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第3章 その先に見えた「星」
Round7 シーズンの見極め(ラリー・ド・ポルトガル)
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前回のチリから、舞台をポルトガルに移して迎えた第7戦。実はこのラリーの前に、俺は前回のチリで大暴れしてくれたピクシスエポック(ミライース)に乗った所、想像以上に面白くてライズの予約をキャンセルしてこっちに変更したくらいだ。そして、このラリーから改良型ステアリングを投入している。実は、昨年から前まで使っていたステアリングも良かったんだけど、なんか大径なのが気になっていた。その為、小径のステアリングを製作してもらっていた。今回はそれを実戦投入する事になった。マシンの方にも新型エンジンを投入。遂にWRC史上初の「プレナムチャンバー」という副次燃焼室を備えたエンジン「GR164E-GTS」を投入した。まずは俺のマシンに投入という形になった。これで全てを見極めるということだ。シェイクダウンから早速このエンジンが実力を発揮。トップでシェイクダウンを終えることが出来た。迎えた初日。初日は敢えてペースを抑えてのラリーだったので、5番手タイムで終えた。続く2日目から本気を出して、ソフトタイヤを4輪全てに装着した上での走行。そのおかげで、トップタイム及びステージ優勝を達成した。迎えた最終日。ここに来てヒョンデJrの星奈が本領発揮。優勝目掛けて俺に襲いかかった。何と俺が全部ソフトタイヤに対して星奈も全てソフトタイヤと完全に殺しにかかっている感じだ。世界中がこの対決に燃えていた。俺は、星奈がスタートしてから10分後にスタート。この差をどう埋めるかが勝敗を決めると言っても過言では無い。俺は、これまで以上の力で全開走行した。美海ちゃんのナビにもかなり磨きがかかっていた。お互い極限の状態での優勝争いに全陣営が応援していた。どっちが優勝してもおかしくないこの状況下、俺はミスを最小限に留めるべく、無駄な操作を一切省いた走りを披露していた。どこまでギリギリを攻めれるか、どこまで限界を攻めれるかを。そして、全ての決着は超接近戦で決まった。美海ちゃんが「ファイナルセクションクリア!今フィニッシュ!!」と言うと俺は「どう?タイム?どっちが勝った?」と聞くと「勝ったの私達だ…しかも1000分の1秒で…」と美海ちゃんが返してくれて、俺は喜びを爆発させた。ゴール後に星奈が来て「ここまで潔く負けちゃったのは初めてよ。なんか肩の荷が降りて軽くなった。ありがとう。優勝おめでとう!」と祝福してくれた。全て終わった時に俺は、思った以上に疲れが出てしまい寝る事くらいしか出来なかった。
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