59 / 60
なずみのホラー便 ※公開順
第53弾 最悪 PART2
しおりを挟む
過去作のタイトルはそのまま。違ったテーマと具材で調理し、PART2としてお届けです。
※過去作の主人公は20代の女性でしたが、今回の主人公は20代男性です。
過去作
⇒最悪【なずみのホラー便 第47弾】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892623426
冬の夜十時過ぎ。
無性に冷凍鍋焼きうどんが食べたくなり、歩いて五分程度のコンビニへと行こうとする主人公。
だが、今回の彼も前作『最悪【なずみのホラー便 第47弾】』の主人公と同じく、外出前に”第六感”が知らせているとしか思えない、とてつもない不安に襲われていた。
しかし、彼は前作の主人公とは異なり”コンビニ内での買い物は無事に終えることができた”。
問題はその帰り道。
彼の十数メートル先を、チワワを散歩させている”女の子”(後ろ姿とファッションから推測するに推定年齢十代後半~二十代前半)が歩いていた。
ちなみに、彼女の後姿の描写は以下となる。
※※※
街灯が明るく照らしている彼女のコートは淡いピンク色で、襟と両袖口にはふわっふわの白いファーがついていた。バレエのチュチュのような形のミニスカートからは、白いタイツに包まれた長くてすらりとした足が伸びていた。
彼女の横顔もチラッとだけ見えたが、思わずドキッとしてしまうぐらい可愛かった。
※※※
動物好きで(後ろ姿は)可愛い彼女であるも、犬の散歩に必要不可欠なエチケット袋を持ち歩いてはいないようだった。
案の定というべきか、チワワが他人の家の前でウンコしたにも関わらず、飼い主の彼女はそれを片付けることもせずに、そのまま立ち去ろうと……
「最悪だ。どれだけ可愛くても、あんな場面を見てしまっては無理だ。犬を可愛がる心を持っているなら、公共のマナーを守る心も併せ持っていろよ」と心の中で毒づく主人公。
だが、彼女に注意はせずに、非常識な奴にかかわらないに限ると、見なかった振りをして通り過ぎようとした。
が、その時!
家の前を犬のトイレにされた――正確に言うなら、”毎日毎日、犬のトイレにされ続けていた”家の玄関から、おばさん(おそらくその家の奥さん)が、怒りで肩を上下させながら飛び出してきた。
おばさんに怒鳴られた彼女とチワワは恐怖に縮こまってしまっていたが、蓄積され続けていたウンコの怒りがついに爆発したおばさんが怒るのも無理はない。
主人公は揉めている彼女たちの横を、”何も見ていないふり聞いていないふり”をして、スタスタとごく普通に通り過ぎようとした。
しかし、彼女とチワワが主人公に助けを求めてきた。
”後ろ姿もファッションも若く、声までも若い女の子みたいに可愛かった”彼女の顔を間近で見てしまった主人公は、思わず悲鳴をあげそうになる。
”ちりめん皺だらけで、ほうれい線もくっきり”だった彼女。
おそらく主人公より、二十歳以上年上であるのは明らかであった。
「若作りも度が過ぎると怖いんだよ! 見た者に恐怖しか与えないんだよ! ある意味、一種の妖怪じゃねえか!?」と恐れ慄かずにはいられない。
”おばさん二人”の諍いに完全に巻き込まれてしまった主人公。
最悪の巻き添えである。
完全に夜叉と化しつつあるおばさんは、巻き添えをくらった主人公をもジロリと睨む。
「……あんたら二人の関係なんて、どうでもいいのよ! 私はただマナーを守れって言ってるの! 犬のウンコは飼い主がちゃんと持って帰れって言ってるのよ!!」
と喚いたかと思うと、おばさんはチワワが放出したばかりのウンコを、そのままガッと素手(?!)で掴み、ブン投げてきたΣr(‘Д‘n)
短い悲鳴をあげた彼女とチワワは、主人公の後ろに素早く隠れる。
主人公をウンコからの盾とするために!
⇒最悪 PART2【なずみのホラー便 第53弾】
(公開日:2020年1月11日)
★作者コメント★
実は作者も昔、実家で犬を飼っていました。
元野良犬の雑種犬で、名前は”クロ”でした。
クロは2014年9月に、私の母の腕の中に抱かれたまま(おそらく老衰で)天国へと行ってしまったのですが、一緒に散歩したり、遊んだりした時などのたくさんの思い出、手触りや温かさは今でもありありと思い出せます。
※過去作の主人公は20代の女性でしたが、今回の主人公は20代男性です。
過去作
⇒最悪【なずみのホラー便 第47弾】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892623426
冬の夜十時過ぎ。
無性に冷凍鍋焼きうどんが食べたくなり、歩いて五分程度のコンビニへと行こうとする主人公。
だが、今回の彼も前作『最悪【なずみのホラー便 第47弾】』の主人公と同じく、外出前に”第六感”が知らせているとしか思えない、とてつもない不安に襲われていた。
しかし、彼は前作の主人公とは異なり”コンビニ内での買い物は無事に終えることができた”。
問題はその帰り道。
彼の十数メートル先を、チワワを散歩させている”女の子”(後ろ姿とファッションから推測するに推定年齢十代後半~二十代前半)が歩いていた。
ちなみに、彼女の後姿の描写は以下となる。
※※※
街灯が明るく照らしている彼女のコートは淡いピンク色で、襟と両袖口にはふわっふわの白いファーがついていた。バレエのチュチュのような形のミニスカートからは、白いタイツに包まれた長くてすらりとした足が伸びていた。
彼女の横顔もチラッとだけ見えたが、思わずドキッとしてしまうぐらい可愛かった。
※※※
動物好きで(後ろ姿は)可愛い彼女であるも、犬の散歩に必要不可欠なエチケット袋を持ち歩いてはいないようだった。
案の定というべきか、チワワが他人の家の前でウンコしたにも関わらず、飼い主の彼女はそれを片付けることもせずに、そのまま立ち去ろうと……
「最悪だ。どれだけ可愛くても、あんな場面を見てしまっては無理だ。犬を可愛がる心を持っているなら、公共のマナーを守る心も併せ持っていろよ」と心の中で毒づく主人公。
だが、彼女に注意はせずに、非常識な奴にかかわらないに限ると、見なかった振りをして通り過ぎようとした。
が、その時!
家の前を犬のトイレにされた――正確に言うなら、”毎日毎日、犬のトイレにされ続けていた”家の玄関から、おばさん(おそらくその家の奥さん)が、怒りで肩を上下させながら飛び出してきた。
おばさんに怒鳴られた彼女とチワワは恐怖に縮こまってしまっていたが、蓄積され続けていたウンコの怒りがついに爆発したおばさんが怒るのも無理はない。
主人公は揉めている彼女たちの横を、”何も見ていないふり聞いていないふり”をして、スタスタとごく普通に通り過ぎようとした。
しかし、彼女とチワワが主人公に助けを求めてきた。
”後ろ姿もファッションも若く、声までも若い女の子みたいに可愛かった”彼女の顔を間近で見てしまった主人公は、思わず悲鳴をあげそうになる。
”ちりめん皺だらけで、ほうれい線もくっきり”だった彼女。
おそらく主人公より、二十歳以上年上であるのは明らかであった。
「若作りも度が過ぎると怖いんだよ! 見た者に恐怖しか与えないんだよ! ある意味、一種の妖怪じゃねえか!?」と恐れ慄かずにはいられない。
”おばさん二人”の諍いに完全に巻き込まれてしまった主人公。
最悪の巻き添えである。
完全に夜叉と化しつつあるおばさんは、巻き添えをくらった主人公をもジロリと睨む。
「……あんたら二人の関係なんて、どうでもいいのよ! 私はただマナーを守れって言ってるの! 犬のウンコは飼い主がちゃんと持って帰れって言ってるのよ!!」
と喚いたかと思うと、おばさんはチワワが放出したばかりのウンコを、そのままガッと素手(?!)で掴み、ブン投げてきたΣr(‘Д‘n)
短い悲鳴をあげた彼女とチワワは、主人公の後ろに素早く隠れる。
主人公をウンコからの盾とするために!
⇒最悪 PART2【なずみのホラー便 第53弾】
(公開日:2020年1月11日)
★作者コメント★
実は作者も昔、実家で犬を飼っていました。
元野良犬の雑種犬で、名前は”クロ”でした。
クロは2014年9月に、私の母の腕の中に抱かれたまま(おそらく老衰で)天国へと行ってしまったのですが、一緒に散歩したり、遊んだりした時などのたくさんの思い出、手触りや温かさは今でもありありと思い出せます。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる