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2.協奏曲、あるいは狂騒曲
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撤収前に、ヴィルピンから話があった。
近くに有名人が来ている。その名を聞いて、ダンクルベールの顔にとびきりの喜びが浮かんでいた。
「ガンズビュールにはいい思い出がないが、とびっきりの特産品がひとつだけあってだな。そいつみたいだ」
馬車の中。老いた顔が、うきうきしていた。
向かったのは、小さなごろつき酒場だった。悪そうな男ども、化粧の濃い娼婦などが、ごろごろしていた。
「腕の細い男がいると聞いた」
ダンクルベールの声に、ごろつき酒場の連中が、一瞬で静まり返った。ぴしりとした緊張感が走る。
ひとりだけ、違った。その背中は、カウンターの方に見えた。
「足の悪い、でかいやつがいるとも聞いてるぜ?」
帰ってきたのは、酒に焼けた声だった。
小柄とまではいかないが、そこまで背も高くない。年嵩のいった、細身の男だった。
「ダンクルベール、とかいうやつでねえ」
そう言って、男が振り返った。
不敵な笑み。杖突きの、老いた男。左手は簡素な義手だった。
「奇遇だな。俺もダンクルベールという。俺が探しているのは、アキャールってやつだ」
「そいつは奇遇だ。俺も、アキャールっていうんだよ」
「おいおい。そいつは奇遇だなあ」
そう言って、ふたり、大笑いしはじめた。
お互いに歩み寄り、一度、手を取り合ってから、がっしと抱き合った。かなりの体格差だが、アキャールという男もどうしてか、大きく見えた。
「久しぶりだあ。まさかこんなところで会えるとは」
「いやあ。店を畳んで諸国漫遊だ。会えるとは思っていなかったよ、ダンクルベール。仕事で来たのか?」
「ああ。ちょうど終わって帰るところだ。部下どもから、有名人が来てるって言われたもんでな」
「有名人か。ありがたいねえ。まだまだこの名も、捨てたもんじゃないな。さあさあ、俺の店でもねえけどよ。ゆっくりしていってくれよ」
聞いたことがないぐらいに、明るい声。ふたりとも、満面の笑みでカウンターに腰掛けた。相手の方には、ちょっと化粧が濃いがいい感じの年増さんが引っ付いていた。遅れて、ペルグランとスーリも促される。
ほんとうにふたりとも、嬉しそうだった。
ふと、周りを見た。ごろつきどもが、きょとんとするか、ぎょっとしている。ダンクルベールだと。細い腕。まさか、あいつが。ガンズビュールのやつか。ちょっとしたどよめきになっている。
アキャール氏。悪党方面の有名人と見た。
「三年か、四年か?店を畳んだとは、勿体ないな」
「あの商売は、もう流行らんよ。ガンズビュールは、おかげさまで裏も太平。継ぐやつもいないし、俺で終わりさ」
「あの。おふたりはどう言った仲で?」
爺さんふたりの世間話に、おずおずと割って入ってみた。
ダンクルベール。とびきり嬉しそうな顔で、こっちを向いた。細い腕というよりも、細面のアキャールも、目を細めて、にこにこ顔だ。
「友だち、ってやつかな。喧嘩ばっかりしているが、それでも友だちだ。好敵手っていっても、またちょっと違うもんな。ダンクルベール」
「そうだな。昔、ガンズビュールで知り合った悪党さ。細腕っていう、いい名前がある」
ユィズランド方面の血だろうか。本場の伊達男とはちょっと違った、気障な感じの細面のあちこちに、薄い傷が走っている。悪党と言われたが、からっとしていて、気持ちのいい感じがした。
「申し遅れました。私、ダンクルベール長官の副官を努めております、ペルグランと申します。よろしくお願いします」
おずおずと挨拶をしてみた。悪党相手の挨拶なんてどうしていいものだか、と思っているうちに、ダンクルベールの巨躯をまたいで、言われた通りの、いくらか細い右腕が伸びてきた。
握手。びっくりした。相当な握力だった。
「お言葉、丁寧にござんして。細腕のアキャールと発します。親分が面倒臭くて大変って顔をしてらっしゃるね」
「お前が人を悪く言うなんて、随分だな」
「実際、そうだろう?口下手で、そのわりに律儀で真面目なんだから。俺みたいな同世代はともかく、兄ちゃんみたいな若いこは、きっと顔色を伺うのが大変だろうよ」
アキャールの言葉に、ダンクルベールが嬉しそうに苦笑した。ここまで言われてそれで済ませるとは、相当に気心のしれた仲なのだろうか。
