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【第四話】
「差し入れ」と「他人からの土産」
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恒例になってきた、咲と週一の逢瀬。
俺は咲に喜んでもらいたくて、いつもケーキを持って行っていたが、今日は咲がケーキを買って来てくれるという。
それって、咲も俺と会うのを楽しみにしてくれてるってことかな。
そうだったら超嬉しい。
この頃からもう既に、俺は咲と過ごす時間の為に生活をしていると言っても過言ではなくなっていたから。
今日の待ち合わせは、初めて咲と過ごしたホテル。
前はエントランスをきょろきょろと見回していた。けれど、今では隅にある受付で部屋番号を告げ、ドリンクバーでコーヒーを二人分持っていける程には余裕ができたのは成長だろう。
実際に部屋に入ると、相変わらず咲はバスローブ姿でベッドに腰を掛けている。
いつもそうだけど、咲は俺が来る前に全て準備を終わらせていた。
本当はシャワーの横に併設されているデカい風呂に二人で入りたいと思うけれど、きっと咲にはバッサリと断られるのだろう。
「お疲れ様、剛」
「おう。ごめん、待ったか?」
「全然。さ、手を洗っておいで? ケーキ、食べようよ。剛が喜んでくれると良いんだけど」
「モチ! 今日、ずっと楽しみにしてたんだぜ。咲がどんなケーキを用意してくれんのかなーって」
「ふふ。可愛いね。じゃあ、僕も食べる準備をしておくね」
そう言うと咲は立ち上がったから、俺もさっさと洗面所に行って手洗いうがいを済ませる。
浮足立ちながらリビングルームへ戻ると、そこにはチョコレートケーキがサイドテーブルに乗せられていた。しかもホールのやつ。
「うわ……‥咲、これ、すごいな」
土台にはチョコレートが均一に塗られており、上には色とりどりのマカロンが乗っている。
「この前SNSで話題になっててさ。剛って流行に敏感そうだし、好きじゃないかなって思って買って来たんだ」
「確かに、エンスタで見たかも。フランスのパティシエールが日本に上陸して期間限定ショプを開いてるんだっけ?」
「そうそう。さすが剛。本当は人気商品で買うのも困難らしいんだけど、ちょうど焼きあがったところでさ。運良く買えたんだ」
確かネットニュースにもなってたくらい、その店は人気らしい。
いつも長蛇の列で、会計が一時間待ちなんてこともあるみたいなのに、咲はわざわざ並んでくれたんだろうか。
それって、なんだか愛を感じるよな。
「へー、ありがとうな! マジでうれしー!」
「喜んでくれて何よりだよ。さ、実食してみようか。中にはチョコレートクリームとキャラメルクリームがサンドしてあるんだって。キャラメル、食べられたよね?」
「おう! うおー。めっちゃ楽しみ」
すると咲はケーキナイフも用意してくれていたらしい。折り畳み式だったらしく、プラスチックのカバーから刃を取り出すと、八等分に切り分けて見せた。
その所作の美しさに、俺は思わず感嘆の息を漏らす。
「すっげー。めっちゃ手馴れてんじゃん。咲って料理とかすんの?」
「そうだね。たまに作るかも。一人暮らしだから、いつもお惣菜だと飽きちゃうんだよね」
「へー。家庭的なんだな」
またひとつ咲の事を知れた、なんて思えば、俺は嬉しくなってしまう。
今度咲の手料理、食べてみたいな。
普段なら身内以外の手作り料理を食べたいとは思わないけど、咲のだったらめっちゃ興味ある。
切り分けたケーキの一切れを紙皿に乗せると、フォークを添えて咲はそれらを俺に渡してくれた。
「ありがと、咲」
「うん。さ、食べてみて? ……あ、そうだ。きっとこれ二人じゃ食べきれないよね。もし嫌じゃなければ家へ持って帰って? 迷惑になるなら全然大丈夫だけど」
「いいのか? じゃあ遠慮なく! 母さんと妹、絶対超喜ぶと思う」
「そっか。剛は実家暮らしなんだ」
その一言に、どこか寂しさを覚えたのはなんでだろう。
言葉の端々に滲む彼の自己嫌悪と、何か関係があるのだろうか。
なんてそんな踏み込んだ質問、まだできっこないけど。
だから俺はわざと大げさに笑顔を作って見せた。
「そう。父さんと母さん、妹の柔花と暮らしてる。特に柔花。あいつは珍しいモン大好きだから、目の色変えると思うぜ」
「ふふ。じゃあ残りは箱にしまって冷蔵庫に入れておくね」
咲も自分の分を取り分けると、残りをしまうべくまた冷蔵庫へと向かう。
それにしてもすげーウマそう。そんで、これ、絶対高級だよな……?
「さ。食べようか。いただきます。剛も召し上がれ?」
「あぁ! いただきまーす」
二人で両手を合わせ、つやつやのチョコレートケーキにフォークで切れ目を入れる。
一口サイズにしたそれを口へ運べば、あまりのうまさに目を見開いてしまった。
「ヤバ……コーティングされてるチョコがずっしりと重いイメージを与えてるけど、むしろチョコレートとキャラメルクリームがうまい具合にバチリと重なって、甘くもありほろ苦い。同時に軽さもある。これはいくらでも食べることができそうだ」
「そこまで喜んでくれるなら僕も本望だよ。ほら、剛。ほっぺにクリームついてる」
そういうと咲は俺の頬からクリームを掬い、自らの口に運んでみせた。
何気ない仕草なのに、どこか色気を漂わせているから、本当にこの男は末恐ろしい。
「なっ……!」
「照れちゃって、可愛いね。でも僕たち、これ以上のこと何度もしてるでしょう?」
「まあ、そうなんだけど……。コホン、それにしてもホールケーキなんて、何か特別なことでもあったのか?」
「うん。僕にとって剛に会えるのは、特別な事だからね」
そうは言うものの、咲はこちらに見向きもせず、ケーキを口に運んでいる。
表情は柔らかいが、口端が少しだけ歪んでいる。こんな時、抱きしめてやれたらいいのに。
けれど今はケーキを食べている最中だ。いきなり抱き着かれても迷惑だろう。
「すぐそう言う事言う」
俺がわざとむくれて見せると、咲はこちらを向いて、猫のように目を細めて見せた。
「そんな顔しないで、剛」
「ホント、咲は人を口説くのがうまいよな。俺ならそんな甘い言葉すぐに出てこない」
「あはは、剛も慣れるよ。あ、それとこれ」
本当に慣れんのか? 俺は人を口説くなんて高等テク、使えないと思うんだけど。
咲は頭に疑問符を浮かべる俺に背中を向け、ソファの脇に置かれていた自らのトートバックの中を漁っていた。
「何だ?」
「貰い物なんだけど、僕一人じゃ食べきれないと思って。一緒に食べてくれたら嬉しいな」
すると咲は何かの箱のシュリンクをシュルシュルと外し、俺にそれを差し出した。
「わ、チョコレートじゃん!」
「ハワイのお土産なんだって。マカダミアナッツチョコレートが人気みたいで。剛はアレルギーとか苦手な食べ物とかある?」
「特にないかな。なんでも美味しく食べるぞ。あー、でも……」
ほんの少しだけ言い淀むが、なるべくなら咲に隠し事はしたくない。
「でも?」
「身内以外が手作りしたものって、少しだけ怖いかも」
詳しい理由は咲に伏せておくが、バレンタインのチョコレートであったり、他人が作ってきた手作りのおやつ。そういった類のものはどうにも受け取る気になれなかった。
「そっか。確かに、何入ってるか分からないもんね」
「そーそー。咲は苦手なものって何かあるのか?」
「うーん。特に無いかな。好き嫌いは許されない家庭で育ってきたから」
「そっか。大変だったんだな……」
サラっと言っては見せるけど、きっとすごく大変だったんだろうな。
けれど今は深追いすることは出来ない。そうすることで、咲を傷つけてしまうような気がしたから。
「そんな事はどうでもいいよ。さ、食べてみて?」
「頂きます。……んー! うまーっ! 外国のチョコレートってすっげー甘いイメージあったんだけど、これはマカダミアナッツの塩気と甘いチョコレートが互いの良さを引き出しあって、甘いとしょっぱいのを同時に楽しめるのめちゃくちゃ良いな! 本当にうめ~。これが日本で買えないのがホントに残念だ」
すごい、これはいくらでも食える。そう思っていたら、咲は「全部食べちゃっていいよ」なんて箱を俺に押し付けてきたから、遠慮なくもう一つ口に運んだ。
「本当、剛は食レポが上手だよね。毎回思うけれど、グルメレポーターとか向いてるんじゃない?」
「そうか? 普通だと思うけど」
「こんなに美味しそうに食べてくれると持って来た甲斐があるね。また何か貰ったら、剛にもお裾分けするね」
「いいのか!? サンキュー!」
確かにこうして美味しいものを分けてくれるのはすごく嬉しい。
ただ、一つだけ疑問点があった。
咲は学校では誰かとつるんでいる様子はない。それなら誰からお土産をもらっているんだろう。
いや、俺の知らないところで友達がいっぱいいるかもしれないしな。
ふと、初めて咲を夜の街で見かけたときに一緒に歩いていた男が頭に浮かんだ。
