Inventory Kingdom ~僕の収納は国家規模!~

AKISIRO

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第28話 アイテムボックスの王

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リードは静かにルバン将軍の前に降り立った。将軍はすぐに剣を抜こうとしたが、その目は鋭くリードを見据えていた。

「待て、ルバン。お前ではリードの相手にはならん」

隣で呟いたのは、リードの肩に乗ったウサギの人形――村長ウサギだった。

「お前は……ジョードス村長。なぜ敵になったのだ?」

ルバンの声には戸惑いが混じっていた。

「そうだな。実はこの勇者の来訪を待っていたのだ」

村長ウサギは静かに答えた。

「だが、あいつは勇者の仮面をかぶった悪魔だ」

ルバンは睨みつける。

「なぜそう思う?」

リードは微笑みながら問う。

「国王を裸にして城から吊るしたではないか」

ルバンの言葉にリードは冷静に返した。

「それが戦争というものだ。ルバンよ、戦場で情けをかけてほしいのか?」
「いや、私は正々堂々と戦いたい」
「それは間違いだ。お前たちはよってたかって奇襲を仕掛けるために同盟を結んだ。ならこちらも戦略的に動く。それが戦争だ。覚悟なくやる者はやられる」

ルバンは悔しげに唇を噛んだ。

「ちょっといいですか? 僕からも言わせてもらいます」

リードが口を開くと、村長ウサギが静かに頷いた。

「ジャヴァ王国はもう属国にした。次はパイソン王国、エイチィムル王国、そしてシーエスエス王国も手中に収めるつもりだ。だからここにいる皆は、残念だが死んでもらう」

その言葉に場が凍りつく。

「僕は魔王、いや青の林檎隊に裏切られ、あの地下ダンジョンに躊躇や思いやりを捨ててきた。大切な者を守るためなら、平気で不要な者を殺す。だから、皆、死ぬべきだ」

リードの冷たい宣言に、誰も声を出せなかった。

「お前、本気か? 英雄王ユーバスや破壊王カイルードを一人で倒せるとでも?」

破壊王カイルードが鼻で笑う。

「それなら、魔王7人相手に一人で戦う僕の覚悟はどうなる?」

リードは静かに答えた。

「面白い。ならば俺たちも本気で行くぞ!」

カイルードが叫び、場の緊張は一気に頂点に達した。

「兵士たちよ、ビャッコが戯れている間に、この俺たちで片付けてやろう」

リードは言いながら、村長ウサギが消えたことに気づく。アイテムボックスに収納されたのだ。
リードは右手に《ソウルブレイカー》を握りしめ、消えた。

「は、速い!」

破壊王が叫ぶや否や、英雄王ユーバスの黄金の鎧が砕け散った。

「ぐぅっ!」

ルバン将軍の肩から血が噴き出す。
「ひぃぃぃ!」

第三剣王グウは悲鳴を上げ後退した。

「駄目だ! 空間目でも追えない。速すぎる、一体どこにあの強さが?」

ルバンは慌てて兵士たちを集め、肉壁を作ろうと命じる。

だが、兵士たちの頭が次々に空へ飛び、血も飛び散らない。リードの斬撃はあまりに速すぎた。
肉体がぐったりと倒れ、遅れて血が噴き出す者が続出する。
リードは高速で動きながら、その様子を冷静に見つめていた。

この速度はアイテムボックスの力によるものだ。箱に収納したモンスターや物のスキルや力を吸収できるのだ。

「ガストン教授には感謝しないとな」

大量生産されたゴーレムの一体一体が計り知れない強さを持ち、リードはその力を吸収している。
現在のリードのレベルは5000に達し、目標の域に達していた。
さらに、1000体のビャッコもアイテムボックスに入れ、その俊敏さも獲得している。ビャッコマルの力も加わり、その速さは人間の1000倍以上に及ぶ。一度入れれば出しても力は習得した状態だ。

霧王の体が霧散すると、周囲は霧に包まれた。
しかし、ルバン将軍、時空のジダン、空間のグウが消えると、霧は晴れ、4人の姿はなかった。
残ったのは英雄王ユーバスと破壊王カイルード。6万の兵士はわずか千人ほどに減り、ビャッコに食い尽くされていた。
爆撃防御を失った破壊王カイルード。そのおかげで、兵士達は竜型ゴーレムのブレスにさらされ、無数の光の粒子と化した。
空の船ではバナガド姫と空の民のエルフたちが撤退を始めている。

「おい、ユーバス、これはヤバくねえか」
「同感だ」

空間のグウが宇宙に飛ばした魔障壁の機械も無力化され、Sランク級に近いビャッコたちを倒せる兵士はいなかった。
逃げ出した兵士たちはジャヴァ王国方向ではなく、近くの山へ向かっていた。
リードはその末路を察していた――山賊団となるだろうと。
ビャッコに囲まれた英雄王と破壊王。

「さて、本気を出すか。スキル:爆弾世界」
「こちらも使おう。あまり出したくなかったが、スキル:一億剣」

リードの瞳が鋭く光った。



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