「無問題。長官さん、本気でいい人なんだよね」
「ほれ見ろ。ちゃんと懐いている」
「いいこなんだよ。お前が甘やかされてるのさ。何かと下手くそだから。皆、甘やかしたくてしょうがないんだよ」
またふたり、げらげらと笑って、背中を叩き合っている。
ほんとうに仲がいいんだな。しばらくそうやって、あれこれと身の上話で盛り上がっていた。
向こうもこっちには来たばかりで、あっちへぶらぶら、こっちへぶらぶら。行きずりの女を作ってみたり、見てみたかった風景や建物を見たりだとか、隠居生活を満喫しているそうだった。
こちらも、部下ひとり、活を入れてきたところだと、ヴィルピンをねたにして、笑い合っていた。
アキャールという人は明るかった。人をとにかく褒める。人のいいところを沢山知っていて、あるいは見抜く能力があるのだろう。ペルグランも、スーリも。いくらか交わしたぐらいで目一杯に褒めてくれた。
でもダンクルベールに対してだけは、ちょっとだけ辛口。これもきっと、同世代の仲よしだからできること。悪口の言い合いでも楽しくなれるというやつだ。
ガンズビュール訛りの強い、ちょい悪おやじ。細腕のご隠居、アキャールさん。悪党とはいうが、民衆に親しまれるような、頼りがいのある任侠さんかな。喧嘩しているとはいっても、きっと口喧嘩とか、そんな程度なのだろう。
「ああ、そうそう。忘れていたよ」
不意に、アキャールが立ち上がった。
「お給仕さんが足りないから、手伝いしてくれって頼まれてたんだ。ご注文を、お伺いしようかね?」
ダンクルベールの隣。アキャールはカウンターに背をもたれて、そんな事を言いだした。ちょっとだけ、声色を作ったようにしているのが、引っかかった。
カウンター向かいの亭主を見る。顔に、緊張と感激が見えた。どうしたんだろう。
「別段ない。ただこの店は、席料が高いんだってな」
それもどこ吹く風で、ダンクルベールはにこりと笑って、そう答えた。こちらもどこか、芝居がかった口調だった。
この店には、席料なんてないはずだった。確認しようと、やはり亭主の方を向くと、ぎりっと睨みつけられた。
何かの符牒の話をしているのかもしれない。
「そうさね。最近は景気も悪くて、席料も上がっちまった。味がよくて、亭主の器量がよくなけりゃ、流行らん店だ」
芝居がかった、しみじみとした顔だった。
このひとも、ここの店に通い詰めているわけではない。今までの会話で、そう言っていたはずなのに。
そのあたりからだ。店中から、おお、というどよめきが上がりはじめた。あれがあの、細腕の。ああ、一度見てみたかったんだよ。そんな言葉が、飛び交っている。
何かが、はじまりつつある。
「相変わらず、金はない。渡せば、つけ上がるだろう?」
「ほいじゃ、まあ。ここらでお別れでごじゃんすね」
そう言って、アキャールが腰を浮かせた。
どよめきが、このあたりから歓声に変わりはじめた。口笛すら上がりはじめる。おやじのひとりが、煤けたギターを担いできて、雰囲気のある旋律を奏ではじめた。
まるで活劇ものの芝居。決闘前の、口上の場面。
「言うなって。友だちだろ?爺になって、少なくもなった」
ダンクルベールのその言葉に、男は足を止めた。お決まりのように、両足の踵を何度か軽くぶつけてみせる。
「少なくなったなあ。友だちも、なにもかにもが」
そのあたりで、もう、店内は大盛り上がりだった。強面の亭主も、涙を浮かべながら、せっせと緑の瓶をふたつ、用意しはじめた。
「これ、ご存知なんですか?」
「頼むよ、兄さん。見させてくれよ。自分も余所で聞いた話さ。それも随分昔の、伝説だ。それがまさか、俺の店で見れるなんてさあ。ああ畜生、生きててよかった」
そこまで言うなら、きっと名の知れた仲の、名の知れたやり取りなのだろう。
白秋の手前が、活劇の真似事。そんなことを、皆して手を叩いて盛り上がっているのだ。
不思議な景色。でもなんだか、かっこよかった。
「俺は左足。お前は、左腕。残ってるものは、ほんとうに少ない。ああ、ほんとうに。寂しくなっちまったもんだ」
「けどよ。少なくなったものを振り返り、懐かしんだり、ありがたがるのも、友だち同士だったんなら、悪くはないよな」
「ああ。心の底から、そう思うよ」
ダンクルベールが立ち上がった。横に並んで。背中合わせの、男ふたり。
そうしてふたり、差し出された緑の瓶を、瓶のまま一息で飲み干した。その瞬間、背中がしびれていた。
「このやりとりも、この後も。あと何回できるのかしらね」
