Inventory Kingdom ~僕の収納は国家規模!~

AKISIRO

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第12話 空を裂く刃、地を導くソウルブレイカー

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 リードは空の竜型ゴーレムをなんとかしたい一心でソウルブレイカーを引きぬいた。
 もう、もんどりうって引きぬいた。
 手から無数の文字が踊り狂って体を侵食していく。
 無数の記憶が流れてくる。
 メロムとメロカの記憶が。
 ぽつんと空から一滴の水が滴り落ちてきた。

 いつしかどこかの暗闇の中に立っていた。
 2人の男女がこちらを見ていた。

「やぁ、リード」
「君が??なのね」

 ??の部分の声が聞こえなかった。

 メロムとメロカの髪の毛はデルの髪の毛のように緑色だった。

「僕らは異世界人なんだよ、君の祖先と同じようにね、AIの技術を使って、データとして残してる。まぁゴーレムの防衛機能が暴走しているのは残念だけど、キミが中枢機能を斬撃で破壊してしまったからね」

 男性の方、メロムが話続ける。

「そうだ、デルは元気かい」

「デルには真実は伝えなくていい、ただ、いつかは知る事となると思う、その時は君が暖かく支えてくれ」

「そのつもりだよ、デルは僕に希望を与えてくれた」

「そうねぇ、あの子は大事な人を失ったからね」

「その大事な人って」

「あんたの祖先よ」

「勇者なんですね」

「そう思ってくれて良いわ、デルは大事な人を失ったと思っているけど誰を失ったかは覚えていない、僕等はこれからAIとしてキミをサポートする。古代機械都市を上手く活用してくれ、そのソウルブレイカーはねゴーレムを操作出来るんだよ」

「メロムさん、それだけじゃないですよね」

「その通り、ここからはメロカの領域だ」

「デルの心臓と都市は繋がっているわ、彼女と二つのAIは一心同体。だからねデルにさらなる力の封印を解除します」

「それが」

「そうよ、化物化」

「それって心臓が無い状態になると発動するんでしょ」

「でも、今度は私達が制御します。もし力が必用になったら、起動する。それだけはリード君に伝えておきたかったの」

「そうですか、覚悟しておきます」

「じゃあ、現実に戻って頂戴。ドワーフさんの解析というスキルで色々と知られてしまったけど、あのドワーフなら信頼に足るわ」

「ガストン教授はたぶんいい人です、仲間に裏切られた事がある僕には何とも言えませんが」

「大丈夫、あなたは一度裏切られて、経験を経て、同じ裏切りをされても見破る事が出来るわ、その為に私たちもフォローをする」

「はい」

「では戻れよ、旧友」

 メロムが意味深な事を呟いて。
 リードの意識が覚醒した。

「りー」
「リード!」
「起きてちょうだい!」

「大丈夫僕は生きてるよ、デル、それよ、竜型ゴーレムを止める」

「大丈夫、ジョードス村長とミシェルの斬撃が竜型ゴーレムの翼を破壊して、そいつが大地に落下したわ、あそこはハイビカス村の麓ね、ただ、第二撃の砲撃がハイビカス村をそれちゃって、またジャヴァ王国に命中したわ」

「それって」

「こう考えるでしょうね、ソード王国がハイビカス村を使って宣戦布告してきたって、この前もジャヴァ王国の兵士達を逃がしたから、彼等攻めてくるわよ」

「その時は倒すまでだ。まずは」

 ソウルブレイカーを起動させる。

 体中に文字が蠢く。

「きゃあ、リードの体に文字が」

「これはプログラム言葉と呼ばれてるらしい。それが僕の体に入ってるだけだよ、今から全てのゴーレムを掌握する。デル! 君は何ともないかい、色々と封印が解かれてるはず」

「うん、なんだか懐かしい気持ちになってる。不思議なんだよ~リードを見ているととても心が熱くなる」

「そ、そうか、それは良かったよ」

 デルが顔を真っ赤にさせながらもじもじしているが。
 つまり彼女が見ているのはかつての勇者。
 大事な人だった人。
 リードは複雑な気持ちを抱く。
 かつての勇者がリードの祖先なら、顔や体つき声等も似ているという事になる。

 メロムが言った旧友と言う言葉が引っかかる。
 あれはどういう意味だったのか。
 今のリードでは理解が及ばない。

「よーしゴーレムがわしの解析から離れた。今リードの支配下に入ったな、わしはあの門の向こうを見てくる、開かれてるしのう」

「僕も行くよ、2人のAIは教えてくれなかったからね」

【失礼、忘れていたよ、わたしはメロカ、この先はあなたの世界よリード】

「はじめましてじゃのうメロカ」

 ガストン教授が轟くような声で話し出す。

「どうやらダンジョンそのものが話をしているようじゃのう」

【そうね、ガストン教授はじめまして、その先はリードの世界。つまり、アイテムボックスの中よ】

 リードはなんとなくうすうす感じていた。

 あそこからとても懐かしい気配を感じる。

「リード行く覚悟があるか?」

 ガストン教授が尋ねる。

「ああ、ちらりと見て戻ってくる」

「それならわしも付いていこう」

「私もよ」

 3人は巨大な門を潜り抜けた。
 光輝く世界。
 そこはアイテムボックスの世界。
 その中は無数の物が空中に浮いていた。
 それも果てしない沢山の物。
 大地も無く、天上も無い、まるで異世界の書物にあった宇宙そのものだった。

「こりゃーすげー」

「あの巨大な箱なんだろうか」

【それはかつての勇者がしまった物よ、浮いているのはあんたの入れたアイテム等ね、この世界にモンスターを収納したようだけど、彼等はここに入っていたのよ】

「こんな所でモンスターが生活出来るとは思えないけど」

【大丈夫、この世界に入るとモンスターは仮死状態になるから】

「そうなんね、あの箱を開けたいけど」

【鍵が必用よ、それはどこかに眠ってるわ】

「そうなんだね、僕のアイテムボックスの中にあんな箱があるなんて知らなかったよ」

【それは盗賊王のスキル:隠蔽をほどこされていたのだから気付けるはずもないわ】

「ありがとう、そろそろ戻るよ」

【いつでも参って、ここはあなたの空間よ、ちゃんとわたしとメロムが守り続けるわ】

 その言葉を聞いて、リードが安心して先程の広間に戻る。
 いつしか無数のゴーレムがいた。
 先程の竜型ゴーレムも翼を破壊されて佇んでいる。

 ゴーレム達は各自勝手に修理を始めていた。

「改めて、ガストン教授、ソード王国を栄える為に機械化を進める話があるんだけど」
「おうよ、それなら任せろってもんだい」

 ガストン教授が筋骨隆々の胸を叩くと。
 3人がハイビカス村に向かって歩き出したのだが。
 そこから金髪をぼさぼさにさせて、衣服がぼろぼろになったミシェルが走ってくる。

「大変だー俺が斬撃を飛ばした―じゃなくて、もっと大変な事がー」

 








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