釣りガールレッドブルマ(一般作)

ヒロイン小説研究所

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③美咲は竿を上下に振るが反応がない、上げてみるとエサがなくなっていた。
「小さい魚に食べられたのかな?」
 美咲は大きな岩に移動してキョロキョロ見渡すと、集団で移動して素早い。
「いた~、待て~こら~捕まえた、い、痛い~」
 美咲はエサにしようと思っていた生き物に噛まれたのである。それは、フナムシと言って、ややゴキブリに似た生き物だ。
「ぃや~冷たい・・・」
 フナムシに夢中になっていて波しぶきに気が付かなかった。膝を付いて捕まえていたので、レッドブルマが海水で濡れてしまった。
 しかし、美咲は慣れっ子で今までにも何回もあった出来事だ。
 大きな岩からフナムシをエサにして釣り糸を垂らす。そして、レッドブルマのお尻をピョコンと太陽の方に突き出す。お尻が海水に濡れていても、ポカポカとお尻が温かくて気持ちがいい。
 レッドブルマの下には、女子陸上部レーシングブルマ型スポーツショーツレッドをはいているが、この方法で乾かすのだ。釣りに集中すると、濡れていても気にならない。 ググ~ グググ~~~~~

「魚が引いた~」

 魚の進む方向を見定めて竿を上げる。

「やった~初メバルだ!」

 1匹いるということは、まだ、いるだろう。美咲は釣りに集中する。白い波が渦を巻いて重りが軽いので流されている。一度上げないと、針が海藻や石に引っかかってしまう。

「あ~~、引っかかった~」

 美咲は、竿を左右、前後に動かして取れないかどうかやってみるが無理だ。後は、竿を折らないように持って引くことだ。

「取れたかな、針が切られたかな?」

 上がって来たのは針に引っかかった海藻だった。針は無事である。ここで、再度、潮の流れが変わらないうちにエサを付けて狙いを定め、海水に入れる。

  ググ~、グググ~~

「やっぱり釣れた~、ここにいそうだったんだよね、我ながらいい感をしてるな」

 さっきよりも、大きなメバルだった。満ち潮になって大きな魚が寄ってきたのだろう。
もっと釣りたい気持ちを抑えて、ここで帰る。
 海水の高さがレッドブルマをはいていても、それ以上に高くなって帰れなくなってしまうからだ。
 帽子が風で飛ばされないように深く被り、釣った魚を入れてあるサカリの糸を腰に巻いて飲み物などの入った小さなバックを肩にかけて岸まで行くのだ。
 水面の中に見える滑らなそうな岩の上に乗って移動するが、時に深い所もあり、レッドブルマの股、ギリギリということもある。
 美咲は、冷たい海水が内ももまで濡れたり、股のぎりぎりまで海水が来たりするのも、スリルがあって楽しい。自然と戦うのではなく、共生を大切にして釣りも含んで海を楽しんでいた。

  野上颯太は、あれからずっと美咲を友達と不思議がって見ていた。
「あいつ、何しているんだ、お尻を岩の上で突き出していて、変だぞ」
「何か理由があるんだろうけど、見ている方からするとおかしいな」
「俺たちは海を見ていて、たまだま視界に美咲がいるから、盗撮ではないよな」
「写真も撮らないから盗撮にならないよ」

「あいつ、釣れたみたいだな、変わっているけど釣りの腕はいいみたいだ」
  
「もう、帰るようだけど、こんなに満ち潮になっているのに帰れるのか」

 美咲は、大きな岩をまたぎながら移動している。身長も高いが、足がすらりととても長いのだ。今日も、無地に陸地に戻り、アパートの管理人、ばあちゃんに持って行く。

 アイナメは焼き魚、メバルは煮魚とあら汁にしてもらうのだ。

「学校へ行ったら美咲に声をかけてみよう、俺から見て相当な不思議ちゃんだ、レッドブルマをどうやって釣るか、それから考えるから、おまえも協力してくれ」

 友達の中野聡も、目が輝いた。
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