アキャール。ほんとうにぽつりと、漏らすように。
「考えたくもないから、やれるうち、やれる分を楽しもう。今まで通りにな」
「そうだな。じゃあ、見せびらかしてやろうぜ」
アキャールの指の音、三回。嬌声が上がった。上げてしまっていた。
大歓声の中、ゆっくりと歩みだす。すべて決まった段取りのように、お互いの杖を床に突く。
とん、という音。それで、静まり返った。
男ふたり、酒場の中央。並び立ち、向かい合う。
「面倒な決まりは、なし。店の迷惑にならない程度に」
「勝敗は、勿論。だろ?」
「ああ。お互いの、気の済むまで」
瞬時に、何かがぶつかった。杖と杖。間合いが離れる。
お互い、同じ構えだった。半身で、まるで細剣の決闘のように。
比べれば、ダンクルベールの方がどっしりとしていて、アキャールの方が軽やかだった。義手持ちとは思えない。鮮やかで、華やかで、そして鋭い。
「さあて。久方ぶりにご尊顔を拝しましたお憲兵さまに、この細腕の妙味、楽しんでいただきましょうや」
張り上げたアキャールの声に、大歓声が応える。
「思い出の味だ。張り切って、フルコースで頼むぜ」
はじまった。杖の喧嘩だ。
お互い、きっと鉄芯入り。細剣のようには突かない。足の動きも少ない。最小限の所作で、しかしぶんぶんと大きく振り回しながら、ぶつけ合う。どれもこれも必殺の一撃。寸前で、あるいは余裕を持って、守り、そして攻め込みあっている。
客はもう、大盛りあがりだ。こんなところで、あの細腕と剛腕だ。久しぶりだ。俺ははじめてだよ。嬉しいなあ。かっこいいなあ。そんな声が、そこかしこで上がっている。さあさ、張った張ったの大音声。涙ぐむおやじども。若い連中だって、男も女も、きゃあきゃあ黄色い声をあげて、楽しんでいる。酒を出した亭主は、もう顔を覆って泣きじゃくっていた。
男の喧嘩。楽しんでいた。
あるいはダンクルベール。踏み込んだ前足の、膝だ。それをアキャールが前足で刺したと思った途端、一気に背後まで回り込んでいたり。それすら無理を通して、ダンクルベールが一気に距離を詰め、杖頭とか、空いた拳で殴りかかってみたり。杖だけじゃなく、体全部を目一杯使って、じゃれあっている。
まだ有効打は一度もないが、ふたりとも、汗を流しながら、にこにこと、心の底から笑っていた。
それで、気がついた。ほんとうに、友だちなんだな。気心のしれた、喧嘩友だち。あるいは喧嘩しかしない、ただそれだけのための友だち。
ふたり、やっぱり同じように。横の薙ぎ払いだった。
閃光と、甲高い音。何かがふたつ、宙を舞った。
「ペルグラン」
静かに言われて、動いていた。とっさに動かした両の手に、ダンクルベールの杖が落ちてきた。
向こうの杖は、向こうの連れていた、綺麗な年増さんの手の中に落ちてきた。
「ああ、細腕だ。何度味わったって、味わい尽くせる気がしない」
「まさしく剛腕ダンクルベールだね。こればっかりは、やめらんねえよ」
そうやって、差し出した手を握りしめ、抱き寄せあった。
その後はもう、割れんばかりの喝采と、酒盛りだった。ふたりを真ん中に、いいものが見れた。いやあ、変わらないな。お前も随分うまくなったな、だの。恥ずかしくなるぐらいの惚気合いだ。
ダンクルベールの、こんなにいきいきとしている顔を見るのは、はじめてだったかもしれない。
店を出る頃には、陽が暮れていた。三人、したたかに酔いどれていた。
開けた馬車の中。女ひとり、待ちぼうけていた。
「馬っ鹿みたい」
「俺は楽しんだ」
頬杖をつきながら、珍しく煙管なんかを咥えた夫人。その心底つまらなそうな様子を前に、ダンクルベールは未だ余韻に浸るように、満足そうな顔を浮かべた。
「こんなところでまた会えるとは。あの細腕、おんなじような爺になっても、元気そうで安心したよ」
「最高でした。喧嘩友だち、っていうんですかね」
ぽろっと出た言葉に、鳴らした指のまま、顔と指を向けてきた。まだ酒と格好つけが残っているようだ。
「まさしく、それだ。ガンズビュールで鳴らしていた、喧嘩賭博の親玉さ。俺が中尉の頃、捜査の一環で、裏の情報が欲しくてな。あいつの店に飛び込んで、喧嘩して仲よくなったんだよ」
笑ってしまった。そんな無茶な捜査を、この人もやっていたのか。理性の人とばかり思っていた。
「でも、細腕のアキャールって、面白い渾名ですね。杖か義手を、そう呼んでるんですか?」
