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第21話 意外なレア度を誇る素材
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「ナナミー、リードンさんによろしくな。俺は一足先に現実へ戻る」
「分かりました。戻られたら必ず村に寄ってくださいね」
名残惜しそうに微笑むナナミーに手を振り、俺はテレポートを発動させる。
視界がぐにゃりと揺れ、次の瞬間には山の割れ目──そして現実世界の倉庫に立っていた。
そこには弟の健司が腕を組み、椅子に腰掛けたまま思案に沈んでいた。
ぼさぼさの髪にスーツという相変わらずのちぐはぐスタイルだが、その目は研究者そのものの鋭さを宿している。
「おう、兄貴。ちょうどいいところに来た。話がある」
「どうした?」
「この前のエリクサポーション、調べてみたらとんでもない効果が出てきた。人体の治癒力や細胞再生速度を爆発的に高める……。つまり、異世界の素材系は、こっちの世界じゃ未知の可能性を秘めてるってことだ」
「……なるほどな。じゃあ素材を持ってきゃいいんだな。倉庫とリンクしてるから、異世界の地下倉庫から取り出せるぞ」
「マジか! いいから何か出してみてくれ」
「そうだな……めぼしいのはフェニックスの羽とか、魔獣の鱗、毛皮、糸……その辺か」
商品倉庫に意識を向けると、空気が揺らぎ、木箱や麻袋に詰められた素材が床に現れる。
鱗は金属光沢を放ち、羽は炎の残滓を纏ったように煌めいた。
「……すげぇ、まるで魔法だな」
「魔法じゃなくてスキルだ」
「どっちでもいい。研究所に持ってって確かめてみる」
健司は目を輝かせて素材を眺めながら言葉を続けた。
「それと、カナエのことだが……あいつ、人間の枠を超えてるぞ」
「ああ、だろうな。エリクサポーションを飲んだから」
「兄貴が母さんに渡して店で売っちまったせいで、そこら中の客が超人化してる可能性すらある。……面白いな」
「面白いか? いや、笑い事じゃねえだろ!」
額を押さえる俺に、健司は肩を竦める。
「ま、俺が抑えてやるよ。……それより兄貴、異世界に何を持ち込みたい?」
「そうだな……」
考え込む俺に、健司は口角を上げて答えを投げた。
「衛生面、悪そうだろ? 石鹸やシャンプー、ボディソープとかウケるんじゃねえか? リサイクルショップに山ほど転がってたろ」
「……それだ! ありがとう」
「いいってことよ」
母さんのリサイクルショップに入ると、そこにはカナエがいて、母と笑いながら話していた。
その姿は以前よりずっと健康的で、血色も良い。
「あっ、お兄ちゃん!」
カナエがぱっと笑顔を見せる。
「この前ね、十階のマンションからバンジージャンプして、地面にそのまま着地したんだよ!」
「……いや、それ自爆行為だから」
喉まで出かかった言葉を、必死に飲み込む。
「次は二十階から飛んでみたいな」
「やめろ! 死ぬぞ!」
「大丈夫。空も飛べそうな気がするんだ」
「いや、飛ぶな! それは危険だ!」
母はケラケラ笑いながら言った。
「この子、超人になりたいって夢があるんだって」
俺は心の中で突っ込む。
(それ、超人じゃなくてウルトラダイナミック星人だろ……)
「そうだ母さん、石鹸とかシャンプー、ボディソープがあったら全部買うよ」
「おお、太っ腹の息子が動いたわね! あるわあるわ、全部持っていきなさい」
俺は棚に積まれた商品を片っ端から回収し、商品倉庫に収めていく。
これらを異世界に出現させ、紙に販売経緯を書いてリンクすれば、ガルやナナミーが勝手に陳列してくれる──。
ふとそんな“遠隔経営”の可能性が脳裏をよぎる。
(……遠距離商店、悪くないな)
「じゃあ、母さん、カナエ。また来るよ。今度はお土産持ってくる」
「ぜひお願いね」
「お兄ちゃん、頑張ってー!」
二人の声を背に、俺はふと思いついた。
(そういえば、この世界でもテレポートって使えるのか?)
