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なずみのホラー便 ※公開順
第54弾 恥知らず
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過去作『2018年版 ルノルマン・カードに導かれし物語たちよ!』の「Episode5 ルノルマン・カードに導かれし人生」にも登場しました、可愛い天使さんが再登場です!
出生前計画課に配属されている天使さんは、ルノルマン・カードを使用し、これから生まれる魂自身の選択と運による”人生の大まかな具材”を決めてきた。
今回も、順番が来た”魂”に36枚のルノルマン・カードから5枚引いてもらうことに。
その魂は、天使さんの仕事の仕方に不平不満を言うわけでもなく、余裕に満ちた態度であった。
ちなみに以下は、その魂の言葉の一部抜粋である。
●「前の人生の時から、私はずっと思っていたのです。人間の不幸、欠乏感というのは、”何かや誰かとの比較”によって生ずるのだと。”比較”にはきりがありません。ですから、私は私自身が引き当てた5枚のカードだけをまっすぐに見つめて認め、受け入れます」
●「情報量が多いということも不幸の元だと私は思います。情報量の多さは、”多すぎる選択肢”というむず痒い不幸にもつながります……なんだったら、私が今から引き当てるルノルマン・カードは5枚じゃなくて、3枚でも構いません。いえ、たった1枚だっていいです」
●「人間、誰もが皆、”終焉”を……死を迎えるわけで、何も恐れることはないと考えています。もし仮に、私がその『8 棺』のカードを引いてしまったとしても……それをそのまま、受け取るのではなく、『どうしたらより良い方向に変えられるだろう?』や『今からの人生での課題は何だろう?』と考えていくことが何よりも大切だと思っていますから……」
けれども、物分かりが良くて人生の悟りなるものまで開いているかのように思えた、当の魂が引き当てたのは以下の5枚であった。
『7 ヘビ』(キーワード:裏切り、悪行)
『10 鎌』(キーワード:別れ、分裂)
『11 鞭』(キーワード:罰、自己懲罰)
『23 ネズミ』(キーワード:損失、盗難)
『36 十字架』(キーワード:運命、宿命)
なんと5枚全てが、ネガティブな意味合いの強いカードであった!
中でも『36 十字架』は、ネガティブ要素の塊とも言える。
カードを引く前は、”自分が引き当てた5枚をそのまま受け入れる”なんて言っていた魂であるも、この結果には焦りまくる。
そして、天使さんにもう一度カードを引かせてくれと懇願するも、天使さんが首を縦には振るわけがない。
「こうなったら実力行使しかない!」と、魂は天使さんの手からルノルマン・カードを奪い取ろうとした。
ルノルマン・カードを守りながらも逃げる天使さんが喚く。
「あなた、こんなことして恥ずかしくないんですか?! ”言うは易く行うは難し”を地で行っているじゃないですか! つい先ほどまで、ご自分が言っていたことを忘れたのですか?! ご自分が言ったことぐらいはちゃんと守ってください! 有言実行してくださいよ!!」
※タイトルの『恥知らず』は、天使さんのこの台詞からきている。
魂は、天使さんの頬をひっかき、彼女の髪を掴みあげて引きずり回した。
だが結局、ルノルマン・カードの引き直しもできないまま、筋肉ムキムキの安全保障課の”第一軍”の男天使たちに取り押さえられてしまった。
髪もグチャグチャで、腫れた頬にも血を滲ませている天使さんは、魂を睨みつけて言う。
「あなたが先ほど引き当てた5枚のルノルマン・カードは全て無効とします」と。
けれども、これは”もう一度引き直しさせましょう”という意味ではなかった。
「先ほどまでのあなたの行為は、恐喝、傷害、強盗未遂に該当します。よって、ただいまより、別室にて”それなりのペナルティ”を受けていただきます。その”有言不実行で恥知らずの魂”に”鞭”で教え込むようにね。まあ、”鞭”というのは一種の例えですけど」
『11 鞭』のカードを手でピラピラとさせた天使さんは、無表情で冷たく言い放った。
※ちなみに”それなりのペナルティ”の内容は明かされないまま、本作は幕を閉じる。
⇒恥知らず【なずみのホラー便 第54弾】
(公開日:2020年1月17日)
★作者コメント★
ルノルマン・カードの天使さんが再び登場です。
ネタバレでは省略しましたが、”控室で眼球サイズのお肉が出される設定”も前回と同様です。
個人的な話になるのですが、作者は以前、2枚引きした時に『7 ヘビ』と『10 鎌』を引き当てたことがありました。
どちらもネガティブな要素を持つカード……と嫌な予感がしていたのですが、引き当ててから24時間もしないうちに、暴力沙汰寸前のトラブルが発生しました。
そのトラブルには、私は直接の関わりはなく、状況的に事前に防ぐことも困難な立場にいたのですが、「もしかして、このことをルノルマン・カードは伝えてくれていたのかも?」と思わずにはいられませんでした。
出生前計画課に配属されている天使さんは、ルノルマン・カードを使用し、これから生まれる魂自身の選択と運による”人生の大まかな具材”を決めてきた。
今回も、順番が来た”魂”に36枚のルノルマン・カードから5枚引いてもらうことに。
その魂は、天使さんの仕事の仕方に不平不満を言うわけでもなく、余裕に満ちた態度であった。
ちなみに以下は、その魂の言葉の一部抜粋である。
●「前の人生の時から、私はずっと思っていたのです。人間の不幸、欠乏感というのは、”何かや誰かとの比較”によって生ずるのだと。”比較”にはきりがありません。ですから、私は私自身が引き当てた5枚のカードだけをまっすぐに見つめて認め、受け入れます」
●「情報量が多いということも不幸の元だと私は思います。情報量の多さは、”多すぎる選択肢”というむず痒い不幸にもつながります……なんだったら、私が今から引き当てるルノルマン・カードは5枚じゃなくて、3枚でも構いません。いえ、たった1枚だっていいです」
●「人間、誰もが皆、”終焉”を……死を迎えるわけで、何も恐れることはないと考えています。もし仮に、私がその『8 棺』のカードを引いてしまったとしても……それをそのまま、受け取るのではなく、『どうしたらより良い方向に変えられるだろう?』や『今からの人生での課題は何だろう?』と考えていくことが何よりも大切だと思っていますから……」
けれども、物分かりが良くて人生の悟りなるものまで開いているかのように思えた、当の魂が引き当てたのは以下の5枚であった。
『7 ヘビ』(キーワード:裏切り、悪行)
『10 鎌』(キーワード:別れ、分裂)
『11 鞭』(キーワード:罰、自己懲罰)
『23 ネズミ』(キーワード:損失、盗難)
『36 十字架』(キーワード:運命、宿命)
なんと5枚全てが、ネガティブな意味合いの強いカードであった!
中でも『36 十字架』は、ネガティブ要素の塊とも言える。
カードを引く前は、”自分が引き当てた5枚をそのまま受け入れる”なんて言っていた魂であるも、この結果には焦りまくる。
そして、天使さんにもう一度カードを引かせてくれと懇願するも、天使さんが首を縦には振るわけがない。
「こうなったら実力行使しかない!」と、魂は天使さんの手からルノルマン・カードを奪い取ろうとした。
ルノルマン・カードを守りながらも逃げる天使さんが喚く。
「あなた、こんなことして恥ずかしくないんですか?! ”言うは易く行うは難し”を地で行っているじゃないですか! つい先ほどまで、ご自分が言っていたことを忘れたのですか?! ご自分が言ったことぐらいはちゃんと守ってください! 有言実行してくださいよ!!」
※タイトルの『恥知らず』は、天使さんのこの台詞からきている。
魂は、天使さんの頬をひっかき、彼女の髪を掴みあげて引きずり回した。
だが結局、ルノルマン・カードの引き直しもできないまま、筋肉ムキムキの安全保障課の”第一軍”の男天使たちに取り押さえられてしまった。
髪もグチャグチャで、腫れた頬にも血を滲ませている天使さんは、魂を睨みつけて言う。
「あなたが先ほど引き当てた5枚のルノルマン・カードは全て無効とします」と。
けれども、これは”もう一度引き直しさせましょう”という意味ではなかった。
「先ほどまでのあなたの行為は、恐喝、傷害、強盗未遂に該当します。よって、ただいまより、別室にて”それなりのペナルティ”を受けていただきます。その”有言不実行で恥知らずの魂”に”鞭”で教え込むようにね。まあ、”鞭”というのは一種の例えですけど」
『11 鞭』のカードを手でピラピラとさせた天使さんは、無表情で冷たく言い放った。
※ちなみに”それなりのペナルティ”の内容は明かされないまま、本作は幕を閉じる。
⇒恥知らず【なずみのホラー便 第54弾】
(公開日:2020年1月17日)
★作者コメント★
ルノルマン・カードの天使さんが再び登場です。
ネタバレでは省略しましたが、”控室で眼球サイズのお肉が出される設定”も前回と同様です。
個人的な話になるのですが、作者は以前、2枚引きした時に『7 ヘビ』と『10 鎌』を引き当てたことがありました。
どちらもネガティブな要素を持つカード……と嫌な予感がしていたのですが、引き当ててから24時間もしないうちに、暴力沙汰寸前のトラブルが発生しました。
そのトラブルには、私は直接の関わりはなく、状況的に事前に防ぐことも困難な立場にいたのですが、「もしかして、このことをルノルマン・カードは伝えてくれていたのかも?」と思わずにはいられませんでした。
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