正夢が見れるなら高次元世界でも無双できる?

エポレジ

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第3章 王座争奪戦

63話 主役になれ

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『さあ、続いて中堅戦です。この中堅戦では、能力者はいませんが、オッズはどうなっているのでしょうか!』

【決勝・中堅戦、個人オッズ(単勝)】
 大濠 瞳 (チーム4(赤)/3年/ランキング圏外) :43.5
 祇園 昭二(チーム4(赤)/4年/ランキング圏外) :19.6
 五条 透 (チーム27(白)/4年/ランキング圏外) :15.5
 三橋 澪 (チーム27(白)/3年/ランキング圏外) :78.6
 西陣 正雄(チーム48(青)/5年/ランキング圏外) :22.1
 姪浜 仁 (チーム48(青)/1年/ランキング圏外) :111.2
 室見 言葉(チーム61(黄)/2年/ランキング圏外) :23.9
 唐津 順也(チーム61(黄)/6年/ランキング圏外) :75.3

『やはり、オッズはかなり割れている! 1番人気は1回戦で2位、2回戦で1位と好成績が続いているチーム27の五条透だ! それでは、中堅戦スタートです!!!』

 ビーーーーーーー!!!!!

『フィールドは深海! 息はできるが、水の中。つまり、空中戦が可能だ! さらに、このフィールドには大きなギミックが設けられていて、ヒントがどこかに転がっているとのことです!』

『選手たちはそのことを知らんから、注意深く探りながら探索できるかがポイントじゃのう』

「くそっ、なんだこのステージは……! 水の中だから中々進めないし、視界も悪い上に空中もある。30分間全員誰とも会えずに脱落ってこともあるぞ!」

 五条先輩は泳いで相手を探している。

「ん? 上の方に何かいるぞ……あ、あいつは……!?」



「相手に会えない…! 早くバッジを壊さないと、タイムアップになっちゃう…!」

 三橋さんも必死に相手を探すが、相手は見つからない。

『白チーム、五条選手、脱落です』

「えっ……!? 五条先輩がこんな早くに…!? 相手、そんなに強い人がいるのかな…?」

『赤チーム、大濠選手、脱落です』

『黄チーム、室見選手、脱落です』

「ちがう、水の中にしてはいくらなんでも脱落者が出るのが早すぎる。そういえば、一ノ瀬先輩が言ってた……ごくたまに特殊なギミックがあるフィールドがあるって。……これ、フィールドになにかギミックが仕掛けられてるってことだよね」

 三橋さんは泳ぐのを辞め、海底に足をついた。

「考えよう……きっとどこかにヒントがあるんだ。……そういえば、海底の割にサンゴとかワカメとか生えて無くて、なんか砂とか岩とかばっかりだ」

 三橋さんは足元を注意深く観察する。

「……あれ? これは……石板……?」

 三橋さんは文字が書かれた石板を見つけた。

「『海の王ポセイドンは、杖を持つ』……どういうことだろう……?」

 よく見ると、石板はそこら中に落ちてあった。
 同じ内容のものもあったが、見つけた限りでは6種類の文があった。

「『大海蛇おおうみへびシーサーペントは、人々を襲う』『大海蛇シーサーペントは、ポセイドンに飼われていた』『海の生物は、杖で王を認識した』『海の王ポセイドンは、杖を中央のほこらに隠した』『大海蛇シーサーペントは、高いところを好む』……」

 三橋さんは、頭の中で文章を整理する。
 人を襲うシーサーペントが、高いところを好む……。

「もしかして、このフィールドの上空には、シーサーペントっていう化け物がいるってこと……?」

 三橋さんは遥か遠くで太陽の光が差し込んでいる上空を見上げた。

「ギミックとして解釈すると、中央の祠にあるポセイドンの杖を持っていくと、シーサーペントを操れるってことだよね…」

『唯一石板の存在に気が付いた三橋選手! ポセイドンの杖が隠されている中央の祠に向かって泳ぎ始めました! 一方で、その他の選手は足元には目をくれず、空中を泳いでいます。ああっと、黄チームの唐津選手、シーサーペントに見つかってしまった! あっけなくバッジを潰されて脱落です!!』

 三橋さんは中央の祠に向かって泳ぐ。

「はあ……はあ……。あった、祠!」

 中央には、小さな祠があった。
 そして、その中には、石板通り杖が置かれていた。
 三橋さんはその杖を取り、上空へと泳ぎ始めた。
 するとニョロニョロと巨大な影が見えてきた。

「あ……いた……! 大海蛇、シーサーペント……!」

 シャアァァァァァ!!!!

『三橋選手、シーサーペントに遭遇しました! シーサーペントは三橋選手の杖に反応し、おとなしくなっています!!』

『見事にギミックをクリアしたのぅ』

「力を貸して……シーサーペント!!」

 シャアァァァァァ!!!!

 シーサーペントは三橋さんを背中に乗せ、凄い速さで泳ぎ始めた。
 そして、相手を次々と見つけ、撃破していった。

 パリンッ!! パリンッ!!

『決着うううううう!!!!超特殊フィールドのギミックを見事解除し、白チームの三橋選手が中堅戦を制しました!!』

 ワァァァァァァァァァッ!!!!!!
 パチパチパチパチ!!!!

「うおおおおおおお!! 三橋いいいいいい!!!!」

「澪ちゃああああああああん!!!!」

「三橋さああああああん!!!!」

 俺達の控室はお祭り騒ぎになっていた。

 深海に髪をなびかせ、シーサーペントにまたがった彼女は信じられないというような表情の後、何かが吹っ切れたような表情へと変わった。

「私……やったんだ……。私にも……やれたんだ……! ……よしっ!!」


 三橋さんは小さくガッツポーズをした。
 その映像を会場から観ていたファミレスの店長は、目に涙を浮かべて拍手を送っていた。

「澪ちゃん、しっかりと見届けたぜ……! よくこの大舞台で主役になったな。おめでとう……!!」

 控室に中堅戦の二人が帰って来た。

「お前たち、最高だ!!!!」

「お疲れ様です、五条先輩、三橋さん!」

「すまなかった。三橋がこんなに頑張ってくれたのに、俺は最初に脱落しちまった」

「いいえ。あの強い五条先輩が早くに脱落したからこそ、何かあるって考えられましたので!!」

「お前たちの信頼関係と三橋の謙虚な姿勢が勝ちを手繰り寄せたんだな」

 さあ、いよいよ運命の大将戦が始まる。
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