Verizon,NTT-Data IndyCar series extreme Speed

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第2章 スランプ、そして、輝き放つ。(2019年)

番外編 鈴鹿10時間耐久レースに参戦。

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インディカーも、シーズンオフに入り、俺は、日本に美海と星奈と一緒に帰国していた。勿論理由無く帰って来た訳では無くて、昨年の夏に鈴鹿1000kmの「後継」として初開催された「鈴鹿10時間サマーエンデュランスレース」に特別チーム「Aqours・ホンダレーシング・チーム郷」としてNSXGT3をドライブする事になったからである。勿論タイヤもマシンも全てが「初めて」である。タイヤは欧州時代すごく世話になったピレリ。実は、この話を聞きつけたと言うよりは、ホンダからの「応援要請」に応える形でケリーも帰国。何故かと言うと、ケリーが一番ピレリの特性を知っており、使い方を熟知しているからだ。そして、今回参戦してるチームの中でも、「最年少メンバー」と言われていたりする。それもそのはず。メンバー揃って皆16~17歳なのだから。この為、本来はダメだし「門前払い」なのだが、皆揃って「実績」があり過ぎるので、「特例措置」としてのエントリーが許可された。こうして迎えた鈴鹿10h。もう初日から大盛り上がりだった。まずは鈴鹿市内をGT3マシンで走るというのをやったりしたけど、すごく楽しくて終始皆に手を振ったりしていた。そして、俺らのマシンには、それぞれの推しキャラの寝そべりぬいぐるみに「オンボードカメラ」を装着して、その視点からレースをお届けするというのもやったりしているが、FIAの規定に則り結構ガチガチな装備にした上で運用しないといけないということ。その為、アルパインスターズとArai、シュロスとエクシゲルにはかなり迷惑かけてしまう事になったが「特注」のレーシングギアとヘルメット、挙句の果てにはHANSとそのパッドまでフルセットで作ってもらったりした。ちなみに俺ら4人は個人のヘルメットにもカメラを装着して、その視点からもレースをお届けする為、カメラだけでも、公式用含めて4個近く装備する事になっている。ちなみに鈴鹿サーキット入りした初日は、その作業だけですごく時間使ってたりもした。問題だったのは、ドライバー交代時に寝そべりぬいぐるみをどう交代させるかというのだった。だけどそこはホンダ!開発チームが特別なシートを作ってくれたおかげで、万事解決。それは「寝そべりぬいぐるみ専用取り外し可能フルバケットシート及び専用6点式シートベルト。」というF1の技術をまんま流用した「至極の一品」であり、座り心地、いや「寝そべり心地やシートベルトの着け心地」も研究したり、素材にもこだわって、数ヶ月前から作ったりしていたとか。あとはこれをどこに積むのかと言うと、ダッシュボードにマジックテープで「直付け」するという手法を採用していたりする。こうしてマシンが完成した。リバリーは「MY舞☆TONIGHT」が選ばれた。カーナンバーは、Aqours結成日の「630」に決定した。フリー走行を迎え、いよいよNSX GT3の「真価」が試される事になった。周りは皆、メルセデスAMG GT3やBMW M6GT3やランボルギーニ・ウラカンGT3EVOやそれの姉貴分に当たる、アウディR8GT3とかGT-RGT3だったりする。だけどトップタイムを叩き出したのは、アンドレア・カルダレッリやケイ・コッツォリーノでは無くて、何と初参戦の俺という形に。こうして4人全員がトップタイムやトップ5に食い込むタイムを叩き出して迎えた予選。予選はかなり大荒れな展開と化した。まずは、俺らがトップになった直後にグッドスマイルがトップに。そして最後の最後で何と、ラストアタッカーの星奈がトドメの大逆転ポールを獲得するという大波乱の予選だった。大波乱の予選から一夜明けて迎えた決勝。夏の鈴鹿の陽射しは、いつにも増して「攻撃的」な陽射しだった。陽炎が揺らめき、太陽が痛いくらいに出ていた。気温も「灼熱地獄」と言ってもいいほどだった。ドライバールーティンは、最初に星奈、次にケリー、ないし美海。そして俺という順になっている。日本時間午前10時、遂に鈴鹿10hの幕が上がった。マシンがスターティングエリアから続々と走り出して行き、セーフティカーランへと向かった。俺は星奈に「もし辛いと感じたり、ダメだと思ったらその場で戻って来ていいから。如何せんこんな暑さだし。まずは最初の1周無事にホームストレートに戻ってこいよ。」と無線で伝えたりしていた。そう、NSX GT3の唯一無二の「弱点」は「コックピット排熱性能が極端に弱い」ということだ。セーフティカーが離れて、レーススタート。トップのまま1コーナーへと向かった。