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第1章
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わたしはひどい高熱を出して寝込んだ。発作と同時に全てのことを思い出したわたしのこの幼い脳には処理が追いついていないようだ。
わたしは何日か寝込んでしまった。
やっと熱が引いて目を覚ました時にはもうわたしは以前のわたしではなく、前世の自分がこの世界に来てしまったような感覚だった。
だがもちろんこの世界で生きていたことは覚えているし、わたしの思考がほんの少しだけ変わっただけだ。
目を覚ますとロイがすぐに寄ってきた。
よかった。ロイはわたしが変わっても、変わらずそばにいてくれるんだ…。
手を伸ばすと頭を手に擦りつけてくる。ゴロゴロと喉の音がする。
可愛い…改めて見ると、大きいホワイトタイガーみたいね…わたしには動物園でちらっとしか見たことがないけど、あれを何倍にもした感じかしら。
でもロイは大きくも小さくもなれる万能型だから、あのサイズにもなれるかも?
まぁそんなことは置いといて、変わらないことにとてもほっとした。
ほっとすると、涙がでてきた。
わたしは思い出した。前世の記憶を…わたしはあまり幸せとは言い難い日常だった。
わたしは日本に住んでいて、病で命を落とした。
死ぬことはわたしが選んだことだった。辛い治療に耐えれば長く生きることもできたかもしれないが、わたしは治療はせず、ゆっくりと死ぬまでの日々をすごした。わたしはもう辛いのはこりごりだった。
父はわたしの小さい時に死んだそう…わたしには兄と姉と母がいた。親戚はそれほど多いほどではなかったが、いとこがいる程度で、いとこの家には少しだけお世話になっていた。
わたしの兄と姉はわたしよりずっとしっかりしていて、歳も離れていたから可愛がられてはいたけれど、母の教育済?な所もあって、母の意思に従う傾向が強かった。母に反発したり母が拒否したりすれば母の味方につき、全てが悪いもののような…いやあの人達にとってはそれが正しいことだったのかもしれない。表向きは世間からみたら多分幸せなごく普通の家庭だったんだろう…。母はわたしを愛していたが、それはわたしが母の全て言う通りに生きていたからだ。愛良というのがわたしの前世の名前…みんなに愛されるようにと願われ付けられた名前。わたしはできるだけ母の思う通りに生きた。それがわたしの世界であり当たり前だと思っていた。だけど、違っていた。
13歳の時学校でいじめにあった。わたしは母にその事を知られて、こんな自分は嫌われるのではないかと恐れて、母に隠した。いじめがバレるということはなかったが、わたしが学校に行かないということや病気がちにあること、よく1人で泣いてる事に疑問を持つようになって、問い詰められた。学校に行きなさい。泣くな、泣いてもわからない。解決しない。母はとても怒っていた。イライラしていた。
いつもわたしを宝物だといって抱きしめくれる母とは違ってこわかった。
母は何も言わないわたしを変に思ったのだろう…カウンセリングに預けて、わたしを放棄した。
その時からだろうか…疑問に思ったのは…わたしは愛されているんだろうかと思ったのは。
わたしは何日か寝込んでしまった。
やっと熱が引いて目を覚ました時にはもうわたしは以前のわたしではなく、前世の自分がこの世界に来てしまったような感覚だった。
だがもちろんこの世界で生きていたことは覚えているし、わたしの思考がほんの少しだけ変わっただけだ。
目を覚ますとロイがすぐに寄ってきた。
よかった。ロイはわたしが変わっても、変わらずそばにいてくれるんだ…。
手を伸ばすと頭を手に擦りつけてくる。ゴロゴロと喉の音がする。
可愛い…改めて見ると、大きいホワイトタイガーみたいね…わたしには動物園でちらっとしか見たことがないけど、あれを何倍にもした感じかしら。
でもロイは大きくも小さくもなれる万能型だから、あのサイズにもなれるかも?
まぁそんなことは置いといて、変わらないことにとてもほっとした。
ほっとすると、涙がでてきた。
わたしは思い出した。前世の記憶を…わたしはあまり幸せとは言い難い日常だった。
わたしは日本に住んでいて、病で命を落とした。
死ぬことはわたしが選んだことだった。辛い治療に耐えれば長く生きることもできたかもしれないが、わたしは治療はせず、ゆっくりと死ぬまでの日々をすごした。わたしはもう辛いのはこりごりだった。
父はわたしの小さい時に死んだそう…わたしには兄と姉と母がいた。親戚はそれほど多いほどではなかったが、いとこがいる程度で、いとこの家には少しだけお世話になっていた。
わたしの兄と姉はわたしよりずっとしっかりしていて、歳も離れていたから可愛がられてはいたけれど、母の教育済?な所もあって、母の意思に従う傾向が強かった。母に反発したり母が拒否したりすれば母の味方につき、全てが悪いもののような…いやあの人達にとってはそれが正しいことだったのかもしれない。表向きは世間からみたら多分幸せなごく普通の家庭だったんだろう…。母はわたしを愛していたが、それはわたしが母の全て言う通りに生きていたからだ。愛良というのがわたしの前世の名前…みんなに愛されるようにと願われ付けられた名前。わたしはできるだけ母の思う通りに生きた。それがわたしの世界であり当たり前だと思っていた。だけど、違っていた。
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母は何も言わないわたしを変に思ったのだろう…カウンセリングに預けて、わたしを放棄した。
その時からだろうか…疑問に思ったのは…わたしは愛されているんだろうかと思ったのは。
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