「俺の足も、あいつの腕も、ちゃんとしていた頃からだよ。若い頃から、あいつは細腕だった。あの背格好なのに、喧嘩やらせたらとびっきりなんだよ。少しでも顎を晒したら、あの細腕の妙味が飛んでくる。何度も何度も勝ったり負けたり。それからお互い、体を悪くしたら、今度は杖でやってみようぜ、ってね」
あの大酒飲みのダンクルベールが、褐色の肌に赤みが差すぐらいになって。皺がなくなるぐらいに、朗らかに笑っていた。
「つまりは俺の、杖の師匠なのさ」
紙巻を咥えながら、また格好をつけたように嘯いた。
「そういやあの小芝居。はじめて合った時のを皆が気に入ったから、ふたりで仕方なくやってるんでしょ?でもそのうちに楽しくなってきて、最初の二言、三言の後は、まるっと即興。いやあ、長官の台詞ったらもう。かっこよかったねえ。皆に聞かせてやりたかったよ」
「おいおい、言うなよ。あれ、すっごい大変なんだぜ?二度目に会ったときぐらいか?ひとしきり飲んで、じゃあやろうぜ。そうなったときによ。あいつの子分どもめ。あの時の、かっこよかったよなあって、茶化しやがってよ。あれだけのために、活劇の芝居に通ったぐらいには、苦労したもんさ」
もう、とびきり上機嫌の饒舌だ。このひとがこんなに明るいひとだとは、露とも知らなかった。
「爺ふたり、活劇ものの真似だなんて。みっともない」
対して、不貞腐れたように頬杖をついて。夫人は紫煙をふかしながらぶうたれていた。おや、その白い頬がどうしてか、赤いように見えた。
「夫人。まさかアキャールさん相手に妬いてるんですか?」
思ったことが出てしまった。まあ、これぐらいならね。しかも相手は男だし。
突然、視界がぐらついた。
胸ぐら引っ掴まれて、引き寄せられていた。朱い瞳のシェラドゥルーガの、とびきり不機嫌な美貌が、眼の前にある。
「何か言ったかね?」
言い返せなかった。ちらと見た、スーリもダンクルベールも、知らんぷりを決め込みはじめた。
あ、これ、やばいやつだ。
「思ったことを思ったままに言うくせは、やっぱり直すべきだったかな?それに表現も下手くそだ。お仕置きが欲しいなら正直にそう言いたまえよ。なあ、我が忠実なるジャン=ジャック・ニコラ君?」
助けを求めようにも、ダンクルベールは狸寝入りを決め込んでいたし、スーリの姿は消えていた。
あのガンズビュールの人喰らいを、怒らせた。
「さあて。神妙にすれば、それでよし」
釣り上がる口角。瞬間的に感じた、恐怖。
指の音。ぱちんと。
動かない。いや、誰も動いていない。まるで時が止まったかのように。
まさか、ちょっとした“悪戯”かよ。
動いているもの。正面の、夫人。暗黒の笑み。歯が見えるぐらいに。
顔が、近い。近すぎる。
「それであれば」
唇に、何かが触れた。唇。舌まで、入ってきて、絡まれて。
女のひとの、味。嘘だろ。これが人生、はじめての。
離れた唇、ふたつ。糸が、引いていた。
「これぐらいで許したげる」
それを指でなぞりながら、夫人が笑った。
先ほどと違う、妖艶で、蠱惑的な表情。目眩がするぐらいに心がざわついて。余韻がいつまでも残っていて、それが全身に駆け巡っている。
「あら、ちょっと?ペルグラン君ったら、もう」
動かない体のまま。ふと夫人が、ペルグランのある一点を見つめて、驚き混じりの、恥ずかしそうな声を上げた。そうして頬を赤らめながら、そしてどこか気恥ずかしそうに、くすくすと笑いはじめた。
「そこまで気に入ってくれたんだ?ペルグラン君はほんとうに可愛いなあ。でもお仕置きだから、今日はここまで。そこのしっかりものさんは、また別の機会にね?」
夫人はそう言って、また頬に軽いベーゼをあわせてきた。
もう一度。指の鳴る音。
景色と体が、動きはじめた。スーリはいない。ダンクルベールは本格的に寝入ったようだ。夫人だけは隣でずっと、顔を赤らめて、くすくす笑っていた。
また別の機会。その言葉のせいで、しっかりものさんは張り切ったままになってしまっている。
「駄ぁ目」
じろりと睨むも、赤い頬のまま、夫人は魔性の笑みで返してきた。
このひと。やっぱり、人でなしだ。
(2.協奏曲、あるいは狂騒曲:おわり)
―――――
Reference & Keyword
・パトリック・カーニー
・ウィリアム・ボニン
・ランディ・クラフト
・劉備(三国志演義)
・Entre Dos Aguas / Paco De Lucia
・Spain / Chick Corea
・アランフェス協奏曲第二楽章
・The Ecstasy of Gold / Ennio Morricone, or Metallica
