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2.協奏曲、あるいは狂騒曲
2−8
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黒いカーテン。そして鉄格子。
ここに来るのは久しぶりだった。そして今、身の回りにある、それも。
三角帽子、濃紺の外套、水色の肩襷、白のキュロットに、短靴。炊いたのは白檀の香。隣に控えるのは、そのころからの助手役であり、息子でもあるセバスチアン。
「このあたりでいい」
しばらく進んでから、一度足を止めた。踵を返す。セバスチアンは何も言わず、厳かに、それを差し出してきた。
切っ先の丸められた、大剣。
「先に戻っていなさい」
セバスチアンは一礼し、去っていった。
また踵を返し、進む。そのうちに応接間のようなところに行き着いた。
女がひとり、立っていた。
こちらの顔をみとめると、一度、はっとした表情を浮かべてから、そうして頭を振ったあと、正面に向き直った。
穏やかな表情だった。
「貴方がお越しになるとは、思いませなんだ」
声も、穏やかだった。これから起こることをわかっているようにすら思える。
そのひとに続き、もう少し歩く。書架の林。ほんとうに広い空間である。独房とは思えないほど、明るく、綺麗に整った、宮殿の一室のような空間である。
そのうちに、また少し広めの空間に出た。そこでそのひとは、こちらに向き直った。
「それではどうぞ、よろしく」
そう言って、手の甲を上にして差し出してきた。無言のまま一礼し、それを取る。
人のかたちをしているならば、人のやり方は、通じる。
伝えたものは、伝わった。そのひとは、がくりと落ちる。そのまま立膝になってうつ向いた。それをみとめて、即座に横をとる。
まずは一閃、空を薙ぐように横に払う。婦女の髪を斬るのは最もの不作法。それで朱く揺らめくものは風に流され、真っ白な首筋があらわになった。
まず殺すのは、己の心。次に断つのは、生きた道。
音もなく、抵抗もなかった。
ぽとりと落ちた首が、その人の両手の上に、抱えるようなかたちで落ちた。血は、思ったほどには吹き出なかった。刀身や装束にも汚れはない。
二歩ほど下がり、一礼した。
「お美事です」
そのひとの声だった。
首のない体が、ゆっくりと、手にした頭を持ち上げる。そうしてあるべきところにそれを据えると、何ごともなかったかのように、その人は立ち上がった。
「ムッシュ・ラポワント。そしてムッシュ・ド・ネション。それこそは誇るべき、ただ唯一の名」
「光栄にございます、ボドリエール夫人。そして、恐るべきシェラドゥルーガ」
シェラドゥルーガは、生きていた。
わかりきったことではある。化け物だ。何度か殺している仲でもある。毎回抵抗せず、ただ神妙に、そして穏やかに、それを受け入れてくれる。
それでも心には、疲れは積まれていく。
席に促され、酌を受けた。
強い琥珀色のブランデー。あの時は酔いだけが、心を慰めてくれた。今はもう、他にも心を満たすものが色々とあるものの、やはりこれだけは、この酒でなければ紛らわせなかった。
「久しぶりでしたわ。代々の死刑執行人、ムッシュ・ラポワントの首切り剣法。我が誘いに“柔”を以て応えるなど、やはり貴方は、今でも研ぎ澄まされている」
「いやなものですな。どれだけ老いても、どれだけ離れても。身に染み付いたものは、離れてはくれない」
「人とは肉体のいきもの。そして私は、心のいきもの。刻まれ、育まれる部分が異なるがゆえに、私は肉体の死では、死を迎えることはない。それでも貴方が与えてくださるそれは、穏やかで、晴れやかなもの。あるいは人を喰らうことよりも至高の甘美。貴方にさえ負担をかけなければ、何度でも味わいたいぐらいです」