試しに意識を集中させる。
すると──病院の一室に転移してしまった。
目の前には医者と看護師。
全員の目が丸くなる。
「でたっ! 謎の超能力者です!」
「げっ」
俺は慌てて再びテレポートを発動。
跡形もなく消えた俺を、彼らは幽霊でも見たような顔で見送ったに違いない。
再び倉庫に戻ると、健司の姿はすでになかった。
代わりに異世界への扉が静かに佇んでいる。
俺は深呼吸し、その取っ手を引いた。
異世界の風が流れ込み、鼻をくすぐる。
扉を抜けると山の割れ目に来て、テレポートを発動させて村へと至った。村の広場に多くの人々が集まっていた。
ざわめきは重苦しく、緊迫した空気に満ちている。
どうやら、また新たな問題が発生したようだった。
「分かりました。戻られたら必ず村に寄ってくださいね」
名残惜しそうに微笑むナナミーに手を振り、俺はテレポートを発動させる。
視界がぐにゃりと揺れ、次の瞬間には山の割れ目──そして現実世界の倉庫に立っていた。
そこには弟の健司が腕を組み、椅子に腰掛けたまま思案に沈んでいた。
ぼさぼさの髪にスーツという相変わらずのちぐはぐスタイルだが、その目は研究者そのものの鋭さを宿している。
「おう、兄貴。ちょうどいいところに来た。話がある」
「どうした?」
「この前のエリクサポーション、調べてみたらとんでもない効果が出てきた。人体の治癒力や細胞再生速度を爆発的に高める……。つまり、異世界の素材系は、こっちの世界じゃ未知の可能性を秘めてるってことだ」
「……なるほどな。じゃあ素材を持ってきゃいいんだな。倉庫とリンクしてるから、異世界の地下倉庫から取り出せるぞ」
「マジか! いいから何か出してみてくれ」
「そうだな……めぼしいのはフェニックスの羽とか、魔獣の鱗、毛皮、糸……その辺か」
商品倉庫に意識を向けると、空気が揺らぎ、木箱や麻袋に詰められた素材が床に現れる。
鱗は金属光沢を放ち、羽は炎の残滓を纏ったように煌めいた。
「……すげぇ、まるで魔法だな」
「魔法じゃなくてスキルだ」
「どっちでもいい。研究所に持ってって確かめてみる」
健司は目を輝かせて素材を眺めながら言葉を続けた。
「それと、カナエのことだが……あいつ、人間の枠を超えてるぞ」
「ああ、だろうな。エリクサポーションを飲んだから」
「兄貴が母さんに渡して店で売っちまったせいで、そこら中の客が超人化してる可能性すらある。……面白いな」
「面白いか? いや、笑い事じゃねえだろ!」
額を押さえる俺に、健司は肩を竦める。
「ま、俺が抑えてやるよ。……それより兄貴、異世界に何を持ち込みたい?」
「そうだな……」
考え込む俺に、健司は口角を上げて答えを投げた。
「衛生面、悪そうだろ? 石鹸やシャンプー、ボディソープとかウケるんじゃねえか? リサイクルショップに山ほど転がってたろ」
「……それだ! ありがとう」
「いいってことよ」
母さんのリサイクルショップに入ると、そこにはカナエがいて、母と笑いながら話していた。
その姿は以前よりずっと健康的で、血色も良い。
「あっ、お兄ちゃん!」
カナエがぱっと笑顔を見せる。
「この前ね、十階のマンションからバンジージャンプして、地面にそのまま着地したんだよ!」
「……いや、それ自爆行為だから」
喉まで出かかった言葉を、必死に飲み込む。
「次は二十階から飛んでみたいな」
「やめろ! 死ぬぞ!」
「大丈夫。空も飛べそうな気がするんだ」
「いや、飛ぶな! それは危険だ!」
母はケラケラ笑いながら言った。
「この子、超人になりたいって夢があるんだって」
俺は心の中で突っ込む。
(それ、超人じゃなくてウルトラダイナミック星人だろ……)
「そうだ母さん、石鹸とかシャンプー、ボディソープがあったら全部買うよ」
「おお、太っ腹の息子が動いたわね! あるわあるわ、全部持っていきなさい」
俺は棚に積まれた商品を片っ端から回収し、商品倉庫に収めていく。
これらを異世界に出現させ、紙に販売経緯を書いてリンクすれば、ガルやナナミーが勝手に陳列してくれる──。
ふとそんな“遠隔経営”の可能性が脳裏をよぎる。
(……遠距離商店、悪くないな)
「じゃあ、母さん、カナエ。また来るよ。今度はお土産持ってくる」
「ぜひお願いね」
「お兄ちゃん、頑張ってー!」
二人の声を背に、俺はふと思いついた。
(そういえば、この世界でもテレポートって使えるのか?)
試しに意識を集中させる。
すると──病院の一室に転移してしまった。
目の前には医者と看護師。
全員の目が丸くなる。
「でたっ! 謎の超能力者です!」
「げっ」
俺は慌てて再びテレポートを発動。
跡形もなく消えた俺を、彼らは幽霊でも見たような顔で見送ったに違いない。
再び倉庫に戻ると、健司の姿はすでになかった。
代わりに異世界への扉が静かに佇んでいる。
俺は深呼吸し、その取っ手を引いた。
異世界の風が流れ込み、鼻をくすぐる。
扉を抜けると山の割れ目に来て、テレポートを発動させて村へと至った。村の広場に多くの人々が集まっていた。
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どうやら、また新たな問題が発生したようだった。
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