・ザ・ロック(ドゥエイン・ジョンソン)
・サバット(フレンチボクシング)
・ラ・キャン
近くに有名人が来ている。その名を聞いて、ダンクルベールの顔にとびきりの喜びが浮かんでいた。
「ガンズビュールにはいい思い出がないが、とびっきりの特産品がひとつだけあってだな。そいつみたいだ」
馬車の中。老いた顔が、うきうきしていた。
向かったのは、小さなごろつき酒場だった。悪そうな男ども、化粧の濃い娼婦などが、ごろごろしていた。
「腕の細い男がいると聞いた」
ダンクルベールの声に、ごろつき酒場の連中が、一瞬で静まり返った。ぴしりとした緊張感が走る。
ひとりだけ、違った。その背中は、カウンターの方に見えた。
「足の悪い、でかいやつがいるとも聞いてるぜ?」
帰ってきたのは、酒に焼けた声だった。
小柄とまではいかないが、そこまで背も高くない。年嵩のいった、細身の男だった。
「ダンクルベール、とかいうやつでねえ」
そう言って、男が振り返った。
不敵な笑み。杖突きの、老いた男。左手は簡素な義手だった。
「奇遇だな。俺もダンクルベールという。俺が探しているのは、アキャールってやつだ」
「そいつは奇遇だ。俺も、アキャールっていうんだよ」
「おいおい。そいつは奇遇だなあ」
そう言って、ふたり、大笑いしはじめた。
お互いに歩み寄り、一度、手を取り合ってから、がっしと抱き合った。かなりの体格差だが、アキャールという男もどうしてか、大きく見えた。
「久しぶりだあ。まさかこんなところで会えるとは」
「いやあ。店を畳んで諸国漫遊だ。会えるとは思っていなかったよ、ダンクルベール。仕事で来たのか?」
「ああ。ちょうど終わって帰るところだ。部下どもから、有名人が来てるって言われたもんでな」
「有名人か。ありがたいねえ。まだまだこの名も、捨てたもんじゃないな。さあさあ、俺の店でもねえけどよ。ゆっくりしていってくれよ」
聞いたことがないぐらいに、明るい声。ふたりとも、満面の笑みでカウンターに腰掛けた。相手の方には、ちょっと化粧が濃いがいい感じの年増さんが引っ付いていた。遅れて、ペルグランとスーリも促される。
ほんとうにふたりとも、嬉しそうだった。
ふと、周りを見た。ごろつきどもが、きょとんとするか、ぎょっとしている。ダンクルベールだと。細い腕。まさか、あいつが。ガンズビュールのやつか。ちょっとしたどよめきになっている。
アキャール氏。悪党方面の有名人と見た。
「三年か、四年か?店を畳んだとは、勿体ないな」
「あの商売は、もう流行らんよ。ガンズビュールは、おかげさまで裏も太平。継ぐやつもいないし、俺で終わりさ」
「あの。おふたりはどう言った仲で?」
爺さんふたりの世間話に、おずおずと割って入ってみた。
ダンクルベール。とびきり嬉しそうな顔で、こっちを向いた。細い腕というよりも、細面のアキャールも、目を細めて、にこにこ顔だ。
「友だち、ってやつかな。喧嘩ばっかりしているが、それでも友だちだ。好敵手っていっても、またちょっと違うもんな。ダンクルベール」
「そうだな。昔、ガンズビュールで知り合った悪党さ。細腕っていう、いい名前がある」
ユィズランド方面の血だろうか。本場の伊達男とはちょっと違った、気障な感じの細面のあちこちに、薄い傷が走っている。悪党と言われたが、からっとしていて、気持ちのいい感じがした。
「申し遅れました。私、ダンクルベール長官の副官を努めております、ペルグランと申します。よろしくお願いします」
おずおずと挨拶をしてみた。悪党相手の挨拶なんてどうしていいものだか、と思っているうちに、ダンクルベールの巨躯をまたいで、言われた通りの、いくらか細い右腕が伸びてきた。
握手。びっくりした。相当な握力だった。
「お言葉、丁寧にござんして。細腕のアキャールと発します。親分が面倒臭くて大変って顔をしてらっしゃるね」
「お前が人を悪く言うなんて、随分だな」
「実際、そうだろう?口下手で、そのわりに律儀で真面目なんだから。俺みたいな同世代はともかく、兄ちゃんみたいな若いこは、きっと顔色を伺うのが大変だろうよ」
アキャールの言葉に、ダンクルベールが嬉しそうに苦笑した。ここまで言われてそれで済ませるとは、相当に気心のしれた仲なのだろうか。
「無問題。長官さん、本気でいい人なんだよね」
「ほれ見ろ。ちゃんと懐いている」
「いいこなんだよ。お前が甘やかされてるのさ。何かと下手くそだから。皆、甘やかしたくてしょうがないんだよ」
またふたり、げらげらと笑って、背中を叩き合っている。
ほんとうに仲がいいんだな。しばらくそうやって、あれこれと身の上話で盛り上がっていた。
向こうもこっちには来たばかりで、あっちへぶらぶら、こっちへぶらぶら。行きずりの女を作ってみたり、見てみたかった風景や建物を見たりだとか、隠居生活を満喫しているそうだった。
こちらも、部下ひとり、活を入れてきたところだと、ヴィルピンをねたにして、笑い合っていた。
アキャールという人は明るかった。人をとにかく褒める。人のいいところを沢山知っていて、あるいは見抜く能力があるのだろう。ペルグランも、スーリも。いくらか交わしたぐらいで目一杯に褒めてくれた。
でもダンクルベールに対してだけは、ちょっとだけ辛口。これもきっと、同世代の仲よしだからできること。悪口の言い合いでも楽しくなれるというやつだ。
ガンズビュール訛りの強い、ちょい悪おやじ。細腕のご隠居、アキャールさん。悪党とはいうが、民衆に親しまれるような、頼りがいのある任侠さんかな。喧嘩しているとはいっても、きっと口喧嘩とか、そんな程度なのだろう。
「ああ、そうそう。忘れていたよ」
不意に、アキャールが立ち上がった。
「お給仕さんが足りないから、手伝いしてくれって頼まれてたんだ。ご注文を、お伺いしようかね?」
ダンクルベールの隣。アキャールはカウンターに背をもたれて、そんな事を言いだした。ちょっとだけ、声色を作ったようにしているのが、引っかかった。
カウンター向かいの亭主を見る。顔に、緊張と感激が見えた。どうしたんだろう。
「別段ない。ただこの店は、席料が高いんだってな」
それもどこ吹く風で、ダンクルベールはにこりと笑って、そう答えた。こちらもどこか、芝居がかった口調だった。
この店には、席料なんてないはずだった。確認しようと、やはり亭主の方を向くと、ぎりっと睨みつけられた。
何かの符牒の話をしているのかもしれない。
「そうさね。最近は景気も悪くて、席料も上がっちまった。味がよくて、亭主の器量がよくなけりゃ、流行らん店だ」
芝居がかった、しみじみとした顔だった。
このひとも、ここの店に通い詰めているわけではない。今までの会話で、そう言っていたはずなのに。
そのあたりからだ。店中から、おお、というどよめきが上がりはじめた。あれがあの、細腕の。ああ、一度見てみたかったんだよ。そんな言葉が、飛び交っている。
何かが、はじまりつつある。
「相変わらず、金はない。渡せば、つけ上がるだろう?」
「ほいじゃ、まあ。ここらでお別れでごじゃんすね」
そう言って、アキャールが腰を浮かせた。
どよめきが、このあたりから歓声に変わりはじめた。口笛すら上がりはじめる。おやじのひとりが、煤けたギターを担いできて、雰囲気のある旋律を奏ではじめた。
まるで活劇ものの芝居。決闘前の、口上の場面。
「言うなって。友だちだろ?爺になって、少なくもなった」
ダンクルベールのその言葉に、男は足を止めた。お決まりのように、両足の踵を何度か軽くぶつけてみせる。
「少なくなったなあ。友だちも、なにもかにもが」
そのあたりで、もう、店内は大盛り上がりだった。強面の亭主も、涙を浮かべながら、せっせと緑の瓶をふたつ、用意しはじめた。
「これ、ご存知なんですか?」
「頼むよ、兄さん。見させてくれよ。自分も余所で聞いた話さ。それも随分昔の、伝説だ。それがまさか、俺の店で見れるなんてさあ。ああ畜生、生きててよかった」
そこまで言うなら、きっと名の知れた仲の、名の知れたやり取りなのだろう。
白秋の手前が、活劇の真似事。そんなことを、皆して手を叩いて盛り上がっているのだ。
不思議な景色。でもなんだか、かっこよかった。
「俺は左足。お前は、左腕。残ってるものは、ほんとうに少ない。ああ、ほんとうに。寂しくなっちまったもんだ」
「けどよ。少なくなったものを振り返り、懐かしんだり、ありがたがるのも、友だち同士だったんなら、悪くはないよな」
「ああ。心の底から、そう思うよ」
ダンクルベールが立ち上がった。横に並んで。背中合わせの、男ふたり。
そうしてふたり、差し出された緑の瓶を、瓶のまま一息で飲み干した。その瞬間、背中がしびれていた。
「このやりとりも、この後も。あと何回できるのかしらね」
アキャール。ほんとうにぽつりと、漏らすように。
「考えたくもないから、やれるうち、やれる分を楽しもう。今まで通りにな」
「そうだな。じゃあ、見せびらかしてやろうぜ」
アキャールの指の音、三回。嬌声が上がった。上げてしまっていた。