「御免被りますな。人でなしとはいえ、人のかたち。殺意なく、ただ責務に則り生命を断つこととは、つらいものです」
手に取ったそれを、味わうこともなく、一気に流し込んだ。喉が焼け、腹の中に染み渡る。
それで、目が醒めた。
「あるいは貴女のような心のいきものであったならば、私はこれを素直に、喜べたのかもしれない」
「心中、お察し申し上げます、などとはとても言えない。私の勝手のせいとはいえ、貴方を傷つけたことについて、深くお詫びを申し上げますわ。ムッシュ・ラポワント」
「ご厚意を、感謝いたします」
もう一度注がれたそれは、ゆっくりと舐めるようにして、味わった。
「怒ってらっしゃった?」
「怒ってらっしゃいましたよ。また邪魔をされたって。文面でもわかるぐらいに、怒り心頭のご様子です」
「それはよかった。我が愛しき人を困らせるのが、この虜囚の唯一の手慰みですから」
「あまり、からかってやらないでくださいね。貴女より付き合いは短いものの、あの方もあの方で、心も体もどこかしこも、傷と疲れに塗れています。いつ壊れるやもしれないそれを、ただ確固たる意志だけで支えているようなものです」
「わかっているつもりではありますが、それでもつい、ね?何をやっても振り向いてくれないのだから、選べる手段は少なくなるの」
「思いを伝えるには、真正面から行くのが一番ですよ」
「それはいや。淑女ですから。ちゃんと向こうから愛を伝えてほしいもの。それだけを夢見て、私は生きている」
そう言って、ふたりでくすくすと笑った。
心の澱んだものは、消えていた。
「そういえば夫人。ひとつ、文句を言いに来たのでしたよ」
そう言って、忍ばせていた一冊の本を差し出した。
“須臾”と銘打たれた、瑞朝の散文集である。
「あらま、バレちゃった?」
「著作権侵害ですよ」
観念しましたとばかりに、夫人が笑った。
「よくもまあ、まわりくどくやりましたね。いにしえの瑞の詩家をでっち上げて、それを偽名で翻訳するなんてね」
気付いたのは、妻だった。それの前では、よくそうしていたので、本の内容とそれに、奇妙な一致を見たそうだった。
「恐れ入りましてございます。でもほんとうに、貴方の詩風は大好きなの。気宇壮大にして雄渾、それでいてどこか、生きることの物悲しさが染み渡る。最初はエルトゥールルの四行詩あたりにしようかと思ったけど、瑞の絶句や律詩にも挑戦したかったから。楽しかった。向こうの文字や発音で韻を踏むのって、すごく大変。色々、ミスがあるっぽいから、次版で直さなきゃね」
そう言って、夫人は楽しそうに本を開いた。これがこう。そうそう、これね。と、はしゃいだように話をしてくれた。
詩や歌が、好きだった。
眼の前に広がるもの。心の中にあるものを、言葉というかたちにすること。あるいは、心を慰め、和ませること。そうやって、心が豊かになること。涙とともに、ある時は汗とともに、音にしていく。言葉だけでなく、楽器があってもいい。時に呟きとして、あるいは叫びとして。空と時の中に放りだしていく。
文字として残すのもいいだろうが、見えないかたちとしていくことの方が心地がよかった。
それは、妻とラポワントをも結びつけてくれた。とある伝統舞踊で奏でられる旋律だった。
妻は、大陸の出身だった。ユィズランド連邦と、その南東のエルトゥールルとの国境付近。こちらに渡ってきてから、あれの母親が体を悪くした。家が近かったそうで、ラポワントの医務院に通っていた。
昔、近所の爺さまから教えてもらった、そのあたりの伝統舞踊の、ギターの技法と曲の数々。手持ち無沙汰に、たまに弾いたり、歌ったりしていた。
気付いたら、そのこは隣にいて、にこにこしていた。
こちらに渡ってきてから、聴けなくって。寂しかったんです。素敵な笑顔だった。
一緒になるのに、そう時間はかからなかった。生命という色が褪せるのを見ていくなかで、心に鮮やかな色を与えてくれた。それは、今も変わらない。
血と業に塗れた道の中。そんなことも、あったのだ。
「ねえ、ムッシュ」
夫人が、顔を上げた。
「今度、時間があるときにでもね。ギターを教えてほしいんだけれど」
「おや。ご興味がおありですか?」
「前にお話してくれた、奥さまのところの伝統舞踊のやつ。南東に旅行に行った時のこと、思い出しちゃったの。ほら、あのあたり、文化が近いじゃない?」
「そうですね。うちの師匠筋も、そこの人ですから」
「ほんとうに激しくって、情熱的でさ。特に、“ふたつの川”だったかな?もみあげの凄いおじさまが、足組んで叩くようにしてさ。あんなにやっても、壊れないものなのね」
笑いながら、ソファの後ろに手を伸ばしていた。一本、出てくる。何もかも相変わらず、不思議なものだ。思わず、こちらも笑ってしまった。
「まずは、爪を切るところからはじめましょうか」
「やっぱり?じゃあ、手拍子にしようかな。あれも難しいでしょう?」
「簡単なのからはじめていく。何だってそうでしょう?“ふたつの川”は天才が作った曲ですから。格好いいんですけどね。最終目標です。よもやお喋りしているうちに、アプローチしたい欲でも出たんですか?」
「大当たり。甲斐性なしひとり捕まえるのに、女の方が格好を付けなきゃいけないのも癪だけれどもね。頑張って覚えて、我が愛しのオーブリー・リュシアンの心を掴まなきゃ」
「おや。うちの家内もルシアでしてね。それこそ“ふたつの川”で落としましたよ」
笑って言ったひとことに、夫人が腹を抱えてしまった。
もう三十年、いや、もっと前か。あの曲で、ふたつの川が交わった。色々な流れと交わり、あるいは分かたれ、いずれすべてが海へとたどり着く。それがいつになるかなど、誰にもわからないことだ。
わからないことを気にすることも、悔やむことも、必要ない。流れていく。流れたいようにして。
そんなこともある。ただ、それだけ。
(つづく)
ここに来るのは久しぶりだった。そして今、身の回りにある、それも。
三角帽子、濃紺の外套、水色の肩襷、白のキュロットに、短靴。炊いたのは白檀の香。隣に控えるのは、そのころからの助手役であり、息子でもあるセバスチアン。
「このあたりでいい」
しばらく進んでから、一度足を止めた。踵を返す。セバスチアンは何も言わず、厳かに、それを差し出してきた。
切っ先の丸められた、大剣。
「先に戻っていなさい」
セバスチアンは一礼し、去っていった。
また踵を返し、進む。そのうちに応接間のようなところに行き着いた。
女がひとり、立っていた。
こちらの顔をみとめると、一度、はっとした表情を浮かべてから、そうして頭を振ったあと、正面に向き直った。
穏やかな表情だった。
「貴方がお越しになるとは、思いませなんだ」
声も、穏やかだった。これから起こることをわかっているようにすら思える。
そのひとに続き、もう少し歩く。書架の林。ほんとうに広い空間である。独房とは思えないほど、明るく、綺麗に整った、宮殿の一室のような空間である。
そのうちに、また少し広めの空間に出た。そこでそのひとは、こちらに向き直った。
「それではどうぞ、よろしく」
そう言って、手の甲を上にして差し出してきた。無言のまま一礼し、それを取る。
人のかたちをしているならば、人のやり方は、通じる。
伝えたものは、伝わった。そのひとは、がくりと落ちる。そのまま立膝になってうつ向いた。それをみとめて、即座に横をとる。
まずは一閃、空を薙ぐように横に払う。婦女の髪を斬るのは最もの不作法。それで朱く揺らめくものは風に流され、真っ白な首筋があらわになった。
まず殺すのは、己の心。次に断つのは、生きた道。
音もなく、抵抗もなかった。
ぽとりと落ちた首が、その人の両手の上に、抱えるようなかたちで落ちた。血は、思ったほどには吹き出なかった。刀身や装束にも汚れはない。
二歩ほど下がり、一礼した。
「お美事です」
そのひとの声だった。
首のない体が、ゆっくりと、手にした頭を持ち上げる。そうしてあるべきところにそれを据えると、何ごともなかったかのように、その人は立ち上がった。
「ムッシュ・ラポワント。そしてムッシュ・ド・ネション。それこそは誇るべき、ただ唯一の名」
「光栄にございます、ボドリエール夫人。そして、恐るべきシェラドゥルーガ」
シェラドゥルーガは、生きていた。
わかりきったことではある。化け物だ。何度か殺している仲でもある。毎回抵抗せず、ただ神妙に、そして穏やかに、それを受け入れてくれる。
それでも心には、疲れは積まれていく。
席に促され、酌を受けた。
強い琥珀色のブランデー。あの時は酔いだけが、心を慰めてくれた。今はもう、他にも心を満たすものが色々とあるものの、やはりこれだけは、この酒でなければ紛らわせなかった。
「久しぶりでしたわ。代々の死刑執行人、ムッシュ・ラポワントの首切り剣法。我が誘いに“柔”を以て応えるなど、やはり貴方は、今でも研ぎ澄まされている」
「いやなものですな。どれだけ老いても、どれだけ離れても。身に染み付いたものは、離れてはくれない」
「人とは肉体のいきもの。そして私は、心のいきもの。刻まれ、育まれる部分が異なるがゆえに、私は肉体の死では、死を迎えることはない。それでも貴方が与えてくださるそれは、穏やかで、晴れやかなもの。あるいは人を喰らうことよりも至高の甘美。貴方にさえ負担をかけなければ、何度でも味わいたいぐらいです」
「御免被りますな。人でなしとはいえ、人のかたち。殺意なく、ただ責務に則り生命を断つこととは、つらいものです」
手に取ったそれを、味わうこともなく、一気に流し込んだ。喉が焼け、腹の中に染み渡る。
それで、目が醒めた。
「あるいは貴女のような心のいきものであったならば、私はこれを素直に、喜べたのかもしれない」
「心中、お察し申し上げます、などとはとても言えない。私の勝手のせいとはいえ、貴方を傷つけたことについて、深くお詫びを申し上げますわ。ムッシュ・ラポワント」
「ご厚意を、感謝いたします」
もう一度注がれたそれは、ゆっくりと舐めるようにして、味わった。
「怒ってらっしゃった?」
「怒ってらっしゃいましたよ。また邪魔をされたって。文面でもわかるぐらいに、怒り心頭のご様子です」
「それはよかった。我が愛しき人を困らせるのが、この虜囚の唯一の手慰みですから」
「あまり、からかってやらないでくださいね。貴女より付き合いは短いものの、あの方もあの方で、心も体もどこかしこも、傷と疲れに塗れています。いつ壊れるやもしれないそれを、ただ確固たる意志だけで支えているようなものです」
「わかっているつもりではありますが、それでもつい、ね?何をやっても振り向いてくれないのだから、選べる手段は少なくなるの」
「思いを伝えるには、真正面から行くのが一番ですよ」
「それはいや。淑女ですから。ちゃんと向こうから愛を伝えてほしいもの。それだけを夢見て、私は生きている」
そう言って、ふたりでくすくすと笑った。
心の澱んだものは、消えていた。
「そういえば夫人。ひとつ、文句を言いに来たのでしたよ」
そう言って、忍ばせていた一冊の本を差し出した。
“須臾”と銘打たれた、瑞朝の散文集である。
「あらま、バレちゃった?」
「著作権侵害ですよ」
観念しましたとばかりに、夫人が笑った。
「よくもまあ、まわりくどくやりましたね。いにしえの瑞の詩家をでっち上げて、それを偽名で翻訳するなんてね」
気付いたのは、妻だった。それの前では、よくそうしていたので、本の内容とそれに、奇妙な一致を見たそうだった。
「恐れ入りましてございます。でもほんとうに、貴方の詩風は大好きなの。気宇壮大にして雄渾、それでいてどこか、生きることの物悲しさが染み渡る。最初はエルトゥールルの四行詩あたりにしようかと思ったけど、瑞の絶句や律詩にも挑戦したかったから。楽しかった。向こうの文字や発音で韻を踏むのって、すごく大変。色々、ミスがあるっぽいから、次版で直さなきゃね」
そう言って、夫人は楽しそうに本を開いた。これがこう。そうそう、これね。と、はしゃいだように話をしてくれた。
詩や歌が、好きだった。
眼の前に広がるもの。心の中にあるものを、言葉というかたちにすること。あるいは、心を慰め、和ませること。そうやって、心が豊かになること。涙とともに、ある時は汗とともに、音にしていく。言葉だけでなく、楽器があってもいい。時に呟きとして、あるいは叫びとして。空と時の中に放りだしていく。
文字として残すのもいいだろうが、見えないかたちとしていくことの方が心地がよかった。
それは、妻とラポワントをも結びつけてくれた。とある伝統舞踊で奏でられる旋律だった。
妻は、大陸の出身だった。ユィズランド連邦と、その南東のエルトゥールルとの国境付近。こちらに渡ってきてから、あれの母親が体を悪くした。家が近かったそうで、ラポワントの医務院に通っていた。
昔、近所の爺さまから教えてもらった、そのあたりの伝統舞踊の、ギターの技法と曲の数々。手持ち無沙汰に、たまに弾いたり、歌ったりしていた。
気付いたら、そのこは隣にいて、にこにこしていた。
こちらに渡ってきてから、聴けなくって。寂しかったんです。素敵な笑顔だった。
一緒になるのに、そう時間はかからなかった。生命という色が褪せるのを見ていくなかで、心に鮮やかな色を与えてくれた。それは、今も変わらない。
血と業に塗れた道の中。そんなことも、あったのだ。
「ねえ、ムッシュ」
夫人が、顔を上げた。
「今度、時間があるときにでもね。ギターを教えてほしいんだけれど」
「おや。ご興味がおありですか?」
「前にお話してくれた、奥さまのところの伝統舞踊のやつ。南東に旅行に行った時のこと、思い出しちゃったの。ほら、あのあたり、文化が近いじゃない?」
「そうですね。うちの師匠筋も、そこの人ですから」
「ほんとうに激しくって、情熱的でさ。特に、“ふたつの川”だったかな?もみあげの凄いおじさまが、足組んで叩くようにしてさ。あんなにやっても、壊れないものなのね」
笑いながら、ソファの後ろに手を伸ばしていた。一本、出てくる。何もかも相変わらず、不思議なものだ。思わず、こちらも笑ってしまった。
「まずは、爪を切るところからはじめましょうか」
「やっぱり?じゃあ、手拍子にしようかな。あれも難しいでしょう?」
「簡単なのからはじめていく。何だってそうでしょう?“ふたつの川”は天才が作った曲ですから。格好いいんですけどね。最終目標です。よもやお喋りしているうちに、アプローチしたい欲でも出たんですか?」
「大当たり。甲斐性なしひとり捕まえるのに、女の方が格好を付けなきゃいけないのも癪だけれどもね。頑張って覚えて、我が愛しのオーブリー・リュシアンの心を掴まなきゃ」
「おや。うちの家内もルシアでしてね。それこそ“ふたつの川”で落としましたよ」
笑って言ったひとことに、夫人が腹を抱えてしまった。
もう三十年、いや、もっと前か。あの曲で、ふたつの川が交わった。色々な流れと交わり、あるいは分かたれ、いずれすべてが海へとたどり着く。それがいつになるかなど、誰にもわからないことだ。
わからないことを気にすることも、悔やむことも、必要ない。流れていく。流れたいようにして。
そんなこともある。ただ、それだけ。
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