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第3章 その先に見えた「星」
Round13 FIA世界ラリー選手権最終戦 プリキュアオールスターズラリージャパンin伊豆
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前回、「歴史的ドラマ」が生まれたラリーGBでヤリスWRCのラストレースを終えた俺らTGRは、遂にニューマシンの「トヨタ86WRC」を導入するのと同時にスバルもWRCへと、このラウンドからワークスで正式復帰するのを表明しており兄弟車である「スバルBRZ WRC」を導入している。エンジンはトヨタが培ってきたノウハウを極限まで注ぎ込んで共同開発した新開発の水平対向4気筒直噴ターボエンジン「FX-16」を搭載している。これにより小型高出力かつ低重心化を達成している。このラウンドからワークスノミネートを3台に戻してのエントリー。スバルの方にもプリキュア・レーシングプロジェクトが協力してくれており、1カー体制ながらTGRのバックアップも着くという豪華な体制に。BRZの方は「コスモ」という名前が与えられ、デザインもキュアコスモをベースにしているとの事。ドライバーは、上坂ユニ選手とリチャード・ロイテマンのコンビだ。この2台のマシンはシェイクダウンから強さを見せた。初日は、低重心化したマシンの利点を最大限活かして、ヤリスで攻める事が出来なかったエリアも攻めれる走りを披露して、俺がトップになった。2位にはヒョンデの星奈が食い込んだ。星奈は、来季TGRに正式移籍する事をラリージャパン開幕時に発表したのと同時に後輩ズを3号車に格上げさせることをTGRは発表。そんな星奈は、ヒョンデラストランに相応しい走りを初日から見せてくれた。一方お姉さんズはどうなるかと言うと、妹ズがワークス昇格したので4台目に空きスロットが生まれてしまった。それを埋めるべく昨年最終戦ラリージャパン以来の参戦及び2016年最終戦以来のWRCフル参戦復帰を表明するなど結構慌ただしい感じになった。続く2日目は、スバルが復帰初戦ながらトップタイム及びトップスピードを記録すると全チーム及び全メーカーがザワついていた。TGRも負けじと俺が速さを見せてスバルのすぐ後方に位置する事が出来た。そして迎えた最後の伊豆ラリージャパン最終日。最終決戦は狩野ドームでの特設コースを用いたラリーになった。しかも対戦カードを見ると、2年連続で俺は星奈と戦うことになった。俺はマシンに乗り込み、スタートラインに向かった。シグナルがブラックアウトして、美海ちゃんのスタート合図と共にスタート。お互い寸分狂わぬナビをしてるのと同時に俺らも寸分狂わぬ走りを見せていた。だけどこの時に、俺は僅かにミスを犯していた。最後のセクションで巻き返して同タイミングでフィニッシュ。カメラ判定に持ち込まれた。俺の王者獲得条件は2位以内でフィニッシュすれば3連覇という事でそんなに気負いする事は無かった。結果は、星奈のラリージャパン初制覇及び俺のWRC3連覇が決定した。3位にはスバルが復帰初戦ながら、表彰台を獲得した。俺は「最後の開催となる伊豆でのラリージャパン。本当は勝ちたかったけど、今日は星奈が本当に速かったですね。でも、WRC3連覇が達成出来た事がすごくすごく嬉しいです!本当に皆応援ありがとう!!!」とインタビューで答えたりもした。こうして今シーズンのWRCは幕を閉じた一方で世界では未知なるウイルス感染症が流行し始めているなんて、まだこの時は誰も知らなかった…。
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