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始まりのプロローグ
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しおりを挟む夜9時。
「ゴーン」
鐘が勢いよく鳴らされた。
夜会は終焉(しゅうえん)のフィナーレを迎えた。
合格者は王子から直接指輪を渡されるらしい。
しかし、そのような話は今のところない。
私からしてみれば、・・・・・・やはりっ。
昼間の話を思い出す。
ひょっとして、女性たち・・・・・・。
第2王子の魔の手に・・・・・・!
パーティーの後片付けをしている最中、使われていない客間から、女の子のすすりなく声が聞こえた。
近寄ったら、女の子が泣きながら出ていった。
奥から男の声が聞こえる。
見れば、あの第2王子だ。
こいつめっ!しょうこりもなく。
目が合った。
「誰だ。お前は?」
「調理場で、女中をしております」
「そうか。丁度よい。注文があったのだ。こちらに来て、耳を貸せーい」
私は全裸で下にシーツを羽織る第2王子に、しぶしぶ近付いた。
「見たな」
「えっ」
私は、ぐいっと、手を引っ張られてそのままベッドに押し倒された。
「俺の悪事を知ったお前を生かしてはおけん。口封じだ」
そう言って、第2王子は私に覆(おお)い被(かぶ)さった。
「いや、やめてください」
「ほう。こう見るとお前なかなかいい女だな。ヤバい、・・・・・・くすぐる」
第2王子は舌を出して、自分の唇を舐めた。
私は背筋が、ゾクッと、した。
「バタン、ドカン」
?!
すごい音がして、人が入ってきて、そのまま第2王子をひっぱたいた。
私はというと、その人に抱き寄せられている。
「お前が何をしようと勝手だが、この女に手出しすることは許さん」
「ま、まさか。お兄様の心に決めた人、というのは・・・・・・」
第1王子が頬を赤らめた。
そして私をそのまま、ぎゅっと、抱き締める。
そ、そんな。
女中の私は、第1王子を決める花嫁パーティーの終焉で、その当事者王子から逆プロポーズされてしまった。どうしよう?!
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一気読みさせて頂きました(*´∀`)
このまま兄弟バトルになりそうな幕引きですね(///∇///)
感想ありがとうございます。とてもうれしく思います。
・・・・・・さすが。するどいですね。penpen様の、おっしゃる通りです(笑)。
完結した小説一覧でお見掛けして、楽しませていただきました。
テンポよく進むストーリーもそうなのですが、なによりラストがよかったです。
最後に、この台詞を持ってくる……。考えられてますね。
感想ありがとうございます。とてもうれしいです。そう言っていただけてとても報われました。感謝します。