俺はガレージのモニターで星奈の走りに釘付けになっていた。そんなのも束の間。星奈から思いもよらぬ無線が飛んで来た。「ハァ…ハァ…ヤバいかも…クールスーツが…イカれた…暑いよ…」と来て俺はすぐに「分かった!すぐに戻って来い!!」とだけ伝えて、最悪の事態も想定してピットクルーには、「台車スタンバイ!!早く!!」と叫んで台車を準備させたりしていた。俺はその間ケリーに「思う存分暴れて来い。」とだけ伝えた。そして星奈がピットイン。星奈が最後の力を振り絞って曜ちゃんの寝そべりぬいぐるみをシートごと取り外して、フラフラになって歩いた所を俺が台車に乗せて、ガレージへと引っ込めた。俺は星奈に「お疲れ様。よく頑張ったな。今は回復するまでゆっくり休んで。」と伝えて、台車のまま医務室まで送ったりしていた。そしてケリーの走りを医務室のテレビ越しに少し見たあと、ガレージに台車ごと帰還した。この際かなりタイムロスしてしまったが、ケリーの「鬼神走法」によって無かった事にされた。こうしてケリーも自分のスティントを消化して、美海にバトンタッチ。「ミウ、思いっきり楽しんで!ボクは君と走れて、今すごくhappyだよ!それじゃ!」と伝えたとか。俺はケリーに「お疲れさん。どうだった?車内?やっぱりエアコンの効き悪い?」と聞くと「うん。悪いというか、なんというか。お世辞にも気休め程度とは言えない風量だったね。クールスーツもキラナみたいになるんじゃないかって、すごく怯えてたよ。ボクのこの汗を見れば全てわかるはずさ。」と言っていたりもした。気付けば鈴鹿もすっかり夜になり、暗闇に包まれていた。こうして「真打」とも言える俺の出番が来た。この頃には星奈もすっかり元通りに。俺が乗り込む前に、美海が「頑張ってね。輝君。行ってらっしゃい。」と話しかけて、俺と千歌ちゃんに交代してピットアウト。俺はマシンの中で「行くよ。千歌ちゃん!ゴールまで輝こうね!」と言って頭を2回ポンポンと叩いて、バイザーを下げてコースイン。実はその様子をチームクルーとして帯同してくれている、法元 嵐珠(ランジュ)ちゃんも見守っていたりした。ケリーは「あれ?ランジュ?どうした?ヒカルが気になってるのか?」と言うと「ち…違うわよ!わ…私はただ…ちゃんと輝がゴールする瞬間を見届けに来ただけよ…もう!テイラーったら…。そういう一面あるよね。でも好きよ。そういう一面。」とお互いにジョークを飛ばしあったりしていたとか。美海は、思わず泣いていて星奈が「大丈夫!輝は必ずトップで帰って来るよ。だから今は落ち着くまで私が一緒に見守っててあげる。」と言って一緒に俺がゴールする瞬間を見守っていた。俺は無線で「今、スプーンコーナー。あとは130Rと最終S字!そこさえどうにかなれば勝ちだ!頼むぜ…エンジンよ…音を上げるんじゃねぇぞ!んな所で!」と伝えたりとかなり緊迫した状況だった。そう、実はこの時、エンジントラブルが発生しており、いつ壊れるか分からない「爆弾」を抱えてる状況だった。その為、わざとペースを落として走っていたのだ。そして日本時間20時。遂に1台のマシンがホームストレートに帰ってきた。それは紛れもなく俺らのNSXだった。俺はライトを点滅させてゴールを通過。俺はガッツポーズを車内からしていた。そしてそのタイミングでエンジンから白煙が上がり、慌ててハザードを点灯させたりしていた。「ヤバいヤバい!」と言って、千歌ちゃんの寝そべりぬいぐるみをシートごと取り外して何とか脱出。すぐに消火作業を始めたおかげで、被害は最小限に抑えることができた。結果は、総合優勝したのは、星奈、ケリー、美海、俺のNSX GT3、2位にはグッドスマイルのAMG GT3、3位にハブオートの488 GT3という結果になった。レース後に各々で「テディベアとヘルメット交換」を行った時に直筆の「手紙」もセットで手渡しした。俺のヘルメットは、美海へ。見は俺に。星奈はケリーに、ケリーは星奈に。そして何よりは、ケリーはテディベアとグローブを嵐珠ちゃんに手紙とセットで手渡しした事だ。俺は美海からの手紙を読んで行くと「告白」とも言える様な内容ですぐさまLINEで「手紙読ませて貰ったよ。返事はYes!だよ。改めてよろしく!」と返したりもしたり、ケリーもケリーで手紙に英語で「Lanzhu.I'm feeding for you!」と感謝と告白のメッセージを書いたところ、中国語で「我也喜欢你(私も…貴方が好き。)」と日本語翻訳付きで返事を返しただとか。というより、ランジュ自体レース後に涙ながらに「ケリー…私は貴方が好き。それだけは言いたかった…」と言うと「ボクも答えは一緒。ランジュ、君とこの先の未来を歩みたい!」と告白どころか「プロポーズ」とも言えるような返事してたとか。こんな事もあった鈴鹿10hは無事に幕を閉じた。
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