JSB Experimental Ride

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再び世界へ

MotoGP Round7,8,13,15,16,18~20(イタリア、オランダ、サンマリノ、インドネシア、日本、タイ~ソリダリティGP)

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全日本ロードレース選手権エクスペリメンタルクラスも前半戦を消化した所で、開幕戦カタールGP以来のMotoGPとなった第7戦の舞台はイタリアのムジェロ・サーキット。このコースはMotoGPサーキット人気投票でも毎年上位に入る程人気のコースで、同じコーナーが2つも存在しないという特殊なコースでもあり、実は…1985年に財政難に陥って死にかけてた所を高級スーパーカーメーカーのフェラーリが買収して、1988年以降は市販車やGTカー、果てはF1のテストまで行う社有コースとしても機能してるコースでもある。そんなコースで行われる第7戦イタリアGP。俺らモリワキは、EU圏内でのPRという事もあってか敢えてiQOSのロゴや銘柄名を記載。そこに「Together Forward」というiQOS10周年のロゴをマシンに掲載して応戦することにした。その為チーム名が「わんだふるぷりきゅあ!モリワキ・IQOS Together Forward・レーシング」になっている。これが全日本ロードレース選手権エクスペリメンタルだと「わんだふるぷりきゅあ!モリワキ・チーム・TERRIA(テリア)」と「わんだふるぷりきゅあ!モリワキ・チーム・HRC」というチーム名で動いてるが、今回ばかりは「例外」だ。(当初はiQOSの銘柄であるSENTIA(センティア)の予定だったが、いろはちゃんが未成年の為、こうなっている。)そんな感じで仕上がったマシンは、なるべく外観をめちゃくちゃにしない様に出来上がっており、開幕戦カタールGP以来のMotoGPに向けて準備万端の状態になった。フリー走行では、何と今まで試したことも無かった事をする事に。何と現行マシンに2年落ちのワークスパーツを取り付けて走行するとかいうとち狂った事をやったのだ。なんでかと言うと、実は現行マシンの見た目が気に食わないのと、あそこまで空力に頼る必要があるか?という俺の懐疑的な目線があったからだ。そして、2年落ちのワークスパーツを取り付けたモリワキMD213VF-HとMD213VF-Iは、コースへと走り出した。先ずは、慣らし運転も兼ねて数周流してから全開で駆け抜けて2日間ともにトップという、数戦のブランクを感じさせない走りを披露。いろはちゃんも3位と2度目のGPの最初の2日間を無事に終えれた模様。スプリント予選は、俺がポールを獲得。いろはちゃんも5位と健闘した。スプリントレースは、俺が独走して優勝からのいろはちゃん2位という形になった。予選は何といろはちゃんが自身初ポールを獲得。俺は2位に入り決勝を迎える事に。迎えた決勝は、いろはちゃんが自身初優勝を達成。俺も2位に入り、モリワキのダブル表彰台になった。

続く第8戦オランダは、久しぶりの土曜日開催となり、いろはちゃんにとっては初の土曜日決勝というレースに。このレースは、殆ど俺が征服したレースでもあり、全てのレースで優勝という結果になった。いろはちゃんも3位と大健闘のレースになった。

第13戦サンマリノGPは、レースウィーク通して一度も空力パーツに頼ること無く走るという事をした所、思ったよりバランス取れてたらしくて、以降決勝でも採用する事に。結果は、全レース通していろはちゃんが優勝という結果になった。俺の方はそれぞれ2位と3位で表彰台に登壇する事が出来た。

第15戦インドネシアGPは、当初参戦する計画は無かったものの、日本GPと全日本ロードレース選手権の開催週がバッティングしてない事から急遽参戦を決定した。このコースはMotoGP開発テストとかでお世話になってるが、グラベルの石がデカいのと雨。それを除けば良いコースだと言うのは誰もが知っている。このレースウィークは、全体通してほぼドゥカティが征服しており2人揃って2位と3位が限界のレースを強いられた。勝てるには勝てるんだけど、マシンの差が明らかにあり過ぎる感じだった。

そんなインドネシアGPから迎えた第16戦日本GP。遂にモリワキが約20年ぶりにMotoGPクラスで、この日本の地を駆け抜ける事になり、皆は大歓迎。そんな中で、いろはちゃんが20歳になったので、やっとマシンの方にもiQOSのロゴとフラッグシップの「TERRIA」と「SENTIA」のロゴを掲載する事が出来た。カラーリングもキュアワンダフル・ダイヤモンドリボンスタイルとキュアフレンディ・ダイヤモンドリボンスタイルをベースにしたデザインになっており、このラウンドのみではなくて、後半戦に出る時はこのカラーになるという表明もした。俺の方はと言うと、ガレージにぬいぐるみとお手玉を備えており、PRメンバーとしてもレースに帯同してもらったり、ヘルメット警備員としてもガレージに居たりと、とにかく仕事を与えまくっていた。日本GPは、もうホンダ勢が覚醒するという滅多に無い展開に。予選は何と俺がぶっちぎりのコースレコードを樹立してポールポジションを獲得。2位にはいろはちゃん、3位にタカ先輩と最高峰クラス初となる日本人ライダーの1~3位独占という「偉業」を達成した。スプリントは、タカ先輩(中上貴晶選手)が念願の最高峰クラス初優勝及び初ポディウムを獲得。2位にはいろはちゃん、3位に俺という感じになった。こうして迎えた決勝。天気は快晴。俺は、今日の為に色々な事をやって来た。ガレージには星奈と美海も来ており見守っていた。さぁシグナルが赤からブラックアウト。俺は、抜群のスタートを決めてホールショットを死守。2位にはタカ先輩が上がってきた。俺は、「まだ慌てる必要ないな。」と思い下手にペースを上げる事をしなかった。序盤はこんな感じだったが、中盤から徐々にペースを上げ始めて、モリワキもペースを上げる事に。そこから終盤まで超スプリントレースとなり、結果は俺が最高峰クラスでは実に20年ぶりの母国優勝を達成。いろはちゃんも中上選手とのデッドヒートを制して2位に入り、ガミさんも3位という日本人表彰台独占を実現できた。

続く第18戦 タイGP。このレースは、2台揃ってリタイアという何とも後味が悪いレースになった。俺はアレイシに撃墜されてリタイア。いろはちゃんの方は、しれっとフロントから切り込んで転倒してリタイアという、何とも後味悪すぎて胸焼け起こしそうなレースになった。

第19戦 マレーシアGPは、久しぶりの表彰台という最高のレースになった。もうドゥカティ勢とこんなに楽しく走ったのなんて久しぶり過ぎて覚えてないくらいだ。俺は、いろはちゃんと一緒にドゥカティ勢を抑え込んでそのままトップでゴール。いろはちゃんも2位というレースになった。

第20戦、最終戦ソリダリティGPは、バレンシア豪雨災害で亡くなった人達へ哀悼の意を捧げる「限定デザイン」での出走となり、マシンには「ブラックリボン」を纏わせている。舞台はカタロニアサーキット。F1でも有名なコースだ。ここで最終戦をやるのだけど、今シーズン限りで中上選手とアレイシが現役ラストランとなり、HRCテストライダーとして来季から活躍する事に。各々がそれぞれ違う道を歩むと言われるこの最終戦は、正しく面白いレースになった。俺といろはちゃんは、それぞれ違うセッティングを試しながらのフリー走行を経てからの予選からのスプリントは、もう完全にドゥカティ勢にペースを握られてしまい、それに振り回され放題なレースだった。決勝は、スプリントで散々やってくれたお返しとばかりにやりたかったが、このラウンドでワークスのペッコ(バニャイヤ)VSプラマックのマルティンのタイトル争いに決着つくので邪魔しないようにする事を決めていた。蓋を開けてみると、俺はただでさえ仲良いマルティンの為に必死こいてワークスを防いで走ることに精一杯だった。いろはちゃんも初の世界選手権最終戦を楽しんでいて、終始バトルを楽しんでいた。しかもワークスの伏兵であるバステアニーニと。俺の方は、ペッコを防いでる間にマルケスの援護射撃が来てしまいガチで焦っていた。しかも兄弟揃ってというのが尚更タチ悪かった。マジでいろはちゃん相手じゃないだけマシなレベルの走りを展開してくれたもんだから、こっちもこっちで互角の走りをするしか無くなったのだ。レースも遂にファイナルラップ。俺は2位をキープしていた。いろはちゃんも遂に3位に。もうここまで来たら、あとはこっちのもんなのでこれ以上のペースアップをせずに完走するだけとなった。俺は2位完走、いろはちゃんも3位とモリワキダブルポディウムという形で最終戦ソリダリティを締め括ることができた。この活躍が評価されて、来季も続投することが決定した。俺も今シーズン禁煙してたら成績が上がったので、シーズンオフにはバカスカ吸う事をシーズン前に決めていた。俺は全て終わった時に「これでやっとテリアとセンティアをシバけるぜ!!きっと美味いに違いない!」と叫んだ程だった。
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