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⑦マリンジャスティスレッドブルマは溶けている海魔王の近くに行くと、確かに見覚えのある様相だった。残りは知的海魔と単細胞海魔の後始末だ。
「所長、知的海魔は逃げて行ったのでしばらくは大人しくするでしょう。でも、単細胞海魔の中で操られていない海魔は一カ所に集めてあるので、私から説得します。そして、操られている単細胞海魔は、大人しくしているように操ります」
 マリンジャスティスレッドブルマとマリンジャスティスホワイトブルマも賛成した。所長が単細胞海魔を操る機械と操作の仕方を教えてくれたので、マリンジャスティスブルーブルマとマリンジャスティスホワイトブルマに任せて、一カ所に集まっている操られていない単細胞海魔の所にマリンジャスティスレッドブルマは向かった。
「紺のブルマを穿いてみなさんに近づき、マリンジャスティスレッドブルマであることを隠していたことは謝ります。それは、みんなを安全な所にかくまって海魔王を倒すためで、今、倒してきました。いや、正確には部屋に入ったら環境研究所の所長が溶かしてくれていました。これで、みなさんは狙われません。お願いです。人間と共存してください」
 海魔王を倒したと聞いてスパイとして入っていた海魔は驚き、マリンジャスティスレッドブルマに襲いかかってきた。
「おい、マリンジャスティスレッドブルマを信じるのか、次は俺たちを聖剣でやっつける気だ。その前に、みんなで力を合わせてマリンジャスティスレッドブルマを倒すんだ!」
 マリンジャスティスレッドブルマは、ジャンプしてより高い所から説得した。
「人間と共存と言っても知的海魔のように一緒に生活は姿に驚かれて無理でしょう。でも、共生はできます。人間に害を与えず隠れて生活してください。それが、みなさんのためなんです」
 スパイの海魔に踊らされてマリンジャスティスレッドブルマに飛びかかってきた海馬がいたが、マリンジャスティスレッドブルマは抵抗をしなかった。
「うぁああっ~みなさん、共生が大切です」
 数体の海魔だがマリンジャスティスレッドブルマの腹や顔を殴りつける。
「ああっ~ぐうぅ~共生しましょう~あうっ!」
 マリンジャスティスレッドブルマは殴られたり、蹴られたりしても叫び続けた。
「人間と共生しましょう~~」
 一番後ろにいた海魔が叫んだ。                             
「人間が俺たちを魔の怪物にしたのに、そんな人間と共生できると本当に思っているのか!」
 顔だけしか上げられないほど体力が消耗しているマリンジャスティスレッドブルマが話した。
「海は人間だけのものではなく、海魔を含めたすべての生物のもの、だから、共生できます。それに、人間が変われば海魔でなく、元の生き物になるかもしれない。人間を信じて下さい。環境を改善し、それによって海魔から生まれ変わっていくことを」
 スパイの海魔もマリンジャスティスレッドブルマの言葉で大人しくなった。リーダーらしき海魔が前に出てきた。
「一度、人間を信じてみよう、俺は、マリンジャスティスレッドブルマを信じる!」
 他の海魔達も海の環境が変わって元に戻れることを信じて、同調した。
「ありがとう、みんな」
 マリンジャスティスレッドブルマは説得をすることに成功したのだ。

 海魔が出現しなくなって、レッドブルマはブルーブルマ、ホワイトブルマと釣りに来た。もちろん、マリンジャスティスレッドブルマの正体は知られていない。
「レッドブルマ、釣れたこの魚はなんて言うの?」
 レッドブルマは魚を見て微笑んだ。
「ウミタナゴって言う魚で、海水のきれいな所にいる魚」
 海は環境団体のはたらきかけできれいになってきた。しかし、レッドブルマには不安があった。それは、心がきれいになっていない人がいるという現実だ。
「おい、釣れたか?」
 颯太先輩と浜崎君だ。颯太先輩は海馬先生がいなくなってからマリンジャスティスレッドブルマのことは言わなくなった。ただ、釣りへの興味は高まったようだ。
「浜崎、俺たちも釣るぞ!」
 颯太先輩が投げようとした釣り針がレッドブルマのお尻の布に引っかかってレッドブルマが持ち上がった。
「ぃや~ん、颯太先輩~・・」
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