63 / 67
第3章 王座争奪戦
63話 主役になれ
しおりを挟む
『さあ、続いて中堅戦です。この中堅戦では、能力者はいませんが、オッズはどうなっているのでしょうか!』
【決勝・中堅戦、個人オッズ(単勝)】
大濠 瞳 (チーム4(赤)/3年/ランキング圏外) :43.5
祇園 昭二(チーム4(赤)/4年/ランキング圏外) :19.6
五条 透 (チーム27(白)/4年/ランキング圏外) :15.5
三橋 澪 (チーム27(白)/3年/ランキング圏外) :78.6
西陣 正雄(チーム48(青)/5年/ランキング圏外) :22.1
姪浜 仁 (チーム48(青)/1年/ランキング圏外) :111.2
室見 言葉(チーム61(黄)/2年/ランキング圏外) :23.9
唐津 順也(チーム61(黄)/6年/ランキング圏外) :75.3
『やはり、オッズはかなり割れている! 1番人気は1回戦で2位、2回戦で1位と好成績が続いているチーム27の五条透だ! それでは、中堅戦スタートです!!!』
ビーーーーーーー!!!!!
『フィールドは深海! 息はできるが、水の中。つまり、空中戦が可能だ! さらに、このフィールドには大きなギミックが設けられていて、ヒントがどこかに転がっているとのことです!』
『選手たちはそのことを知らんから、注意深く探りながら探索できるかがポイントじゃのう』
「くそっ、なんだこのステージは……! 水の中だから中々進めないし、視界も悪い上に空中もある。30分間全員誰とも会えずに脱落ってこともあるぞ!」
五条先輩は泳いで相手を探している。
「ん? 上の方に何かいるぞ……あ、あいつは……!?」
「相手に会えない…! 早くバッジを壊さないと、タイムアップになっちゃう…!」
三橋さんも必死に相手を探すが、相手は見つからない。
『白チーム、五条選手、脱落です』
「えっ……!? 五条先輩がこんな早くに…!? 相手、そんなに強い人がいるのかな…?」
『赤チーム、大濠選手、脱落です』
『黄チーム、室見選手、脱落です』
「ちがう、水の中にしてはいくらなんでも脱落者が出るのが早すぎる。そういえば、一ノ瀬先輩が言ってた……ごくたまに特殊なギミックがあるフィールドがあるって。……これ、フィールドになにかギミックが仕掛けられてるってことだよね」
三橋さんは泳ぐのを辞め、海底に足をついた。
「考えよう……きっとどこかにヒントがあるんだ。……そういえば、海底の割にサンゴとかワカメとか生えて無くて、なんか砂とか岩とかばっかりだ」
三橋さんは足元を注意深く観察する。
「……あれ? これは……石板……?」
三橋さんは文字が書かれた石板を見つけた。
「『海の王ポセイドンは、杖を持つ』……どういうことだろう……?」
よく見ると、石板はそこら中に落ちてあった。
同じ内容のものもあったが、見つけた限りでは6種類の文があった。
「『大海蛇シーサーペントは、人々を襲う』『大海蛇シーサーペントは、ポセイドンに飼われていた』『海の生物は、杖で王を認識した』『海の王ポセイドンは、杖を中央の祠に隠した』『大海蛇シーサーペントは、高いところを好む』……」
三橋さんは、頭の中で文章を整理する。
人を襲うシーサーペントが、高いところを好む……。
「もしかして、このフィールドの上空には、シーサーペントっていう化け物がいるってこと……?」
三橋さんは遥か遠くで太陽の光が差し込んでいる上空を見上げた。
「ギミックとして解釈すると、中央の祠にあるポセイドンの杖を持っていくと、シーサーペントを操れるってことだよね…」
『唯一石板の存在に気が付いた三橋選手! ポセイドンの杖が隠されている中央の祠に向かって泳ぎ始めました! 一方で、その他の選手は足元には目をくれず、空中を泳いでいます。ああっと、黄チームの唐津選手、シーサーペントに見つかってしまった! あっけなくバッジを潰されて脱落です!!』
三橋さんは中央の祠に向かって泳ぐ。
「はあ……はあ……。あった、祠!」
中央には、小さな祠があった。
そして、その中には、石板通り杖が置かれていた。
三橋さんはその杖を取り、上空へと泳ぎ始めた。
するとニョロニョロと巨大な影が見えてきた。
「あ……いた……! 大海蛇、シーサーペント……!」
シャアァァァァァ!!!!
『三橋選手、シーサーペントに遭遇しました! シーサーペントは三橋選手の杖に反応し、おとなしくなっています!!』
『見事にギミックをクリアしたのぅ』
「力を貸して……シーサーペント!!」
シャアァァァァァ!!!!
シーサーペントは三橋さんを背中に乗せ、凄い速さで泳ぎ始めた。
そして、相手を次々と見つけ、撃破していった。
パリンッ!! パリンッ!!
『決着うううううう!!!!超特殊フィールドのギミックを見事解除し、白チームの三橋選手が中堅戦を制しました!!』
ワァァァァァァァァァッ!!!!!!
パチパチパチパチ!!!!
「うおおおおおおお!! 三橋いいいいいい!!!!」
「澪ちゃああああああああん!!!!」
「三橋さああああああん!!!!」
俺達の控室はお祭り騒ぎになっていた。
深海に髪をなびかせ、シーサーペントにまたがった彼女は信じられないというような表情の後、何かが吹っ切れたような表情へと変わった。
「私……やったんだ……。私にも……やれたんだ……! ……よしっ!!」
三橋さんは小さくガッツポーズをした。
その映像を会場から観ていたファミレスの店長は、目に涙を浮かべて拍手を送っていた。
「澪ちゃん、しっかりと見届けたぜ……! よくこの大舞台で主役になったな。おめでとう……!!」
控室に中堅戦の二人が帰って来た。
「お前たち、最高だ!!!!」
「お疲れ様です、五条先輩、三橋さん!」
「すまなかった。三橋がこんなに頑張ってくれたのに、俺は最初に脱落しちまった」
「いいえ。あの強い五条先輩が早くに脱落したからこそ、何かあるって考えられましたので!!」
「お前たちの信頼関係と三橋の謙虚な姿勢が勝ちを手繰り寄せたんだな」
さあ、いよいよ運命の大将戦が始まる。
【決勝・中堅戦、個人オッズ(単勝)】
大濠 瞳 (チーム4(赤)/3年/ランキング圏外) :43.5
祇園 昭二(チーム4(赤)/4年/ランキング圏外) :19.6
五条 透 (チーム27(白)/4年/ランキング圏外) :15.5
三橋 澪 (チーム27(白)/3年/ランキング圏外) :78.6
西陣 正雄(チーム48(青)/5年/ランキング圏外) :22.1
姪浜 仁 (チーム48(青)/1年/ランキング圏外) :111.2
室見 言葉(チーム61(黄)/2年/ランキング圏外) :23.9
唐津 順也(チーム61(黄)/6年/ランキング圏外) :75.3
『やはり、オッズはかなり割れている! 1番人気は1回戦で2位、2回戦で1位と好成績が続いているチーム27の五条透だ! それでは、中堅戦スタートです!!!』
ビーーーーーーー!!!!!
『フィールドは深海! 息はできるが、水の中。つまり、空中戦が可能だ! さらに、このフィールドには大きなギミックが設けられていて、ヒントがどこかに転がっているとのことです!』
『選手たちはそのことを知らんから、注意深く探りながら探索できるかがポイントじゃのう』
「くそっ、なんだこのステージは……! 水の中だから中々進めないし、視界も悪い上に空中もある。30分間全員誰とも会えずに脱落ってこともあるぞ!」
五条先輩は泳いで相手を探している。
「ん? 上の方に何かいるぞ……あ、あいつは……!?」
「相手に会えない…! 早くバッジを壊さないと、タイムアップになっちゃう…!」
三橋さんも必死に相手を探すが、相手は見つからない。
『白チーム、五条選手、脱落です』
「えっ……!? 五条先輩がこんな早くに…!? 相手、そんなに強い人がいるのかな…?」
『赤チーム、大濠選手、脱落です』
『黄チーム、室見選手、脱落です』
「ちがう、水の中にしてはいくらなんでも脱落者が出るのが早すぎる。そういえば、一ノ瀬先輩が言ってた……ごくたまに特殊なギミックがあるフィールドがあるって。……これ、フィールドになにかギミックが仕掛けられてるってことだよね」
三橋さんは泳ぐのを辞め、海底に足をついた。
「考えよう……きっとどこかにヒントがあるんだ。……そういえば、海底の割にサンゴとかワカメとか生えて無くて、なんか砂とか岩とかばっかりだ」
三橋さんは足元を注意深く観察する。
「……あれ? これは……石板……?」
三橋さんは文字が書かれた石板を見つけた。
「『海の王ポセイドンは、杖を持つ』……どういうことだろう……?」
よく見ると、石板はそこら中に落ちてあった。
同じ内容のものもあったが、見つけた限りでは6種類の文があった。
「『大海蛇シーサーペントは、人々を襲う』『大海蛇シーサーペントは、ポセイドンに飼われていた』『海の生物は、杖で王を認識した』『海の王ポセイドンは、杖を中央の祠に隠した』『大海蛇シーサーペントは、高いところを好む』……」
三橋さんは、頭の中で文章を整理する。
人を襲うシーサーペントが、高いところを好む……。
「もしかして、このフィールドの上空には、シーサーペントっていう化け物がいるってこと……?」
三橋さんは遥か遠くで太陽の光が差し込んでいる上空を見上げた。
「ギミックとして解釈すると、中央の祠にあるポセイドンの杖を持っていくと、シーサーペントを操れるってことだよね…」
『唯一石板の存在に気が付いた三橋選手! ポセイドンの杖が隠されている中央の祠に向かって泳ぎ始めました! 一方で、その他の選手は足元には目をくれず、空中を泳いでいます。ああっと、黄チームの唐津選手、シーサーペントに見つかってしまった! あっけなくバッジを潰されて脱落です!!』
三橋さんは中央の祠に向かって泳ぐ。
「はあ……はあ……。あった、祠!」
中央には、小さな祠があった。
そして、その中には、石板通り杖が置かれていた。
三橋さんはその杖を取り、上空へと泳ぎ始めた。
するとニョロニョロと巨大な影が見えてきた。
「あ……いた……! 大海蛇、シーサーペント……!」
シャアァァァァァ!!!!
『三橋選手、シーサーペントに遭遇しました! シーサーペントは三橋選手の杖に反応し、おとなしくなっています!!』
『見事にギミックをクリアしたのぅ』
「力を貸して……シーサーペント!!」
シャアァァァァァ!!!!
シーサーペントは三橋さんを背中に乗せ、凄い速さで泳ぎ始めた。
そして、相手を次々と見つけ、撃破していった。
パリンッ!! パリンッ!!
『決着うううううう!!!!超特殊フィールドのギミックを見事解除し、白チームの三橋選手が中堅戦を制しました!!』
ワァァァァァァァァァッ!!!!!!
パチパチパチパチ!!!!
「うおおおおおおお!! 三橋いいいいいい!!!!」
「澪ちゃああああああああん!!!!」
「三橋さああああああん!!!!」
俺達の控室はお祭り騒ぎになっていた。
深海に髪をなびかせ、シーサーペントにまたがった彼女は信じられないというような表情の後、何かが吹っ切れたような表情へと変わった。
「私……やったんだ……。私にも……やれたんだ……! ……よしっ!!」
三橋さんは小さくガッツポーズをした。
その映像を会場から観ていたファミレスの店長は、目に涙を浮かべて拍手を送っていた。
「澪ちゃん、しっかりと見届けたぜ……! よくこの大舞台で主役になったな。おめでとう……!!」
控室に中堅戦の二人が帰って来た。
「お前たち、最高だ!!!!」
「お疲れ様です、五条先輩、三橋さん!」
「すまなかった。三橋がこんなに頑張ってくれたのに、俺は最初に脱落しちまった」
「いいえ。あの強い五条先輩が早くに脱落したからこそ、何かあるって考えられましたので!!」
「お前たちの信頼関係と三橋の謙虚な姿勢が勝ちを手繰り寄せたんだな」
さあ、いよいよ運命の大将戦が始まる。
0
あなたにおすすめの小説
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~
月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」
猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。
彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。
チート能力? 攻撃魔法?
いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。
「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」
ゴブリン相手に正座で茶を勧め、
戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、
牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。
そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……?
「野暮な振る舞いは許しません」
これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる