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数学のひと時
しおりを挟む俺、浜崎寛太には東城明日香という好きな人がいた。
その人をどういった経緯で好きになったかはまた後ほど語るとして‥‥。
いつか付き合いたいと思いながらも怖くて告白せずに過ごしている。
それでも恋人っぽいことはしていたりする。
思わず「もう付き合ってるだろ!」と言ってしまうほどのはなしや、
「えっ?それだけ?」と言ってしまいそうな物語もかいたりする。
それではそろそろ今回の物語をすすめていきましょう。
学校の5限目。
お昼を食べたせいでいつもより眠くなる時間帯。
この時間の席は自由で、内容もなんとなくだが理解している数学なのでこの日も俺は寝るつもりで一番後ろの窓際の席に座った。
すると…
「ここ、前いい?」
と東城歩美が話しかけてきた。
東城歩美はクラスの中でもでもそこそこ人気が高く、いつも静かな女の子。
たぶん身長は160ぐらいで、髪の毛は艶やかな黒のロングで毎日色々アレンジしていたりする。
そんなお淑やかな東城と知り合った物語はまた後日語るとして…
「あぁ。全然いいよ」
「ありがとう」
と言って東城は前の席に座り、
キーンコーンカーンコーン
というチャイムと共に授業がはじまった。
授業はいつも通り眠たくなるような内容で俺は前の東城をぼんやり眺める。
今日もいつも通り綺麗な東城歩美。
東城は勉強も優秀な方で、確か文系だったはず。
だからこの授業、数学ではよく質問を受けおしえてあげたりもしている。
苦手といっても、東城は理解能力が高いので教えてる俺もかなり楽だったりする。
教えることで自分も楽に理解できるし、東城と話せるし、まさに一石二鳥であると思う。
結局そこで理解するからノートも書いてないし。
なんてことを考えていると先生が解説を終えて、練習問題をする時間になった。
「浜崎は今の解説わかった?」
「あぁ、長ったらしく話してたけど公式使えば1発でしょ?」
「えっ、そうなの?」
「え……。結構真剣に聞いてそうだったのにわかんなかったの?」
「うん…」
前言撤回。
理解能力が高いと思っていたのは俺の思い違いのようだ。
「で?教えて欲しいと?」
「うん。お願いします」
「しゃーない……」
と軽く伸びをしてから。
「これをこうしてこうするだろ…?」
「うんうん。」
「ほれ、これで解けた」
「ほんとだ!ありがと!」
「どーも。ちゃんと聞いてたんじゃないの?」
「うーん。ちゃんとノートもとってたけど、浜崎の説明じゃなきゃわかんないみたい。」
と言って東城は少し顔を傾けて微笑む。
可愛い……。
美しいけど、どちらかと言うと可愛い笑顔。
こんな笑顔でこんなこと言われたらなんて反応したらいいか困ってしまうじゃないか。
「ははは。反応に困ってる~」
「わかってるならやめてくれ」
狙ってやってんのかこいつ。
「ごめんごめん。でも本当に嘘はついてないよ?」
「はいはい。ありがとさん」
「浜崎は明日香の専属講師だからね」
「お、おう」
「浮気はだめだからね」
「な、浮気って…」
「はは、また困っている~」
こいつは……。
「もう絶対教えん」
「ごめんよぉ。帰りに何か奢るから」
「しゃーない。許そうじゃないか」
「はやっ」
「まぁな」
と言っていたところで、
「よしっ答え合わせするぞ」
先生の解説が再びはじまった。
「ほら授業始まったぞ。ノートとりなよ」
「あんたもね~」
そういって机に向いてノートを取り始める。
こんなイベントがあるから数学の時間は大好きだったりする。
一緒に帰る話はまたの機会にしよう。
色々からかわれたけどけっこうドキッとした数学の授業だった。
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