FIA World Rally Championship Crazy Road

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第1章 小さな星。

Round8 ロトス・ラリー・ポーランド

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前回のサルディーニャから、舞台をポーランドに移して迎えた、ラリー・ポーランド。コースはグラベル。この後に、自分達の活動拠点でもある、フィンランドで開催される「ラリー・フィンランド」が待ち構えており、高速グラベル連戦の最初である。今シーズンもあと残す所5ラウンドとなった。現在のランキングを見ても、俺の独走状態となっている。このまま行けば、俺自身初の年間王者も時間の問題である。マシンは、高速ラリー仕様になり、前回、ドライバー間から大好評だったラジエーターと新たに開発した、高効率インタークーラー「スペック2」を投入した。そして、レッキでは、ペースノートに注意点等を美海ちゃんは書き留めていた。シェイクダウンでは、これまでにないくらいの一体感が生まれていた。俺は、どうしても、昨年のあの日に忘れて来た「忘れ物」を取りに行く気でいた。だからトヨタに加入した。そして迎えた初日。この日は、ハードタイヤながら、かなりのハイペースで飛ばして行き、トップで終える事が出来た。2日目は、何とランキングでも王者争いに絡んでいる、オジェ、ヌービルが、軒並みリタイアするという、異常事態が起こった。だけど、俺と美海ちゃんは、自分たちのペースで、フィニッシュ。迎えた最終日。俺は、最後の最後までタイヤ戦略を考えていた。ソフトで行くか、ミディアムで行くかを。だけど、答えはひとつ。ソフトで行く事にした。俺の作戦は、ソフトタイヤはいつも最後まで温存しておいて、最後に使うというのを好んでやっている。そして、最終日の幕が上がった。勝つ為には十分なマージンを築き上げている為、あとは、番狂わせやどんでん返しさえ無ければ、ほぼ優勝は確定している。そして、自分の番が回ってきた。美海ちゃんのカウントダウンの元、スタート。どのドライバーも「難しい」と口を揃えるセクションも難なくクリア。そして、ストレート。時速は180km/hを楽に超えていた。アクセルは全開まで踏んでいた。そして、本来ならタイムロスに繋がる、「ギアを引っ張る」という走りをしている為、チームメイトよりアップダウン時の回転が高いと言われている。そして、一番の難所、ストレートからのフルブレーキングセクションでは、「この先フルブレーキングゾーン!衝撃に注意して!」と俺が美海ちゃんに言うと美海ちゃんも「分かった!!」と返事をした。そして、時速200km/h近い速度から一気に60km/h弱まで減速してから、サイドを引いて、コーナーをクリアする瞬間に「ここから一気に加速するから、衝撃に注意して!」と俺が美海ちゃんに言うと「分かった!!」と美海ちゃんも返事をした。そして、最後のセクションは、美海ちゃんが「ラストセクション!ロングストレート!!フルスロットル!!」と言うと、俺は、「Ok!このまま一気にゴールまで行くよ!!」と言って、アクセル全開。そして、「ラストセクション通過!!そのままフィニッシュ!!」と美海ちゃんが言うと、俺は、そのままフィニッシュゾーンを突っ切って、「よっしゃァァァ!!」と叫んだ。そして、フルブレーキングして完全に停止した。マシンから降りた、俺と美海ちゃんは、やりきったと言わんばかりの笑顔だった。そして、ここから長いインターバルに入る。
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