暑い日の昼下がり、ベッドで熱くなる二人

トルマ・フラーナ

文字の大きさ
10 / 11

10

しおりを挟む
 外から聞こえてきたのは水上バイクの音だった。

「あ。アマリアかな?」
 ルシアはするりと彼の腕からすり抜けると、タッタッタと窓際に駆け寄っていく。

 外を眺める。
 身を乗り出しているのでバスタオルのすそがずり上がり、プルンとしたお尻が丸出しになった。洗いたての秘処はまだしっとりとしていて、つやめいている。

「アマーーーーリアッ」
 彼女が階上から声をかけると、
 
「んー? ルシアルシィ?」
 アマリアも応答している。たぶん水上バイクを留めて仮設の桟橋にいるところだろう。

 このあたりの土地は、地面から2~3メートルほどの高さまで水がきている。いわゆる水没した旧市街ではあるけれど、そのままビルの上階に住んでいるものもいる。
 ただし船やボートがないと生活がままならない。あと湿度が高いのも我慢する必要がある。今年はとくにひどい。

「それーっ、なぁーに?」
 ルシアが何か見つけたようだ。
「どれ?」
 アマリアは「それ」が何かわからないらしい。
 
「保冷ボックス! 今日はデカいね」
「ああ、これ? ふっふっふ。ナマ! 肉!」
「うっそ!? 培養じゃないヤツ?」
「そう! しかも代用でもないヤツ!」

 どうやらアマリアはどこかで屠殺されて出回ってきた自然肉(家畜肉)を手に入れたらしい。牛か豚か鶏か羊か、たぶんそのあたりだろう。培養や代替でないのは比較的めずらしい。

 つられて彼も窓から顔を出すと、
「おー、いたんだ。やっほー」
 アマリアが下から手を振ってきた。
 
「やっほー(棒)」
 彼も一応手を振り返す。
 
「んでね、みんなにおすそわけするほどあるの!」
「やったーっ! にくー!」
 アマリアのおすそわけ宣言に、ルシアは歓喜のガッツポーズをした。

 しかし、ここでアマリアが「悪い子の顔」になったのを彼は見逃さなかった。そして実際に、アマリアの次の発言で状況は一変した。
 
「というわけで、おすそわけ代5000イェン、いただきマス!」
「………………は?」
 ルシアは意味がわからない、という顔だ。
 
「手数料、5000イェン、いただきます!」
「えー、ちょっと待ってー?」
 ルシアが明らかにとまどっていた。彼もそう思う。話が違う……!
 
「ふふん、世の中タダじゃないんだぜー」
 とナマ肉を確保し、現在独占しているアマリアは強気だ。

「なろーっ、せめて500にしろー」
 ルシアは交渉に入った。たくましい。
 
「ふふふ……。それはまあ冗談、冗だ——ん? まって?」
 あろうことか、アマリアがさらに何かたくらんでいるようだ。そして……。
「じゃあ、タダにしてあげる」

「タダ? やった! アマリア大好き! 抱いて!」
「けどねー、条件が一つ!」

「いいよ。何?」
「あんたのカレシ、貸して?」

「……………………は?」
 ルシアのカレシであるところの彼が、今度は盛大に巻き込まれた……。

「お願い! 一晩だけでいいから!」
「ナニ言ってんのかな? このバカァマリアは!」

「お願い! 元カレの味が忘れられないの~!」
 元カノの未練を聞きながら、「元カノがすまん……」と彼はちょっと小さくなった。
 
「だーめー!」
 今カノの返事は、ごく当然のことなのだが……。
 
「お願い! ちょっとだけでいいから! 先っちょだけ! 先っちょ!」
「だ~め~っ」

 ダメだ、さすがにここで口を挟まねば、と彼は思った。
 
「おいアマリア元カノ、いい加減にしろ! 言いたい放題言いやがって」
 と彼が怖い顔をすると、
「えへへ……」
 アマリアは急に下手したてな顔になった。

 彼は思う。調子にのりやがって。なんかしゃくさわるな。むしゃくしゃするな……。そうだ、落ち着けるものを触って気を落ち着かせよう。柔らかいモノがいい……。

「もう~。アマリアったら——あん……っ」
 彼は手のひらをルシアの尻にぴったりくっつけ、そこから指をググッとしならせ、伸ばした指の腹で洗いたての湿った秘処をたっぷりと愛擦していった。
 すると効果バツグンで、すぐに気が落ち着いていく。
 逆にルシアは気が動転して、あえかな艶声を漏らしてしまった……。

「うん? ルシア急にどうしたの——ハッ!? ははーん? なるほどなるほど……」
 階上の窓から並んで顔を出している二人をじぃっと眺めていたアマリアが一人で納得している。そして、
 
「おっと日向に放置は厳禁厳禁。じゃね♪」
 と言いながら、さっさと建物の中に入って——姿が見えなくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

夫婦交錯

山田森湖
恋愛
同じマンションの隣の部屋の同い年の夫婦。思いの交錯、運命かそれとも・・・・。 少しアダルトなラブコメ

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...