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6 熱風と風の悪魔 

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6 熱風と風の悪魔

 今,対峙している悪魔は,森の中で熱風と風で人間を襲う悪魔であった。この森に潜んでいる情報をつかみ,黒翼の天使は封じ込めるためにやってきた。怖い顔に角,手は同じ鋭さを持っている。そこに,黒翼の天使よりも,やや小さな黒い翼を付けて飛び回る。

 最初に仕掛けたのは悪魔だった,黒翼の天使は手をクロスして防御したが,黒のレザーレオタードの前部分が斜めに切られた。そして,地面にたたきつけられたのだ。

「ウウアア~~・・・」

 さらに,手のつめで黒翼の天使を突き刺そうとした時,黒翼の天使は反転し,悪魔は地面に突き刺さった。瞬時に動いたのは,黒翼の天使である。逆に両手のつめで攻撃し,ダメージを負わせた。悪魔は,その場所から距離を少しおいた所で,熱風を口から発した。それは,人間なら大やけどを負うぐらいの熱さである。

「ア゛ッ ~~,ゥアアア~~」

「黒翼の天使,丸焦げになってしまえ!」

果敢にも,黒翼の天使は,その熱風に向かって赤い眼孔を開き悪魔に突進した。

「ばかめ,自分から熱郛の源にくとは,近くにくれば,もっと熱いぞ!」

「ゥオーーーーーーーーーーーーーー・・・・」

黒翼の天使の翼が熱に耐えられずに溶け始めた,しかし,黒翼の天使は両手の爪を悪魔の心臓めがけて突き進んだ。そして,ついに,悪魔の心臓に届きそうになった時,悪魔は大風を発生させて,黒翼の天使の天使の位置を変えたのだ。しかし,黒翼の天使は風で方向を変えさせられた時,下に落ちる時に悪魔の足首をつかんだ。

 黒翼の天使は,翼が溶けてうまく飛べないため,悪魔の足首をつかんだまま地面にたたきつけられた。

「フギャ~~~~~ン・・・・・」

 地面に落ちる瞬間,我が身を犠牲にして,悪魔をつかんだ手首を力強く回して悪魔を地面におもいっきりたたきつけた。そして,ステッキを出し,悪魔に向かって呪文を言って封印した。黒翼の天使は,力を使ったので回復のため,夜空を向き,大の字になって時を待った。

 ガサ,ガサガサ,

 黒翼の天使は,悪魔と戦っていて気がつかなかったが,はじめて他の存在があることに気がついた。

「しまった!,敵は一体と考えて全力で戦い,今,指1本うごかせない。」

 しかし,そこに表れたのはおもいがけない者だった。カメラで撮っているのは,転校生の田所進だった。

 「俺,ファンなんです,今の戦いも,今までの情報も掴んであって,ちょっと怖いけど,力出なそうなので,写真を撮らせてください,と言っても,もう,撮っていますけど」

  パシャ,パシャパシャ

 全体を撮ったら,黒翼の天使をズッムでポイントごしに撮った。

 顔のアップでは,黒いロングの髪の毛の長い,それでいて肩より下のカールを撮った。
手にとって臭いを嗅ぐ。髪の毛を引っ張り,口に入れて感触を味わう。

 口から出ている,左右の牙は1本ずつ撮った。牙は,曲がって先端に行くほど細くなっている。象牙のようだ,折って持ち帰ったら売れそうだ。さすってみる。

 触られながら写真を撮られていても,クールに無言で無視していたが,黒いアイマスクをアップで撮ろうした時に,赤い眼光を,さらに真っ赤にして,牙を出して威嚇した。
進は黒いアイマスクを指で何度もなぞって,目の瞳をのぞきこんだのだ

 「そうそう,もっと目を赤くしてこわそううな顔,これが一番好きだな」

 進は,黒いマスクをアップに力強い赤い眼光を何枚も撮った。そして,威嚇している顔も,連射したのだ。顔を指でなぞり,感触を味わう,確かに人間とは違う。

「おまえはだれだ! 去れ」

 初めて聞く黒翼の天使の声は,低くそれでいて人に怖さを感じさせる。しかし,進は,
「うれしいな,話しかけてくれて,黒翼の天使の声を聴いた人は少ないから,貴重だよ」

 カメラで,頭の角は1本ずつ撮った。手でにぎりながら太さを確かめた。悪魔の角は威厳があった。手の鋭いつめを片手ずつ撮った。手を持ち上げて指の間も観察した。カエルのように指と指の間に平たいもので繋がっている。泳いだり空気抵抗に利用しているのだろう。黒のロングブーツを撮った。この中は,どんな臭いがするんだろう,人間と同じ臭さなのか他の生き物のような生ぐささななのか,黒のロング手袋を撮った。脱がしたらどんな手なんだろう,色はなにいろだろうなどと考えながら,ドキドキしながらすべてをとった。

 最後に,一番気になる黒翼の天使の着ている黒のレザーレオタードの胸を高さがわかるように横から撮った。何カップだろう,脱がしたら,人間と同じ胸,乳頭なんだろうか,胸は感じるのだろうか,両足を開いているので,股の所は連射した。ここだ!この中は,膣はあるのか,膣に入れられたら感じて悶えるのか,クールな黒翼の天使は,どんな喘ぎ声をあげるのだろう。

 黒翼の天使は,まだ,回復できず,

「はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~・・・・・」

「さて,この特ダネをどこに売ろうかな」

 黒翼の天使は,ハッとした。先日,権田の所から逃げた時に,写真をもとに探し出すと言っていた。もし,これだけの情報が権田にわたったら,大丈夫だと思うが,もしものことがある。

 「だめだ!売ることは許さん!!」

 顔を進の方に向き,赤い眼光を光らせて牙をむき出しにして,威嚇する。

 これで,普通の人間だったら恐怖に陥るだろう。しかし,進は,変わった人間であった。恐怖を感じない障害とも言えるものをもっていた。  

「何,言ってるの命がけで撮った写真だよ,今だって威嚇されているし,高くうりつけるに決まっているんじゃん」

「殺す!」

「今のこの言葉も,このレコーダーにとったよ,市民を殺すと言ったことも,これも高く売れるな,今,戦いで指も動かせない状態でしょ」

「ゥウウウウウ・・・・・・」

「俺,本当にファンなんだよね,ここで,・・・・・させてくれたら,売らないにしてもいいよ」

 黒翼の天使は,ヒロインとして,それはできない。クールな性格で喘ぎ声など絶対に出したくない。

「ことわる!!」

「じゃあ,さようなら,でも,写真とは関係なしに,いつか黒翼の天使を自分のものにしたおと思っているから,そのうち,また,動けない状態の時にね,さようなら」

 あ~,どうしよう,プライドが交渉に応じることができなかった。人間なんだから適当にやらせれば良かったのかも知れない。後悔している所に一つ目小僧がやってきた。

「この前は,飛ばされてひどい目に合わされたけど,助けてあげようか? あいつのカメラとレコーダーをうばってきてやる変わりに,体を自由にさわらせてよ」

 こんな子どもだったら,あいつよりもいいし,何よりあの写真が世に出ては困る。

「よし,いいだろう,でも,ずっとさわられるのは,いやだ!」

「10分さわらせて~~」

「1分だ!」

「カップラーメンでも昔は3分だったけど,今は,4~5分だよ,じゃあ,3分」

「わかった!!!」

一つ目小僧は,進の前に飛び出して目を見せて驚かした。そして,その隙に,カメラとレコーダーを奪い取って,黒翼の天使の前に持ってきた。

 黒翼の天使は体を起こしていて,翼も元にもどってきていた。

「約束だよ,まずは写真とレコーダーを調べてよ」

 黒翼の天使がカメラを見ると,進のとった映像が見えた。また,レコーダーを再生すると,さっきのやりとりが聞こえた。これは盗撮で犯罪だから,逆に人間だったら警察に訴えることが出来る。しかし,黒翼の天使は半悪魔だ

「よし,3分だ! それ以上やったら殺す!」

 一つ目小僧は,苦笑いをした。黒翼の天使に見せている時計は,合っていない。わざと遅れるようにしてあるので,3分は相当の時間なのだ!

「・・・・ゥァア~ン,ハアッ,ハアッ,ハアッ,・・・・」

黒翼の天使は,時間がおかしいことに気がつき,ステッキを出して,この前と同じように,一つ目小僧の股にいれ,遠くへ飛ばした。

飛ばされながら,一つ目小僧は,
「今度,続きをしようね・・・・・・・・・・・・・」
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