けれどそんな悪い想像を吹き飛ばすべく、俺は静かに首を振った。
俺は咲に喜んでもらいたくて、いつもケーキを持って行っていたが、今日は咲がケーキを買って来てくれるという。
それって、咲も俺と会うのを楽しみにしてくれてるってことかな。
そうだったら超嬉しい。
この頃からもう既に、俺は咲と過ごす時間の為に生活をしていると言っても過言ではなくなっていたから。
今日の待ち合わせは、初めて咲と過ごしたホテル。
前はエントランスをきょろきょろと見回していた。けれど、今では隅にある受付で部屋番号を告げ、ドリンクバーでコーヒーを二人分持っていける程には余裕ができたのは成長だろう。
実際に部屋に入ると、相変わらず咲はバスローブ姿でベッドに腰を掛けている。
いつもそうだけど、咲は俺が来る前に全て準備を終わらせていた。
本当はシャワーの横に併設されているデカい風呂に二人で入りたいと思うけれど、きっと咲にはバッサリと断られるのだろう。
「お疲れ様、剛」
「おう。ごめん、待ったか?」
「全然。さ、手を洗っておいで? ケーキ、食べようよ。剛が喜んでくれると良いんだけど」
「モチ! 今日、ずっと楽しみにしてたんだぜ。咲がどんなケーキを用意してくれんのかなーって」
「ふふ。可愛いね。じゃあ、僕も食べる準備をしておくね」
そう言うと咲は立ち上がったから、俺もさっさと洗面所に行って手洗いうがいを済ませる。
浮足立ちながらリビングルームへ戻ると、そこにはチョコレートケーキがサイドテーブルに乗せられていた。しかもホールのやつ。
「うわ……‥咲、これ、すごいな」
土台にはチョコレートが均一に塗られており、上には色とりどりのマカロンが乗っている。
「この前SNSで話題になっててさ。剛って流行に敏感そうだし、好きじゃないかなって思って買って来たんだ」
「確かに、エンスタで見たかも。フランスのパティシエールが日本に上陸して期間限定ショプを開いてるんだっけ?」
「そうそう。さすが剛。本当は人気商品で買うのも困難らしいんだけど、ちょうど焼きあがったところでさ。運良く買えたんだ」
確かネットニュースにもなってたくらい、その店は人気らしい。
いつも長蛇の列で、会計が一時間待ちなんてこともあるみたいなのに、咲はわざわざ並んでくれたんだろうか。
それって、なんだか愛を感じるよな。
「へー、ありがとうな! マジでうれしー!」
「喜んでくれて何よりだよ。さ、実食してみようか。中にはチョコレートクリームとキャラメルクリームがサンドしてあるんだって。キャラメル、食べられたよね?」
「おう! うおー。めっちゃ楽しみ」
すると咲はケーキナイフも用意してくれていたらしい。折り畳み式だったらしく、プラスチックのカバーから刃を取り出すと、八等分に切り分けて見せた。
その所作の美しさに、俺は思わず感嘆の息を漏らす。
「すっげー。めっちゃ手馴れてんじゃん。咲って料理とかすんの?」
「そうだね。たまに作るかも。一人暮らしだから、いつもお惣菜だと飽きちゃうんだよね」
「へー。家庭的なんだな」
またひとつ咲の事を知れた、なんて思えば、俺は嬉しくなってしまう。
今度咲の手料理、食べてみたいな。
普段なら身内以外の手作り料理を食べたいとは思わないけど、咲のだったらめっちゃ興味ある。
切り分けたケーキの一切れを紙皿に乗せると、フォークを添えて咲はそれらを俺に渡してくれた。
「ありがと、咲」
「うん。さ、食べてみて? ……あ、そうだ。きっとこれ二人じゃ食べきれないよね。もし嫌じゃなければ家へ持って帰って? 迷惑になるなら全然大丈夫だけど」
「いいのか? じゃあ遠慮なく! 母さんと妹、絶対超喜ぶと思う」
「そっか。剛は実家暮らしなんだ」
その一言に、どこか寂しさを覚えたのはなんでだろう。
言葉の端々に滲む彼の自己嫌悪と、何か関係があるのだろうか。
なんてそんな踏み込んだ質問、まだできっこないけど。
だから俺はわざと大げさに笑顔を作って見せた。
「そう。父さんと母さん、妹の柔花と暮らしてる。特に柔花。あいつは珍しいモン大好きだから、目の色変えると思うぜ」
「ふふ。じゃあ残りは箱にしまって冷蔵庫に入れておくね」
咲も自分の分を取り分けると、残りをしまうべくまた冷蔵庫へと向かう。
それにしてもすげーウマそう。そんで、これ、絶対高級だよな……?
