正夢が見れるなら高次元世界でも無双できる?

エポレジ

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第2章 劣等生

20話 1年Cクラス

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 中央地区の学食。
 チューベローズで最も広く、様々なバラエティの食べ物がある。
 超大型ショッピングモールのフードコートよりも大きいくらい。

 食事代は先輩が払ってくれ、窓際の2人席に座った。

「自己紹介がまだだったね。私は2年Bクラス【稲光いなみつ あい】、誘いに応じてくれてありがとう!」

「俺は九重糸です。自分で言うのは悲しいのですが、Cランクでドクロまでついている俺で良かったんでしょうか……」

「大丈夫! 私たちのサークルは人が足りなくて、今年一人も入らなかったら廃部になっちゃうの。だから誰でも良かったわけ!」

「帰ろうかな」

「冗談! さっき糸くんに合った時ビビっときたんだよね! ほら、私運命とかそういうの信じてるんだ」

「ちょっと無理やりすぎませんか……」

「糸くんはさ、運命とかオカルトは信じないタイプの人?」

 オカルト……あまりそういうのは考えたことなかったな。
 でも、高次元世界に来る前と後で少し考え方が変わったかもしれない。

「今は……少し信じているかもしれません」

「おお! それは良かった!」

 愛さんはとっても嬉しそうにしている。

「あの、まだ聞いていませんでしたが、このサークルはどんなサークルなのですか?」

「異世界探索サークルだよ。私達はね、異世界を探しているんだ」

「異世界!?」

 色んなサークルを予想していたが全く外れた。
 異世界だって!? そんなのあるの。

「そんなのあるわけ、って顔してるね。あるかもしれないし、ないかもしれない。でも私はあると思ってる。いつかその世界へ行ってみることが夢なんだ」

 愛さんは笑顔だったが、決して冗談を言っているようには聞こえなかった。

「それで、どんな活動をしているんですか?」

「えっ、聞いてくれるの! もしかして興味持ってくれた!? 嬉しい!」

 愛さんはむしゃむしゃと定食の唐揚げを食べている。

「あの……活動は……」

「むしゃむしゃ。活動はね、色々だよ! 部室で考えるだけの時もあれば、思いつきで外へ探索しに行ったりもするし」

 そして愛さんは唐揚げを飲み込む。

「糸くんも来れるときに顔出してくれればそれでいいからね。私達は火曜日と木曜日の放課後にこの課外活動施設408号室にいるから、ぜひ来てね!」

 渡されたのは雑な手書きパンフレット。
 異世界探索サークル……か。


 ◇◇◇


 お昼が過ぎて、12時50分。
 Cクラスの教室である、中央地区の1号館の端っこにある『ちゃぶだいの森』という教室に到着した。
 確かにちゃぶだいの森というだけあり、机は全てちゃぶだいで、床は畳だった。

 そして教室には俺と同じ、黒いベースに赤いラインの制服をしたクラスメイトたちが20人くらいいる。

「小学校以来の学校だ……。友達できるかな……」

 緊張をほぐすように大きく深呼吸した。
 なんとか小学校中退ということは気づかれないようにしたい。
 普通に、自然に、堂々としていれば大丈夫なはず。

「こんにちは……。お隣座ってもよろしいでしょうか……?」

 勇気を振り絞って座っている人に話しかけてみた。

「ええ、もちろ……ああん!? ドクロが気安く話しかけてんじゃねェ!!」

「ひいいいい!!」

 ざわ……ざわ……

「ドクロ? あ、ほんとだ! あの人ドクロのバッジついてるww」

「アホスギィ!」

「近寄らんとこ」

 ええ……。

 俺の周りから人が離れていく。

 全てはこのバッジのせいだ。
 なんでこの学校は成績下位を晒し上げるようなバッジをつけさせるんだ!

 俺は必死に胸のバッジを剥がそうとするが、しっかりとくっついていて取れない。
 こんなドクロのせいで俺はボッチ確定なのか……。

「あ~! キミもドクロぉ?」

 少し不気味なウサギの人形を片手に、ちっちゃくて前髪の長い男の子が話しかけてくる。

「うん、そうだよ。あっ、君にもドクロがついてる!」

「うん! ボクは【幸坂こうさか のろい】。よろしくねぇ!」

「九重糸だよ。よろしく」

 そうか、ドクロは成績下位3名。
 ドクロ同士なら仲良くなれるんだ!

「糸くんかぁ。お近づきの印にこれあげるよお」

 洋服のボタンを渡された。

「これは……?」

「それ、前までボクが大事にしてたぬいぐるみの目玉なんだぁ。可愛いでしょ」

「あ……ありがとう……」

 なぜそんな不気味なものをくれる……。

 俺は幸坂くんの隣に座った。
 しかし、俺と幸坂くんの周りには誰も座りたがらず、空席は全て俺達の周りにあった。

 ガラガラッ

「よーし始めるぞー……ってオイ! 初日から2人足りないじゃないか!」

 入ってきたのはゴリゴリの教師だった。

「まあいい。前期1年Cクラスの担任になった鬼島おにじまだ。よろしく」

(怖い……!! まさに鬼のような顔……っ!!)

 ズズズ

 幸坂くんが立ち上がり、教卓へ歩いていく。

「先生、お近づきの印にこれあげるよぉ」

「ん? なんだ、これはボタンか?」

「それ、前までボクが大事にしてたぬいぐるみのチ〇コなんだぁ」」

「バカにしとんのかァァァァ!!! お前、あとで居残りィィィ!!!」

「あああああああ!!!」

 チーン

「くすくす、やっぱりドクロがやることはイかれてるわねww」

「アホスギィ!」

 ちょっと幸坂くん!! 何やってんのォ!!

「……っと、まあこんな感じに厳しく指導していくつもりなので、気合いれていくように」

 ガラガラ

「ごめんでやんすー! 迷って遅刻したでやんすー!!」

 フランスパンのように長いリーゼントをした眼鏡の少年が教室に入ってきた。
 その少年の制服にも、ドクロがついていた。

「初日から遅刻かこのボケナスゥゥゥ!!! お前、名前は!」

「【尻口しりぐち 治虫おさむ】でやんす」

「尻口も居残りィィィ!!!」

「ぎゃあああああああでやんす!!!」

 チーン

「くすくす、やっぱりドクロがやることはイかれてるわねww」

「アホスギィ!」

 お前も何やってんだァ!!
 これ以上ドクロの株を下げるんじゃねェェェ!!!

 ズズズ

 尻口くんは俺達の近くに座った。

「よろしくでやんすー!」

 ガラガラ

「はあ…はあ…。すみません、遅れました」

「初日から遅刻か。名前は」

「千陽苺です」

「千陽……!! そうか、お前が噂の千陽朝日の妹か! きっと何か事情があったんだろう。遅刻は多めに見よう」

「あれが生徒会長の朝日先輩の妹さん!?」

「赤髪で可愛い~!!」

「おっぱいでかスギィ!」

「ちょっと!! おいらと待遇が違いすぎるでやんす!!」

 苺は空いていた俺の隣に座った。

「まったく、先輩の勧誘からなかなか抜け出せずに遅刻しちゃったわ。初日から遅刻するなって最悪」

「やっぱり苺ってすごいんだな……」

「別に。アタシの力じゃないわよ」

 こうして俺達の学園生活が始まった。
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