春を売るなら、俺だけに

みやした鈴

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【第六話】

★向かい合う、からだとこころ.III

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 そう言うと、咲はボディーソープでぬるついた足をピンと伸ばして、俺の性器を人差し指と親指で挟んで見せた。

「はッ、さっ、咲!? ちょっ、それヤバッ……あッ!」
「ねぇ、君は僕の身体を洗ってくれるって言ったよね? だからそのまま、手を止めないで」
「そうは言われてもっ、咲ッ!」
「あはは。ほら、剛だって同じでしょう? ここ、ぬるぬるしてるのってボディーソープのせいだけじゃないよね? 人の身体を洗いながら勃起するなんて、剛ってば、いやらしいね」
「そっ、それは咲があまりにも可愛くてッ……んぁッ! や、ダメ、だって……ッ、マジで、洗えなく、アッ、なる、から……!」

 咲は左のつま先で立ち上がった俺の昂ぶりを抑え、右は亀頭からカリに掛けて器用に扱き上げる。
 ヤバ、足で性器を触られてるっていうシチュエーション、ぶっちゃけ興奮してるかも。
 土踏まずで先っぽをくるくると撫でまわされ、幹の部分は指の付け根で挟み込まれる。
 っていうか、足でするの上手すぎだろ。俺だったら絶対こんなに器用に出来ない。

「どうしたの? ……あぁ、もしかして。足でペニスを弄られてるのに、興奮してきちゃった? 剛ってMっぽいところがあるよね」
「それは、咲が意地悪するからッ……んぁッ!」
「そうかな? ただ僕は剛が気持ちよくなっているところを見たいだけだよ」
「それなら、別に足で、ァっ、しなくてもッ!」

 駄目だ。中心部がどんどん熱を持っていくのが分かる。
 足でイかされたりしたら、マジで恥ずかしすぎる。まあ、咲の身体に触れるだけで勃ってた俺も大概なのかもしれないけど。

「ほら、射精してもいいよ? 幸い、汚してもすぐに洗い流せるからね」
「やっ、マジ、で、出るッ……からっ!」
「そう言われるともっと激しくしたくなるな。ふふっ、剛、可愛い」
「おっ、俺だって……ンンッ! 負けない、からッ……はぁ、んッ」

 浴室に篭る熱だとか、ぐちゅぐちゅとボディーソープと体液が混ざり合う音だとか。
 反響する自分の声にいたたまれなくなるのに、上から俺を見下す咲を、もっと求めてしまいそうになる。

「はッ……咲、滲みたりしたら、ンっ、ちゃんと、言うんだぞ?」

 そう言って俺はボディーソープを手に取り、咲の性器を両手で包み込む。

「分かったよ。ふふっ。ンッ、良い感じ、だよ? 足コキされてるのに、ちゃんと手も動かせて、ァっ、えらい、ね? ……ふぁっ……ッ」
「咲も、ンンッ、器用、すぎる、アッ、だろッ……んぁッ」

 咲が椅子に座り込んで、俺が彼の太ももの間に挟まり、ゆらりと芯の持つそこを指先で扱いていく。
 俺は慣れない行為で必死になってるのに、咲はどこか余裕を感じさせる態度を保っている。
 本当は俺だって咲の事を夢中にさせたいのに。

「ふふッ、剛。いい感じだよ。ァっ……、そう、だね。僕も一回、出しておこう、かな。剛、頑張れる?」
「モチロン。はッ……ちゃんと咲の事、イかせる、からなッ!」
「君はいい子だね。それなら僕も君を絶頂させられるよう頑張るよ」

 正直、俺のそこは早くも限界を迎えそうだった。ホント、俺ってマゾだったのかな。
 それに、咲も勃起したそこが目の前にあると、咥えたくなってくるって言うか。ただ気持ちよくさせるんじゃなくて、俺の身体全部を使って、咲に愛を伝えたい。

 いや、待て。こんなのマゾ通り越してヘンタイすぎるだろ。なんだ咥えたいって。自分自身にドン引きする。
 けど、上気した頬とか、ボディーソープと混ざる咲自身の香りだとか。勃ちあがるそこから漂う雄の臭いもそう。
 五感全てで咲を感じてしまうから、俺はおかしくなってるんだ。

 咲から与えられる俺の中心への刺激を受けながらも、俺は必死に咲の昂ぶりを撫で上げた。
 ぎゅっと手のひらを握り込むようにして、親指を裏筋に沿わせながら先端へと擦る。

 咲、出したいって言ってたよな。だったらここだけじゃなく、タマも触った方が出しやすいだろう。
 そう思って、左手では重くなったそこを揉みこみながら、右手は根元から先端へ滑らせていく。
 本当は先っぽも刺激したかったけど、ボディーソープが入り込んだら痛くなりそうだもんな、なんて思ってあえて無視をする。

「んッ、剛。気持ち、良いよ……んぁッ、君、は……ァっ」
「俺も、気持ちいい。ンゥッ! な、一緒に……ッ、イける、かな?」
「はッ、いい、ねッ……ッ。試して、みる……?」
「! あぁ! やってみる!」

 そんな提案をすれば、咲はさっきよりも本気を出してきたようだ。俺の性器のくびれを指先で絶妙な力加減でぎゅっと絞り上げる。

 だから俺も負けじと咲を絶頂に追い込んでいく。
 粘膜に触れないよう、けれどちゃんと気持ち良いところを刺激して。

「なッ、も、咲ッ、俺、イきそッ……!」
「ふふっ。良いよ? 僕のも、んッ、お願い、できる?」

 そう言って頭を撫でられたら、俺はパッと視界が白くなるのを感じた。
 ぱたぱたと熱い液体が放出されるのと同時に、俺は身体に力が入らなくなっていた。

「~~~~ッ! ンぁッ、は、はぁっ、さ、咲……ッ」
「あはは。剛が先にイっちゃったね? 一緒に達せなくて残念だったな」
「意地悪、アッ、言うなって。ちょっと待ってろ。俺も、咲の事、イかせる、からッ……!」
「うん。よろしくお願いします。……あ。でもまずは一回洗い流しちゃおうか。それにそこにローションもあるし。少し待っててくれる?」

 そう言って咲はまず俺の汚れた下半身と床に優しくシャワーを浴びせ、そのあとに自らの身体に纏わりついたボディーソープを流した。

 シャワーを止めると一度それを壁のフックへと掛け、彼は浴室を出て行く。
 取り残された俺はどうしようかと戸惑っていると、すぐに咲は小さなパウチを持って戻ってきてくれる。

「お待たせ。今日はせっかく一緒にお風呂に入ってることだし、浴室でセックスしてみる?」
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