FIA World Rally Championship Crazy Road

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第5章 新たな1ページ

Round6 ぶちかませ!伝説のラリー!(サファリラリー)

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前回のラリーから、舞台をケニアに移して遂に迎えたサファリラリー。WRCの中でも「歴史と伝統あるラリー」として一番認知されてるラリーのひとつだ。そして2002年以来19年ぶりにカレンダー入りを果たしており、往年のファンは大盛り上がり。俺もその中の一人で、サファリラリーと言えば「灼熱のアフリカの大地を半袖短パン、ヘルメットとグローブで走る究極の泥臭いラリー」として認知している。今回のラリーは、WRC史上最も過酷なラリーと言われてるので、万全な対策をして迎えている。冷却系の改良とか色々。その中でも一際注目されていたのが、チームD-SPORT。所謂「ダイハツワークス」だ。何とミライースをサファリラリーに持ち込むとかいう「前代未聞の行動」に出たのだ。俺は、それを聞いた時に「D-CVT8持つのかよ…何かしら対応はしてるんだろうけどさ…」と呟いて心配する程だった。ただありがたいのが、全日本ラリーのノリで持ち込んで無いのが唯一の救いだ。そんなこんなでマシンの方にもサファリラリー名物の「シュノーケル」が追加されたりと、徐々にそれっぽくなって来た。俺は誠真の形見であるヘルメットを用意したりと、ここにかける思いは並々ならぬものだ。迎えた初日。俺は初日からハイペースでラリーをリードして、リーダーとしてサファリラリーを駆け抜けた。2位にはヒョンデのカッレ君が入っている。その他のメンバーも皆トップ5に食い込む走りを見せている。

続く2日目。前日に降った雨のおかげで、コースコンディションは一気に様変わりした。昨日までカラッカラに乾いていた大地もぬかるんでおり、気を抜いたら最後のレベルだった。そんな中でも俺は怯む事無く果敢に攻めて、リーダーの座を明け渡すこと無く快走した。ただ、一つ気になってたのがダイハツワークスだ。ミライースの方はどうなのか気になっていたのだ。今回初投入の軽自動車史上初の「8速CVT」である「D-CVT8」が異常を起こしてるのではないかと気になっていたのだ。俺は2日目を終えた時にダイハツワークスのサービスパークに訪れて、「どう?CVTの調子は?壊れたりとかしてない?」と聞くと「全然平気よ!寧ろ快調!」と返ってきて一安心する一幕もあったりした。

そんな2日目を終えて迎えた3日目。ここでラリーをリードしていた俺は、痛恨のパンク。交換でタイムロスしてしまい、あっさりと陥落してしまった。首位になったのは、なんと星奈。俺は何としても遅れを取り戻すべく果敢に攻めまくった。勝負の行方は明日の最終日までもつれ込む事になった。

こうして迎えたサファリラリー最終日。俺は、ここで奇跡を起こした。まずは、ヒョンデのヌービルがトラブルにより戦線離脱。これにより総合2位に上がり、星奈とのデッドヒートを展開できる好条件になった。遂に俺の出番が来て、スタート前に、サイドブレーキに美海ちゃんと俺のお互いの手を置いて「準備ok?!」と俺が聞くと「私はいつでもokだし、かかってこい!だよ!いい?輝くん?!これは私達のご飯を賭けた「戦争」でもあるの!」と気合十分。俺は美海ちゃんの合図で勢い良くスタート。サファリラリーの最終日の醍醐味と言えば、「常時アクセル全開フラットアウト」と言われる程のフルスロットルで走れるセクションが多いという事だ。俺は、美海ちゃんのナビゲーションの元、フルスロットルでアフリカの大地を駆け抜けた。そして「最終セクションクリア!フィニッシュ!!」という声でフィニッシュラインを通過。俺は「結果どうなった?誰勝ったの?星奈?それとも俺ら?」と聞くと「勝ったのは…えっと…ちょっと待ってね…勝ったのは私達だよ!」と美海ちゃんが言うと俺は「やったァ!勝ったよ!!勝ったんだ!サファリラリーで勝ったんだ!やったね!今日の夕飯は星奈の奢り決定だね!HAHAHA!!やったぜ!それと…見てるか…誠真!お前と果たすはずだった約束…また一つ…果たしたぜ…!さぁ、夕飯が待ってらァ!!早く帰ろう!!お腹ペコペコだし!」と涙を流しながら喜んだ。ポディウムに行った俺はマシンの屋根に誠真のヘルメットを置いて、誠真にアフリカの大地を見せていた。この際に、日本人ペア初のサファリラリー総合制覇及び最年少コンビでのサファリラリー総合制覇も達成するという「歴史的快挙」も成し遂げた。
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