【R18】野をかき分け、火を付けよ【なずみのホラー便 第50弾】

なずみ智子

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野をかき分け、火を付けよ

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 その台風の日の夜、彼女の中の”女”は叫び続けていた。
 ただただ愛する男を求め、狂わんばかりに叫び続けていた。



 午後八時。
 残業中の志水晴乃(しみずはるの)は、窓の外へと目をやった。
 今朝の天気予報は大当たりどころじゃない。
 雨は無数の棘のごとく窓ガラスを穿ち続け、雷は開き始めたばかりの繊細な花びらすら一瞬で砕き散らさんばかりに幾度も轟いていた。
 轟ぐ雷鳴と呼応するかのごとく、晴乃の華奢な肩は震え、肩で切り揃えた艶やかな髪もかすかに揺れる。
 上体を屈めた晴乃は、自分の臍の下を押さえた。グッと押さえ込んだ。

 今夜は彼女にとって絶対に早く帰らなければならない夜だった。絶対に会社に残っていてはいけない夜だった。

 上手く滑らない指先でパソコンのキーボードを撫でながら、晴乃は斜め向かいの無人の席へとチラッと視線をやった。

 真弓(まゆみ)さんは、もう取引先から家に直帰しちゃってるよね。今夜は私と一緒にいて欲しかった。私を見張っていて欲しかった……私のことを誰よりも分かってくれているのは、真弓さんに違いないから……このままだと私は……

 今、このフロア内にて残業中であるのは、晴乃一人だけではない。
 少し離れた席に、二十六才の晴乃の一才年上の男性社員・上地(かみじ)も残っていた。
 それに、晴乃の一才年下の男性社員・下山(しもやま)がつい数十分前までいたような気もする。しかし、いつの間か彼の姿は見えなくなっている。ということは、彼はこの台風の中をびしょ濡れになりながら帰っていったのだろう。
 
 つまり、上地と二人きり。
 だが、晴乃と上地はそう親しい同僚というわけではない。もちろん、プライベートな付き合いなど皆無だ。
 それに最近、上地が婚約したということは晴乃の耳にも入っていた。
 婚約者のいる男。
 もうすぐ人の夫となる男。
 それなのに、晴乃は、彼をチラチラと横目で盗み見てしまっていた。

 当の上地は、晴乃の視線などに気づくこともなく、雷鳴に時折、顔をしかめていた。彼の大きく骨ばった両手がキーボードの上でリズミカルに奏でているであろう音は、雷雨に掻き消されてしまい、晴乃の席までは聞こえない。

 ついに――
「きゃあああ!!」
 体中の骨を砕かれるかと思うほどにひと際、凄まじい雷鳴。
 そのうえ、雷(いかずち)は晴乃を椅子から飛び上がらせただけでなく、晴乃の眼前のパソコンディスプレイを一瞬で、闇へと塗りかえた。いや、このフロアそのものを闇へと塗りかえてしまったのだ。

「あぁもう! ここまできて停電とかンなのありかよ。パソコンが動かねえと何も出来ねえじゃねえか!」
 おそらく保存前だったデータがブラックアウトしてしまったらしい上地。

「おーい、志水さん、大丈夫? さっき、すごい悲鳴あげてたけど……」
 けれども、机に突っ伏したままガクガク震え続けている晴乃は何も答えることができない。待ってて懐中電灯取ってくるから、という彼の声にも。

 ほら、これ、と上地が晴乃の机に、上に向けた懐中電灯をコツンと置いた後も晴乃の震えは止まらなかった。

 だめ、だめ、だめ、お願い、上地さん、私に近づかないで、こっちに来ないで、私から離れて。お願い、真弓さん、どうかここに戻ってきてください、私を助けて、私を止めてください、そうじゃないと私はもう自分を押さえきれなくなってしまいます……

 当たり前であるも、晴乃の荒れ狂っている心の内など上地に伝わるはずがない。
 
「女の子ってやっぱり雷が怖いんだな。ま、確かに世界の終末っぽいシチュエーションだけど、雨がちょっとだけマシになったらすぐ帰れるって。しっかし、下山の奴……挨拶ぐらいはして帰れよな。あいつ、いつの間にか、いなくなってやがるし」

 オフィスの締め切られた窓ガラスの隙間から漏れ出てくる雨と風の匂いは、晴乃の臍の下をキュウッと疼かせた。しかも、その匂いに重ねられし、より強い匂いが晴乃を苦しめていた。
 男の匂い。
 上地の体から蜃気楼のごとく立ち昇っているかのような、陽(ひ)に焼けた逞しい男の体の匂い。

「志水さん?! えっ……ちょ……っ」
 突然に自分の胸の中へと飛び込んできた晴乃の華奢な肩を、上地は押し出そうとした。

「ちょ、ちょ、ちょ……困るって。いくら雷が怖いからってさあ……俺、もうすぐ結婚するンだよ」
「…………てます」
「え? 何?」
「…………知ってます」

 知っていて、婚約者のいる男の胸へと飛び込んできた女。
 柔らかな体を、自分の固い胸板へと押し付けてくる女。

 この行動が何を意味し、男の心と体にどんな反応を起こさせるか分からない年齢ではないだろう。
 上地から見た志水晴乃――上地が今というこの時まで知っていたはずの志水晴乃――は、顔立ちそのものは綺麗だが、服装も悪く言えば地味、良く言えば清楚で、普段の立ち振る舞いも大人しく物静かで、道端でひっそりと咲いている花のような女であった。

「志水さん……もしかして、俺のこと、好きだった?」
 晴乃は何も答えない。
 答えぬまま上地の胸に顔をうずめた。彼の肌の匂いをさらに胸に吸い込むかのように。
「……分かったよ、志水さん。それに今夜のことは”志水さんからの要望”ってことでいい?」
 晴乃は頷いた。

 今夜だけ。
 この台風の夜だけのまぐわい。

 どちらの息がより早く、どちらの唇を熱く湿らせたであろうか?
 晴乃のグロスが上地の唇で溶け、絡まり合う舌はたちまちに上地の煙草の味へと変わった。
 それは、あまりにも性急な営みであった。
 男は突き出た一物を取り出せばいいだけであったが、女は至る所を剥かれ、懐中電灯の光の元に曝け出された。

 古来、台風を野分と呼んだが、上地の手は晴乃のうねった漆黒の野へと激しく分け入り、ひと際硬い尖りを探り当て、切ない囀り声をあげさせた。
 火をつけられた晴乃の体をさらに燃え上がらせようとするためか、上地の指は野の奥にある湿地へと進み……
 
 晴乃のすべらかな左太腿を、上地は下からグッと抱え上げた。
 爪先立ちとなった晴乃は、上地の首に両腕を絡ませる。
 湿地のさらなる奥にある泉の水を飲まんとする大蛇は、その鎌首をもたげ近づいていく。

「ちゃんと外に出すから……」
 しかし、晴乃は首を横に振った。
「……今日は大丈夫な日なんです。だから……」
 ”外は嫌、中に出して”と望んだ晴乃の唇を、上地が再びふさいだ。互いを貪り合う男と女の理性やモラルなど、この激しい風雨とともに押し流されてしまっていた。

 鈍色の空を引き裂く雷鳴が、繋がりあった者たちを幾度も照らし出す。

 闇から光、光から闇へと反転する世界。
 上から下、下から上へ、右から左、左から右へと、大蛇に掻きまわさ荒らされる泉。
 しかし、泉もその暴れる大蛇を飲み込まんとする。
 大蛇が吐き出す”背徳の白濁”をその奥底に沈めんと―― 

 ひとまずの終わりを迎えた後も、男と女はまだ繋がりあっていた。
 非日常から日常へと戻るため、繋がったまま荒い息を整えようとしている彼女たち。
 しかし、その時……

 ガタン、という音。
 空耳なんかじゃない。
 外の雷雨が生み出した幻聴なんかでもない。
 確かにこのフロアの中から音が聞こえた。

 ここに外から部外者が入ってくることはできない。
 ハイテクなセキュリティ完備というわけではないが、一応、カードキーにて授業員の出入りは管理されている。
 その従業員にしたって、これほどの台風の中、好き好んで会社に戻ってくるような者などいないはずだ。

「誰だ!」
 不審な物音の源泉へと、上地が懐中電灯をかざした。
 その源泉より――とあるデスクの下より、のそのそと這い出てきたのは、数十分前に帰宅したものだと思っていた下山であった。

 幾度目かに光った雷が、下山の細面の顔をカッと照らし出した。
 これ以上ないほど、ニヤついている下山の顔を。

「しっ、下山! お前、そいつから、こにいた!?」
「ずっとっスけど」
「ってことは……」
「そうっスよ。最初から最後まで、しっかり聞かせてもらいました。いやあ、それにしても激しかったっスねぇ。外の台風だって、上地さんたちの激しさに負けますよ。性の匂いを押さえ込むべきオフィスでンなことしちゃってさあ」

 下山のニヤつきは止まらない。
 同僚ではなく、単なる男と女となった者たちをジロジロと眺める下山の下卑た笑み。
 
「俺って、彼女とは大学時代から同棲してるし、このままズルズル結婚に持ち込まれるっぽい感じで、正直、ちょっとウザいしダルいんですよね。だから最近、あんま、家に帰りたくなくなっていて……俺、昔から狭いところに閉じこもってゲームするのが好きなんスよ。ガキの頃も、よく押入れの中でDSとかやってたんです。ンでもって今夜も、デスクの下でだらだらスマホ弄ってたんですけど、突然にお二人がおっぱじめちゃったから、出るに出られなくて相当に困ってたんスよ」

 相当に困っていた、と口で言いつつも、彼が相当に面白がっているのは明らかだ。

「でも、ま、俺にはどうでもいいことなんスけどね。上地さんの奥さんになる予定の人だって、別に俺とは友達でもなんでもないし。結婚前の危険な火遊びってことでいいんじゃないですか。でも、俺もその火遊びに混ぜて欲しかったなあ、さらなる大火事になっちゃうかもしれませんけど、なあんつって」

 茶化す下山を睨みつけた上地は、外へと放り出したままであった自身の一物をズボンにしまおうとした。一回限りの火遊びはもう終わりだ。
 しかし、傍らの晴乃が上地のその手をそっと止めた。
 火遊びはまだ終わらない。終わらせない。
 ”これから”もっと激しくて熱い火遊びを……



 屋上へと続く階段も、まだ闇の中にあった。
 交差しあう懐中電灯に照らされたそこは、淫靡な夢の中へと自分たちを誘っていた。

 全裸の晴乃を先頭とし、後ろに同じく全裸の上地と下山が続く。
 雄たちの荒い息は、雌の白い尻を追う。追い続ける。

 この女、いったい、どういうつもりなんだ?
 一度、放出した後であるにもかかわらず、再び暗い天井へと鎌首をもたげている自身の怒張を自覚しつつ、上地は考えていた。
 自分の腕の中に飛び込んできた志水晴乃。
 それはひとえに、雷が怖かったならびに俺に気があるからだと思っていた。普段は俺に気の有るそぶりなど微塵も見せてやいなかったのに、実は俺のことが好きで、俺の結婚前に一度抱いて欲しかっただけであったのだと。
 しかし、それは多大な勘違いであったらしい。
 俺のことが好きなら、志水晴乃は軽薄にもほどがある忌々しい下山までをも誘ったりはしないだろう。三人での火遊びを提案したりはしないだろう。
 見かけからはそうは見えなかったが、この女は相当に性に奔放な質(たち)であったのか?

 さらにそのうえ、場所を変えてのまぐわい――フロアではなく屋上でのまぐわい――を強く希望してきたのも、志水晴乃であった。
 当然のごとく、上地も下山も最初は反対した。

 危ないだろ、もし看板とかが飛んで着たらどうするんだ? そもそも、雷が俺たちに直撃する危険だってあるんだぞ。そうっスよ、ンな死に方、洒落にならないし、親に顔向けできませんよ、だからここでしましょうよ、志水さん。

 しかし、志水晴乃は自分たちの諌めにガンとして首を縦に振らなかった。
 私は、外でしたいんです。激しい雨に打たれながら。お願い、私に生きているって感じさせてください。荒れ狂う雨と風の中で私を滅茶苦茶にして……

 上地が見上げる晴乃の白い尻の隙間は――上地が分け入ったばかりの晴乃の繁み――は、粘つき光っていた。
 晴乃自身から溢れ続けている透明な蜜か、それとも上地が先ほど吐き出したばかりの白濁によるものか?
 
「あ、あのさ……志水さん……その……次は後ろに入れさせてくれないか? 実は俺、一度も後ろを試したことないんだ」
「上地さんって、そんないかにも遊んでいる風な顔してるくせに、アナル未経験だったとは驚きっスね」
 下山がクククッと笑う。
 上地と同じく、既に剥き出しの怒張を上に向けている下山が。

「ンでもって、志水さん。”俺の”は挟んでくれませんか? 俺の彼女、正直、胸が全くないんですよね」
「……お前も人のこと言えるかっての」

 身勝手な男たちの要望。
 それぞれ本命の女にはできないことを、晴乃の体で解消しようとしている。
 だが、ゆっくりと男たちへと振りかえった晴乃は、何も言わず彼らに微笑んだ。
 それは女神の微笑みだった。
 今夜、何もかもを受け入れることを彼らに約束した女神の……

 無数の冷たい棘が天より降り注ぎ、三人の男女の火照った肌を穿つ。
 ただ肉欲に溺れる獣たちがそこにはいた。
 もはや、それぞれの顔すら見えぬほどに獣たちは濡れていた。
 遥か頭上で唸り声をあげる雷(いかずち)は、快楽の底までをも貪らんとする獣たちにその罰を下すことはない。

 体の上と下に雄を咥え込んだ晴乃。
 上地は晴乃のあたたかな口内にてさらに大きく膨れ上がり、下山は晴乃の潤みきった胎内を突き破らんばかりに掻きまわした。
 どうせ、この雨が全てを洗い流してくれる。
 これでもかといわんばかりに晴乃をもみくちゃにし続ける男たち。そして、晴乃自身もより一層もみくちゃにされることを望んでいるのか、熱い息を吐き、腰を振り続けた。

 やがて、幾度目かの終わりが近づいてきた。
 今夜の最初のまぐわいと同じく、上地に前の穴をふさがれた晴乃は彼に抱え上げられた。
 片脚だけでなく両脚ともを。
 彼に全体重を預けることになった晴乃の後ろの穴は、下山によってふさがれた。
 体の前と後ろを同時に激しくほじくられる。揺さぶられる。
 唇の端から涎を垂らし叫び続ける晴乃。
 雄たちを自分の中から逃すまいと、この凄まじい快楽を逃すまいと……
 
 だめ、だめ、だめ、いけない、私、”また”……でも、止まらない。止められないのよ、こんな夜は、私はもう自分自身を止められない……ごめんなさい、真弓さん……ごめんなさい、約束、破っちゃってごめんなさい……

 ついに晴乃の意識が点滅しだした。
 閃光のごとき眩しいオルガズムに包まれた晴乃は、男たちの腕の中で気を失った。彼らに手折られし花となって。

 その時であった。

「――お前ら! そこで何やってる!!!」
 懐中電灯の光とともに、怒声が彼らに突き刺さる。

「……ま、真弓さん!」
 自分たちの同僚であり、先輩社員でもある真弓だ。
 ”真弓裕次郎”だ。
 びしょ濡れのレインコートを羽織った彼の手の懐中電灯は、嵐の中で肉欲を貪り尽くした者たちを照らし出していた。



 上地と下山は、それぞれの乾いたトランクスだけを身に付けたまま、床に正座していた。
 彼らの髪からはボタボタと雨が滴り落ち、濡れたままの肌はブツブツと鳥肌立ってもいる。その鳥肌は寒さだけが原因ではない。
 
 先ほどまでのことは、全て志水晴乃から誘ってきたことだ。
 でも、肝心の志水晴乃は、会社の休憩室内にあった毛布にくるまれたまま、同じ床に寝かされている。
 ”この女”が意識を取り戻したとしても、本当のことを真弓裕次郎に言うとは限らない。よって、こんな状況では男に非常に分が悪い。悪過ぎる。
 強制性交等罪で告発される。
 逮捕、懲戒解雇、裁判、婚約破棄ならび同棲解消、実家も家庭崩壊、一家離散、最悪の映りであった卒アル写真が全国に晒され、最近放置気味だった各種SNSまでも大炎上といった地獄絵図が、上地と下山の脳内にて鮮明に繰り広げられていた。

 しかし、本件の目撃者であり志水晴乃を救出したはずの真弓裕次郎は、仕事中でも見たことがないぐらい険しい顔で拳をブルブルと震わせているものの、即座に警察に通報するわけでもなく、加害者と見なされるべき自分たちに同情的な眼差しまでをも向けているようにも思えた。
 
「お前ら、すまなかったな」
 訳が分からない。
 なぜ、この状況で真弓裕次郎が謝るのだ?

「あ、あのぅ……真弓さん……」
 ”どういうことですか?”という上地の言葉が終わらないうちに、真弓裕次郎は続けた。

「俺は、晴乃とは義理の兄妹……いや、”元・義理の兄妹”だ。八年前に死んだ俺の嫁の妹が晴乃でな……お前らも普段の晴乃と今夜の晴乃が違うことは分かっていただろう。晴乃は病気なんだよ」
「びょ……病気っ!!!」
 性交渉の相手にもれなく感染する類の性病を連想した上地と下山は、キュッと身を縮こまらせ反射的に股間を押さえていた。

「いや、病気っていう言い方は良くないな。お前ら、シンフォフィリアって言葉を聞いたことがあるか?」
 次は揃って首を横に振る上地と下山。

「自然災害に興奮してしまう性的倒錯のことだ。晴乃の場合は、今夜のような台風の日は普段と違ってしまうんだ。俺はこいつに『二度と同じ過ちを犯すな』と台風の夜は、早く家に帰って家から一歩も出るなと約束させていた。俺はてっきり今夜のこいつもそうしているものだと信じていた。だが、こいつにいくら電話しても出なくて、車を飛ばして家にも行ってみたけど家にもいなくて、まさか……と会社に戻ってきてみたら……案の定だ」

 そういうことだったのか。
 世の中にはいろんな性的嗜好の者がいる。
 志水晴乃は、自然災害というシチュエーションに興奮し、普段はその体の奥で眠っていた女の欲望を押さえきれなくなってしまう性的倒錯者で、今夜はたまたま自分たち二人がそんな彼女の近くにいた。そして、さらに言うなら自分たち二人ともが彼女の淫靡な誘いに乗ってしまった。

「お前らも今夜のことは忘れろ。いや、どうか忘れてくれ。俺はお前らを咎める気は一切ないし、こいつには会社も辞めさせる」
 真弓裕次郎の言葉を聞いた、上地と下山はホッと息をついた。
 そして、真弓裕次郎は、好き放題に晴乃の体を貪りつくした男たちの間に、身勝手な安堵が広がっていったことも分かっていた。


 
 日付が変わった頃、雷を伴う激しい雨の勢いは、ほんの少しばかり落ち着いてきた。
 そう、ほんの少しばかり。
 晴乃は目を覚ました。自宅のベッドで。
 毎朝ならび毎晩、見覚えのある天井と電球のシルエットをぼんやりとではあるが、晴乃は視界の中にとらえていた。

 濡れた髪が枕をぐっしょり濡らし、気持ち悪い。
 頭がズキズキと痛い。粘つく喉もヒリヒリと痛い。それに何より両脚の間に……

「やっと目が覚めたか?」
「! ……真弓さん!」

 二人の同僚相手にしでかしてしまったことの全てを晴乃が思い出す前に、真弓裕次郎の右手が晴乃の頬を打った。
 ヒッと身を縮こまらせた晴乃であったが、真弓裕次郎の次なる一撃は飛んでこなかった。

「なぜ、俺にぶたれたかは分かっているだろ?」
 コクコクと頷く晴乃。
 震える晴乃の華奢な手首を、真弓裕次郎がガッと掴んだ。
 
「お前……性癖だから仕方ないとか言うなよ。治せるものじゃないから仕方ないとか言うなよ。あの夜と同じ過ちを今夜も繰り返したことをお前は分かっているのか!」
 彼の力は強まりゆく。
 晴乃の細い手首など折れてしまうんじゃないかと思うほどに。

「あの夜の過ちでお前は人を殺したんだ。俺の嫁であり、お前の実の姉でもあった女をな!」
「……ね、姉さんを殺したのは私でもあるし、真弓さんでもあるじゃないですか?! 共犯者でもある真弓さんに、なぜ私だけがそんなことに言われなきゃならないんですか! ……八年前のあの台風の日の夜、真弓さんは私と……」

 そう、今夜の上地と下山は、八年前の真弓裕次郎自身でもあったのだ。
 他に愛する女がいながら、荒れ狂う風雨に呼応するがごとく激しく発情してしまった志水晴乃を抱き、互いに肉の快楽を貪った真弓裕次郎自身の。

 晴乃と今は亡き姉は、年が十才離れた姉妹だった。
 大人の女の体として花開くのも姉の方が十年早かったが、老いの足音が忍び寄ってくるのも当然、姉の方が十年早い。
 当時はまだ二十代後半であったにもかかわらず、もともと神経質な質(たち)で、やや病的なほど老いを恐れていた姉。彼女自身、美貌にはそこそこ自信を持っていたのも一因であったろう。そんな彼女の近くに、自分をそのまま十才若くした感じの瑞々しい肌の十八才の妹・晴乃がいた。
 けれども、姉は若さに対する嫉妬によって晴乃を邪険にするわけでもなく、二人きりの姉妹だと可愛がってはいた。仲の良い姉妹であった。
 しかし、ある台風の日の夜、その最愛の妹と最愛の夫が、単なる雄と雌となって、まぐわっているのを見てしまった彼女の心は決壊した。
 何もかも壊れてしまった姉は、当時住んでいたマンションのベランダから飛び降りた。その夜の雨もまた、体中の骨を粉々に砕かれ地面で潰れきっていた彼女から流れる赤き血を、黄泉の国まで運んでいくかのように激しく降り続けていた。

「晴乃……俺は今でもお前を殺してやりたいぐらいなんだ……そして、何よりあの夜の俺自身をな……」
「私のことを殺したいほど憎んでいるなら、なぜ、真弓さんは私のことをこんなに気にかけてくれるんですか? なぜ、私の連絡先をスマホに登録したままなんですか? それに、この台風のなか、なぜ、私を会社にまで探しに来てくれたんですか?!」
 矛盾を突かれた真弓裕次郎の頬がこわばる。

 そして、いまだ外で荒れ狂っている風と雨は、晴乃の中に灯された欲望の炎を完全に鎮火させてなどいなかった。
 彼女の中の”女”は、なおも叫び続けていた。
 ただただ”本当に”愛する男を求め、狂わんばかりに叫び続けている。

「好き、好きです……真弓さん……私があの八年前の夜、真弓さんを求めたのは、疼いてしまった体を鎮めようとしただけじゃありません。私はあの夜からもずっと、今も真弓さんのことを……」

「ふざけるな! 他の男たちとの情交の跡(あと)をこびりつかせたままの体で、よく俺にそんなことが言えるな! 人を虚仮にするのもいい加減にしろ! そもそも、俺たちが結ばれるなんて許されるわけない! 俺たちにはいつか、あの罪の報いをこの身に受ける日がやってくるんだ……お前も俺も碌な死に方しないだろうよ」

 同じ十字架を背負って、それぞれの最期の時まで生きていかなければならない男と女。
 どちらが先に、八年前に黄泉の国へと赴いた者の元に行くかは分からない。けれども、真弓裕次郎の言う通り、自分たちはきっと碌な死に方はしないだろう。



 台風は過ぎ去った。
 会社も辞め、住んでいた部屋をも引き払った晴乃は、田舎にある実家へと戻っていた。
 晴乃の両親は幸いにして、八年前の長女の自死の本当の原因を今も知らないままである。逆に言えば、長女を死へと追いやった張本人である、もう一人の娘と同じ屋根の下で再び暮らし始めたということでもあったが。

 そろそろ仕事を探さなきゃな、と焦りを感じつつも、どこもかしこも懐かしい実家にて、晴乃はゆったりと静かな時間を過ごしていた。
 恋の苦しみも、性の苦しみも、生と死という別離の苦しみと裏切りの罪をも何も知らなかった頃、姉がよく一緒に遊んでくれた野原を晴乃は一人で散歩していた。
 ススキが風に揺られ、枯れた草が晴乃のふくらはぎをこする。
 哀しさと懐かしさを呼び起こさせる風が秋の野を吹き抜け、晴乃の瞳を滲ませた。

 と、突然に鳴らされた車のクラクションに、晴乃は飛び上がった。

「すいませーん、ちょっといいですかぁ。私たち、探しているものがあってぇ」
 いつの間にやら、少し離れた細い車道に停まっていた車の運転席より女――遠目にも晴乃と同じくらいの年齢かと推測される若い女――が顔を出していた。そして、その車の助手席にも同じ年頃らしい女が座っているのも見えた。

 若い人が、こんな何もない辺鄙な田舎をたずねてくることは珍しい。
 車に乗っているのが男だったら、正直、晴乃だって車の近くまで歩いて行くことを躊躇していただろう。けれども、車の中には自分と同じ性別である女の姿しか見えないし、何か困っているらしい彼女たちの手助けになれば、との親切心より晴乃は見慣れぬ車へと足を向けた。

 運転席の女も、助手席の女も、晴乃に「どうも」と頭を下げる。
 晴乃は、二人の女の顔に見覚えはなかった。

「私たち、公衆便所を”探してた”んですよぉ」
 運転席の女が言う。

 なんだ、この人たちトイレを探してたのね、ここから近くの駅や公園まではかなり車を走らせなきゃいけないし、もし、この人たちが気にしないようなら、私の家のトイレに案内しても……と考えた晴乃が口を開き始めた時、助手席の女がもう押さえきれないという風に、けたたましい笑い声をあげた。

「でも、もう探す必要はないですから。公衆便所が自分から歩いて私たちのところに来てくれたし。きったない喋る便器がね」



「お願い! 誰か助けてえ!! 誰かぁぁぁ!!!」

 恐怖で裏返りかすれゆく悲鳴は、吹き抜ける秋の風の中に無情にも吸い込まれ、枯れた草が必死で逃げ続ける晴乃のふくらはぎに薄い傷を重ねていく。

 晴乃は、つい先ほど出会ったばかりの女たちに、野原の中を追い回されていた。
 こんな時に限って、晴乃はスマホを持ち歩いてはいない。
 しかも、一人の女の手には金属バッドが握られている。

 晴乃は彼女たちを知らない。
 けれども、彼女たちは晴乃を知っている。そして、晴乃にも心当たりがある。
 ”きったない喋る便器”とまで言われる心当たりが……あの二人の女はおそらく……

「ぎゃっ!!!」
 女が振り上げた金属バッドが、晴乃の後頭部を直撃した。
 枯れ草の中へと倒れ込んだ晴乃の尻も、間髪入れずドカッと蹴飛ばされた。

「やめて……っ! ごめんなさいっ! 謝るから! ちゃんと謝るからあぁ! こんな酷いことしないでぇぇぇ!!」

「は? 酷いのはあんたでしょ。そもそも、あんたが蒔いた火種じゃない!」
「うちらの男に手ェ出しやがって! このヤリマン! クソ女!」
「あんたが謝ろうが謝るまいが、あんたが私たちの男とヤッた事実は消えないんだって!」

 生きながら鬼に変化(へんげ)していくとしか思えぬ顔で晴乃へとジリジリと迫りくる二人の女は、晴乃の元同僚である上地と下山の女たちに違いない。
 どっちが上地の婚約者で、どっちが下山の同棲相手かは分からない。いや、そんなことはどうでもいい。

 あのことは晴乃自身に非があるし、自業自得でもある。
 だが、この女たちに詰め寄られ、殴る蹴られるの私刑(リンチ)を受けるだけで終わるとは思えない。
 殺意だ。
 女たちより放たれし殺意は棘となり、晴乃へと突き刺さり、えづかせた。胃の奥からせりあがって来た吐瀉物が、晴乃の口回りを汚す。

「お願いぃぃ! 人を殺したら、すぐに捕まるのよ!! だから、殺さないでぇ! 殺さないでください!! こんなことで殺さないでぇぇぇ!!」

「あ゛? ”こんなこと”って! いったい、どの口が言ってんだよ!!」
「自分の男を寝取られた女が相手の女を殺すなんて、古今東西の犯罪史にだってよく見られる話だと思うんだけど。いわゆるシンプルでオーソドックスな結末よ。少なくとも、あんたの妙な性癖よりかはよくあることでしょ!!」

 女たちは――今、ここで引き返せば傷害と殺人未遂で済み、燃え滾る殺意を最後まで遂行すれば殺人犯となる女たち――は、晴乃の寝取り行為だけでなく、その原因となった性的倒錯までをも知っている!
 上地と下山が、あの台風の夜のことを自分たちの女に話すとは思えない。話すはずがない。
 となると、他にあの台風の夜のことを知っているのは――!!!

 金属バッドが再び晴乃に向かって振り下ろされた。金属バッドを持っていない方の女は、近くに転がっていた石で晴乃の顔面を殴りつけた。女の力とはいえ、晴乃の鼻は折られ、前歯も折られた。砕けゆく顔面の中にある血だらけの口で必死に慈悲を懇願する晴乃に、女たちはなおもそれぞれの手の凶器を振り下ろし続けた。
 晴乃の顔を一通り潰し終えた女たち手の次なる矛先は、晴乃の乳房と性器であった。乳房も顔と同じく幾度も凶器で殴られ、ぎゅうぎゅうと踏みつけられた。両脚を大きく広げさせられ、下着をもはぎ取られた。曝け出されし晴乃の”そこ”――自分たちの男を迎え入れて、繋がっていた憎々しい”そこ”――を、女たちは幾度も蹴りつけた。喚きながら蹴飛ばし続けた。薄赤く染まっていた晴乃の性器はみるみるうちに、その色を青黒く変色させていく。 
 死にたくない、殺さないで、と血と小便と枯れ草にまみれ、激痛にのたうちながら、自分を殺そうとしている相手になおも命乞いを続ける晴乃に、ついに無慈悲な通告がくだされた。

 ねえ、やっぱり焼き殺そうよ、私の車に灯油積んでるから、あんたがここまで持ってきてよ。嫌よ、一人で灯油を運ぶなんて重いじゃない、あんたも一緒に来てよ。ンなことしているうちに、こいつが逃げたらどうすんの? でも、こいつ、もはや歩けもしないでしょ。分かった、私も一緒に灯油を運ぶよ、こいつが遠くに逃げられるわけないし、灯油を持ってきたら、野をかき分けて、こいつを見つけて、火をつけて終わらせよっか。

 あの夜の台風は、晴乃だけでなく多くの者の運命までも捻じ曲げ、狂わせてしまった。
 性的欲求が抑えきれなくなった晴乃の淫らな誘いに二人の男が乗った。そして、その二人の男のそれぞれの女は、なんたる冷酷な偶然か、明確な殺意を持って人を殺害することを何ら躊躇することのない者たちであった。
 いや、狂った運命の始まりはもっと前からだ。
 八年前の台風の夜、晴乃が姉の夫である真弓裕次郎の胸へと飛び込んだ時から。違う。特殊な性癖を持つ志水晴乃がこの世へと誕生した時から全てが始まり、この惨たらしい結末へと向かっていたのだ。

………………お父さんやお母さんも、姉さんを自殺で亡くし、私を殺人被害者として亡くすなんて、きっともう二度と立ち直れないよね。二人ともごめんね………………そして”真弓さん”……やっぱり、真弓さんは私のことを本当に殺したかったんですね…………だから、あの人たちに私のことを……でも、でも……さすがにこれは酷すぎますよ、真弓さん…………私自身、碌な死に方しないって思っていたし、私自身が犯してきた罪の報いとはいえ、こんな最期はあまりにも酷すぎます……私、もう成仏なんてできそうにないです…………恨みます、真弓さん。私はずっとあなたを恨み続けます……真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん、真弓さん………………



 最期の時まで、真弓裕次郎を恨み呪いながらも、愛し求め続けてもいた志水晴乃。
 しかし、そんな彼女を殺害した二人の女は、真弓裕次郎にそそのかされたわけではなかった。それどころか、彼女たちは真弓裕次郎に面識すらない。

 そう、男の中には、自分が抱いた女のことを他人に自慢げに話す者が一定数いる。さらに、同じ女を共有した穴兄弟同士が、その女のことを公共の場で話題にすることだって多々ある。

 町のとある定食屋にて、上地と下山が台風の夜に共有した志水晴乃のことを話題にしていた。同じ女を共有したことで、彼らの雄としての結束は急激に強まってしまっていたらしい。

 いやあ、志水さんってあんな大人しい顔して凄かったっスね。俺、あの夜のこと、思い出すだけでいくらでも、おかわりオナニーできそうっス。ほんと、俺もだよ、真弓さんが姿を見せた時には、俺の人生も終わりかと思ったけど、シンフォフィリアだが何だか知らないけど正直、俺らがタダでいい思いしただけで済んだしよ。もう一度、会社に戻ってきてくれないですかねえ、志水さん。単に志水さんが会社に戻ってくるだけじゃいけないだろ、また台風がやってこなきゃ。そうっスね、台風の夜の志水さんなら、真弓さん除く会社中の男とヤリまくりそうですし、その時は俺ら二人で志水さんを独占せずに、他の奴らにもちゃんと知らせとかないと。ちょ、お前、それどこのアホなAVだよ。

 などということを、ニヤつきながら話していた彼らの近くの席に、ちょうど彼らの女たちの”共通の友人”が座っていた。その友人から、志水晴乃のことが女たちに伝えられた。
 しかも、後に凶悪な殺人犯となる二人の女をそそのかした友人は、盗み聞きした彼らの話の初めから終わりまでをご丁寧に全て伝えていたのだ。

 あの志水晴乃と二度とヤれないのは惜しい。志水晴乃は、顔も乳も尻も感度もアソコの具合も、その全てが自分たちの女より上であったと。それに、あの荒れ狂う雨と風の中での激しいまぐわいによって、自分たち二人も男として生まれ、生きていることをこれ以上ないほど強く感じてしまったと。あれほどに忘れられないセックスは初めてだったと。あの夜の志水晴乃は、どこか禍々しくも美しかった。もし、もう一度、志水晴乃が目の前に現れたなら、自分たちは志水晴乃の虜となってしまうかもしれない……と。
 
 彼らの女たちは、自分たちを裏切った男を許すことにした。
 だが、自分たちの男を秋の嵐のごとく惑わせる”魔を背負った女”――志水晴乃――を恨み骨髄に徹するほどに恨み、憎しみ抜き、ついに最終地点へと到達することとなったのだ。



 仕事を終えた真弓裕次郎は、一人きりの自宅へと戻った。
 買い置きしていた冷凍食品をレンジで温めている間、彼はほぼ毎晩の流れ作業のように、テレビのリモコンを手に取った。  

 いつものニュース番組。
 この国で悲しく残酷なニュースが流れてこない日はない。しかし、それらのニュースは、真弓裕次郎自身の生活を脅かすこともなければ、八年前の妻の自死のように彼の心に永久に抜けない苦悩の楔を打ち込んでくることもなかった。
 そう、今夜までは……

 見覚えのある風景がテレビ画面に映し出される。
 マイクを握りしめた男性レポーターが神妙な面持ちで、事件の概要を伝え始めた。

 顔面の陥没が激しく……被害者の女性は生きながら焼かれた可能性が高いとのことで……下腹部の炭化が最も酷く……現場には灯油が撒かれた痕跡があり……事件同日、車に乗った不審な女二人組の目撃情報も寄せられ……

 男性レポーターの声など、もはや真弓裕次郎にはとぎれとぎれにしか耳へと入ってこなかった。

 風の音が聞こえてくる。
 窓が閉め切られている、この部屋の中に風など吹いているはずがない。
 けれども、彼を鳥肌立たせる不吉な風の音が……まるで黄泉の国から吹いてくる風が”あの野原”をかき分けているかのごとき生臭さをも含んだ風の音が……

 震える指先をリモコンのボリュームボタンへと伸ばした真弓裕次郎。
 彼がテレビの音量を上げようとした、まさにその時、中継現場からの映像は切り替わった。
 酸鼻を極める最期を迎えざるを得なかった悲惨な殺人事件の被害者の顔写真が、パッと映し出された。

 自分ともに同じ罪を背負い生きていた志水晴乃。
 これ以上ないほど憎くもあったが、これ以上ないほどに愛しくもあった女。

 直視できぬほど惨らしく壊され尽くした彼女の遺体には、生前の面影など微塵も残っていやしないだろう。
 彼女はその最期の時に、何を思い、誰を求め続けていたのであろうか?

 自身が愛した女を二度も永久に失ってしまった真弓裕次郎の慟哭は、ここではないどこかで吹き荒れる風の中へと吸い込まれていった。


――完――


~後書き~

 本作を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 私、なずみ智子でございますが、2019年10月末締め切りの新潮社様の「第19回 女による女のためのR-18文学賞」に3作品ほど応募しておりました。

 本日2019年12月26日、公式ホームページにて一次選考通過作品が発表されましたが、なずみ智子が応募した3作品のうち1作品のみ一次選考を通過しておりました。
 よって、通過しなかった以下の2作品は『なずみのホラー便』として、ネットに公開しております。

・ 『【R18】野をかき分け、火を付けよ【なずみのホラー便 第50弾】』
※ アルファポリス電網浮遊都市でのみ公開中

・ 『【R15】ドス黒なずみ童話 ⑥ ~どこかで聞いたような設定の血まみれの鍵~【なずみのホラー便 第51弾】』
 ちなみに、本作の応募時のタイトルは『青髭屋敷の秘密』でした。
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