4 / 8
4
しおりを挟む
教室に入り出席番号順で指定されている自分の席についた三人は、思わず顔を見合わせた。若菜の真後ろは海音の席で、若菜の右隣には岳がいる。
「ねえ、俺の視界にずっとお前らがいるってなに?」
口ではそんなことを言っている海音の顔はにやけ、若菜も思わず吹き出した。
「あーっ!!若菜ぁ……クラス別れちゃったね。寂しいよぉ」
その時、可愛らしいトーンの声が教室の入り口で響いたかと思うと、若菜はその声の主に後ろから抱きしめられていた。
「若菜ってば、朝来るの早すぎだし……ってか、はぴはぴハピバ!」
「あ、ありがとう」
「えっ?若菜なんかよそよそしくない?あーっ!!……海音も岳くんもこの席なの?席まで近いなんてずるーいっ!」
「寧々うるさい。早くクラスに戻らないと、ぼっちになるぞ?」
若菜よりもだいぶテンションの高い進藤寧々は若菜に抱きついたまま、海音と岳と話している。若菜はその記憶の限りを必死で探し、「寧々」という名前だということしか知らない彼女のことを探った。しかし、若菜の記憶には寧々がどこにも登場しない。海音と岳とはここまでの態度をみてしても、小6の時からずっと仲が良かったのだとわかるのに、彼女に関する記憶が若菜に無いということは、きっと若菜にとっては空白の中学時代に、この世界の若菜が仲良くなった友達なのだ。
「海音ひどい。わたしが人見知りなの知ってるくせに!ってか本当にこのクラスが良かったあ……岳くんもいるし」
「寧々の人見知りは最初だけだろ?それに、岳は俺の事が大好きだから、レベル落としてまで一緒の高校来たんだぜ?そこまでしても俺と離れたくなかったんだよな?まあ、寧々は気持ちが足りないから若菜とクラスが離れちゃったってことで」
「なにそれぇ?若菜ぁ、海音が相変わらずひどい……」
「……よしよし」
ここまでの会話から、若菜はこの世界の若菜ならこんな時どうするかを探り、一か八かで寧々の頭を撫でながら慰めてみる。
するとどうやら若菜の読みは当たったらしく、寧々は「うわぁん。中学が懐かしいよぉ」と言いながらブンブンと首を振っていた。
「ってかさ、若菜も知ってたの?わたし岳くんまでここに入学したとか全然知らなかったし。ああ、入学早々つらぁ……」
「ねえ、俺の視界にずっとお前らがいるってなに?」
口ではそんなことを言っている海音の顔はにやけ、若菜も思わず吹き出した。
「あーっ!!若菜ぁ……クラス別れちゃったね。寂しいよぉ」
その時、可愛らしいトーンの声が教室の入り口で響いたかと思うと、若菜はその声の主に後ろから抱きしめられていた。
「若菜ってば、朝来るの早すぎだし……ってか、はぴはぴハピバ!」
「あ、ありがとう」
「えっ?若菜なんかよそよそしくない?あーっ!!……海音も岳くんもこの席なの?席まで近いなんてずるーいっ!」
「寧々うるさい。早くクラスに戻らないと、ぼっちになるぞ?」
若菜よりもだいぶテンションの高い進藤寧々は若菜に抱きついたまま、海音と岳と話している。若菜はその記憶の限りを必死で探し、「寧々」という名前だということしか知らない彼女のことを探った。しかし、若菜の記憶には寧々がどこにも登場しない。海音と岳とはここまでの態度をみてしても、小6の時からずっと仲が良かったのだとわかるのに、彼女に関する記憶が若菜に無いということは、きっと若菜にとっては空白の中学時代に、この世界の若菜が仲良くなった友達なのだ。
「海音ひどい。わたしが人見知りなの知ってるくせに!ってか本当にこのクラスが良かったあ……岳くんもいるし」
「寧々の人見知りは最初だけだろ?それに、岳は俺の事が大好きだから、レベル落としてまで一緒の高校来たんだぜ?そこまでしても俺と離れたくなかったんだよな?まあ、寧々は気持ちが足りないから若菜とクラスが離れちゃったってことで」
「なにそれぇ?若菜ぁ、海音が相変わらずひどい……」
「……よしよし」
ここまでの会話から、若菜はこの世界の若菜ならこんな時どうするかを探り、一か八かで寧々の頭を撫でながら慰めてみる。
するとどうやら若菜の読みは当たったらしく、寧々は「うわぁん。中学が懐かしいよぉ」と言いながらブンブンと首を振っていた。
「ってかさ、若菜も知ってたの?わたし岳くんまでここに入学したとか全然知らなかったし。ああ、入学早々つらぁ……」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる