チエコ先生とキクちゃんの水平思考クイズ【45】私の親友がセクハラ同僚を撃退してくれました【なずみのホラー便 第134弾】

なずみ智子

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私の親友がセクハラ同僚を撃退してくれました

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【問題】

 会社員の千咲さん(二十六歳)は、男性同僚からの執拗なアプローチに悩んでいました。
 男性同僚は”こっちがガンガン押しまくれば千咲さんの気持ちも変わるだろう”と思い込んでおり、千咲さん自身の気持ちや迷惑など全くお構いなしです。
 きっぱりと断ったにもかかわらず何度も告白してきますし、毎日の待ち伏せやLI〇E攻撃も止むことがありませんでした。
 もはやこれはセクハラです。
 しかし、物的証拠を揃えて告発したところで、被害者である千咲さんの方が勤務しづらい状況になることも考えられますし、同僚が自主退職あるいは解雇となれば逆恨みされるかもしれないという危惧もありました。
 困り果てた千咲さんは、かれこれ二十年近い付き合いの親友に相談することに決めました。
 親友に相談すること、それは千咲さんにとっての”最後の砦”でもありました。
 彼女には昔から夜にしか会えないのですが、今夜も親身になって千咲さんのお話を聞いてくれました。
 そして、「分かったわ。私が何とかしてあげる」と約束してくれたのです。
 その二日後より、セクハラ同僚の千咲さんへの執拗なアプローチはピタッと止まりました。
 さらに言うなら、セクハラ同僚は日に日にゲッソリとやつれていき、目の下にクマを作ったまま出勤してくるようにもなったのです。
 喫煙所のベンチで横になったまま千咲さんの親友の名前を寝言で呼んでいたなんて奇行も、千咲さんの耳へと入ってきました。
 その噂を聞いて、少しだけ怖くなった千咲さんでしたが、親友がセクハラ同僚を撃退してくれたことには変わりありません。
 さて、千咲さんの親友はいったい何者だったのでしょうか?


【質問と解答】

チエコ先生 : きっぱりと断ったにもかかわらず、執拗にアプローチしてくる人って男女問わずに一定数いるものよね。それがほぼ毎日顔を合わせる同僚だと余計に困るのも分かるわ。恋愛は押しまくれば何とかなるものでもないし、押したとしても引いたとしても、相手の心に自分を”恋人として受け入れてくれる扉”が存在していなければ、ブチ破れることのない壁に体当たりしていることと同じなのにね。

キクちゃん : そう考えると、この世の中の相思相愛の人々ってお互いの心に”恋人として受け入れてくれる扉”が存在していたってことですよね? これは奇跡的なことだと思います。羨ましいです。……と、少し話が逸れてしまいましたが、今回の問題文を読んだ限り、後半部ではセクハラ同僚の心は千咲さんから彼女の親友へと完全に移っていますよね。……これはやはり千咲さんの親友がセクハラ同僚にアプローチをかけたのでしょうか?

チエコ先生 : YES。アプローチというか、率直に言うと誘惑だったけど。

キクちゃん : ゆ、誘惑ですか……なんだかオトナな世界の話になりそうですね。永遠の15歳の私が答えていいものでしょうか? 執拗に千咲さんにアプローチしていたにもかかわらず、たった二日でそれを止めさせた挙句、自分の虜にまでしてしまうとは…………そんなことができた千咲さんの親友は超美人なのでしょうか?

チエコ先生 : その問いには、YESと答えるべきでしょうね。容姿の好みやストライクゾーンは人それぞれだから、本来はYESやNOのどちらでもないとは思うのだけど、千咲さんの親友はセクハラ同僚の前に”ドンピシャな容姿”で現れたのよ。”これぞまさに夢の中でしか出会えない女”というほどのね。

キクちゃん : もともと超美人なだけでなく、相手の好みに合わせてファッションやメイクも変えることができるなんて、なんか男女の機微に敏感な上級者って感じですね。これは明らかに普通の女性じゃなくプロっぽい感じがします。千咲さんの親友は、酸いも甘いも嚙み分けた夜のお仕事をしている女性ですか?

チエコ先生 : キクちゃんの言う「夜のお仕事」が高級クラブやラウンジ、キャバクラやスナックなどといった所で働くお仕事を意味しているなら、NOね。

キクちゃん ; そういった職種でないけど、また別の「夜のお仕事」をしてるってことですか……いったい何の仕事だろう? うーん……。

チエコ先生 : ねえ、原点に戻って考えてみて。仮にキクちゃんが千咲さんと同じ立場に立たされて、とても困っているし、毎日不快で迷惑な思いをさせられているとしたら、まずは誰に相談する?

キクちゃん : そりゃあ、やっぱり最初は母か友人ですよ。父はなんだか言いづらいことだし、仮に女性の同僚に相談したとしても相手によっては、話が面白おかしく会社中に広まっていったり、セクハラ同僚本人の耳に入ったりしてしまう危険だってありますから。

チエコ先生 : 千咲さんもそう思ったから、友人に……それも”親友”に相談したのよね。でも、おかしいと思わない? 一言で「友人」と言ってもその距離感や親密さは様々だし、中には”知人に近い友人”もいるかもしれないけど、千咲さんは彼女のことを”親友”だと思っているし、「かれこれ二十年近い付き合い」であるとの記述も問題文中にはあるのよ。

キクちゃん : ! ……そうですね。真っ先に親友に相談していたとしてもおかしくないのに「親友に相談すること、それは千咲さんにとっての”最後の砦”でもありました。」とありますね。千咲さんはギリギリまで我慢していたし、もう万策尽きてしまったがゆえに、最終的に親友に相談することを決めたとしか……。

チエコ先生 : そうよ、その調子よ。

キクちゃん : 千咲さんは自分が親友に相談したことで、親友がセクハラ同僚を誘惑することも、当のセクハラ同僚がどんな状態になってしまうかも最初から分かっていたのでしょうか?

チエコ先生 : YES。千咲さんは分かっていたし、少し怖くもあったのよ。セクハラ同僚が社会的制裁ではなく、自分の親友によって別の制裁を受けさせられるであろうことを思うとね。まあ、親友にとってはそれこそがライフワークであり、セクハラ同僚本人にとっては”これぞまさに夢の中でしか出会えない女”とのこのうえない快楽でもあるのだけど。

キクちゃん : ……今、私の喉元まで、十八禁要素を含む”とある超自然的存在”の名前が出かかっています。千咲さんが親友とは「昔から夜にしか会えない」ことや、問題文中の「セクハラ同僚は日に日にゲッソリとやつれていき、目の下にクマを作ったまま出勤してくるようにもなった」や「喫煙所のベンチで横になったまま千咲さんの親友の名前を寝言で呼んでいた」という精気を吸い取られていっているとしか思えない描写も私の考えを裏付けるものかと思います。ずばり……千咲さんの親友はサキュバス(女夢魔あるいは女淫魔)ですか?

チエコ先生 : YES。正解よ。

キクちゃん : …………親友がサキュバスだとか、それも二十年近い付き合いだとか、その出会いも含めていろいろと突っ込みたいことはありますけど、確かにタイトル通り「私の親友がセクハラ同僚を撃退してくれました」ことには変わりありませんね。


(完)
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