大歓声の中、ゆっくりと歩みだす。すべて決まった段取りのように、お互いの杖を床に突く。
とん、という音。それで、静まり返った。
男ふたり、酒場の中央。並び立ち、向かい合う。
「面倒な決まりは、なし。店の迷惑にならない程度に」
「勝敗は、勿論。だろ?」
「ああ。お互いの、気の済むまで」
瞬時に、何かがぶつかった。杖と杖。間合いが離れる。
お互い、同じ構えだった。半身で、まるで細剣の決闘のように。
比べれば、ダンクルベールの方がどっしりとしていて、アキャールの方が軽やかだった。義手持ちとは思えない。鮮やかで、華やかで、そして鋭い。
「さあて。久方ぶりにご尊顔を拝しましたお憲兵さまに、この細腕の妙味、楽しんでいただきましょうや」
張り上げたアキャールの声に、大歓声が応える。
「思い出の味だ。張り切って、フルコースで頼むぜ」
はじまった。杖の喧嘩だ。
お互い、きっと鉄芯入り。細剣のようには突かない。足の動きも少ない。最小限の所作で、しかしぶんぶんと大きく振り回しながら、ぶつけ合う。どれもこれも必殺の一撃。寸前で、あるいは余裕を持って、守り、そして攻め込みあっている。
客はもう、大盛りあがりだ。こんなところで、あの細腕と剛腕だ。久しぶりだ。俺ははじめてだよ。嬉しいなあ。かっこいいなあ。そんな声が、そこかしこで上がっている。さあさ、張った張ったの大音声。涙ぐむおやじども。若い連中だって、男も女も、きゃあきゃあ黄色い声をあげて、楽しんでいる。酒を出した亭主は、もう顔を覆って泣きじゃくっていた。
男の喧嘩。楽しんでいた。
あるいはダンクルベール。踏み込んだ前足の、膝だ。それをアキャールが前足で刺したと思った途端、一気に背後まで回り込んでいたり。それすら無理を通して、ダンクルベールが一気に距離を詰め、杖頭とか、空いた拳で殴りかかってみたり。杖だけじゃなく、体全部を目一杯使って、じゃれあっている。
まだ有効打は一度もないが、ふたりとも、汗を流しながら、にこにこと、心の底から笑っていた。
それで、気がついた。ほんとうに、友だちなんだな。気心のしれた、喧嘩友だち。あるいは喧嘩しかしない、ただそれだけのための友だち。
ふたり、やっぱり同じように。横の薙ぎ払いだった。
閃光と、甲高い音。何かがふたつ、宙を舞った。
「ペルグラン」
静かに言われて、動いていた。とっさに動かした両の手に、ダンクルベールの杖が落ちてきた。
向こうの杖は、向こうの連れていた、綺麗な年増さんの手の中に落ちてきた。
「ああ、細腕だ。何度味わったって、味わい尽くせる気がしない」
「まさしく剛腕ダンクルベールだね。こればっかりは、やめらんねえよ」
そうやって、差し出した手を握りしめ、抱き寄せあった。
その後はもう、割れんばかりの喝采と、酒盛りだった。ふたりを真ん中に、いいものが見れた。いやあ、変わらないな。お前も随分うまくなったな、だの。恥ずかしくなるぐらいの惚気合いだ。
ダンクルベールの、こんなにいきいきとしている顔を見るのは、はじめてだったかもしれない。
店を出る頃には、陽が暮れていた。三人、したたかに酔いどれていた。
開けた馬車の中。女ひとり、待ちぼうけていた。
「馬っ鹿みたい」
「俺は楽しんだ」
頬杖をつきながら、珍しく煙管なんかを咥えた夫人。その心底つまらなそうな様子を前に、ダンクルベールは未だ余韻に浸るように、満足そうな顔を浮かべた。
「こんなところでまた会えるとは。あの細腕、おんなじような爺になっても、元気そうで安心したよ」
「最高でした。喧嘩友だち、っていうんですかね」
ぽろっと出た言葉に、鳴らした指のまま、顔と指を向けてきた。まだ酒と格好つけが残っているようだ。
「まさしく、それだ。ガンズビュールで鳴らしていた、喧嘩賭博の親玉さ。俺が中尉の頃、捜査の一環で、裏の情報が欲しくてな。あいつの店に飛び込んで、喧嘩して仲よくなったんだよ」
笑ってしまった。そんな無茶な捜査を、この人もやっていたのか。理性の人とばかり思っていた。
「でも、細腕のアキャールって、面白い渾名ですね。杖か義手を、そう呼んでるんですか?」
「俺の足も、あいつの腕も、ちゃんとしていた頃からだよ。若い頃から、あいつは細腕だった。あの背格好なのに、喧嘩やらせたらとびっきりなんだよ。少しでも顎を晒したら、あの細腕の妙味が飛んでくる。何度も何度も勝ったり負けたり。それからお互い、体を悪くしたら、今度は杖でやってみようぜ、ってね」
