おばあちゃんと孫

Lily

文字の大きさ
上 下
1 / 1

おばあちゃんと私

しおりを挟む
私のおばあちゃんは不器用だ。

なにか食べ物を持っていくと絶対に全部美味しいと言ってくれる。なのに何故か一時間後に、これ美味しかった?と聞くと私の口にはちょっと合わないかもしれないなどと言ってくる。 
なぜだろう。初めから好きじゃないと言えばいいのに。それにそのつど食べて美味しくなかったら言っていいんだよと伝てえている。それでもうちのおばあちゃんは必ず最初は美味しいといってくれる。
ずっと不思議だった。でも最近その理由がなんでか分かるようになってきた。

おばあちゃんはよくご飯を作ってくれる。

私が好き嫌いが多いのを知っていつもハンバーグに野菜を練り込んだり、料理の中に嫌いな食べ物を刻んで入れたり。私の好き嫌いが少しでも無くなるようにといつも工夫して作ってくれる。そのおかげで少しづつ嫌いな食べ物がすくなくってきている。でも未だに少し練りこんだだけでも味を感じて食べれない時がある。その時私は、素直にこれはちょっと食べれないと伝えていた。

そう言うといつも祖母は、

「あら、じゃあ今度は違う食べ物でチャレンジしなくちゃね」

と言ってくれる。食べれないと伝えると無理に食べさせないで、怒るどころかまた次の作戦を練り出す。だからか私もそんなおばあちゃんに甘えていた。

ある日私は急に料理がしたいと思い立ち、キッチンの前にたった。

あまり料理をしてこなかったのでやり方も材料も全部ネット大先生の力を借りた。
ほぼ初めての私は簡単そうな豚汁とハンバーグ、サラダを作ってみた。ちょくちょく苦戦しながらも料理が完成した。

料理が完成しておばあちゃんとお兄ちゃんが食べてくれた。今まで感じたことは無かったけど料理を作って食べてもらうというのはすごく緊張する。美味しくなかったらどうしよう。そんな思いだった。

「おばあちゃんどう?美味しい?」

「美味しいよ」

おばあちゃんはいつものように美味しいと伝えてくれた。少し緊張が解けてほっとした。全部食べてくれた事がすごく嬉しいかった。
その後にお兄ちゃんにも聞いた。

「お兄ちゃんどう?美味しい?」

「普通」

普通?普通って何?不味いって言われてないけどなんかちょっと嫌だ。でももし不味いと言われてたらきっとショックだったんだろうな。

そうだったんだ。おばあちゃんがいつも美味しいと伝えてくれるのは、自分が料理を出す立場がどんな気持ちなのか知ってるからなんだ。

これからは苦手でもちゃんと食べよう。たまに残しちゃうかもしれないけど、でもなるべくちゃんと食べよう。

おばあちゃんは不器用だ。相手を傷つけないように、相手の気持ちを考えて行動している。

やっぱりうちのおばあちゃんは凄い。
 
ーーー    ーーーー    ーーー   ーーーー   ーー   ーーーー  ーー   ーーー   ーーーー   ーー

読んで下さりありがとうございます!
もし良かったら皆さんのほのぼのエピソード、コメントで教えてください。読んで下さる方々のお話気になります!もしかして来ていないかな?とワクワクしながら気長に待っています!
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...