3 / 59
シーズン1
第三話
しおりを挟む
凡子は、断ると後々が面倒だと思い、了承した。単なる相席だ。以前、人気のラーメン店で見知らぬ相手と相席をしたことがあるが、それぞれ注文した物を向かいあって食べただけだった。
お店としても、二人用の席を一人で使うより良いはずだ。
店内は結構広い。敷居の高さを感じさせないスタイリッシュな内装だ。窓からは東京駅が見えている。
窓側の席に通された。店員がテーブルの上の『御予約席』と書かれたプレートを手に取った。グラスとカトラリー類、ナフキンは一人分しか用意されていない。
「すぐにお持ちします」と言い残して、店員が立ち去った。
「浅香さんは外が見える方が良いね?」
凡子は、どちらでも良かったので、頷いた。泉堂が窓に背を向けて座った。
「わたしはあらかじめ決めてきたので、メニューをどうぞ」と、泉堂に渡した。
ランチのメニューは三種類が用意されている。価格は、三千円、四千円、六千円だ。値段に応じて皿数や使われている素材に違いがある。
優香から、三皿で構成された三千円コースだけ休憩時間内に食べ終われると聞いていた。今回凡子は、庶民のちょっとした贅沢をSNSで紹介するつもりなので、価格もちょうど良かった。
「浅香さん、どれに決めてるの?」
泉堂から話しかけられた。
「三皿コースです」
「僕が払うんだし、和牛コースにすれば?」
凡子は、泉堂からおごると言われていたことを忘れていた。
「お伝えし忘れましたが、自分の分は自分で払います」
泉堂が首を傾げながら「どうして?」と言った。たとえ好みのタイプでなくても、ちょっとした仕草にドキリとさせられてしまう。『イケメンは危険な存在』と、心のメモに書き留めた。
凡子は、気をひきしめて「払っていただく理由がありません」と返した。
「へえ、浅香さんって面白いね」
凡子は泉堂があまりに馴れ馴れしいので戸惑っていた。早く注文しないと、いくら三皿コースでも休憩時間内に食べ終われなくなる。泉堂の休憩時間がどうなっているのかは知らない。
「休憩時間が限られているので、もう注文します。ただの相席ですから、ゆっくりお選びください。わたしにはお構いなく」
「なるほど、皿が多いと時間がかかるのか。それなら僕も同じのにしよう」
泉堂がメニューを閉じた。ちょうど店員が水と、追加のカトラリー類を運んできた。
泉堂は「二人とも三皿コースで。四十分後にはここを出る予定なので、ご配慮ください」と、店員に伝えた。
泉堂の言うように四十分後に出れば、無理なく休憩時間内に戻れる。凡子には予め伝えるという発想がなかった。そして、伝え方も傲慢ではなく好感が持てた。泉堂は仕事ができそうだと、凡子は思った。泉堂自体の役職はよくわからないが、異例の若さで部長職についた蓮水監査部長のサポートをしているだけあって優秀なのだろう。
注文も済み、凡子は大事な作業をはじめることにした。単なる相席とはいえ、泉堂にはひと言、断りをいれておく。
「SNSに投稿するための写真を何枚か撮りますので、あしからず」
「『彼氏とデートなう。』ってやつだね」
凡子は「違います」と、即、訂正した。
「え? 顔を写さなかったら、ほんとに使ってもらっていいよ」
凡子は、『彼氏とデートなう。』の使い方を訂正したつもりだったが通じなかった。泉堂はSNSに疎いのか、タグの意味を誤解している。そもそも『彼氏とデートなう。』では足りず、後ろに『に使って良いよ。』とついている。何年も前に、有名人がデートスポットで撮った自分の写真を「彼氏とデートなう。に使って良いよ。」とひと言添えて投稿したのをきっかけにしばらく流行ったが、最近はあまり見かけない。自分の写真を、ネタで使っていいよと、投稿するものだ。
凡子は説明するのが面倒で、「『彼氏なし』設定のアカウントなので」と断った。
「設定なんだ」
泉堂から指摘され「実際もです」と、素直に返した。
「へえ、可愛いのに」
凡子は内心「軽いな、この人」と思いながら、聞き流した。
「喜ぶわけでも『セクハラです』と怒るわけでもないんだ」
早く終わらせたいのに、泉堂がいつまでも話しかけてくる。相手をするのを少し面倒に感じた。
「泉堂さんは、いわば、取引相手のようなものですから、ある程度は我慢します」
「そろそろ、我慢の限界ってことね」
察しは良いのに、なぜ凡子を放っておいてくれないのだろうか。凡子は相席を許したことを後悔していた。泉堂がいなければ、窓から見える東京駅をバックに、美しく並べられたカトラリーを写せる。この場所なら、グラスに入った水でさえ映える。
凡子は「待てよ」と思った。
泉堂が撮って良いと言っているのだ。『東京駅をバックにフレンチを食べるおしゃれなスーツ姿の男性』の画像が手に入る。泉堂の顔は、五十嵐室長のイメージではないが、細身の体型や、高級そうなスーツなど、顔面無しなら『有り』だった。
「泉堂さん」
凡子が呼びかけると、泉堂が嬉しそうに「何?」と言った。