あの大酒飲みのダンクルベールが、褐色の肌に赤みが差すぐらいになって。皺がなくなるぐらいに、朗らかに笑っていた。
「つまりは俺の、杖の師匠なのさ」
紙巻を咥えながら、また格好をつけたように嘯いた。
「そういやあの小芝居。はじめて合った時のを皆が気に入ったから、ふたりで仕方なくやってるんでしょ?でもそのうちに楽しくなってきて、最初の二言、三言の後は、まるっと即興。いやあ、長官の台詞ったらもう。かっこよかったねえ。皆に聞かせてやりたかったよ」
「おいおい、言うなよ。あれ、すっごい大変なんだぜ?二度目に会ったときぐらいか?ひとしきり飲んで、じゃあやろうぜ。そうなったときによ。あいつの子分どもめ。あの時の、かっこよかったよなあって、茶化しやがってよ。あれだけのために、活劇の芝居に通ったぐらいには、苦労したもんさ」
もう、とびきり上機嫌の饒舌だ。このひとがこんなに明るいひとだとは、露とも知らなかった。
「爺ふたり、活劇ものの真似だなんて。みっともない」
対して、不貞腐れたように頬杖をついて。夫人は紫煙をふかしながらぶうたれていた。おや、その白い頬がどうしてか、赤いように見えた。
「夫人。まさかアキャールさん相手に妬いてるんですか?」
思ったことが出てしまった。まあ、これぐらいならね。しかも相手は男だし。
突然、視界がぐらついた。
胸ぐら引っ掴まれて、引き寄せられていた。朱い瞳のシェラドゥルーガの、とびきり不機嫌な美貌が、眼の前にある。
「何か言ったかね?」
言い返せなかった。ちらと見た、スーリもダンクルベールも、知らんぷりを決め込みはじめた。
あ、これ、やばいやつだ。
「思ったことを思ったままに言うくせは、やっぱり直すべきだったかな?それに表現も下手くそだ。お仕置きが欲しいなら正直にそう言いたまえよ。なあ、我が忠実なるジャン=ジャック・ニコラ君?」
助けを求めようにも、ダンクルベールは狸寝入りを決め込んでいたし、スーリの姿は消えていた。
あのガンズビュールの人喰らいを、怒らせた。
「さあて。神妙にすれば、それでよし」
釣り上がる口角。瞬間的に感じた、恐怖。
指の音。ぱちんと。
動かない。いや、誰も動いていない。まるで時が止まったかのように。
まさか、ちょっとした“悪戯”かよ。
動いているもの。正面の、夫人。暗黒の笑み。歯が見えるぐらいに。
顔が、近い。近すぎる。
「それであれば」
唇に、何かが触れた。唇。舌まで、入ってきて、絡まれて。
女のひとの、味。嘘だろ。これが人生、はじめての。
離れた唇、ふたつ。糸が、引いていた。
「これぐらいで許したげる」
それを指でなぞりながら、夫人が笑った。
先ほどと違う、妖艶で、蠱惑的な表情。目眩がするぐらいに心がざわついて。余韻がいつまでも残っていて、それが全身に駆け巡っている。
「あら、ちょっと?ペルグラン君ったら、もう」
動かない体のまま。ふと夫人が、ペルグランのある一点を見つめて、驚き混じりの、恥ずかしそうな声を上げた。そうして頬を赤らめながら、そしてどこか気恥ずかしそうに、くすくすと笑いはじめた。
「そこまで気に入ってくれたんだ?ペルグラン君はほんとうに可愛いなあ。でもお仕置きだから、今日はここまで。そこのしっかりものさんは、また別の機会にね?」
夫人はそう言って、また頬に軽いベーゼをあわせてきた。
もう一度。指の鳴る音。
景色と体が、動きはじめた。スーリはいない。ダンクルベールは本格的に寝入ったようだ。夫人だけは隣でずっと、顔を赤らめて、くすくす笑っていた。
また別の機会。その言葉のせいで、しっかりものさんは張り切ったままになってしまっている。
「駄ぁ目」
じろりと睨むも、赤い頬のまま、夫人は魔性の笑みで返してきた。
このひと。やっぱり、人でなしだ。
(2.協奏曲、あるいは狂騒曲:おわり)
―――――
Reference & Keyword
・パトリック・カーニー
・ウィリアム・ボニン
・ランディ・クラフト
・劉備(三国志演義)
・Entre Dos Aguas / Paco De Lucia
・Spain / Chick Corea
・アランフェス協奏曲第二楽章
・The Ecstasy of Gold / Ennio Morricone, or Metallica
・ザ・ロック(ドゥエイン・ジョンソン)
・サバット(フレンチボクシング)
・ラ・キャン
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