FIA World Rally Championship Crazy Road

文字の大きさ
36 / 64
第3章 その先に見えた「星」

Round3 低酸素には要注意?(ラリーメキシコ)

しおりを挟む
前回のスウェーデンから、舞台をメキシコに移して迎えた第3戦。そこで衝撃的な発表がふたつ行われた。まず一つ目は、スバルが遂に「最終戦ラリージャパンからWRC復帰」を表明したという事だ。これには俺も大歓喜。2つ目は、今年のラリージャパンは「SCRS(SEIKOカップラリーシリーズ)」との併催が実現したという事だ。この発表は、皆から拍手で受け入れられた。そんな中迎えた、このラリー。マシンセッティングも少々特殊なセッティングにしている。理由は高山地帯故に標高が高く、酸素が薄いからだ。ドライバー達も薄い酸素の中、判断力とかを極限まで研ぎ澄ませて走る事を強いられる。そしてDCCDも待望のver2が投入され、より戦闘力を増した。Day1は、昨年と少し変わったコースコンディションとマシントラブルに苦戦して8番手に沈んだが、良いデータが取れたので次に活かせる日だった。Day2は、昨日の反省点とデータを活かして、一気にペースアップ。美海ちゃんのナビにも磨きがかかり、トップへと急浮上した。2日目の終わりにサービスパークで整備をしていた所、昨日のマシントラブルの原因が掴めたらしく、どうやらミッションにダメージが及んでおり、あともう少し遅かったらミッションブローを起こしていたレベルだったとか。その為、ミッションを新たにアイシン製に変更した。今まで使ってたXトラック製よりもダイレクト感が増していた。こうして迎えたDay3は、かなり「大混戦」のラリーだった。トップに妹ズが立つとそこから更にヒートアップ。目まぐるしくトップが入れ替わり、最終走者まで誰が勝つのか本当に「予測不能」だった。そして、最終走者は星奈。トップの俺との差は1分30秒。これをどう巻き返すかによって全てが決まる。タイマーが0になりスタート。俺は控え室で走りを見守っていた。この時点で、俺は半分優勝を諦めていた。1分30秒のギャップなんてすぐに逆転されるからだ。だけど最後は皆で走りを見届けようと祈る様に見守っていた。そしてエレナが「キラナ、次でラスト!左50からのストレート!今フィニッシュ!!やったァァァァァァ!!!勝ったよ!!!」と喜ぶと星奈は涙を流して「勝ったよ!誠真!!!見てくれたよね?天国から?ありがとう!!!」ガッツポーズをしていた。たちまちヒョンデは大騒ぎ。マシンが到着すると皆して拍手喝采で御出迎えした後に俺が「やったな!!初優勝おめでとう!!悲願だったもんな。勝つの。」と俺が言うと「うん…うん!!願い…叶ったよ!!」と涙を流しながら答えてくれた。ヒョンデi20WRCのエアインテークに纏っている「日の丸」は、今日一番どころか、このラリー通してずっと輝いていた。昨年のラリージャパンで果たせなかった事を、交わした約束を、今ここで果たした。結果は優勝がヒョンデの星奈、2位が俺、3位が妹ズという結果になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

航空自衛隊奮闘記

北条戦壱
SF
百年後の世界でロシアや中国が自衛隊に対して戦争を挑み,,, 第三次世界大戦勃発100年後の世界はどうなっているのだろうか ※本小説は仮想の話となっています

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...