慢だった。胸を張りたかったが、社則がある以上、伏見との関係を大っぴらに出来ない。
しかし一人だけ私たちの関係を知っている男がいた。
吉高係長──。
まさか、若造の伏見が自分の地位に簡単に近づいて来るとは思わなかったんだろう。
自分の昔の遊びの女が、彼女というのも気にくわなかったんだろう。彼はとんでもない暴挙に出て来た。
私が二人のマンションの部屋に帰ると、伏見はソファにうずくまっていた。
「わ! 帰ってたの? 早退? 連絡くらいしてくれればいいのに」
「………………」
「電気点けなよ。暗いよ? どうしたの?」
伏見はうずくまったまま、小声でつぶやいた。
「──吉高さんと付き合ってたの?」
うっ。どこからそれを?
つーか、知ってると言えば吉高係長くらい。
まさか! やられた!
アイツ、昔の私たちの関係を暴露したのだ!
私と伏見にとっては地味に痛い攻撃。
伏見は、精神的に仕事ができなくなり、私は伏見に嫌われて振られる。
クソ! アイツ、遊ぶだけじゃ飽き足らなくて、こっちの幸せまで崩しに来るとは!
「吉高さんにツーショット写真見せられた。どうなんだよ。聖子──」
怖い。伏見は壊れちゃったのかもしれない。
私はどうすれば──。
「……そうよ。吉高係長とは入社以来、新人の頃から手がついてたわ。私、バカだったのよね。自分は付き合ってると思ってた。だけど係長は裏では聡美とも付き合ってて……。いえ、他にも彼に抱かれてた人はいたかもしれない。でも自分だけは特別だって思ってたの。だけど係長が選んだのは聡美だったわ」
「それで、オレと寝たの?」
「そう。翼のことよくも知らないのに。自分の好みに改造したのよ。私、最低よね。吉高係長のことなんて何も言えない。翼に悪いことした──」
伏見は何も言わなかった。もう私のことを視界に入れたくもないのかもしれない。でも、彼にはここで終わって欲しくない。
「ちゃんと仕事して、私以上のいい女見つけるのよ?」
私は自分の荷物をまとめようと、寝室に向かう。
その背中に伏見は抱き付いてきた。
「待てよ。聖子はどこにも行かせない」
「……え? でも……」
「勝手に思い込んで出て行こうとするなよな。安全のための5項目の2番目。思い込みで仕事をしない」
「お……。勉強してるじゃん。えへへ……」
「吉高さんにどうやって聖子を傷付けた代償を払わせるか考えてただけだよ。いいか? 吉高さんを叩き潰すぞ!」
「──私、おかしいのかなァ。悪い言葉のハズなのに、そのセリフすっごく翼に魅力を感じる!」
私は振り向いて背中の伏見に思い切りキスをした。しばらく私たちはそのまま。伏見は唇を離すとギリギリと歯ぎしりをした。
「聖子はオレの大事な彼女だよ。あんな男のことなんて上書きしてやるんだ。もう絶対に辛い思いはさせない……ッ!」
なんか、すごく。
──逞しくなっちゃって。
吉高係長、残念だったね。却って彼に火がついちゃったよ。ふふふ。
そのまま私たちはベッドの上。
伏見の腕に抱かれていた。数ヶ月前はあんなに頼りなかったのに、今ではこんなに頼りになるなんて。
「聖子。結婚してくれる?」
「うそぉ。翼、心変わりしない? 私ヤダかんね。今度男にそんなことされたら完全に男性不信になるわ」
「そんなことしないよ」
「するなら、早くしたいな~。子供もたくさん欲しいし。言っとくけど、アンタだから結婚するんだからね。あとアンタの親の金なんか当てにしてないから。親は金持ちでも、翼は翼。いい?」
「すごく嬉しい! 分かったよ」
「あのね。正直に懺悔するけど、吉高係長に復讐しようと思ってた。アイツよりイケメンで出世出来る男を捕まえようと思ってたの。でも、翼は前はあんなんで……。だから自分の好みに改造しちゃった。ゴメンね」
「いーよ。聖子の好みになれた?」
「ううん。それ以上!」
「やった! でも出世は出来ないな……」
「どうして? 社内では飛び級で係長になれるってウワサだよ?」
「まさか。30歳まではヒラだよ」
「どうして? なんで年齢まで指定されてるの?」
「社長にそう言われたもん」
「はぁー!? アンタ私があれほど言ったのに。さてはあの時、社長になんか言ったんじゃないでしょうね!?」
私が眉を吊り上げると、伏見はキョトンとした顔をしていた。
「あの時、社長に聖子を紹介したいって言っただけだよ。それに社会勉強のためにヒラ社員を30歳までやるんだ。その後は取締役になって──」
「はぁ? アンタ何言ってんの~?」
「あ。秘密だもん知らないか。聖子。ウチのグループの全体を示す名称は知ってる?」
「え? 舐めてんの? 総務部の私にそんな問題だすなんて。フシミグループよ。会長は伏見善太郎。社長は伏見勝。奥様を早くに亡くしたけど、ご子息が一人おられます。そのご子息は後ほど総資産22兆を継ぐ──」
自分を指差す伏見。
私は、その後大声を上げて卒倒した。
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる