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最悪
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冬の深夜1時前。
全体的に平和な日本とはいえ、若い女が外出するには物騒にも程がある時間だ。
財布を手に取ったユウカ自身も、ほんの少しばかりの不安と恐怖により、玄関へと向かう両足が躊躇いを見せていないわけではなかった。
でも、とユウカは自分自身に言い聞かせる。
コンビニは私のマンションのすぐ隣なんだから。それに私が知らないだけかもしれないけど、この辺りで性犯罪事件が起こったなんて聞いたことがないんだから。それにそれに、私は今、どうしてもあのコンビニのプライベートブランドの冷凍炒飯が無性に食べたいんだから。夕ご飯は食べたのにお腹が鳴り始めてるんだから。食べたくて食べたくてたまらないんだから。今、食べなきゃ気が済まないんだから、と。
玄関を出たユウカの肌は、冷気と静寂によってブワワッと鳥肌立った。
自分も含め、そこそこ入居者がいるらしいマンションとはいえ、話し声も生活音もユウカの耳には今は届けられやしない。
すぐ隣のコンビニまでは徒歩一分もかからず、お目当ての冷凍炒飯を購入して戻って来るまで含めてもせいぜい五分だろう。
けれども……五分後の私は、ここに無事に戻って来ることができるかしら、とユウカは思わずにはいられなかった。
自分は犯罪に巻き込まれるような心当たりはない。だが、心当たりなどなくても巻き込まれるのが犯罪というものだ。
酔っ払いに因縁を付けられ暴力沙汰になってしまう。あるいは猥褻目的で拉致されることも一応、若い部類に入る二十代の女としては危惧しておくべきだろう。
いや、指名手配犯が人目を避けて買い物をしている可能性だってある。
コンビニへと向かうはずのユウカの足は渋る。渋ってしまう。
これは、ユウカ自身の”第六感”であったのかもしれない。
この時、ユウカが自身の中で点滅している危険信号を無視することなく、回れ右をして玄関の鍵穴に鍵を差し込んでいれば良かったのだ。
そうすれば、彼女にとっての最悪は起こりえなかった。
故郷も友達も捨て、やっとの思いで逃げきり、平穏な生活を手に入れることができた彼女の悲劇は……
”最悪の展開になんて、そう簡単になるわけない。いくら深夜とはいえ、五分にも満たない外出で人生が狂うなんてはずはない”と自分に言い聞かせたユウカが足を踏み入れたコンビニ内にいる客は、まばらであった。
レジにいる店員も男性であり、まばらな客たちの大半も年齢は様々ではあるも男性だ。
だが、一人だけ女性客がいた。
背格好からしておそらくユウカとそう変わらぬ年頃であるだろう、なんともけばけばしい色合いのダウンコートを着たその女性は、”右手の親指をしゃぶりながら”スイーツコーナーの前に突っ立っていた。
ユウカは、女の横顔に見覚えがあった。
女がユウカの方へと顔を向けた。
ユウカと女の目が合った。
バッチリと合ってしまった。
瞬間、ユウカはビュンと”回れ右”し、自宅へ向かってダッと駆け出した。
あれほど食べたくてたまらなかった冷凍炒飯なんて、今や遠い時の彼方だ。
なんで!?
なんで、”あいつ”がここにいるの!?
逃げなきゃ!! 早く逃げなきゃ!!!
コンビニの自動ドアがユウカを察知して開くまでの、ほんのわずかな時間ですら、ユウカの焦りと恐怖を後押しするがごときものであった。
1階で止まったままであった、マンションのエレベーターの扉が開く時間すら同様であり、ユウカは深夜の迷惑な騒音も構わず、足音を響かせながら階段を全速力で駆け上がった。
震える手に握りしめた鍵を玄関の鍵穴へと差し込み、暖房をきかせたままのワンルームに身を滑らせた後も、ユウカの動悸と息切れはまだまだ止まりそうになかった。
”あいつ”、まさかここまで私を追ってきた?!
どうしてよ!
もう何年も経っているのに!
最悪! 本当に最悪だわ!
やっと”あいつ”から逃げられたっていうのに、また同じ日々が始まるの?!
やっぱり、出かけるんじゃなかった。
こうして”あいつ”に再会してしまうぐらいだったら、酔っ払いに絡まれたり、露出狂に遭遇したり、指名手配犯とすれ違っていたの方が、はるかにマシだったわよ!
