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第3章 その先に見えた「星」
Round3 低酸素には要注意?(ラリーメキシコ)
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前回のスウェーデンから、舞台をメキシコに移して迎えた第3戦。そこで衝撃的な発表がふたつ行われた。まず一つ目は、スバルが遂に「最終戦ラリージャパンからWRC復帰」を表明したという事だ。これには俺も大歓喜。2つ目は、今年のラリージャパンは「SCRS(SEIKOカップラリーシリーズ)」との併催が実現したという事だ。この発表は、皆から拍手で受け入れられた。そんな中迎えた、このラリー。マシンセッティングも少々特殊なセッティングにしている。理由は高山地帯故に標高が高く、酸素が薄いからだ。ドライバー達も薄い酸素の中、判断力とかを極限まで研ぎ澄ませて走る事を強いられる。そしてDCCDも待望のver2が投入され、より戦闘力を増した。Day1は、昨年と少し変わったコースコンディションとマシントラブルに苦戦して8番手に沈んだが、良いデータが取れたので次に活かせる日だった。Day2は、昨日の反省点とデータを活かして、一気にペースアップ。美海ちゃんのナビにも磨きがかかり、トップへと急浮上した。2日目の終わりにサービスパークで整備をしていた所、昨日のマシントラブルの原因が掴めたらしく、どうやらミッションにダメージが及んでおり、あともう少し遅かったらミッションブローを起こしていたレベルだったとか。その為、ミッションを新たにアイシン製に変更した。今まで使ってたXトラック製よりもダイレクト感が増していた。こうして迎えたDay3は、かなり「大混戦」のラリーだった。トップに妹ズが立つとそこから更にヒートアップ。目まぐるしくトップが入れ替わり、最終走者まで誰が勝つのか本当に「予測不能」だった。そして、最終走者は星奈。トップの俺との差は1分30秒。これをどう巻き返すかによって全てが決まる。タイマーが0になりスタート。俺は控え室で走りを見守っていた。この時点で、俺は半分優勝を諦めていた。1分30秒のギャップなんてすぐに逆転されるからだ。だけど最後は皆で走りを見届けようと祈る様に見守っていた。そしてエレナが「キラナ、次でラスト!左50からのストレート!今フィニッシュ!!やったァァァァァァ!!!勝ったよ!!!」と喜ぶと星奈は涙を流して「勝ったよ!誠真!!!見てくれたよね?天国から?ありがとう!!!」ガッツポーズをしていた。たちまちヒョンデは大騒ぎ。マシンが到着すると皆して拍手喝采で御出迎えした後に俺が「やったな!!初優勝おめでとう!!悲願だったもんな。勝つの。」と俺が言うと「うん…うん!!願い…叶ったよ!!」と涙を流しながら答えてくれた。ヒョンデi20WRCのエアインテークに纏っている「日の丸」は、今日一番どころか、このラリー通してずっと輝いていた。昨年のラリージャパンで果たせなかった事を、交わした約束を、今ここで果たした。結果は優勝がヒョンデの星奈、2位が俺、3位が妹ズという結果になった。
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