「食事代は自分で払いますが、一つ、お願いしたいことがあります」
「何だろう。言ってみて」
凡子は「SNSで『匂わせ』をしてみたいので、二人で食事をしている雰囲気の写真を撮らせてください」と伝えた。
泉堂は不服そうな表情になった。
「せっかくのチャンスなのに、そんなことでいいの? もっと、一日だけ何でも言うことを聞いてほしいとかさ、他にもいろいろあるでしょう」
凡子は思わず引いてしまった。泉堂の相手を一日させられるなど、とんでもない。
「写真で十分です」
「わかった。どんなポーズをすれば良い?」
「ポーズをとっていただけるのですか!」
凡子は五十嵐室長がしそうな仕草を脳内検索した。
「では早速、テーブルの端に手を載せながら、それとなく腕時計を確認していただけますか」
泉堂は「いいよ」とすぐに応えてくれた。
「綺麗な手ですね」
凡子は、社章が映り込まないように気をつけながら、数枚写真を撮った。満足し顔を上げると泉堂が表情まで作ってくれていた。
「顔は撮らないので、ポーズだけで結構ですよ」
「あっ、そう」
凡子は少し考えて「次は、水の入ったグラスを少しだけ持ち上げていただけますか?」と言った。
泉堂は、性格と顔は凡子の好みではなかったが、『手タレ』としては最高な部類だった。
「指、長くて良いですね」
泉堂が自分の顎の辺りを触りながら「気に入ったなら、試してみる?」と、言った。
「何をですか?」
「奥まで届きそうだと思ったんじゃないの?」
凡子は泉堂の言葉の意味がすぐにはわからなかった。少し考えて、『五十嵐室長はテクニシャン』の中の台詞を思い出した。
凡子は咄嗟にどう切り返して良いのかわからずに、ただ、固まってしまった。
「ごめん。からかいすぎた」
泉堂が、急に真面目な顔で謝ってきた。
凡子は、一瞬、ときめいた。『普段は軽薄な態度をとる男の真剣な顔』、これこそ、ギャップ萌えというものだ。
「いえ、大丈夫です」
「お詫びに、この後も、お望みのポーズをとらせてもらうよ」
凡子が、泉堂にリクエストするポーズを思い浮かべたところで、前菜が運ばれてきた。
お店としても、二人用の席を一人で使うより良いはずだ。
店内は結構広い。敷居の高さを感じさせないスタイリッシュな内装だ。窓からは東京駅が見えている。
窓側の席に通された。店員がテーブルの上の『御予約席』と書かれたプレートを手に取った。グラスとカトラリー類、ナフキンは一人分しか用意されていない。
「すぐにお持ちします」と言い残して、店員が立ち去った。
「浅香さんは外が見える方が良いね?」
凡子は、どちらでも良かったので、頷いた。泉堂が窓に背を向けて座った。
「わたしはあらかじめ決めてきたので、メニューをどうぞ」と、泉堂に渡した。
ランチのメニューは三種類が用意されている。価格は、三千円、四千円、六千円だ。値段に応じて皿数や使われている素材に違いがある。
優香から、三皿で構成された三千円コースだけ休憩時間内に食べ終われると聞いていた。今回凡子は、庶民のちょっとした贅沢をSNSで紹介するつもりなので、価格もちょうど良かった。
「浅香さん、どれに決めてるの?」
泉堂から話しかけられた。
「三皿コースです」
「僕が払うんだし、和牛コースにすれば?」
凡子は、泉堂からおごると言われていたことを忘れていた。
「お伝えし忘れましたが、自分の分は自分で払います」
泉堂が首を傾げながら「どうして?」と言った。たとえ好みのタイプでなくても、ちょっとした仕草にドキリとさせられてしまう。『イケメンは危険な存在』と、心のメモに書き留めた。
凡子は、気をひきしめて「払っていただく理由がありません」と返した。
「へえ、浅香さんって面白いね」
凡子は泉堂があまりに馴れ馴れしいので戸惑っていた。早く注文しないと、いくら三皿コースでも休憩時間内に食べ終われなくなる。泉堂の休憩時間がどうなっているのかは知らない。
「休憩時間が限られているので、もう注文します。ただの相席ですから、ゆっくりお選びください。わたしにはお構いなく」
「なるほど、皿が多いと時間がかかるのか。それなら僕も同じのにしよう」
泉堂がメニューを閉じた。ちょうど店員が水と、追加のカトラリー類を運んできた。
泉堂は「二人とも三皿コースで。四十分後にはここを出る予定なので、ご配慮ください」と、店員に伝えた。
泉堂の言うように四十分後に出れば、無理なく休憩時間内に戻れる。凡子には予め伝えるという発想がなかった。そして、伝え方も傲慢ではなく好感が持てた。泉堂は仕事ができそうだと、凡子は思った。泉堂自体の役職はよくわからないが、異例の若さで部長職についた蓮水監査部長のサポートをしているだけあって優秀なのだろう。
注文も済み、凡子は大事な作業をはじめることにした。単なる相席とはいえ、泉堂にはひと言、断りをいれておく。
「SNSに投稿するための写真を何枚か撮りますので、あしからず」
「『彼氏とデートなう。』ってやつだね」
凡子は「違います」と、即、訂正した。
「え? 顔を写さなかったら、ほんとに使ってもらっていいよ」
凡子は、『彼氏とデートなう。』の使い方を訂正したつもりだったが通じなかった。泉堂はSNSに疎いのか、タグの意味を誤解している。そもそも『彼氏とデートなう。』では足りず、後ろに『に使って良いよ。』とついている。何年も前に、有名人がデートスポットで撮った自分の写真を「彼氏とデートなう。に使って良いよ。」とひと言添えて投稿したのをきっかけにしばらく流行ったが、最近はあまり見かけない。自分の写真を、ネタで使っていいよと、投稿するものだ。
凡子は説明するのが面倒で、「『彼氏なし』設定のアカウントなので」と断った。
「設定なんだ」
泉堂から指摘され「実際もです」と、素直に返した。
「へえ、可愛いのに」
凡子は内心「軽いな、この人」と思いながら、聞き流した。
「喜ぶわけでも『セクハラです』と怒るわけでもないんだ」
早く終わらせたいのに、泉堂がいつまでも話しかけてくる。相手をするのを少し面倒に感じた。
「泉堂さんは、いわば、取引相手のようなものですから、ある程度は我慢します」
「そろそろ、我慢の限界ってことね」
察しは良いのに、なぜ凡子を放っておいてくれないのだろうか。凡子は相席を許したことを後悔していた。泉堂がいなければ、窓から見える東京駅をバックに、美しく並べられたカトラリーを写せる。この場所なら、グラスに入った水でさえ映える。
凡子は「待てよ」と思った。
泉堂が撮って良いと言っているのだ。『東京駅をバックにフレンチを食べるおしゃれなスーツ姿の男性』の画像が手に入る。泉堂の顔は、五十嵐室長のイメージではないが、細身の体型や、高級そうなスーツなど、顔面無しなら『有り』だった。
「泉堂さん」
凡子が呼びかけると、泉堂が嬉しそうに「何?」と言った。
「食事代は自分で払いますが、一つ、お願いしたいことがあります」
「何だろう。言ってみて」
凡子は「SNSで『匂わせ』をしてみたいので、二人で食事をしている雰囲気の写真を撮らせてください」と伝えた。
泉堂は不服そうな表情になった。
「せっかくのチャンスなのに、そんなことでいいの? もっと、一日だけ何でも言うことを聞いてほしいとかさ、他にもいろいろあるでしょう」
凡子は思わず引いてしまった。泉堂の相手を一日させられるなど、とんでもない。
「写真で十分です」
「わかった。どんなポーズをすれば良い?」
「ポーズをとっていただけるのですか!」
凡子は五十嵐室長がしそうな仕草を脳内検索した。
「では早速、テーブルの端に手を載せながら、それとなく腕時計を確認していただけますか」
泉堂は「いいよ」とすぐに応えてくれた。
「綺麗な手ですね」
凡子は、社章が映り込まないように気をつけながら、数枚写真を撮った。満足し顔を上げると泉堂が表情まで作ってくれていた。
「顔は撮らないので、ポーズだけで結構ですよ」
「あっ、そう」
凡子は少し考えて「次は、水の入ったグラスを少しだけ持ち上げていただけますか?」と言った。
泉堂は、性格と顔は凡子の好みではなかったが、『手タレ』としては最高な部類だった。
「指、長くて良いですね」
泉堂が自分の顎の辺りを触りながら「気に入ったなら、試してみる?」と、言った。
「何をですか?」
「奥まで届きそうだと思ったんじゃないの?」
凡子は泉堂の言葉の意味がすぐにはわからなかった。少し考えて、『五十嵐室長はテクニシャン』の中の台詞を思い出した。
凡子は咄嗟にどう切り返して良いのかわからずに、ただ、固まってしまった。
「ごめん。からかいすぎた」
泉堂が、急に真面目な顔で謝ってきた。
凡子は、一瞬、ときめいた。『普段は軽薄な態度をとる男の真剣な顔』、これこそ、ギャップ萌えというものだ。
「いえ、大丈夫です」
「お詫びに、この後も、お望みのポーズをとらせてもらうよ」
凡子が、泉堂にリクエストするポーズを思い浮かべたところで、前菜が運ばれてきた。
2
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
侯爵様の懺悔
宇野 肇
恋愛
女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。
そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。
侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。
その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。
おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。
――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる