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「これはあなた方にとっても悪い話ではないのですよ?要は、あなた方はahornをブレイクさせて、たくさん応援してもらえれば良いだけの話で……」
「えっ?そんなことで良いの?ってかさ、元々そのつもりでデビューするんだし」
「ハル、そういうとこ。もっとちゃんと聞かないと、何か落とし穴があるかもしれないよ?」
「そうだよ……それにさ、その話って俺たちに特にメリットなくない?」
「そっか……」
「まあ、そうですよね?意外と……色々考えてらっしゃるようで安心しました」
「なんかその言い方ムカつくなぁ」
「おっと失礼。そうですよね……メリットといえば……」
「あっ!ほら、神サマのチカラで俺たちデビューしたら一気にぶわぁってブレイクしちゃうとか?」
「それはできかねます」
「えー?じゃあなに?」
楽してブレイクしようと目論んだハルたちがコマの返答にがっかりしたのも束の間、急にテンションを持ち直した神サマがしゃしゃり出る。
「実はですね、な、なんと、この、神様である私、そう私自らが、キミたちを……直接プロデュースしちゃうことにしましたっ!いえーい!」
神サマはダブルピースを顔の横にすえ、それをさも喜ばしいことのように発表した。
「プロデュース……って?」
しかしその突然の発表はahornの五人を更に困惑させただけだった。しかしテンションが上がりまくっている神サマは、そんなことはお構いなしにその経緯を楽しそうに語り続ける。
「ふふふ。プロデュースはプロデュースだよ。此処の神社が廃れていくのを、私だってぼーっと眺めていたわけじゃないんだ。ね、コマ?」
「はい。神サマと私はこの神社を盛り上げるべく、それはもう、数えきれない程のエンターテイナーを観察したのです。そして気が付きました」
「そうそう、長いこと神様やってるけどさ、こんなに研究熱心な神様ほかにいないよ?」
「その通りでございます」
「本来さ、現代ってものすごく良い時代なわけ。しかも芸能の神はめちゃめちゃチャンスがある時代なの。特にこの日本ではね。あれ良いよねぇ?」
「“推し”文化でございますね?」
「そー!“推し”てさ、すっごいの。今までの“信仰心”なんかの比じゃないのよ、ホント。私を信じてくれる心っていうのも もちろん尊いしありがたいんだけどさ、やっぱ限界があるわけ。でも“推す”っていう心にはさ、それはもう“愛”がたっぷりで……愛といっても、その中には“恋情”も“尊敬”も、時には“母性”のような“至高の愛”も含まれてるんだよ。代々木があれだけ繁栄してるのも、あの八幡宮が“推し文化”にいち早く目を付けたからなんだよね……」
「そうですね、此処ももっと早く取り入れていれば……」
「まあ、過ぎたことはしょうがないとして……そんな感じで、此処でも取り入れることにしたんだよねえ。それが、10年前のSPARK。ソラ……じゃなかった千宙のいたグループね」
「しかし千宙さん……SPARKの皆さまには申し訳ないことをしてしまったと、私も神サマも反省しているのです。私たちは少し時期を見誤ってしまった……」
「そうだね。それに今考えると随分と傲慢だったと思うよ……ほとんど丸投げのようにしてしまったのだから。でも、私は廃れても神様なので。きちんとこの反省を活かし、なんとっ、更に勉強に励みました!」
「国内外のオーディション番組を数えきれない程観ましたものね」
「そうそう。頑張った私たちには是非キューブを……」
「神サマ、それも専売特許にございます。そしてちょっと古い……」
「うっ……まあ、という訳で私たちが出した結論が“自らが偶像となるボーイズグループをプロデュースする”ってことだったの。だってさ、これだけ研究を続けてる私たちがプロデュースするのが一番確実でしょ?」
「その通りでございます」
「うんうん。それでさ、キミたちは私のプロデュースでデビューして、次の『Reach a Stage of God.』でトップ獲っちゃおう!!」
「え?『Reach a Stage of God.』ってあの、ボーイズグループのパフォーマンスバトルの?」
「もちろん、それだよ。それしかないデショ?」
「ちょっと……まじ?」
「……まじでございます」
「えっ?そんなことで良いの?ってかさ、元々そのつもりでデビューするんだし」
「ハル、そういうとこ。もっとちゃんと聞かないと、何か落とし穴があるかもしれないよ?」
「そうだよ……それにさ、その話って俺たちに特にメリットなくない?」
「そっか……」
「まあ、そうですよね?意外と……色々考えてらっしゃるようで安心しました」
「なんかその言い方ムカつくなぁ」
「おっと失礼。そうですよね……メリットといえば……」
「あっ!ほら、神サマのチカラで俺たちデビューしたら一気にぶわぁってブレイクしちゃうとか?」
「それはできかねます」
「えー?じゃあなに?」
楽してブレイクしようと目論んだハルたちがコマの返答にがっかりしたのも束の間、急にテンションを持ち直した神サマがしゃしゃり出る。
「実はですね、な、なんと、この、神様である私、そう私自らが、キミたちを……直接プロデュースしちゃうことにしましたっ!いえーい!」
神サマはダブルピースを顔の横にすえ、それをさも喜ばしいことのように発表した。
「プロデュース……って?」
しかしその突然の発表はahornの五人を更に困惑させただけだった。しかしテンションが上がりまくっている神サマは、そんなことはお構いなしにその経緯を楽しそうに語り続ける。
「ふふふ。プロデュースはプロデュースだよ。此処の神社が廃れていくのを、私だってぼーっと眺めていたわけじゃないんだ。ね、コマ?」
「はい。神サマと私はこの神社を盛り上げるべく、それはもう、数えきれない程のエンターテイナーを観察したのです。そして気が付きました」
「そうそう、長いこと神様やってるけどさ、こんなに研究熱心な神様ほかにいないよ?」
「その通りでございます」
「本来さ、現代ってものすごく良い時代なわけ。しかも芸能の神はめちゃめちゃチャンスがある時代なの。特にこの日本ではね。あれ良いよねぇ?」
「“推し”文化でございますね?」
「そー!“推し”てさ、すっごいの。今までの“信仰心”なんかの比じゃないのよ、ホント。私を信じてくれる心っていうのも もちろん尊いしありがたいんだけどさ、やっぱ限界があるわけ。でも“推す”っていう心にはさ、それはもう“愛”がたっぷりで……愛といっても、その中には“恋情”も“尊敬”も、時には“母性”のような“至高の愛”も含まれてるんだよ。代々木があれだけ繁栄してるのも、あの八幡宮が“推し文化”にいち早く目を付けたからなんだよね……」
「そうですね、此処ももっと早く取り入れていれば……」
「まあ、過ぎたことはしょうがないとして……そんな感じで、此処でも取り入れることにしたんだよねえ。それが、10年前のSPARK。ソラ……じゃなかった千宙のいたグループね」
「しかし千宙さん……SPARKの皆さまには申し訳ないことをしてしまったと、私も神サマも反省しているのです。私たちは少し時期を見誤ってしまった……」
「そうだね。それに今考えると随分と傲慢だったと思うよ……ほとんど丸投げのようにしてしまったのだから。でも、私は廃れても神様なので。きちんとこの反省を活かし、なんとっ、更に勉強に励みました!」
「国内外のオーディション番組を数えきれない程観ましたものね」
「そうそう。頑張った私たちには是非キューブを……」
「神サマ、それも専売特許にございます。そしてちょっと古い……」
「うっ……まあ、という訳で私たちが出した結論が“自らが偶像となるボーイズグループをプロデュースする”ってことだったの。だってさ、これだけ研究を続けてる私たちがプロデュースするのが一番確実でしょ?」
「その通りでございます」
「うんうん。それでさ、キミたちは私のプロデュースでデビューして、次の『Reach a Stage of God.』でトップ獲っちゃおう!!」
「え?『Reach a Stage of God.』ってあの、ボーイズグループのパフォーマンスバトルの?」
「もちろん、それだよ。それしかないデショ?」
「ちょっと……まじ?」
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