ユウカの言う”あいつ”――けばけばしい色合いのダウンコートの指しゃぶり女は、ユウカとは小学校の同級生であった。
だが、決して友達ではない。
”元”友達と言える間柄でもない。
ユウカは”あいつ”を、友達だと思ったことすら一度もない。それどころか、今も昔も大嫌いだ。
けれども、ユウカはなぜか”あいつ”に気に入られてしまい、登下校も休み時間も下校後も付き纏われ続けた。
学校の中だけならまだしも、今でいう”距離梨(きょりなし)”であり、やたら人に執着する”あいつ”は、ユウカの自宅にまでどっぷりと入り浸っていた。
ユウカの部屋の物を自分の物であるかのように好き勝手に使いまくったり、ユウカの妹を自分の妹であるかのように馴れ馴れしいうえにぞんざいに扱ったり、というように。
どちらかと言えば温厚な気質のユウカとはいえ、何度も我慢の限界に到達していた。
怒ったユウカに”あいつ”はその時は涙ながらに謝るものの、また同じようにユウカにべったりとはりつき、何もかもを侵食してくる。
当然、このことは問題になった。
学校の先生も同席した親同士での話し合いも幾度も行われたが、”あいつ”の家は言葉は悪いがちょっと”おかしい家”であるのは保護者たちの間でも周知の事実で、父親のみならず、特にエキセントリックな母親には全く話が通じなかった。
ユウカには本当に仲良くしていた他の女の子たちだっていたものの、その女の子たちですら今度は自分が”あいつ”に憑りつかれてしまうのは嫌なため、ユウカと一定の距離を保って接してくるようになってしまったのを感じずにはいられなかった。
”あいつ”の憑りつきは、互いが地元の公立中学に進んだ後も続いたも、高校は別々であった。けれども、ユウカは憑りつかれ続けた。心休まる時など、数えるぐらいしかなかった。
ユウカが帰宅すると、自宅の前で”あいつ”が待っている。
ユウカが家の中に入れてくれるまで、高校生にもなっても駄々っ子のようにずっと喚き続ける。
太陽がどれほど肌を焦がさんとする暑い夏の日も、雪と風がどれほど肌を凍らせんとする寒い冬の日も……
県外で就職先を見つけることができたユウカは、高校卒業と同時に故郷を飛び出した。
家族もユウカの気持ちと長年、蓄積され続けた苦痛を分かってくれ、表向きは「ユウカは勘当した。だから、私たちも連絡先は知らない」ことにしてくれていた。
友達の誰にも連絡先を教えず、成人式にも参加せず、学生時代の数少ない楽しい思い出すら犠牲にするしかなったユウカは、 やっとの思いで”あいつ”から逃げきり、平穏な生活を手に入れることができたというのに……
で、でも、大丈夫よ、きっと……
”あいつ”が私の顔を見たのは、ほんの一瞬だったろうし、私が故郷を飛び出してから、もう何年もたっているし……
私だと気が付かなかった可能性だってある。
最悪の展開になんて、そう簡単になるわけないわよ。
日常によくある五分にも満たない外出のタイミングが悪かったばかりに、”あいつ”に狂わされた私の人生がまた狂い始めるなんてこと……たとえ悪魔だって、これほど残酷な運命の悪戯はしないはずよ。
こうして、無事に自宅まで戻ってくることができたんだし……
この時のユウカは、考えもしなかった。
無事に自宅まで戻ってくることができたこと。
この事実こそが、最悪の展開への新たなる幕開け――第二幕の幕開けであったのだと。
マンションがオートロックでなかったことも、その悲劇の一因であったのかもしれない。
突然の再会にパニックを起こしたユウカが、”あいつ”をまくために――つまりは絶対に今の自宅を知られないように、夜の町を全力疾走するといった対策にまで、考えが及ばなかったことも一因であったのかもしれない。
早くお布団の中に潜り込んで全部忘れちゃおう、とよろよろと立ち上がったユウカの背後でチャイムが鳴った。
そのチャイムに間髪いれず、”あいつ”の声がドアを隔てて響いてきた。
「ユウカ? やっぱり、ユウカだよねえ。私だよ、私。久しぶりだねえ。ユウカ、いきなり”私の前からいなくなっちゃった”から、ビックリしたし、私、すっごく寂しかったんだよぉ。ねえ、ユウカ、久しぶりに私といっぱい話そうよぉ。私たち、今も友達でしょお? ねえねえ、ユウカ、私、中に入りたいなぁ。こんなに寒いのに、ずっと外にいたら、私、凍え死んじゃうよぉ。ねえねえ、ユウカ、私を家に入れてよぉ」
―――完 (´;ω;`)―――
全体的に平和な日本とはいえ、若い女が外出するには物騒にも程がある時間だ。
財布を手に取ったユウカ自身も、ほんの少しばかりの不安と恐怖により、玄関へと向かう両足が躊躇いを見せていないわけではなかった。
でも、とユウカは自分自身に言い聞かせる。
コンビニは私のマンションのすぐ隣なんだから。それに私が知らないだけかもしれないけど、この辺りで性犯罪事件が起こったなんて聞いたことがないんだから。それにそれに、私は今、どうしてもあのコンビニのプライベートブランドの冷凍炒飯が無性に食べたいんだから。夕ご飯は食べたのにお腹が鳴り始めてるんだから。食べたくて食べたくてたまらないんだから。今、食べなきゃ気が済まないんだから、と。
玄関を出たユウカの肌は、冷気と静寂によってブワワッと鳥肌立った。
自分も含め、そこそこ入居者がいるらしいマンションとはいえ、話し声も生活音もユウカの耳には今は届けられやしない。
すぐ隣のコンビニまでは徒歩一分もかからず、お目当ての冷凍炒飯を購入して戻って来るまで含めてもせいぜい五分だろう。
けれども……五分後の私は、ここに無事に戻って来ることができるかしら、とユウカは思わずにはいられなかった。
自分は犯罪に巻き込まれるような心当たりはない。だが、心当たりなどなくても巻き込まれるのが犯罪というものだ。
酔っ払いに因縁を付けられ暴力沙汰になってしまう。あるいは猥褻目的で拉致されることも一応、若い部類に入る二十代の女としては危惧しておくべきだろう。
いや、指名手配犯が人目を避けて買い物をしている可能性だってある。
コンビニへと向かうはずのユウカの足は渋る。渋ってしまう。
これは、ユウカ自身の”第六感”であったのかもしれない。
この時、ユウカが自身の中で点滅している危険信号を無視することなく、回れ右をして玄関の鍵穴に鍵を差し込んでいれば良かったのだ。
そうすれば、彼女にとっての最悪は起こりえなかった。
故郷も友達も捨て、やっとの思いで逃げきり、平穏な生活を手に入れることができた彼女の悲劇は……
”最悪の展開になんて、そう簡単になるわけない。いくら深夜とはいえ、五分にも満たない外出で人生が狂うなんてはずはない”と自分に言い聞かせたユウカが足を踏み入れたコンビニ内にいる客は、まばらであった。
レジにいる店員も男性であり、まばらな客たちの大半も年齢は様々ではあるも男性だ。
だが、一人だけ女性客がいた。
背格好からしておそらくユウカとそう変わらぬ年頃であるだろう、なんともけばけばしい色合いのダウンコートを着たその女性は、”右手の親指をしゃぶりながら”スイーツコーナーの前に突っ立っていた。
ユウカは、女の横顔に見覚えがあった。
女がユウカの方へと顔を向けた。
ユウカと女の目が合った。
バッチリと合ってしまった。
瞬間、ユウカはビュンと”回れ右”し、自宅へ向かってダッと駆け出した。
あれほど食べたくてたまらなかった冷凍炒飯なんて、今や遠い時の彼方だ。
なんで!?
なんで、”あいつ”がここにいるの!?
逃げなきゃ!! 早く逃げなきゃ!!!
コンビニの自動ドアがユウカを察知して開くまでの、ほんのわずかな時間ですら、ユウカの焦りと恐怖を後押しするがごときものであった。
1階で止まったままであった、マンションのエレベーターの扉が開く時間すら同様であり、ユウカは深夜の迷惑な騒音も構わず、足音を響かせながら階段を全速力で駆け上がった。
震える手に握りしめた鍵を玄関の鍵穴へと差し込み、暖房をきかせたままのワンルームに身を滑らせた後も、ユウカの動悸と息切れはまだまだ止まりそうになかった。
”あいつ”、まさかここまで私を追ってきた?!
どうしてよ!
もう何年も経っているのに!
最悪! 本当に最悪だわ!
やっと”あいつ”から逃げられたっていうのに、また同じ日々が始まるの?!
やっぱり、出かけるんじゃなかった。
こうして”あいつ”に再会してしまうぐらいだったら、酔っ払いに絡まれたり、露出狂に遭遇したり、指名手配犯とすれ違っていたの方が、はるかにマシだったわよ!
ユウカの言う”あいつ”――けばけばしい色合いのダウンコートの指しゃぶり女は、ユウカとは小学校の同級生であった。
だが、決して友達ではない。
”元”友達と言える間柄でもない。
ユウカは”あいつ”を、友達だと思ったことすら一度もない。それどころか、今も昔も大嫌いだ。
けれども、ユウカはなぜか”あいつ”に気に入られてしまい、登下校も休み時間も下校後も付き纏われ続けた。
学校の中だけならまだしも、今でいう”距離梨(きょりなし)”であり、やたら人に執着する”あいつ”は、ユウカの自宅にまでどっぷりと入り浸っていた。
ユウカの部屋の物を自分の物であるかのように好き勝手に使いまくったり、ユウカの妹を自分の妹であるかのように馴れ馴れしいうえにぞんざいに扱ったり、というように。
どちらかと言えば温厚な気質のユウカとはいえ、何度も我慢の限界に到達していた。
怒ったユウカに”あいつ”はその時は涙ながらに謝るものの、また同じようにユウカにべったりとはりつき、何もかもを侵食してくる。
当然、このことは問題になった。
学校の先生も同席した親同士での話し合いも幾度も行われたが、”あいつ”の家は言葉は悪いがちょっと”おかしい家”であるのは保護者たちの間でも周知の事実で、父親のみならず、特にエキセントリックな母親には全く話が通じなかった。
ユウカには本当に仲良くしていた他の女の子たちだっていたものの、その女の子たちですら今度は自分が”あいつ”に憑りつかれてしまうのは嫌なため、ユウカと一定の距離を保って接してくるようになってしまったのを感じずにはいられなかった。
”あいつ”の憑りつきは、互いが地元の公立中学に進んだ後も続いたも、高校は別々であった。けれども、ユウカは憑りつかれ続けた。心休まる時など、数えるぐらいしかなかった。
ユウカが帰宅すると、自宅の前で”あいつ”が待っている。
ユウカが家の中に入れてくれるまで、高校生にもなっても駄々っ子のようにずっと喚き続ける。
太陽がどれほど肌を焦がさんとする暑い夏の日も、雪と風がどれほど肌を凍らせんとする寒い冬の日も……
県外で就職先を見つけることができたユウカは、高校卒業と同時に故郷を飛び出した。
家族もユウカの気持ちと長年、蓄積され続けた苦痛を分かってくれ、表向きは「ユウカは勘当した。だから、私たちも連絡先は知らない」ことにしてくれていた。
友達の誰にも連絡先を教えず、成人式にも参加せず、学生時代の数少ない楽しい思い出すら犠牲にするしかなったユウカは、 やっとの思いで”あいつ”から逃げきり、平穏な生活を手に入れることができたというのに……
で、でも、大丈夫よ、きっと……
”あいつ”が私の顔を見たのは、ほんの一瞬だったろうし、私が故郷を飛び出してから、もう何年もたっているし……
私だと気が付かなかった可能性だってある。
最悪の展開になんて、そう簡単になるわけないわよ。
日常によくある五分にも満たない外出のタイミングが悪かったばかりに、”あいつ”に狂わされた私の人生がまた狂い始めるなんてこと……たとえ悪魔だって、これほど残酷な運命の悪戯はしないはずよ。
こうして、無事に自宅まで戻ってくることができたんだし……
この時のユウカは、考えもしなかった。
無事に自宅まで戻ってくることができたこと。
この事実こそが、最悪の展開への新たなる幕開け――第二幕の幕開けであったのだと。
マンションがオートロックでなかったことも、その悲劇の一因であったのかもしれない。
突然の再会にパニックを起こしたユウカが、”あいつ”をまくために――つまりは絶対に今の自宅を知られないように、夜の町を全力疾走するといった対策にまで、考えが及ばなかったことも一因であったのかもしれない。
早くお布団の中に潜り込んで全部忘れちゃおう、とよろよろと立ち上がったユウカの背後でチャイムが鳴った。
そのチャイムに間髪いれず、”あいつ”の声がドアを隔てて響いてきた。
「ユウカ? やっぱり、ユウカだよねえ。私だよ、私。久しぶりだねえ。ユウカ、いきなり”私の前からいなくなっちゃった”から、ビックリしたし、私、すっごく寂しかったんだよぉ。ねえ、ユウカ、久しぶりに私といっぱい話そうよぉ。私たち、今も友達でしょお? ねえねえ、ユウカ、私、中に入りたいなぁ。こんなに寒いのに、ずっと外にいたら、私、凍え死んじゃうよぉ。ねえねえ、ユウカ、私を家に入れてよぉ」
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