「さ。食べようか。いただきます。剛も召し上がれ?」
「あぁ! いただきまーす」
二人で両手を合わせ、つやつやのチョコレートケーキにフォークで切れ目を入れる。
一口サイズにしたそれを口へ運べば、あまりのうまさに目を見開いてしまった。
「ヤバ……コーティングされてるチョコがずっしりと重いイメージを与えてるけど、むしろチョコレートとキャラメルクリームがうまい具合にバチリと重なって、甘くもありほろ苦い。同時に軽さもある。これはいくらでも食べることができそうだ」
「そこまで喜んでくれるなら僕も本望だよ。ほら、剛。ほっぺにクリームついてる」
そういうと咲は俺の頬からクリームを掬い、自らの口に運んでみせた。
何気ない仕草なのに、どこか色気を漂わせているから、本当にこの男は末恐ろしい。
「なっ……!」
「照れちゃって、可愛いね。でも僕たち、これ以上のこと何度もしてるでしょう?」
「まあ、そうなんだけど……。コホン、それにしてもホールケーキなんて、何か特別なことでもあったのか?」
「うん。僕にとって剛に会えるのは、特別な事だからね」
そうは言うものの、咲はこちらに見向きもせず、ケーキを口に運んでいる。
表情は柔らかいが、口端が少しだけ歪んでいる。こんな時、抱きしめてやれたらいいのに。
けれど今はケーキを食べている最中だ。いきなり抱き着かれても迷惑だろう。
「すぐそう言う事言う」
俺がわざとむくれて見せると、咲はこちらを向いて、猫のように目を細めて見せた。
「そんな顔しないで、剛」
「ホント、咲は人を口説くのがうまいよな。俺ならそんな甘い言葉すぐに出てこない」
「あはは、剛も慣れるよ。あ、それとこれ」
本当に慣れんのか? 俺は人を口説くなんて高等テク、使えないと思うんだけど。
咲は頭に疑問符を浮かべる俺に背中を向け、ソファの脇に置かれていた自らのトートバックの中を漁っていた。
「何だ?」
「貰い物なんだけど、僕一人じゃ食べきれないと思って。一緒に食べてくれたら嬉しいな」
すると咲は何かの箱のシュリンクをシュルシュルと外し、俺にそれを差し出した。
「わ、チョコレートじゃん!」
「ハワイのお土産なんだって。マカダミアナッツチョコレートが人気みたいで。剛はアレルギーとか苦手な食べ物とかある?」
「特にないかな。なんでも美味しく食べるぞ。あー、でも……」
ほんの少しだけ言い淀むが、なるべくなら咲に隠し事はしたくない。
「でも?」
「身内以外が手作りしたものって、少しだけ怖いかも」
詳しい理由は咲に伏せておくが、バレンタインのチョコレートであったり、他人が作ってきた手作りのおやつ。そういった類のものはどうにも受け取る気になれなかった。
「そっか。確かに、何入ってるか分からないもんね」
「そーそー。咲は苦手なものって何かあるのか?」
「うーん。特に無いかな。好き嫌いは許されない家庭で育ってきたから」
「そっか。大変だったんだな……」
サラっと言っては見せるけど、きっとすごく大変だったんだろうな。
けれど今は深追いすることは出来ない。そうすることで、咲を傷つけてしまうような気がしたから。
「そんな事はどうでもいいよ。さ、食べてみて?」
「頂きます。……んー! うまーっ! 外国のチョコレートってすっげー甘いイメージあったんだけど、これはマカダミアナッツの塩気と甘いチョコレートが互いの良さを引き出しあって、甘いとしょっぱいのを同時に楽しめるのめちゃくちゃ良いな! 本当にうめ~。これが日本で買えないのがホントに残念だ」
すごい、これはいくらでも食える。そう思っていたら、咲は「全部食べちゃっていいよ」なんて箱を俺に押し付けてきたから、遠慮なくもう一つ口に運んだ。
「本当、剛は食レポが上手だよね。毎回思うけれど、グルメレポーターとか向いてるんじゃない?」
「そうか? 普通だと思うけど」
「こんなに美味しそうに食べてくれると持って来た甲斐があるね。また何か貰ったら、剛にもお裾分けするね」
「いいのか!? サンキュー!」
確かにこうして美味しいものを分けてくれるのはすごく嬉しい。
ただ、一つだけ疑問点があった。
咲は学校では誰かとつるんでいる様子はない。それなら誰からお土産をもらっているんだろう。
いや、俺の知らないところで友達がいっぱいいるかもしれないしな。
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